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KDDIら、液浸冷却でデータセンターの消費電力を43%削減

(左)コンテナ型スモールデータセンター、(中)液浸冷却装置、(右)液体で機器を冷却する様子

 KDDI株式会社三菱重工業株式会社、およびNECネッツエスアイ株式会社は、液浸冷却装置を活用し、小型コンテナにデータセンターを収容して稼働させる実証実験に成功したと発表した。従来型のデータセンターと比べ、43%の消費電力削減に成功したという。

 社会インフラとしてデータセンターの重要性が増す中で、サーバーの追加や増設などの需要も高まっている。一方で高効率の冷却装置により消費電力を抑制し、環境への負荷も最小限に留める必要がある。

 3社では2021年6月21日から、50kVA相当のサーバーなどと液浸冷却装置を12フィートコンテナに収容して稼働する実証実験を実施。コンテナ型スモールデータセンターの成立性や冷却性能、エネルギー効率を検証した。

 その結果、従来の空調空冷の代わりにオイル状の液体冷媒と外気を使用することで、43%の消費電力削減を実現。電力使用効率を表す指標のPUE(Power Usage Effectiveness)は1.07を達成した。

 これを受け、3社はKDDI小山テクニカルセンターにおいて、液浸冷却装置の試験運用を2022年4月1日に開始。冷却効率の立証や高可用性の実現、商用導入計画の具現化などの検証を2023年2月末まで実施する。KDDIでは、2024年度中の液浸冷却装置の商用提供を目指すとしている。