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VESA、ケーブル1本で16K 60Hz/HDRの伝送が可能な「DisplayPort 2.0」

転送レートの推移

 Video Electronics Standards Association(VESA)は26日(米国時間)、映像/音声転送規格「DisplayPort 2.0」を発表した。対応製品は2020年末までに市場投入される見込み。

 2016年のDisplayPort 1.4aでは、1レーンが8.1Gbpsで最大帯域幅は32.4Gbps(4レーン)、8b/10bチャネルコーディングで25.92Gbpsが最大転送レートとなっていた。

 今回の2.0ではレーンあたり最大20Gbpsとなり、より効率的な128b/132bチャネルコーディングにより、最大転送レートは77.37Gbpsまで拡張されている。

 これにより、1.4a比3倍の転送レートを活用して、60Hzフルカラー4:4:4で30bpp HDR10の8K(7,680×4,320ドット)解像度の転送が、ケーブル1本で可能になるとしている。

 DisplayPort端子のほか、DisplayPort Alt Mode対応のUSB Type-Cポートでも利用でき、前方誤り訂正に対応した、視覚的な劣化なしに転送データを圧縮できる「Display Stream Compression (DSC)」もサポート。DSCを用いることで、60Hz/HDRの16K(15,360×8,460ドット)も可能となる。

 マルチストリーム時など、そのほかの構成例は以下の表のとおり。

転送構成の例
出力数最大出力解像度
160Hz/30bpp/4:4:4/HDR 16K with DSC
60Hz/24bpp/4:4:4 10K(10,240×4,320ドット)
2120Hz/30bpp/4:4:4/HDR 8K×2 with DSC
144Hz/24bpp/4:4:4 4K(3,840×2,160ドット)×2
360Hz/30bpp/4:4:4/HDR 10K×3 with DSC
90Hz/30bpp/4:4:4/HDR 4K×3

 上記の転送構成の例のほか、USB Type-CのUSB 3.0伝送とDP Alt Modeを同時利用(DP伝送に2レーンのみ利用)するさいには、144Hz/30bpp/4:4:4/HDRの4K with DSC×3、VRヘッドセット向けの120Hz/30bpp/4:4:4/HDRの4K×4K(4,096×4,096ドット)with DSC×2、120Hz/24/bpp/4:4:4のWQHD(2,560×1,440ドット)×3、30Hz/30bpp/4:4:4/HDRの8K×1などに対応する。

 DP 2.0では、Embedded DisplayPort(eDP)の「Panel Self Refresh」機能と同種の機能である、GPUから送られてきたビデオフレームのうち、表示フレームから更新された部分のみを更新できる部分更新機能「Panel Replay」機能もサポートし、高解像度液晶一体型PCやモバイルPCなどで消費電力と熱性能を最適化できるとしている。