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Intel、よりセキュアな第10世代Core vProプロセッサ

 米Intelは13日(現地時間)、企業向けに管理性などを強化した「第10世代Core vProプロセッサ」を発表した。

 プロセッサの名称としては第10世代Core vProだが、その実態は既存のComet Lakeをベースに、特定のチップセット(Intel Q400シリーズ)と組み合わせて実現するものとなっている。

 とくにデスクトップ向けのCoreプロセッサは、発表済みの製品も少なくない。一方、モバイル向けのHプロセッサとUプロセッサ、Xeon Wシリーズは新たに発表されたものとなっている。対象のCPUは下記のとおり。

モバイル向けHプロセッサ
SKUベースクロックコア数スレッド数キャッシュTDP
Core i9-10885H2.4GHz81616MB45W
Core i7-10875H2.3GHz8
Core i7-10850H2.7GHz61212MB
Core i5-10400H2.6GHz488MB
Xeon W-10885M2.4GHz81616MB
Xeon W-10855M2.8GHz61212MB
モバイル向けUプロセッサ
SKUベースクロックコア数スレッド数キャッシュTDP
Core i7-10810U1.1GHz61212MB15W
Core i7-10610U1.8GHz488MB
Core i5-10310U1.7GHz486MB
デスクトップ向けSプロセッサ
SKUベースクロックコア数スレッド数キャッシュTDP
Core i9-10900K3.7GHz102020MB125W
Xeon W-1290P
Xeon W-12903.2GHz80W
Core i9-109002.8GHz65W
Core i9-10900T1.9GHz35W
Xeon W-1290T1.9GHz
Core i7-10700K3.8GHz81616MB125W
Xeon W-1270P
Xeon W-12703.2GHz80W
Core i7-107002.9GHz65W
Core i7-10700T2GHz35W
Core i5-10600K4.1GHz61212MB125W
Xeon W-1250P
Xeon W-12503.3GHz80W
Core i5-106003.3GHz65W
Core i5-10600T2.4GHz35W
Core i5-105003.1GHz65W
Core i5-10500T2.3GHz35W

 第10世代Core vProプロセッサではセキュリティ機能を強化し、防御レイヤー「Intel Hardware Shield」を増加させることで悪意のある攻撃を防ぐ。Microsoftとの協業により、OSとBIOSの連携を強化し保護を行なう。機能はすべてハードウェアで実装され、オフロード処理されるため、CPUに負荷をかけずに利用できるとしている。

セキュリティ機能「Intel Hardware Shield」を実装し、ハッキングを困難にする

 Comet Lakeのコア数増加により、3年前の製品と比較して性能は40%向上。また、Wi-Fi 6も新たに対応し、対応ルーターではより多くのクライアントと同時に接続が可能で、高速化により最近ニーズが増加しているビデオ会議を快適に行なえる。また、WPA3に対応することでセキュリティ向上を図った。

 加えて、「Intel Endpoint Management Assistant」による管理の容易性も謳われており、管理者はクラウド越しでも端末を管理できることを特徴としている。

 同社はこれまで、モバイル向けプラットフォームを改善させる「Project Athena」を推進してきたが、モバイル向けのvProはセキュリティ性の向上により、さらに充実/補完させるものとしている。このため、Project Athena準拠のノートにvProを搭載すれば、マイクアレイによるノイズキャンセリングといった機能も享受できるとしている。

 なお、同じ第10世代CoreであるIce LakeにはvPro対応SKUが用意されていないが、これはIce Lakeが当初よりコンシューマ向けに重視した設計であるためだという。次期のTiger LakeではvPro版が用意される見込み。

vProの特徴
第10世代Core vProプロセッサの特徴
第10世代Core vProプロセッサでは新たにHardware ShieldやWi-Fi 6などを実装
3年前のPCと比較して性能は40%向上する