ニュース
Wi-Fiデバイスは2023年には293億台に。Wi-Fiを快適に利用するための「Wi-Fi CERTIFIED Vantage」に新機能
2020年11月19日 14:32
Wi-Fi Allianceは19日、公衆Wi-Fi向けのWi-Fi認証プログラム「Wi-Fi CERTIFIED Vantage」の新機能発表にともない、オンライン説明会を開催した。
Wi-Fi CERTIFIED Vantageは、Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)やWPA3といった新しいWi-Fi規格の登場によって更新されており、今回はWi-Fi 6を目玉として最新版を発表。一般ユーザーはWi-Fi CERTIFIED Vantageを意識する必要はないが、Wi-Fiネットワークの快適性や利用を担保する認証プログラムとして、機能を更新するかたちで提供が行なわれている。
今回のWi-Fi CERTIFIED Vantageでは、以下の5つの機能を備えており、2018年版から新しく追加されたのは「Wi-Fi 6」、「WPA3」、「Wi-Fi Enhanced Open Passpoint」の3つだ。
- Wi-Fi 6
- WPA3
- Wi-Fi Enhanced Open Passpoint
- Wi-Fi Agile Multiband
- Wi-Fi Optimized Connectivity
Wi-Fi 6は、すでに対応デバイスが多くリリースされている最大通信速度9.6Gbpsの第6世代Wi-Fi規格で、OFDMA(直交周波数分割多元接続)といった1回の通信で複数のデバイスと同時にやり取りを可能にする技術などが採用されている。
WPA3は、新しいセキュリティプロトコルとして2018年に発表。WPA2の脆弱性に対処可能にしたSAEハンドシェイクや、ブルートフォースアタックに対する防御、企業向けの192bit暗号化機能CNSA(Commercial National Security Algorithm)などが実装された。
Wi-Fi Enhanced Open Passpointについては、公衆向けのWi-Fiスポットでのセキュリティや接続性を高めるためのもので、オープンなWi-Fiとして利用可能にしつつ、クライアントとアクセスポイントのデバイス間の通信内容の傍受を防ぐものとなっており、世界の主要な空港や会場などですでに実用されている。
Wi-Fi Agile MultibandとWi-Fi Optimized Connectivityに関しては、おおまかに前者はクライアント-アクセスポイント間の接続安定性を高めるもの、後者は接続可能なネットワークが複数ある状況でクライアントが最適なアクセスポイントを見つけて高速に接続可能にするものと言える。
オンライン説明会に登壇したWi-Fi Alliance マーケティング担当シニアバイスプレジデントのケビン・ロビンソン氏は、現状インターネットトラフィックの半分以上がWi-Fiを経由したものであり、2018年時点で183億台のWi-Fiデバイスが2023年には293億台へと増加し、Wi-Fiホットスポットについては1.69億箇所から6.28億箇所に増えるとし、Wi-Fiの接続性やセキュリティを担保する認証プログラムが必要であると説く。
今回のWi-Fi CERTIFIED Vantageはそうした急増するニーズに応えるものだとし、常に進化を続けていくと述べた。なお、新しいWi-Fi CERTIFIED Vantageの認証を取得するには、その都度投入される新機能(今回であればWi-Fi 6など)をサポートしている必要があるが、過去に認証を取ったデバイスであればその世代は別にせよWi-Fi CERTIFIED Vantageの認証は維持される。
ロビンソン氏は2021年までにWi-Fi 6がWi-Fi製品の半分以上を占めると見立てており、数で言えば2021年は20億台のWi-Fi 6製品が出荷されるという。そして、今後Wi-Fi 6に代わる新しい規格などが出るさいには、改めてWi-Fi CERTIFIED Vantageの更新を行なうだろうとした。