編集部・ライターの今年“これ買った”!

スマホアプリで表示可能、家電とも連携できるCO2チェッカー2製品を今年は試した

このコラムは、編集部員やライターがこの1年を振り返り、実際に買って「良かった!」と思う製品を簡単に紹介するコーナーです。
左が「Qingping Air Monitor Lite」、右が「SwitchBot CO2センサー」

 CO2(二酸化炭素)濃度が飽和すると頭がボーッとなり、眠気が襲ってくる。デスクワーカーにとって大敵だが、このCO2濃度を手軽にチェックできるCO2チェッカーは、コロナ禍における換気促進ツールとしても大いに普及した。筆者も複数台を使い比べて今に至っているが、最近はスマホから値が見られるだけでなく、ほかの家電製品と連携可能な、スマートホーム対応製品も目立つようになってきた。

 これを使えば、CO2濃度がしきい値を超えたタイミングで換気扇を自動的にオンにできるなど便利なことこの上なく、購入して使い比べてみた。1つは「Qingping Air Monitor Lite」で、独自アプリは日本語非対応ゆえややハードルは高いが、AppleのHomeKitに対応することから、iPhoneの「ホーム」アプリを経由し、家電製品をコントロールできる。もちろん本体画面でCO2濃度を確認することもできる。

 もう1つは「SwitchBot CO2センサー」で、こちらはスマホ上でCO2濃度を表示でき、かつ基準値を超えるとプッシュ通知で教えてくれる。表向きはAlexaやGoogle Homeと連携可能とされているが、CO2濃度は非対応なため実質使えず、連携できるのは同社アプリで制御可能な同社のスマート製品に限定される。同社のスマートプラグは高い故障率ゆえ筆者宅では「出禁」なのでこちらもNGで、従って用途は実質プッシュ通知のみとなる。

「Qingping Air Monitor Lite」は上部を左右スワイプするとCO2以外に温度や湿度、PM2.5、PM10などの値を切り替えて表示できる
「SwitchBot CO2センサー」は温度や湿度、さらに月日や時刻も表示できる。こちらは1つの画面にすべてまとめて表示する仕組み

 では前者の製品がベターかというとそうでもなく、iPhoneの「ホーム」アプリではセンサーとして認識されるせいで、ホーム画面ではCO2濃度を表示できないのが1つ。また家電との連携はできてもプッシュ通知は非対応だったりと、いまいち小回りがきかない。結果的にどちらの製品も、本体上で表示可能なCO2濃度および温度湿度をチェックする用途でしか使っていないのが現状だ。

 それならば旧来のスマート非対応製品と変わらないじゃん、となるのだが、従来のそれらはUSBケーブルを抜いただけで過去データがなくなったり、CO2濃度の基準値を変えられないなどカスタマイズ性が低かったので、今回の2製品は格が違う。ベストではないがベターで、買ってよかったか否かを問われると「まあギリギリ」というのが本音だ。来年(2025年)はアプリ表示、通知、家電連携の全条件を満たす製品の登場を期待したいところだ。

QingpingはiPhoneの「ホーム」アプリではセンサーとして認識されるので、iPhoneの画面上でCO2濃度を見たい場合には専用アプリが必要(左)「ホーム」アプリでは家電製品と連携するようオートメーションを設定できる(中央)ここではCO2濃度が上がると扇風機が動作するよう設定している。意外なことにプッシュ通知を送る機能はない(右)
SwitchBotではアプリ上でCO2濃度の表示とグラフによる推移が表示できる。温度湿度でも同じことができる(左)CO2濃度をトリガーにオートメーションを設定できる。動作させられるのは実質同社製品のみ(中央)一定のppmを超えるとプッシュ通知を送る設定が行なえる。これがもっとも無難な使い方だろう(右)