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iPhoneのカメラ、バイクエンジンの振動で性能低下のおそれ

 米Appleは10日、高出力のバイクエンジンの振動が、iPhoneに搭載されるカメラに動作不良を引き起こすおそれがあるとし、バイクなどに直接iPhoneをマウントして使用することを避けるよう呼びかける技術文書を公開した。

 iPhoneのカメラには光学式手ブレ補正機構(OIS)や、閉ループ制御のオートフォーカス(AF)システムが搭載されている。具体的に、OIS機構はiPhone 6 Plus、iPhone 6s Plus、iPhone SE(第2世代)、iPhone 7以降に搭載される。一方でiPhone 11以降の超広角カメラ、iPhone 7 Plus、iPhoen 8 Plusの望遠カメラには搭載されていない。閉ループAFは、iPhone SE(第2世代)、iPhone XS以降で採用されている。

 iOSは撮影時の手ブレをジャイロスコープを通して感知してレンズを移動させることでぼやけを防ぎ、閉ループAFは焦点の調整と維持に使われるが、特定の周波数範囲内の高振幅振動に長時間晒されるとこれらの性能が低下し、写真やビデオの画質の低下を及ぼすという。

 Appleによれば、高出力や大排気量のエンジンを備えたバイクのハンドルにiPhoneを取り付けると、エンジンから発生する特定の周波数の振動や振幅がiPhoneに伝わり、カメラに影響を及ぼすという。

 低出力のバイクでは影響が少ないと見られるが、その場合でも損傷のリスクを軽減するために、振動を減衰させるマウントの装着を推奨し、長時間の利用は避けるよう呼びかけている。