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NVIDIA、2倍高速化で画質も向上したAI処理技術「DLSS 2.0」を投入

 米NVIDIAは3月23日(現地時間)、ディープラーニングを活用するAI画像処理の最新版となる「DLSS 2.0」を発表した。

 DLSS(Deep Learning Super Sampling)は、Turing世代のGeForce RTXシリーズより採用され、ディープラーニング向けユニットとして実装されているTensorコアを利用して、高品質なアンチエイリアシングやアップスケーリングなどを実行する技術。

 今回、DLSSのバージョンが2.0へと上がり、ディープラーニングニューラルネットワークを改善。3Dグラフィックス描画時のフレームレートが向上するとともに、レイトレーシング設定の最大化と出力解像度が高められている。

MechWarrior 5のDLSS 2.0デモ

 具体的には、DLSS 2.0によって、4分の1から2分の1のピクセルをレンダリングするだけで、ネイティブ解像度に匹敵する画質を提供可能としており、これにはイメージの細部をシャープに見せ、フレームからフレームの安定性を改善する新しい一時フィードバック技術が使われている。

 また、AIモデルが新しくなったことで、Tensorコアの運用が効率化され、初期のDLSSから2倍高速化。これにより、フレームレートが改善し、サポートGPU、設定、解像度の制限も撤廃された。

 従来のDLSSでは新しいゲームごとにディープラーニングのAIネットワークを学習させる必要があったが、DLSS 2.0ではゲームではなく特有のコンテンツを使って学習することで、ゲームを横断した汎用ネットワークを提供可能。そのため、ゲームへの統合速度が上がり、DLSS対応ゲームも増加するとしている。

 このほか、DLSS 2.0ではクオリティ、バランス、パフォーマンスの3つのイメージ品質モードを提供し、レンダリング解像度をユーザーがコントロール。パフォーマンスモードならフルHDから4Kへといった最大4倍の超解像化が可能であり、ユーザーの選択肢を増やしつつ、性能のさらなる底上げも期待できるという。

 現在のところDLSS 2.0は、「Control」、「MechWarrior 5」といったゲームタイトルや、ゲームエンジンのUnreal Engine 4でサポートされている。