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在宅勤務やリモートワークをサポートする第10世代Core vProプロセッサ

第10世代Core vProプロセッサの概要

 インテル株式会社は27日、5月13日に発表した企業向け製品「第10世代Core vProプロセッサ」に関する説明会を開催した。

 冒頭では、米Intel クライアント・コンピューティング事業本部 副社長 兼 ビジネス・クライアント・プラットフォーム事業部長のステファニー・ホールフォード氏がビデオレターで登場。「昨今の、ほぼすべての時間をリモートワークで行なうなかでは、今までと大きく働く環境が変わってきています」とした上で、PCにおけるセキュリティや接続性、性能の重要性を強調。「日本や海外のPCメーカーより、vPro対応のPCがこの夏にも登場してくることを歓迎いたします」と述べた。

新型コロナで変わる働き方

 次に、インテル株式会社 執行役員 パートナー事業本部 本部長の井田晶也氏から、ビジネス・コンピューティング分野におけるクライアント製品の取り組みについて説明が行なわれた。

PCが職場となる時代へ

 法人向け市場の状況や課題については、世界的にデジタルトランスフォーメーション(DX)が進むなかで、企業間におけるデータの利用/活用といった面で今後格差が発生するとみており、これからの働き方にも大きく影響を与えるという。これに加えて、新型コロナウイルス感染症を機に、新たな働き方や生活様式(ニューノーマル)への移行も必要になるとした。

 同感染症が沈静化したあとも、オフィスに向かわなくても効率的に働ける時代が近づいてきており、PC自体が職場となって時間と場所に縛られない働き方が認知されていくとした。同社では20年前からノートPCを従業員に支給してリモートワークを積極的に行なってきたこともあり、現在の状況下では95%が在宅勤務をしており、緊急事態宣言解除後もオフィスとリモートワークのバランスを取りつつ進めていくという。

ビジネスにおける3つの分野
vProプラットフォームの4つの技術

 結果を出す/ビジネスを守る/コストを管理するというビジネスにおける3つの分野をPCが支え、PCが生産性に直結する環境において、ビジネス・コンピューティングの必要性は増大しており、古いPCはリスクの要因となり得る。vProプラットフォームでは、パフォーマンス/セキュリティ/安定性/運用管理性の4つの技術で、PCを安全かつ効率的に運用できるようサポートし、ビジネスや働き方の変化に貢献していきたいとした。

全モデルで搭載となったIntel Hardware Shield

 続いて、同社 技術本部 部長 工学博士の安生健一朗氏から、第10世代Core vProプロセッサに搭載された技術についての解説が行なわれた。

vProプラットフォームが満たす4要素
従来製品との比較

 vProプラットフォームは、Core i5以上のvProに耐えうるCPU性能、ハードウェアセキュリティ機能の内蔵、管理機能、デバイスの安定性の4要素を満たす製品となっている。第10世代vProでは、性能面については、Core i7-10810UとCore i7-7600Uで比較した場合、全体的なアプリケーション処理性能(SYSmark 2018 Overall)が40%、オフィスでの生産性能(SYSmark 2018 Productivity)が36%それぞれ向上。データの解析や視覚化の性能(Power BI)については、Core i7-10700とCore i7-6700で比較した場合、44%高速化したという。

Intel Hardware Shield
Wi-Fi 6

 ハードウェアセキュリティ機能については「Intel Hardware Shield」を内蔵。第8世代では一部のモデルのみでサポートされていたが、第10世代では全モデルで対応する。内蔵GPUを利用しCPUへ負荷をかけず脅威を検出する「Intel Threat Detection Technology」、OSで対処できないハードウェアやBIOSレベルでの悪意あるソフトウェアからの保護、OSと仮想化環境で保護が動作していることを動的に確認する機能、BIOSによるハードウェアの使用状況の可視化機能を提供する。

 また、Wi-Fi 6の内蔵により、頻繁に行なわれるようになったリモートワークやビデオ会議を支援。アクセスポイントあたりに接続可能なデバイス数が4倍に拡張されることによるコスト面のメリットに加え、干渉の軽減やWPA3のサポートによるセキュリティの向上、通信速度の高速化なども利点として挙げられる。

 同社がモバイルPC向けにこれまで進めてきた「Project Athena」構想にも触れられ、vProとProject Athenaの認証をともに取得したPCについても今後数カ月で発売される予定。Project Athenaが実現するPCの高速復帰や長時間駆動などの恩恵を業務用PCでも受けられるという。vProは妥協のない生産性とハードウェアベースのセキュリティ機能により、コンピューティングイノベーションの基板を提供していくとした。

通常の管理ツールでは手の届かない部分を支えるvPro

 最後に、同社 インダストリー事業本部 ビジネス・クライアント テクノロジー・エバンジェリストの坂本尊志氏から、vProプラットフォームを利用した活用事例について紹介があった。

 vProでは4つの技術でPCをサポートするが、なかでも運用管理性の部分にあたる「Intel Active Management Technology(Intel AMT)」は、導入したPCをしっかり管理していきたいという需要に応えられる機能。セキュリティ更新など長期的な運用に関わるコストを抑えることができるという。

Intel Active Management Technology
Windows 10への移行とIntel Endpoint Management Assistant

 Intel AMTでは「PCが管理できない状態をなくす」ことを目指しているという。たとえば、OS上で管理用エージェントが動いていなかったり、PCの電源が切れていたりすると、PCの管理だけでなく存在すらもわからなくなってしまう。Intel AMTではこういった状況を解消し、ネットワーク経由での電源オン/オフや、ハングアップ時のリセット/メンテナンスなどを管理者が容易に行なえるようにする。

 2020年1月のWindows 7サポート終了によるシステム更新を機にvProプラットフォームをが採用される事例も多かったという。とくにWindows 10では定期的に「機能更新プログラム」が提供されているが、この更新はダウンロードやインストールに必要な時間やネットワーク負荷などの点で従来のWindows Updateと異なるため、今までの違う手法で対応する必要があるという。vProでは後述のIntel Endpoint Management Assistant(Intel EMA)などと組みあわせることで、クライアントPCの業務時間外を利用したメンテナンス作業が可能となる。

Intel Endpoint Management Assistant

 Intel EMAは、同社から無償提供されている運用管理コンソール。従来Intel AMTを利用した運用管理はイントラネット内にかぎられていたが、Intel EMAと組みあわせることでインターネット越しでも行なえるように拡張する。Windows 10搭載PCであればvPro/非vPro問わずに管理対象にできるが、vPro対応PCの場合はPCのグルーピングや一括電源操作など、より強力なリモート管理機能が利用できる。現時点では英語版のみが提供されているが、UIや機能はシンプルで運用は難しくないとしている。また、日本語版についても提供の予定があるという。

 なお、Intel EMA単体ですべての管理が行なえるといったものではなく、ほかの管理ツールでは手が届かない部分をサポートしていく立ち位置のツールだとしている。APIを提供しておりアドオンモジュールなどの追加もサポートする。

 従来在宅勤務は短期間のみで実施される場合が多かったが、今回は長期化する可能性もあり、その場合のPC管理が課題だとする声も多いという。また、オンサイトで行なうことの多いPCのサポート業務についても今後は可能なかぎりリモートに移行していく必要もあるだろうとした上で、vProとIntel EMAの組みあわせはこのような課題を解決していくとした。