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ThinkPadから世界初の折りたたみディスプレイ採用で900gの2in1

Lenovoが発表したFoldable PC。13型のディスプレイを広げて、平面にしてタッチ操作できる

 Lenovoは、世界初とするFoldable(ディスプレイ折り畳み式)PCを開発したと発表した。5月13日(現地時間)から、米フロリダ州オーランドで開催されている年次イベント「Lenovo Accelerate」で、報道関係者に公開した。2020年に出荷する予定で、価格は未定。製品名については、具体的にはしなかったが、ThinkPad X1ファミリーのなかに含まれる。

ThinkPad X1のロゴが入る

 13.3型の折り畳みが可能な有機ELを採用。2Kの解像度を持ち、アスペクト比は4:3となっている。有機ELはLG製だという。OSにはWindowsを搭載し、CPUはIntel製を採用するとしたものの、どのCPUを搭載するかについては明らかにしなかった。

 さらに、「1日稼働するバッテリ駆動時間を目指しており、重量は2ポンド(約900g)以下を目指す。また、ペンによる入力も可能にしている。スマートフォンとは違う製品であり、妥協をすることなく開発をしたフルファンクションのPCである」(Lenovo インテリジェントデバイスグループ コマーシャルプロダクトソリューション部門のルイス・ヘルナンデス バイスプレジデント)としたとした。

 13型のディスプレイを広げて、平面にしてタッチ操作で利用したり、ブックモードとして、少し折り畳んだ本のような形で、電子書籍やニュースを読んだりできるほか、クラムシェル型のノートPCのようなかたちにすれば、上半分をディスプレイとして、下半分をキーボードとして利用することができる。持ち運びのさいには、これを閉めて、半分の大きさで移動できる。

ブックモードでは、本のような形で、電子書籍などを読める
ノートPCのように上半分をモニターとして、下半分をキーボードとして利用できる
持ち運びの際には小脇に抱えられるサイズだ

 他のThinkPadシリーズと同様に、国防総省が指定する規格に準拠するために、100以上のテストをクリアしており、さまざまな環境下での利用を想定。堅牢性にも優れているという。

 また、ヘルナンデス バイスプレジデントは、「26年間にわたって開発してきたThinkPadは、顧客の課題を解決することでイノベーションを続けてきた。この製品は、モビリティにおける課題を解決するものになる。開発には3年以上の歳月を費やして、実現した製品であり、いつでも、どこでも広げて、常に接続したままで、24時間使うことができる。モビリティに革新を起こすことができる製品だといえるだろう。ハイテクに精通した専門家だけでなく、多くの人が利用できる製品だ。ハイモビリティのユーザーにとって、手頃な価格のPCになる」と位置づけた。

Foldable PCを開く様子

 さらに、いくつかの新製品も紹介した。

ThinkBookは、価格面でも魅力的だ

 新たなブランドである「ThinkBook」と呼ばれるノートは、2019年5月から出荷を予定しており、13型と14型の2つのモデルを用意。価格は、それぞれ729ドルから、749ドルからとなっている。13型では薄さ15.9mm、1.34kgの薄型、軽量化を実現。14型でも薄さ16.5mm、重量1.52kgを実現した。Skype Dedicated Keyにより、ボタン1つでSkypeに接続できたり、FRPの電源ボタンを採用。電源ボタンを押すだけで、指紋認証により安全な起動ができる機能も搭載している。第8世代のWhiskey Lake-UのCPUを搭載し、AMDのRadeon 540を搭載している。

 第2世代のRyzen Proを搭載したThinkPad X395、同T495s、同T495は、5月から6月上旬にかけて順次出荷を開始。前世代のモデルに比べて、性能が18%向上、バッテリ駆動時間は4時間向上したという。価格は、それぞれ1,089ドルから、1,089ドルから、939ドルからとなっている。

14型でも薄さ16.5mmを実現しているという
電源ボタンを押すだけで、指紋認証により安全な起動ができる
天板にはThinkBookのロゴが入る

 ThinkPad X1シリーズの新製品では、ThinkPad X1 Extreme(Gen 2)を発表。プロシューマーやコンテンツクリエイターを対象にした製品とした。15.6型の4K有機ELディスプレイを採用。8コアのCore i9と、GeForce GTX1650を搭載している。7月から出荷を開始し、価格は1,499ドルからとなっている。

第2世代のRyzen Proを搭載したThinkPad X395
プロシューマーなどを対象としたThinkPad X1 Extreme(Gen 2)

 ThinkCentre Nanoは、世界最小のコマーシャルデスクトップPCと位置づけるもので、0.35リットルの手のひらサイズを実現。壁などにも場所を選ばずに設置できるという。第8世代のWhiskey Lake-Uを搭載。Core i7からCeleronまで、幅広いラインアップを用意する。USB Type-Cと、512GBのSSDを搭載している。8月から出荷を開始し、価格は639ドルから。

 エッジコンピューティングのためのIoTゲートウェイとして、ThinkCentre Nano IoTも発表した。片手で持てるサイズで、小売店舗や工場、ビル管理などの現場に設置が可能になる製品。0~50℃の環境で動作でき、米国防総省のMIL標準規格にも準拠している。

世界最小のコマーシャルデスクトップPCとするThinkCentre Nano
IoTゲートウェイのThinkCentre Nano IoT

 新たなブランドとして、ARヘッドマウントディスプレイの「ThinkReality A6」も披露した。第3四半期までに正式リリースする予定であり、北米、欧州、アジア太平洋、中国で発売する。1,300万画素のカメラと、2つの魚眼カメラを搭載するとともに、1,920×1,080ドット60fpsの解像度での画像表示と、40度の視野を実現。IntelのMovidius VPUに対応している。

 ヘッドマウント本体とは別に、バッテリユニットを用意。首からぶら下げたりして利用する。クアルコムのSnapdragon 845 SOCプロセッサを搭載。Android O OSで稼働する。すでにエアバスで実証実験を行なっているという。

ARヘッドマウントディスプレイの「ThinkReality A6」
13Mピクセルのカメラと、2つの魚眼カメラを搭載
バッテリユニットにはクアルコムの845 SOCプロセッサを搭載
ThinkReality A6を装着した様子

 このほか、Think IoTと位置づける製品として、インテリジェントカメラや小売業向けセンサー、Smart Displayなどの製品も紹介した。

Think IoTに位置づけるインテリジェントカメラ
LenovoのSmart Display