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dynabook X83、着脱式バッテリでダウンタイム最小化を図ったモバイルノート

 Dynabook株式会社は18日、着脱式バッテリを採用してダウンタイムの最小化を目指した13.3型モバイルノート「dynabook X83(CHANGER)」を発表した。すでに受注を開始しており、実売価格は15万円前後から30万円以下の見込み。製品の仕様については既報を参照されたい。

 本稿では、同日開催された新製品発表会の内容をお届けする。

 dynabook X83(CHANGER)は、最小モデルで重量約800gと最薄部約17.7mm、大型バッテリモデルでも約950gと約17.9mmでありながら、ユーザーがバッテリを着脱できる「セルフ交換バッテリ」機構を採用した13.3型モバイルノートPC。

dynabook X83(CHANGER)

 セルフ交換バッテリの採用は、ユーザーからの「バッテリ駆動時間が短い」、「バッテリ交換が自分でできない」、「バッテリの消耗が激しい」といったバッテリへの不満の声を受けたもの。

 特に、同社のモバイルノートシリーズ「dynabook G83」において、着脱式バッテリに関する要望を主に法人ユーザーから受けたことで、2022年の7月頃から着脱式バッテリを採用した法人向けモバイルノートであるdynabook X83の開発が開始されたと同社は述べている。

モバイルノートPCの不満点

 一般的に着脱式バッテリを採用すると部品点数が増え、本体が重くなったり厚くなったりしてしまうことから、モバイルノートPCに着脱式バッテリを採用することは困難とされてきた。

 しかし、本製品は薄型軽量で堅牢であるというモバイルノートの特徴を損なうことなく、ユーザーによるバッテリ交換を可能としている。同社は同機構の採用により、PCを使えない時間(ダウンタイム)の最小化を実現したとしている。

 セルフ交換バッテリは、ユーザーが安全かつ簡単にバッテリを交換できるよう設計されている。たとえば、バッテリ交換時に基板などの電気部品に触れないよう、バッテリ格納部が電子部品の格納部と分離されているほか、バッテリカバーは汎用的なドライバーで外せる2つのネジで固定されており、バッテリも含めて取り外しが容易に行なえるようになっている。

セルフ交換バッテリの特徴
セルフ交換バッテリ
バッテリ着脱の様子
バッテリカバーのネジは、汎用的なドライバーで外すことができ、バッテリカバーから離れない構造となっている

 dynabook X83では、セルフ交換バッテリの採用と同時に、放熱機構も改良された。たとえば、冷却性能を向上させた小型ダブルファン/フィンの採用や、ユーザー自身でフィン部分のホコリを清掃できる「ダスト・クリーニング機構」を新たに搭載している。

 本製品では、バッテリ格納部を分離したことで排気口が電子部品の格納部のみになっているが、改良された放熱機構により安定したTDP 28Wの維持を実現しているという。

放熱機構
冷却性能を向上させた小型ダブルファンとダブルフィン
ダスト・クリーニング機構。ネジはバッテリカバー部分と同様、カバーから離れない構造となっている
バッテリを分離した構造となっているため、本体底面の排気口は電子部品の格納部のみに配置されている

 このほか、発表会ではdynabook X83の特徴として、インターフェイスにThunderbolt 4を3ポート搭載可能である点や、ディスプレイにアスペクト比16:10でWUXGA表示対応の非光沢液晶を搭載した点、キーストロークを1.5mmまたは2mmの2種類で選択できる点なども紹介された。

本体側面
ディスプレイはWUXGAの非光沢液晶
キーボードは2種類のキーストロークを選択可能
同社執行役員 国内PC事業本部長 渋谷正彦氏(左)と同社 国内PC事業本部 事業本部長附 中村憲政氏(右)