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Intel、次期CPU「Meteor Lake」、HPC向けGPU「Ponte Vecchio」を展示

Intelが公開したMeteor Lake、複数のタイル(ダイ)がパッケージ上で1つになっていることがわかる

 Intelは、5月10日~5月11日(現地時間、日本時間5月10日~5月12日)に同社のプライベートイベントとなる「Intel Vision」(インテル・ビジョン)をアメリカ合衆国テキサス州ダラスフォートワース空港近くの「Marriott Gaylord Texan & Convention Center」で開催している。

 展示会の中でも注目なのは、Intelの製造技術を紹介するブース。そこには、現行製品の第12世代Coreプロセッサだけでなく、その後継として2023年に投入が計画されているMeteor Lakeや、まもなく正式に発表されるとみられている第4世代Xeon SPとなるSapphire Rapids、さらに現在開発中のHPC向けGPUとなる「Ponte Vecchio」の実物が展示された。

次期クライアントPC向けのCPUとなるMeteor Lakeがひっそりと展示会場で公開される

現行製品の第12世代Coreプロセッサ

 今回のVisionで、Intelは第12世代Coreプロセッサーとしては「最後の製品になる」(Intel 上級副社長 兼 クライアントコンピューティング事業本部 事業本部長 ミッシェル・ジョンストン・ホルトス氏)と表現した第12世代Core HXプロセッサを発表。

 展示会の会場では、そうした第12世代Coreの後継製品として、Intelが2023年に投入を計画しているMeteor Lake(開発コードネーム)をはじめとして、今後投入を計画しているCPUが展示されていた。

 Meteor LakeにおいてIntelは新しいパッケージング技術を投入する計画になっている。具体的にはEMIB(2.5Dのダイスタッキング)、Foveros(3Dのダイスタッキング)などのパッケージング技術を活用して、複数のダイ(タイルと呼ばれる)を1つのパッケージに封入する計画だ。CPUタイルはIntelの工場で、GPUタイルはTSMCの工場で生産され、それが後工程(パッケージにダイを封入する工程のこと)の段階で1つのパッケージに統合されて出荷される。

 今回Intelが公開したパッケージ、パッと見ると1つのダイしか乗っていないように見えるが、よく見てみると複数のダイがパッケージに複数搭載されていることがわかる。今回は通常サイズのパッケージと、高密度パッケージの2つの種類のMeteor Lakeが展示されていた。

Meteor Lakeの高密度パッケージ(現行製品ではU9に使われているもの)
Meteor Lakeの通常パッケージ

Sapphire RapidsとPonte Vecchioも展示されたほか、Intel 4のウェハも展示される

 このほかにも、第4世代Xeon Scalable Processorsとして発表される予定のSapphire Rapidsも展示されていた。

 Sapphire Rapidsは、2.5D実装されるEMIBを利用して、4つのダイが1つのパッケージ上に実装される製品。AMD EPYCに負けないようなコア数を、同じ1パッケージで実現できるようになる。今回は通常版のSapphire Rapidsと、HBM2を搭載したSapphire Rapidsが展示されていた。なお、今回もIntelはSapphire Rapidsの出荷を開始していることには言及したが、製品の正式発表はしなかった。

Sapphire Rapids(HBM2なし版)
Sapphire Rapids(HBM2版)

 また、Intelは同時にXeのHPC向け製品(Xe-HPC)に相当するPonte Vecchioの実製品も展示している。Ponte Vecchioは、47個のタイル(ダイ)が1パッケージに搭載されている巨大GPUで、NVIDIAが先日発表したNVIDIA H100 GPUと競合する製品になる見通しだ。

Ponte Vecchio