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Intel新ロードマップを発表。Meteor Lake、Arrow Lake、Lunar Lakeへと進化

Intel 18Aの製造プロセスルールでテスト製造されたSRAMウェハを公開するIntel CEO パット・ゲルシンガー氏

 Intelは2月17日(現地時間、日本時間2月18日早朝)に投資家向け説明会「Intel Investor Meeting 2022」を開催し、この中で同社の製品ロードマップ、さらには製造技術のロードマップなどに関しての説明を行なった。

 ロードマップでは、2023年に投入を計画しているMeteor Lakeの後継として「Arrow Lake」を2024年に投入すると明らかにした。また、Intelは今年(2022年)後半に投入を計画している、8つのPコアと16のEコアという24コア/32スレッドになる次世代デスクトップPC向けCPU「Raptor Lake」の実働デモを行なった。

 さらにIntelはデータセンター向けのCPUロードマップを更新し、3月に出荷を開始する次世代Xeon SP「Sapphire Rapids」のピン互換となる製品として、2023年にEmerald Rapids、そして2024年にGranite Rapidsを投入する計画を明らかにした。

 2024年に関しては、Sapphire Rapids、Emerald Rapids、Granite Rapidsという、Alder LakeのようなハイブリッドCPUでPコア(Performance Core)に相当するCPUコアを搭載したラインアップに加えて、Eコア(Efficient Core)だけで構成されるSierra Forestが投入される。2024年に投入されるGranite RapidsもSierra ForestもIntel 3で製造される計画だ。

Meteor Lakeの後継として、Arrow Lake、Lunar Lakeへと進化していく

IntelのゲルシンガーCEOが公開したIntelの製品、製造技術ロードマップ

 Intelは昨年(2021年)、Meteor Lakeを2023年に投入すると明らかにした。Meteor Lakeは、「第12世代Coreプロセッサ」(開発コードネーム:Alder Lake)の直接の後継となる製品で、Intelが「タイル(Tile)」と呼んでいるCPU、GPU、I/Oなどのダイをパッケージ上で統合した、いわゆるチップレットと呼ばれる形式で製造されるSoCとなる。

クライアントPC向けのCPUロードマップ
Meteor Lake

 今回のセッションの中で、Meteor LakeのCPUはIntel 4で製造され、tGPU(tile GPU)と呼ばれるタイル形式のGPUはTSMCの3nmだと思われるN3という外部ファウンダリの製造プロセスルールで製造されると明らかにされた。

 Intelが公開したスライドを見ると、ほかにもSoCタイル、I/Oタイルというタイルがあり、CPU、GPU、SoC、I/Oという4つのタイルがあることがわかる。Intelによれば、Meteor Lakeの出荷は2023年になる予定だと明らかにされた。

 Meteor Lakeの後継として2024年に「Arrow Lake」が投入される。Arrow Lakeは、Meteor Lakeと同じN3プロセスで製造されるtGPUが採用され、CPUタイルがIntel 20Aの製造プロセスルールに微細化された製品となる。そしてその後継として2024年以降に投入されるのがLunar Lake(ルナーレイク)で、CPUの製造プロセスルールはIntel 18Aへとさらに微細化され、tGPUもさらに微細化された外部ファウンダリのプロセスルールへと進化する見通しだとIntelは説明した。

 また、今年の後半に投入が計画されている「Raptor Lake」の実働デモが行なわれた。Raptor Lakeは、デスクトップPC向け専用版として計画されている製品。Alder Lakeでは8つのPコア、8つのEコアで、最大16コア/24スレッドになっているCPUが、8つのPコアと16のEコアに強化され、24コア/32スレッドへと強化される。基本的にはAlder LakeのEコアのコア数が倍になったバージョンと考えて良いだろう。Alder Lakeとはソケット互換(LGA1700)で、最大で2桁の性能アップが期待できるとIntelでは説明している。

Raptor Lake
デモに利用されたMeteor Lakeのシステム

 今回Intelが行なったデモで、はRaptor Lakeの16個のEコアに、Adobe After Effectのエンコード処理を割り当てて実行する様子が公開され、その状態でPコアにはほとんど負荷がかかっておらず、Officeアプリの処理といったPコアに適した他の処理をマルチタスクで行なえる様子などがアピールされた。

After Effectの処理を16個のEコアに割り当てる

データセンター向けは2023年にEmerald Rapids、2024年にGranite Rapids(Pコア)とSierra Forest(Eコア)を投入

Intelのデータセンター向けロードマップ

 同社は現在の主力製品である第3世代Xeon Scalable Processorsの後継として、開発コードネーム「Sapphire Rapids」で知られる製品を3月に出荷開始する。Sapphire RapidsはIntel 7の製造プロセスルールで製造されるダイ4つが、1つのパッケージに統合されている新しいパッケージング技術を採用した製品で、DDR5メモリ、PCI Express Gen 5、CXL(Compute eXpress Link)といった新しいI/Oやインターコネクトをサポートしている。

Sapphire Rapidsのデモ

 このSapphire Rapidsの後継として2023年に計画されているのがEmerald Rapids。Emerald RapidsはSapphire Rapidsと同じIntel 7で製造される計画で、Sapphire Rapidsとはピン互換になる。つまり、「Sapphire Rapids Refresh」的な位置づけだ。

 2024年に投入されるのはGranite RapidsとSierra Forestの2つの製品となる。いずれの製品もIntel 3で製造されるCPUとなり、Granite RapidsはEmerald Rapidsの後継として発表済みだが、今回新たに発表されたSierra Forestは、CPUがクライアントPC向けのCPUでいうところのEコア(Efficient Core)だけで構成されるCPUで、電力効率が必要とされるようなデータセンター向けに投入されることになる。

 また、2025年にはそのGranite RapidsとSierra Forestのそれぞれの後継となるPコア製品、Eコア製品が投入される計画であることを公開したが、開発コードネームなどは明らかにされなかった。