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九州大、単体で200Gbpsの光データ伝送を実現するポリマー光変調器を開発

電気光学ポリマーを使った超高速光変調器

 九州大学先導物質化学研究所の研究グループは24日、200Gbpsの光データ伝送を実現する電気光学ポリマーを使った超高速光変調器を開発した。

 世界的なデータ通信量の急激な増加により、データセンターで用いられる通信ハードウェアの高性能化や小型化、省エネルギー化が求められている。Ethernet光伝送規格では、現在実用化が進められている400GbEよりもさらに高速な1.6TbEなどが将来的に想定されている。

 これに対応するため、無機素材や半導体を利用した従来型光変調器の改良だけでなく、新素材の採用も進められている。なかでも、高い電気光学変換効率と周波数応答性を持ち、消費電力を抑えながら高速な動作が可能な電気光学ポリマーが注目されているが、機器の信頼性の面に課題があった。

 今回研究グループが開発したポリマー光変調器は、110℃の高温環境下でも安定して動作できる高い熱安定性が特徴。70GHz程度の高周波応答性が確認されており、理論的には100GHz以上の応答特性を持つという。

 伝送実験では、1チップで最高200GbpsのPAM-4光信号の発生に成功。ビットエラー解析により信号エラーが含まれないことも確認された。加えて、動作電圧が1.3Vと低く、消費電力の面でも優れる。さらに、現在用いられている光変調チップの並列化技術を応用することで、最大1.6Tbpsのリンク速度も実現できるとしている。

 研究グループでは、大容量の情報を処理するデータセンターなどへの応用が期待され、高速化だけでなく低消費電力化や低コスト化につながるとしている。また、シリコン光集積技術とあわせることで、光変調器自体の小型化・集積化も可能だという。