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NVIDIA、バッテリで約2時間のゲームがプレイできる「GeForce 800M」
~GeForce Experienceが大幅機能強化、ShadowPlayもノートで
(2014/3/13 01:00)
米NVIDIAは12日(現地時間)、バッテリでゲームプレイを現実的なものにする新GPU「GeForce 800M」シリーズを発表した。
世界的にPCゲーミング市場が伸びており、ノートPCの薄型化のトレンドに応える形で投入される製品。性能向上を図りつつ、ソフトウェアの改善によりバッテリ駆動でのゲームプレイを現実的なものとするのがコンセプト。
GeForce ExperienceのモバイルGPU向け機能を大幅強化
これまでノートPCでゲームをプレイすること自体、なんら不自然なものではなかったが、ゲーマーの大半はACアダプタをつけたままゲームをプレイすることが多い。その理由は、ゲーマーの多くは1時間以上プレイしたいという要望があったのに対し、ゲーミングノートPCの大半はバッテリ駆動でゲームをプレイすると、駆動時間が50分未満だったからだという。
今回NVIDIAは、CPUとGPUにデータベース上と照合し、ゲームの自動最適化を行なうツール「GeForce Experience」(以下GFE)をノートPC向けに強化を行ない、ゲーム時のバッテリ駆動時間を伸ばす技術「Battery Boost」を搭載した。
1つ目はデスクトップGPU向けにも導入されている「Frame Rate Targeting」を、GFE上で設定可能にしたこと。フレームレートの上限を制限することで余計なフレームのレンダリングを減らし、GPUのクロックと電圧低下により消費電力を低減、ひいてはバッテリ駆動時間の延長に繋がる。設定は25fps~50fpsまで5fps段階で調節可能。NVIDIAの測定によると、30fps設定時ではバッテリ駆動時間が約30%伸びるという。
2つ目はGFEのゲーム最適化プロファイルを、ACアダプタ駆動時とバッテリ駆動時に別々に持たせるようにした点。これによりバッテリ駆動時は、描画負荷を下げる設定に自動的に切り替え、GPU負荷を低減することでバッテリ駆動時間を伸ばす。Frame Rate Targetingと組み合わせることで2倍近いバッテリ駆動時間を実現するという。
ただし、当然のことながらゲーム実行中にオンザフライで設定を変えることはできないため、ゲームを一旦終了させる必要がある。また現時点ではFrame Rate Targetingをゲームプロファイルと紐付けることは不可能のようである。
このほか、これまでデスクトップのGTX 600/700シリーズだけ利用できたバックグラウンド録画機能「ShadowPlay」、NVIDIA純正Androidゲーム機「SHIELD」へストリーミングしてプレイできる機能「GameStream」を、モバイルGPUにも開放する。なお、ShadowPlayとGameStreamは新モデルのみならず、KeplerベースのGTX 700MシリーズとGTX 680M/675M/670Mでも利用できる。Battery Boostは800Mのみ対応する。
ハイエンドからローエンドまでラインナップ、一部はMaxwell
ラインナップは最上位の「GTX 880M」をはじめ、「GTX 870M」、「GTX 860M」、「GTX 850M」、「840M」、「830M」、「820M」の7モデルを用意。このうちBattery Boost、GameStream、ShadowPlayに対応するのはGTXシリーズのみ。
アーキテクチャは、GTX 880MとGTX 870MがKepler、GTX 850M/840M/830MがMaxwell、820MはFermi。GTX 860MはKeplerとMaxwellのいずれかとなる。また820MはFermiながら28nmプロセスにシュリンクしたモデルのため、全ラインナップ28nmプロセスとなっている。
従来通り、Optimus、GPU Boost 2.0、PhysX、CUDAへの対応が謳われている。上位3モデルはSLIもサポート。このほかの仕様は下表の通り。
GTX 880M | GTX 870M | GTX 860M | GTX 860M | GTX 850M | ||
---|---|---|---|---|---|---|
アーキテクチャ | Kepler | Kepler | Kepler | Maxwell | Maxwell | |
コア数 | 1,536 | 1,344 | 1,152 | 640 | 640 | |
コアクロック | 954MHz~ | 941MHz~ | 797MHz~ | 1,029MHz~ | 876MHz~ | |
メモリクロック | 5GHz | |||||
メモリ容量 | 最大4GB | 最大3GB | 最大2GB | |||
メモリ種類 | GDDR5 | |||||
バス幅 | 256bit | 192bit | 128bit |
840M | 830M | 820M | |
---|---|---|---|
アーキテクチャ | Maxwell | Maxwell | Fermi |
コア数 | 未公開 | ||
コアクロック | 未公開 | ||
メモリクロック | 未公開 | ||
メモリ容量 | 2GB | ||
メモリ種類 | DDR3 | ||
バス幅 | 64bit |
搭載ノートPCも各メーカーから発表されており、「Alienware 17」、「ASUS G750JZ」、「GIGABYTE P34R」、「GIGABYTE P35R」、「Lenovo Y50」、「MSI GT 70」、「MSI GT 60」、「MSI GS 70」、「MSI GS 60」、「Razer Blade」、「Razer Blade Pro」など12機種がGeForce GTX 880M/870M/860Mを搭載している。