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AMD、Zen 4c/最大64コアでパッケージを小型化したサーバーCPU「EPYC 8004」
2023年9月18日 22:00
米AMDは18日(現地時間)、コアにZen4cアーキテクチャを採用し、最大コア数を64基にするなどでパッケージを小型化し、電力効率向上を目指したサーバー向けCPU「EPYC 8004」シリーズを発表した。
同社は「EPYC 9004」シリーズを展開してきており、汎用向けでZen 4コアを最大96基備えた「Genoa」、高密度サーバー向けのZen 4cを最大128コア採用した「Bergamo」、そしてZen 4に3D V-Cache技術を採用した「Genoa-X」の3種類を「SP5」ソケットでラインナップしてきた。
EPYC 8004はスペックを限定することで、それらとは異なる一回り小さいソケット「SP6」を採用する。
具体的には、コア数が8~64コア、アーキテクチャはZen 4cのみ、TDPは70~225Wに、メモリチャネル数はDDR5 6チャネル、PCI Expressレーンは96レーン、CXLは48レーンに限定。また、マルチソケットは非対応になり、DIMM対応からは3DS RDIMMのサポートを省いている。PCI Express周りを除けばざっくり9004の半分のスペックだ。密度や電力効率を重視するインテリジェントエッジサーバーなどに好適とする。
ちなみにZen 4cはZen 4と同じTSMC 5nmで製造されているが、密度と電力効率に重視した設計を採用。同じ命令セットやL1/L2キャッシュを維持しながら、コア+L2キャッシュの面積が3.84平方mmから2.48平方mmへと縮小している。
同社によれば、64コアのGenoaことEPYC 9554Pと、64コアのSienaことEPYC 8534Pを比較すると、絶対性能やキャッシュ容量は劣るものの、電力効率が向上し、1ドルあたりのワットパフォーマンスが向上し、TCOの削減につながるとしている。
EPYC 8004シリーズの追加に伴い、AMDは改めて型番の定義について明らかにした。
4桁目は製品シリーズで、16コア~128コアの9004シリーズは「9」、8コア~64コアの8004シリーズは「8」。
3桁目の数字はコア数で、8コアなら「0」、16コアなら「1」、24コアなら「2」、32コアなら「3」、48コアなら「4」、64コアなら「5」、84~96コアなら「6」、112~128コアなら「7」だ。
2桁目は性能を示し、基本数字が高いほうが性能が高いことを示す。ただし現在使われている数字は8/7/6/5/4/3/2/1のみで、9は保留されている。
そして数字の1桁目は世代で、今世代の「4」ならZen 4世代ということになる。
その後ろのアルファベットサフィックスには各種意味がある。「F」は高周波数、「N」NEBS(ネットワーク機器構築システム)に好適、「P」はシングルソケットのみの対応、「S」はシングルスレッド対応、「X」は3D V-Cache搭載であることを示す。
リリース時は、8コアの「8024P」、16コアの「8124P」、24コアの「8224P」、32コアの「8324P」、48コアの「8434P」、64コアの「8534P」、そしてそれぞれに「N」がついた合計12個のSKUが用意される。