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過去を遡れるAI機能「Recall」がついに実装。Windows 11プレビュー版で

Recall

 Microsoftは22日、Windows 11 Insider Previewの「ビルド26120.2415」をDevチャネル向けに提供開始した。Snapdragon搭載Copilot+ PCでは、新たなAI機能であるRecallおよびClick to Doのプレビュー版が利用可能になる。AMDおよびIntel CPU搭載機についてもまもなくサポート予定だとしている。

 Recallは、ユーザーがPC上で見たものや行なった操作/作業などを後から遡って確認できるようにするAI機能。Copilot+ PCの目玉機能の1つとして5月に発表されたが、プライバシー保護などの観点で提供が延期されていた。

 初回起動時には、スナップショットの保存にオプトインするか確認するダイアログが表示される。また、Recallを使うにはWindows Helloによる本人確認、BitLockerによる暗号化、セキュアブートの有効化が必要となる。

初回起動時にスナップショットの保存にオプトインするか確認される
Recall実行中はシステムトレイにアイコンが表示される
スナップショットは任意に削除も行なえる

 利用を開始すると、Recallのアプリ上から過去のアクティビティを検索できるようになる。キーワード検索のほか、タイムラインを使って特定の時間に戻ることも可能。システムトレイにはRecallが実行中であることを示すアイコンが表示され、スナップショットの保存を一時停止したり削除したりできる。また特定のアプリやWebサイトを対象外にする設定も行なえる。

 プライバシー保護についてはこれに加えて、Recallアプリの起動時にWindows Hello認証を必須としているほか、スナップショットはPC本体内に保管され、Microsoftやサードパーティへの送信、AI学習への活用はされないとしている。さらに、クレジットカード情報などの機密情報を検出し、スナップショットを保存しなくする機能も実装したという。

 現時点での対応言語は中国語(簡体字)、英語、フランス語、ドイツ語、日本語、スペイン語。

Click to Do。現状はRecall内のみで使える

 Click to Doは現状Recall内でのみ使えるAI機能で、保存したスナップショットに対してさまざまなアクションを可能にする。たとえばテキストの場合、コピー、(アプリで)開く、Webで検索といった操作を実行可能。画像の場合、コピー、名前を付けて保存、Bingでビジュアル検索、フォトアプリで背景をぼかす/オブジェクトを消去、ペイントで背景を削除といった操作を行なえる。

 なお、Click to Doは今後Recall以外でも利用可能となる予定で、Windowsキー+クリックで呼び出して使えるほか、Snipping Tool、Print Screenなどとあわせて実行できるようになるという。

 そのほか本ビルドでは、ナレーター機能関連の改善や、マルチモニター環境でデスクトップの背景が正しく表示されない問題、エクスプローラーの検索ボックスの表示に関する問題の修正なども実施されている。