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Windows 11 24H2でCopilot+ PCが本気を出した!NPUで利用可能になるAI機能とは

RecallのOOBE画面

 Microsoftは10月1日(米国時間)、Windows 11の大型アップデート「Windows 11 version 24H2」を配信開始した。この記事では、今回の更新によりCopilot+ PCで利用できるようになる新しいAI機能についてお伝えする。

 Copilot+ PCでは、40TOPS以上のNPUの処理能力が求められているが、これはより多くのAI処理をローカルで実行するため。Windows 11 24H2ではこの処理能力を生かす機能が新たに実装される。Copilot+ PC準拠PCは現在、Acer、ASUS、Dell、HP、Lenovo、Samsung、およびMicrosoft自身が発売しており、価格は699ドルからとなっている。

Recall(リコール、プレビュー版)

 Recallは、ユーザーがPC上で何を見たか、何をしたかを後から遡って確認できるようにするWindowsの機能。定期的にPC画面のスナップショットを撮影し、検索可能なビジュアルタイムラインの作成を実現する。

 5月に発表され、もともとはSnapdragon X搭載ノートとともにリリースされる予定だったRecallだが、ようやくWindows Insiderを介したプレビューとして実装される。

 Snapdragon Xを搭載したCopilot+ PCでは10月より、IntelまたはAMDプロセッサを搭載したCopilot+ PCでは11月より利用可能になる。ただし、より詳細な日付については後日通知する。

 Recallは予告通り、標準ではオフになっているほか、当初よりもセキュアな状態で展開される。プライバシー強化に関する機能の実装は、9月29日に発表された。

Recallのタイムライン
Recallの設定画面

Click to Do(プレビュー)

 Click to Doは、「Windows」キーを押しながら画面上の写真、ドキュメント、ビデオなど、任意のコンテンツをクリックすることで起動する機能。AIが自動的にコンテンツを分析し、素早く実行するための機能が提供される。

Windowsキー+クリックで利用可能になるClick to Do

 たとえば、画像ではBingによる画像検索、フォトによる背景ぼかし/オブジェクトの除去、ペイントでの背景削除などが行なえる。

 また、テキスト関連では、テキストの書き直し、要約、解説、テキストエディタで開く、認識されたメールアドレスへの送信、Web検索、認識されたURLのWebサイトへのジャンプなどが行なえる。

 なお、この機能はSnipping ToolまたはPrint Screen機能でも開始できる。今後数カ月でさらに多くの機能が追加される予定。

Windowsにおける検索全般の強化

Windowsの検索は、自然な言語で検索可能になった

 Copilot+ PCではより自然な言語による検索が可能になり、ファイル名を覚えたりする必要がなくなる。

 たとえば「BBQパーティー」と検索するだけで、バーベキューをしている写真やメールなどを検索できる。同様に設定アプリの検索でも、「ヘッドフォンを追加する」といった、表示されているテキストではない自然言語で設定項目を検索できるようになる見込みだ。

 この機能はまずWindowsのファイルエクスプローラーの検索機能から展開され、先述の設定アプリでの検索などは今後数カ月以内に実装される。

フォトアプリにおける超解像

フォトアプリの超解像機能

 フォトアプリでは、低解像度の古い写真を超解像により、ピクセルを目立たせることなく自然に拡大できる。スライダーを介して、解像度を最大8倍にまで高めて出力可能。

 この機能はNPUのパワーを駆使しているといい、数秒で4Kにまでアップスケーリングできる。

 なお、この機能はMicrosoftアプリストアの更新によって提供される。

ペイントによる生成塗りつぶしと生成消去

ペイントでの生成塗りつぶし/消去

 ペイントでは、従来のテキストプロンプトからの画像生成に加え、新たに新たに生成塗りつぶし(generative fill)と生成消去(generative erase)が利用可能になる。調整可能なブラシを介して、任意の要素を消去し、別の要素に置き換えることが可能。

 また、結果をより速く、よくするために、基本となるディフュージョンのベースモデルが改善された。組み込みのモデレーション機能により、安全な画像生成が行なえるという。この機能はMicrosoftアプリストアの更新によって提供される。