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【年末特別座談会 ライター編】後藤、笠原、山田の3氏がPC業界2018年の話題を総括

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PC Watch年末座談会2018動画

※本記事は2018年12月23日にYouTubeにて配信された「PC Watch年末座談会2018」の内容を文字起こししたものとなります。記事中でキャンペーンやプレゼントについての言及がありますが、本記事掲載時点ではすでに終了している場合もあります。

勝又 はい、それでは皆さん、お待たせいたしました。PC Watch年末座談会 2018、第2部開始いたします。よろしくお願いします。

第2部からですね、アシスタントの勝又楓、参加させていただきます。よろしくお願いします。

若杉 もう勝又さん、3回目ぐらいかな。

勝又 そうですね、今年(2018年)で3回目です。

若杉 そしてこの第2部、引き続きPC Watch編集長の若杉も参加いたします。

勝又 続いてですね、本日の登壇者のご紹介です。つっても毎度おなじみの皆様でございます。

若杉 昨年より1つずつ年を取った皆さんを紹介します。

(一同笑)

勝又 PC Watchベテランライターの方々ですね。まずは後藤さん。

笠原 後藤さんどこに……

後藤 ふふふ……。覆面座談会じゃなかったんだっけ?

笠原 違うよ(笑)。後藤さんそもそもそのなにか怪しいマスク、一体どこで売ってるの?

後藤 台湾だよ台湾。台湾で大量に買ってきたの。

笠原 あ、台湾で買ってきたの。

若杉 マスクしてるとね、声が通らないかもしれないんで。

後藤 そうだね、確かにね。

笠原 いや、そうだねじゃなくて(笑)。あとこれよく見たら帽子もNVIDIAって書いてあるんですけど、いつから回し者になったんですか?

後藤 昔から回し者だよ。

笠原 あ、昔から回し者。

山田 耳なし芳一みたいだよ。

後藤 では少しまともな格好に(マスクと帽子を外す)。

勝又 後藤さんよろしくお願いします。

後藤 はいどうもよろしくお願いします。ライターの後藤です。

勝又 続きまして、笠原さん、よろしくお願いします。

笠原 よろしくお願いします。

勝又 そして一番左側、祥平さんよろしくお願いします。

山田 はい、よろしくお願いします。

勝又 こちらの3名の皆様には、今年1年の大きな話題として、メーカーさんに忖度することなく、100%本音で、ライター生命をかけて、いろいろなことを解説していただきたいなと思ってますので、よろしくお願いします。

笠原 ライター生命はかけてないけど、毎年ほんとのことは言ってますよちゃんと。

勝又 またですね、この第2部でもメーカー様よりご提供いただきました、すばらしいプレゼントをご用意しておりますので、ご視聴いただいている方はぜひお見逃しないようお願いいたします。

若杉 で、この座談会は、この1年を振り返るんですけども、勝又さんにとってこの1年はどんな1年でしたか? PCにかぎらず、お仕事の話とか。

勝又 そうですね。今年は春から本格的に歌をはじめて、そっちが結構いろいろ。

若杉 それちなみに、なにかグループ名とか別に宣伝してもらっても。

勝又 あ、いいんですか。あのボーカルグループ「StarLights」というグループなんですけども、今日も東松山のほうでクリスマスコンサートを2回歌ってきまして、昨日は横浜桜木町にある県民共済ホールで歌ってきたりと、結構色んなところで歌わせていただいた1年です。ありがとうございます。

笠原 スターライツって光GENJIとお友達なんですよ。

若杉 ……なんの話ですか?

笠原 あ、それじゃない?失礼しました(笑)。

若杉 そういうあの若者が知らないネタを振らないように。

笠原 えー光GENJI、若者知らないんですか?

若杉 知らないと思いますよ。

勝又 あ、ジャニーズの方ですか?

笠原 ジャニーズの方。そうそう。

勝又 ちょっと勉強しときますね。ちなみに若杉さんはどうでした?1年。

若杉 今年はご存じの方もいると思うんですけど、結構ゲームやってました僕。

勝又 うかがってます。

若杉 あのeスポーツ系の配信とかを仕事としてもやってるんですけども、まあそれもあるんで、ちゃんと自分で楽しみつつ実力も付けようと思って、暇があれば練習もするし。じつは昨日もですね、とある大会に出てきて、5人チームを作って5人対5人でやるっていうグループ対抗戦に出てきて、百数十チームで800人ぐらい出てたのかな。結構デカい大会で、プロプレイヤーとかもいて、おもしろい体験をしました。

笠原 あれ? 今年は編集部対抗のゲーム大会みたいなのはなかったんですか?

若杉 編集部対抗?

笠原 なにか各編集部が対抗してやるやつ。確かLenovoさんのイベントで最近やってたような。

若杉 あ、この前、編集部対抗じゃないんですけど、第1部でも話したんですけど、「アキバeスポーツトーナメント」っていうアキバ系のメーカーさんが主体となって、アキバをeスポーツの聖地にするためにみんなでもプレイしようよっていうことで。結構おもしろかったのが、各社TSUKUMOさんとかドスパラさんとかも参加されてて、参加チームに必ず役員以上がいなきゃいけないっていう縛りを設けてるんですよ。

笠原 なるほど。それなにかちょっとLenovoが有利なようになったりしないの?

若杉 えっと、その大会はLenovoさんは出てなかったです。

笠原 あ、出てないんだ。なるほど。それでその大会は当然PC Watchチーム優勝したんですよね?

若杉 えっと、初戦でですね、ドスパラチームにですね、ぼこぼこにされて6-0で負けました。

(一同笑)

笠原 全然トレーニングになってないじゃん。

若杉 それは違うゲームなんで、ロケットリーグっていうやってないゲームなんで。まあそんな感じです。

Intel新プロセスの遅れと、CPUの供給不足について

勝又 そんな感じで、このメンバーでお送りしていきたいと思います。では早速、座談会進めていきたいと思います。まず最初のテーマ「Intel新プロセスの遅れと、CPUの供給不足について」です。

若杉 説明すると、Intel新プロセスの遅れと、CPUの供給不足っていうところで、まあまずは周知の話なんですけども、この辺は後藤さんにIntelの新プロセスの開発はいまどういう状況になっているのかをがっつりお聞きしたいと。

笠原 まあ10nmが遅れてるってことですね。

若杉 そうですね、はい。

後藤 えっとですね、Intelの10nmがそもそもなにかっていうことですね、これはTSMCの7nmよりもきついプロセスです。で、他社はノードの数字が実際のプロセスの縮小率から離れちゃってるんですけども、Intelだけはちゃんと14nmに対して70%ぐらい縮小してるやつが10nmです。で、スペックがTSMCの7nmよりもきつい。そのためにIntelはいくつか厳しいことをします。

 3つ厳しい要素があって、まず配線のプロセスがずっとTSMCのものよりせまいんで、その分露光技術を使っています。SAQP(Self-Aligned Quadruple Patterning)ってやつなんですけども。これはなんと4本の直線ダイを同時に作っちゃうっていう露光技術で、それがために結構厄介です。

 それから配線が細くなった分だけエレクトロマイグレーションの問題が起きるので、その問題を解決するために銅に代わってコバルトっていう新しい材料を導入します。それからあとDesign-Technology Co-Optimization (DTCO)っていう、これが回路設計技術と配線技術の両方でスペックをきつくする技術で、ここでIntelはとくにContact Over Active Gate(COAG)というめちゃくちゃにきついことをやってます。

 要は、ほかのメーカーよりはるかにきついことをやってぎゅっとトランジスタ密度を高めるっていうのをやって、その結果コケた、当然のごとくコケた。難しすぎたんです。だからTSMCの7nmとか見るとほんとに「ああこれはできるね」というような技術を使ってて、それはGLOBALFOUNDRIESやSamsungも同じなんですけども、それに対してIntelはやっぱりきついですよね。

 で、Intelはその10nmのラインを作りながらも量産が立ち上がらない。その一方で14nmに関してはCPUのダイサイズをややデカくしてパフォーマンスを上げた。コア数を多くした。なおかつ、チップセットもこっちへ持ってくる。そうすると当然のことながら、14nmのキャパシティは変わらないんで、14nmの製造できるチップの個数が減っちゃうわけです。減っちゃうっていうか上限になっちゃったわけですよね。その結果14nmの製品が当然のことながら足りなくなる、という状態です。

 Intelの10nmに関しては来年(2019年)の量産でもうかなりコンフィデンスを持ってる。だからSunny Coveも発表したし、そういうアーキテクチャレベルの発表をするってことは、もう10nmがレディにようやくなるよっていうことを示している。そのためにはどっかで少しゆるくしてます。配線またはDTCOって呼ばれる技術とか、なにかをゆるくしておそらく量産しやすくしてると思います。というまあ今そういう状態ですね。

若杉 今後藤さんの話にもあったんですけども、このプロセスの遅れだけがすべての理由ではないにしても、まあ現行のCPUに対して供給不足っていう影響が出てるんですけど、その辺ちょっと、たとえば採用してる各メーカーとかにどういう影響が出てるのかっていう解説をお願いします。

笠原 はい。14nm自体が今後藤さんが言ったとおりCPUのダイが大きくなっているのと、もう1つは、気がついたらICHも14nmになってるので、なにもかもみんなもう14nmになっちゃったんですよ。もう1つは、IntelがAlteraから買ったやつですけど、FPGAも14nmで、みんな14nmに流れちゃってるんでもう工場奪い合いみたいなんですよね。

 まあただここで非常に不思議なのが、Intelってもともとそういう計画がしっかりしてる会社だったんですけど、今回は需要を見誤ったのか、それとももともと見誤ってなくて単に数が足りなくなっちゃったのかっていうのがちょっとまだわからないんで、多分数年経たないとわからないんですけどそういうのって。

後藤 まあほんとは10nmに移行するはずだったのが移行しなかったんだよね。

笠原 まあそれが1つ大きいですよね。いま現状としては、PCメーカーに対してこれだけしか割り当てができませんっていう通知が行ってる、正確に言うと今年のQ3ぐらいに通知が行って、来年の計画をみんな見直してるっていう状態ですね。

山田 どのぐらい続きそうなの?

笠原 えっと、公式コメントはこの間大河原さんが記事を書いてましたが、来年の末ということになってますが、僕的には多分かなりマージンを持たせたコメントだと思うんですよね。来年の半ばぐらいには解決するのではないかという風に業界ではみんな見てますけど、ただ実際工場が増えるわけではないし、10nmが立ち上がらないと解消しない問題だから、そういう意味ではなかなかすぐに解決できる問題ではないということですね。

 でもこれの良いことは、PCメーカー皆が「AMDっていう選択肢があるんだ」っていうことに気がついたことですね。AMDにとっては非常に良いニュースで、その結果製品計画をAMDに振り替えたメーカーさんもちらほら出てきているんで、来年はもうちょっとそれが進むんじゃないかなと。

 今回非常にAMDにとって良いのは、AMDのCPUがZenで一気に切り替わって、非常に評判が良いわけじゃないですか。それがいままでデスクトップだけ、あえて言えば自作PCのところでだけ評価されていたんですけど、それがもうちょっと一般的なノートブックとかそういうものに波及する可能性があると思うので、そこがAMDにとっても良いし、業界にとっても競争が進むってことで良いことだと思うんで、悪いことばっかりじゃないと思うんですけどね。

若杉 AMDにとってはせっかく良いもの作っても採用してもらえないと厳しいなかで、そのチャンスが、良いものを使ってもらえるチャンスがやってきたという。

笠原 そうですね。AMDにとっていままでなにが問題だったかっていうと、結局この前の世代のときにIntelに対抗できるものが出せなくて、結局ロードマップを信用してもらえないということがあったと思うんですよね。メーカーにとっては、一度採用したら3年4年はそのまま行きたいわけですよ。ところがそうはできなかったっていうのが、前の世代のAMDにとってつらい状況になってたと思うんですよ。

 それが今回逆にIntelが転んでくれたので、AMDを採用しようかっていうモチベーションはみんな上がってると思うんですね。そういう意味ではAMDにとって良いチャンスだと思います。

山田 いろんなとこから聞こえてくるんだよ。メーカーあたり四半期分の売り上げっていうかビジネスチャンスが失われたみたいな話なんだけど。

笠原 みんな3四半期分、正確に言うとほぼほぼ1年ですけど、ビジネスは厳しくなるとは思いますが、ただその意味でAMDという、いまはセカンドソースって言い方しないでしょうけど、セカンドチョイスがあるってことをみんな思い出したというのがいまの現状だと思います。

後藤 結局はファブの投資って、そのアウトプットがちゃんと反映されるのには1年かかるんで、だからそこの見通しが甘すぎたんだよね。

山田 AMDもIntelがそんな風になるとは思ってなかったんでしょ?

笠原 もちろん。ですからAMDのほうもサプライが潤沢かっていうとそうではないのは事実なので、そこも対応するためには時間が掛かるわけですよね。

 なぜなら彼らはIntelよりもラインを押さえるまでに時間掛かるんで、彼ら自分のファブを持ってるわけではないのでファウンダリーのファブを押さえないといけないじゃないですか。そこはたとえばTSMCなんかもう取り合いですから、もうお金突っ込むしかないんで、そう考えるとなかなか難しいですよね。

 ただIntelに関しては、この間Sunny Coveの発表会に行って思ったことは、とにかくいままではIntelってプロセスルールとアーキテクチャとでTick-Tuckって言ってたじゃないですか。いまはもうそうじゃないですけど。そうやってたんだけど、プロセスルールに最適化するんじゃなくて、プロセスルールとマイクロアーキテクチャを完全に分けるという方針にこの世代から転換する。

 正確に言うといまのやつはほぼほぼIceLakeなんで実際は分離してないんですけど、ただこの次の世代は完全に分離する方針でマイクロアーキテクチャに名前をつけたんですよ。だからIceLakeじゃなくてSunny Coveっていう名前をつけたっていうのを、あのAMDから来たラジャが言ってて、たとえば仮にプロセスルールが7nmでコケたとしても、極端な話TSMCで作ればいいやっていう方針にいつでも転換できるような戦略に転換してるので、そういう意味ではロードマップを守るっていうIntelのもともとの製品部門にとって大事なほうに戻ってきたんだなってのがこの間の発表でわかったことですよね。そこが非常に良いんじゃないかなと思います。

後藤 まあそれは半分建前で、ほんとはプロセスの最適化が必要なので、そんなに簡単ではないですね。

笠原 まあただおもしろかったのは、いまのIntelの幹部ってある種の"外国人部隊"なんですよね。そもそも製品部門の一番トップであるマーティーはQualcommから来てるし、それからデザインを担当しているジムはAMDのZenのアーキテクチャをやってたわけじゃないですか。で、あのラジャはもともとAMDのグラフィックから来てる。そういう人達が製品作ってるんで、Intelの製品部門はかなり変わったなっていう印象は受けましたよね。

後藤 だからアーキテクチャに関しては完璧にリフレッシュ。ジムが継承型のアーキテクチャを作るとは思えないんでね。

笠原 そうですね。

若杉 はい。じゃあ今日も色んなテーマあるのでさくさくと進行していきたいと思いますけども、ちなみに今日さっき来たとき、昨年はなぜかスーツを着ていて、その前は甚兵衛を着ていて、うちの営業から「あれ?なんで今日そんな普通の格好なんですか?」って言われたんですけど、見てください。ちゃんとクリスマスカラーですわれわれ。

勝又 え、そっちですか。私紅白だなーと思って見てました。

若杉 紅白ってクリスマスカラーじゃないですか?しかも伝えてないにもかかわらずちゃんと白着てきてくれたっていう、以心伝心を見せつけつつ、次のテーマに。

(ため息)

国内PCメーカーの再々編

勝又 では次のテーマ行きましょう。次のテーマはですね「国内PCメーカーの再々編」についてお願いします。

若杉 過去数年も大手家電メーカーがPC部門を売却したりとかしていろいろ再編が進んでいるな、2018年も、具体的にはFCCL(富士通クライアントコンピューティング株式会社)というかたちで富士通のPC部門がLenovo傘下に入ったりであるとか、あるいはこれは半分国内の動向なんですけども、東芝のPC部門がまさかのシャープの傘下に入るみたいな感じで再々編となったわけですけども、祥平さんまずどう見てますか?

山田 ほんとに、世のなか的に色んな人達を排除しようととかっていう動きがあったりして、その辺含めてね、PCもなんかだんだんそんな風に世のなかの動きとしてそんな風になってきたらちょっと怖いなとかっていう風に思ったりもしてるんですけど。

笠原 それは中国の会社をってことですか?

山田 そうそう。

笠原 それに関しては僕が思うに、Lenovoさんは非常にうまくやったなっていう気はしますよね。FCCLを買ったときに、Lenovoが51%で、富士通と政府系の投資銀行が49%という割合にしたわけじゃないですか。ということは半分政府のお墨付きを得たようなものですよね。だからたとえLenovoに関してなにか言われたとしても、少なくともFCCLでビジネスを続けることは可能だと思うので、そこは非常に政治的にもうまい立ち回りだったんだじゃないかなという気がしますよね。いまとなっては結果論ですけどね。

山田 アメリカでたとえばThinkPadを禁止とかって言われたら、アメリカって言う国はたいへんなことになるらしいね。

笠原 それは僕が思うにHuaweiとLenovoの大きな違いは、どれだけグローバルになってるかっていうことの違いだと思うんですよね。

 Lenovoっていう会社は皆さんが思ってるよりも非常にグローバルで、たとえばCEOはヤンさんで北京にいらっしゃいますけど、COOはイタリアにいらっしゃるんですよね。その下の製品部門の人達はアメリカ・ノースカロライナのラーレにいて、ThinkPadの開発は日本の山形でやっている。逆に言うと、それをやろうとすると、アメリカの雇用が失われるわけじゃないですか。それはアメリカにとって意味がないだろうし、そこはやらないんじゃないかなって気がしますよね。

 そういう意味では、そこはグローバルにビジネスをやっているのかっていうとこの違いが結構大きいんじゃないかなって気がしますよね。

若杉 ちなみに、シャープが今後PC事業をどうやっていくみたいなその辺も取材とかされたんですよね?

笠原 ええ。でも僕が一番おもしろかったのはDynabook株式会社。ほんとすごいなって。Dynabook株式会社は名前のインパクトもすごいし、なにがすごいってDynabook株式会社の一番トップは石田さんなわけじゃないですか。石田さんって、ご存じだと思いますけど、ソニーVAIO時代の元事業部長ですよね。その人がいまはVAIOの競合であるDynabookを売るっていうその構図がすごいなって気がしますよね。

 もう1つはブランドが会社名になるってのがちょっとトレンドになってますよね。VAIOしかり、Dynabookしかりみたいな。ただ非常に良かったなと思うのは、VAIOが独立したときがあったと思うんですけど、あのときは海外の市場を事実上投げ出して国内だけになってVAIO株式会社として独立したじゃないですか。それに対してDynabookは、まだ海外の市場をある程度残したまま移行できてるんで、大きい規模が維持できるのかなっていう気はしますよね。

山田 記者会見行ったけど、海外の市場をもっと増やすみたいな意向みたいですね。

笠原 だからシャープは、正確に言うとFOXCONNはそういう意向だと思うので、そういうところの下に入れたというのは良かったですよね。というのは、結局シャープが厳しいときにFOXCONNが買って1年2年であっという間にV字回復できたわけじゃないですか。それが同じようにやれるんだったら、Dynabookもそれができるんじゃないかなと思うので、これからもっと良いDynabookが出てきたらマーケットで非常に良い製品が出てくると思うので、そこは非常に期待して良いのかなっていう気がしますよね。

若杉 シャープの単語はつけるんですかね? Dynabookに。

笠原 うーん必要ですかね? 僕はあのDynabookのほうがブランドとしては、PCの世界では全然上だと思うので、あの別に多分僕が思うにシャープの人もFOXCONNの人も非常に論理的にビジネスをされていると思うので、そう考えていけばDynabookを活かすのが正解なんじゃないかっていう風に考えるんじゃないかなと思いますよ。みんなもう過去は見てないんで、未来しか見ていないと思うんで、その意味ではDynabookで行くんじゃないですかね。

山田 なにかさ、あのブランディングね、新聞は「ダイナブック」ってカタカナで表記してるしね、会社名は頭大文字の「Dynabook」なんですよ。だけどブランドイメージのロゴは頭小文字の「dynabook」なんですよ。もうむちゃくちゃなんですけど。

笠原 まあまあそういうもんですよ最初は。だんだん変わっていきますから、大丈夫です。

後藤 大文字小文字にはこだわる人とこだわらない人がいるからね。そのメーカーによってね。

若杉 あのAppleでさえ、最新の電話機器のときに表記に「Xs」が大文字なのか小文字なのか揺れてましたから。

山田 でもDynabookっていうブランドは大事にしたい。

笠原 そうですね。結局ここ数年起きてきたことは、日本市場で、たとえば、HP、Dell、Lenovo、Acer、ASUSっていう5つのグローバルメーカーがあるじゃないですか。どこの市場でもだいたいその5メーカーがトップで、その後ローカルOEMっていう市場が多いんですよ。で、日本はそうじゃなくて、NECとLenovoがいて、その次にFCCLがいて、その後に東芝がいてっていう、そういうマーケットだったんですよね。ちょっとほかのマーケットとはかなり違う構造をしていた。

 ただ、今回起きた、昨年FCCLがLenovoに買収されたことから起きたことは、まあやっぱりトップにLenovoがいて、その次に来るところがHPとDellになってくるのか、それともDynabookがこのまま残るのかっていう、マーケットになりつつあるっていうことだと思うんですよね、マーケット全体で見たら。

 それが来年どういう市場構造になっていくのか。ただまあいまの現状として、日本のマーケットはパナソニックとかVAIOとか、そういう特色のある、グローバルに比べると規模は小さいんだけど、特色のあるようなPCを出しているメーカーってのはまだまだあるんで、それから日本のローカルOEMは非常に優秀なところが多いので、たとえばマウスコンピューターさんなり、TSUKUMOさんなりドスパラさんなり、おもしろい製品いっぱい出してらっしゃるじゃないですか。やっぱりそういうマーケットなんで日本は、そういうのが来年も続くことを期待したいですね。

山田 最後にアラン・ケイ見たとき、レッツノート使ってたのよ。

笠原 すげえ昔の話ですね。30年以上前の話じゃないですか?

(一同笑)

若杉 ありがとうございました。じゃあ次のテーマに進みましょう。

機械学習・深層学習の発展について

勝又 それでは次のテーマ「機械学習・深層学習の発展について」お願いします。

若杉 これについては、色んなハードとかソフトメーカーがいわゆる「AI」というものに取り組んでいるんですけども、AIの定義、AIってなに? っていうことがちょっと曖昧だったりします。不安をAIに対して感じている人、仕事が奪われちゃうとか思っている人もなかにはいるわけですけども、基本は人を助けてくれるツールだと思っていて、それに関して具体的にいまAIによってこういうことができる、あるいは、来年以降こういうことができるようになるだろうみたいなことを、ちょっと笠原さんの視点で語っていただきたいなと。

笠原 今年のAIで非常に大きかったのはやっぱりエッジ側ですね。エッジって要するにクライアント側です。そこで結構多かったのが、MicrosoftさんもGoogleさんもAmazonさんもやってたんですけど、エッジデバイス向けの半導体を出すっていう取り組みをやってて、それが要するに、クラウドからエッジ側のソフトウェアまで一気通貫で提供するっていうソリューションをみんなやってらっしゃると。

 そういう今年のトレンドがあってその結果どうなったかっていうと、いままでAIに取り組んでなかったようなベンダーさんがAIのクライアントを出してくる。わかりやすく言うとポケット翻訳機とかがその例だと思うんですけど、そういうのがだんだん増えていくってことだと思うんですよね。いままさにそういうことが起きてて、来年はそれがもっと発展していく。

 とくに今年そのエッジAIのソリューションが各社出揃ったんで、おそらく来年それがどんどんそろっていくんじゃないかなっていう風に思います。

若杉 ではハードというかチップ、AI専用のアクセラレータであるとかについて、後藤さんのほうでどういうことが起きてるのかというのを。

後藤 大きなビューで言うと、まず2段階、3段階流れがあって、そもそもまずはディープラーニング、ニューラルネットワークでやってることが、トレーニングとインファレンスですよね。インファレンスはサーバーサイドといま言ったIoTのデバイスサイドの2つあって、この2つはまた全然性質が違うインファレンスで、それぞれで必要となるプロセッサが違ってくるんですけども、全体がすべて専用プロセッサに向かって流れてる。専用プロセッサが処理するのが大きなトレンドではあります。

 データセンターのほうに関していえば、いまはGPU、それからFPGA、それからTPUみたいな専用プロセッサで、データセンター側はニューラルネットワークのアルゴリズムがどんどん変わるんで、柔軟性が求められるんで、柔軟性があるやつがいいよねって話ですよね。

 GPUがそこでなぜトップなのかっていうと、GPUは汎用に使うことができるからだと考えられるわけですよ。その場合エコシステムは揃ってるんで、まあほんと潰しが効く。ニューラルネットワークだけじゃなくていろいろ使える。でもGPUのアーキテクチャそのものはニューラルネットワークに最適化されているわけじゃなくて、HPCにも使えるけれども、そういう汎用で潰しが効くけども、じゃあディープラーニングのワークロードがどんどん増えてくるとどうなるかっていうと、それ用に設計した専用プロセッサが良いよってことになる。というのが流れですよね。

 で、まあGPUの時代がだんだんこう、そういう意味ではゆるやかに終わっていく。ただまあ、そういう話をすると、すぐそれがNVIDIAの終わりかみたいな話になるんですけども、NVIDIAはそういうのに必ず対応してくるんで、必ずしもNVIDIAの終わりを意味しないと思います。

 で、まあそこでは専用のプロセッサ、データセンターサイドでは柔軟性のあるプロセッサでフルプログラマブルなやつ。で、命令セット的にはRISC-Vなんかそこ結構狙ってたりするんで、RISC-Vでそれを作ろうみたいな話もありますよね。

 あと、流れとしてはデータフローっていう、昔からある流れなんですけど、データフロープロセッサっていうそういうプロセッサのタイプを持ってくるっていうのも流れとしてあります。

 で、インファレンスのほうの話は、デバイスサイドのインファレンスの話はもうまったく違って、低消費電力化したいっていうのがあって、データ精度を下げて、それから圧縮技術、プルーミングみたいな圧縮技術を使ってる。それはだから人間の脳がやってることを、そういう技術を取り込もうみたいなかたちになります。

 でまあ、そうするとそこは専用プロセッサになってかなり先鋭化した。いまだからちょうどそのアーキテクチャが出揃ってきているところで、Arm MLとかほんと典型的なんですけど、これだったらほんとに低消費電力にできるねみたいな、そういうものが出てきてる。

 で、ただそれはまあここら辺までのスパンで、そのままもっと先のスパンをみると、別のアプローチが見えてくるんですよ。ニューラルネットワークってそもそもどういうものかっていうと、人間の脳のニューロンの働きを、フォンノイマンマシン上でソフトウェアシミュレーションしたものなんです。で、そのソフトウェアシミュレーションを速く走らせるのがいまのニューラルネットワークプロセッサなんです。

 ところがそれだったら、もっと人間の脳に近い構造のプロセッサを作れば良いんじゃないかって話が出てくるわけです当然。だけど人間の脳はシナプスの強度がその記憶であり演算であり、つまりメモリとコンピューティングが一体化されているわけなんですよね。で、そういうプロセッサを作れば良いんじゃないかって話があって、まあそれはニューロモーフィックコンピューティングって話なんですけども、ニューロモーフィックコンピューティングがその先のスパンで存在します。そうなるとより人間の脳に近くなる。

 ただもっとすごいロングスパンで言うと、だったら一番効率が良いのは人間の脳じゃないかって話があるわけですよね。20Wでデータセンターと同じことができるんで。だからそういうものをもって今度バイオ的なってのもありえるかもしれない。で、そういう風になると、人間の脳との親和性がより高くなるんで、っていうなにかすごい長い話しましたが、そんな感じです。

笠原 確かにGPUからTPUへみたいな流れはまあまあありますよね。Intelもやってるし、それからほかのベンダーもやってるし。ただやっぱりGPUに比べてちょっと遅いんですよね。今年IntelのAIのデベロッパカンファレンスに行ったときに、IntelのAIのNPUってやつは実際出てくるのは来年なんですよね。その間にNVIDIA自体はかなり先に進んじゃってるわけじゃないですか。

 そこで色んな人と話してて最近ふと思わされたんですけど、PC時代のi386みたいなのはx86が支配してたわけじゃないですか。それで、モバイル時代になったときに結局なんになったかっていうとArmになったわけじゃないですか。今度AIの時代に来てて、そこがいまCUDAなわけですよね。CUDAのままフィックスしちゃうのか、それともなにかもうちょっと色んな風に広がっていくのかっていうのは、多分来年もうちょっと見ていくとわかるのかなっていう気はしますよね。

若杉 いろいろ出てきているとはいえ、まだまだ発展途上というかこれからなので、驚くようなソリューションとか雲の上のような存在とかだけじゃなくて、普通にスマホとかに入ってきてるんで、写真撮ってそれがAIによって綺麗になるとかって、もうすでにPixel 3とかに入ってますし、そういう感じで普通の人が普通の生活のところでAIの恩恵にあずかれることってどんどん来年以降さらに増えていくのかなって。

後藤 驚くようなっていうのはおそらくいかない。だいたいこれくらいのスパンの道が見えてるんですよ。もう方向は見えていて、どうやっていくかっていう。だからさっき言ったデータセンターサイドのプロセッサに関しても、まあだいたいこんな感じかなっていうのが見えてきてる感じですよね。それがだんだん製品として出てくる。2019年から2020年ですね。

山田 Pixel 3の説明にGoogleのAIの偉い人がやってきて説明してたんだけど、いまから8年後にはデバイス内トランジスタの99%はニューラルネットワークで作られると。

笠原 これはコンピューティングの大転換ですから、そうなっておかしくないです。

後藤 全体のコンピュータのワークロードがこういう風に延びるっていうのも、そのほとんどがニューラルネットワークになるので、そのニューラルネットワークをいかに効率的に実行するか、処理するかっていうのがポイントになります。

笠原 あのPixel 3の写真を変えるとか、Snapdragon 845とかもそうですけど、あれは言ってみればプロフェッショナルがPhotoshopしながら写真撮ってるようなもんですから。ほんとにあれはすごいんですよね。

 だからそれが僕らの言う「AI」の姿なんで、決して人間に取って代わるものでもないし、決して人間を殺したりとかそういうものではないので、それは誤解してほしくないなって気がしますよね。あくまで人間がなにかをすることを助けてくれる、よりよく助けてくれる、そういうものなんで。

山田 なにかAIっていうとね、とにかくね、30年前ぐらいの人工無能とか思い出しちゃってね(笑)。

笠原 それはなにかよくわかんないもの見過ぎですよ(笑)。

子供とPCについて

若杉 じゃあ次のテーマに進みましょうかね。

勝又 続いてのテーマは「子供とPCについて」です。

若杉 はい、具体例として今年FCCLから子供専用の自分パソコンってのが出てきたりしたんですけども、2020年の小学校でのプログラミング授業必須化なんかも結構数年前から話題に上ってますけれども、そういうのもあってどんどん子供が、低年齢の子供でも、小学生ぐらいからPCを使っていく機会も増えるし、一般家庭でPCがある部屋も減ってたりとか買い替えないとか、子供専用に与えるってことがなかなかないと思うんです。でも来年以降は増えていくと思うんですよ。

 そういうときに、子供に与えるPCがその家にとっての初のPCだったりみたいなこともあるかもしれないですし、PCを使ってない親として不安もあると思うんですよね。ざっくりとした話ですけども、子供にPCを与えるとき、親としてはどういうことに気を配ると良いのかなということを、PC業界に長年関わってきた人達に聞いてみたいんですけども、PCのスペックって話もあれば、PC=ネットの道具でもあるんで、ネットの使い方っていうのもあると思いますし、その辺祥平さんはいかがお考えですか?

山田 子供用のPCということにかぎったことではないんですけども、PCを使う人っていうのがここ10年ぐらい平均化してると思うんですよ。平均化っていうのはどういうことかっていうと、みんなのレベルがわりと近しいものになっている、というように僕自身は思っているのね。

 たとえば、子供には子供用のPCとか、シルバーPCというからくらくPCみたいなPCとか、それからまあバリバリのビジネスマンPCとかっていう風に分ける必要あるのかなっていう思いがすごくあって、電話もそうだと思うんですよね。らくらくフォンっていうのを持つような人達はじゃあ60才以上の人達なの?って言われたときに、じつは60才以上の人達のほうが20代の人達よりも電気的なデバイスの使い方が優れてたりするわけですよ。

 実際には衰えてるのは目とかで小っちゃい字が見えないとかいう話で、それはらくらくフォンの「ユーザーインターフェイスでわかりやすくしました」っていうところで解決する問題じゃないだろうと。

 それは子供にも言えることであって、子供だからと言ってPCはこうですよっていう押しつけの仕方っていうのは、かえって良くないと思うんですよ。じゃあ小っちゃい子には手が小っちゃいからっつって、小っちゃいピアノ使ったりしませんよね。大人と同じピアノを弾きますよね。それと同じようなことをやっぱり子供に使わせるPCにも求めたいかなというふうに僕自身は思うんですけど、なかなか賛同が得られない。

笠原 そもそも論に戻りますけど、じゃあPCをなんのために使うんだって話ですよね。最近僕ずっと言ってるんですけど、PCはあくまで生産性を上げるためのデバイスなので、なにかを作業をするときに、たとえばスマートフォンでやるよりも早くできるからPCを使いますって話なわけじゃないですか。そうでなければじゃあスマートフォンでいいやって当然なるので、みんな持ってるプライマリーデバイスがこれなんですから。

 じゃあなんでPCを使わなきゃいけないんだ、生産性を上げるためにはじゃあどうしたらいいんだっていう議論に立ち返ると、子供達にまずキーボード速く打てなきゃいけないとかそういうことを教えてあげるべきだと思うんで、もうちょっとそういう子供に使いやすいキーボードとかあっても良いと思うんですけど。

山田 どうなってればいいの? キーボードが。

笠原 まあたとえば子供のサイズに合ってるようなものとかね、あるいはサイズ変えられるものとかあっても良いんじゃないかなと思うんですけどね。

若杉 それが使いやすいかどうかは別として、Yoga(LenovoのノートPC)の新製品でキーボード部がE-Inkになっててキーボードを可変できるやつがありますけど、ああいうソフトキーボードを使うと、キーボードのキーピッチを変えるとかっていうのもできますね。押したフィーリングがちょっと少ないんでそこの使い勝手とかタッチタイプしにくいっていうのはあるにせよ、もしかしたらそういうのも出てくるのかもしれませんね。

笠原 そうですね。とくにいまの若い人は結構タッチ操作に慣れてらっしゃるので、子供とかもそうですけど、子供もスマートフォンを小学生のうちから使われている人とかもいっぱいいらっしゃるわけじゃないですか。そうするとそういう子供達にとっては、確かにタッチのキーボードとかで良いのかもしれないですよね。

後藤 子供がいる身にとってみると、子供に与えるPCってのは基本的にはPCの世界のフリーダムを味合わせるための窓口って言うふうに考えるんですよ。当然フルスペックのPCがほしいし、プログラミングプラットフォームとしても間違いないし。それ以外にともかくPCの世界ってなんでもありじゃないですか。そのなんでもありなところにアクセスできるっていうのが重要なんで、PCのフリーダムに慣れてほしいっていのが一番ありますね。

笠原 まあでも普通の親御さんはフリーダムは困るって思っちゃうと思いますよ。

若杉 これまた後藤さんは否定すると思うんですけど、後藤家ってかなり特殊な家だと思うんですよ(笑)。そこで、もうお子さん結構大きい年なんで、子供にPCをって話題が出るはるか以前から多分お子さんにもPCを使わせてたと思うんですけども、参考までに後藤家では長男とかに何歳ぐらいのときにどういうPC使わせてたりしましたか?

後藤 ともかく覚えてないぐらい昔からですよね。結局リビングにとりあえずまあPCを置いてとりあえずそれを子供が使えるPCにしたんで、おそらく6才とかそれくらいだったと思いますね。

山田 結構後なんだ。後藤さんのことだから生まれる前から、違う?

後藤 いや違うよ(笑)。まあ基本的にうちは1人1台もちろんPCだし、女の子はノートPCだし、女の子が一番ゲーミング需要が強いんですけどね。

笠原 でも結局世のなかの普通のご家庭だと、フリーダムにアクセスすることが危険だってのがあるわけじゃないですか。まあだからアクセスを制限するソフトなりってあるわけで。僕は逆説的なんですけど、PCってプログラマブルでフリーダムがあるからこそ、制限もしやすいと思うんですよね。だからみんな企業向けにはPC入ってるわけじゃないですか。なぜならそういう風に会社のポリシーに合わせて設定ができるから。エンタープライズのほうはPCを使ってるんですよね多分。

後藤 制限はしやすいけど、その裏をかくこともしやすいよね。というか裏をかいてほしいっていうのは僕の考え方なんだけどね。

笠原 もちろんね。でもそれは多分後藤家だけです。

山田 でもまあ子供はね、生産性とかっていう以前にこういうデバイスで無駄を楽しむっていうのを知ってほしいよね。

笠原 そうですね。

若杉 まあ難しいですよね。PCはいろいろ使いこなすと便利になるんですけども、ネットにある情報は必ずしも正しいとはかぎらないとか、危険なものもあったりするんで。

笠原 そこはちゃんと教えてあげないといけないですよね。それは大事ですよね。

後藤 それも知ってほしいよね。だからそういうのは自分で見ていかないとわからないんで、自分でそういう情報にふれて、取捨選択していくことによって、そういうなにがほんとに正しい情報なのかっていうのを身につけていってほしいですね。

山田 それで目の届かないところで傷ついちゃうこともあるだろうから、そこのところはほんとに親は気をつけないといけないと思いますけどね。

若杉 やろうと思えば、アクセスログっていうのはいまルーター経由だったり、Windowsでもあるかな、ペアレンタルコントロールでできたりするんで、その辺は両親にとって頭が痛い問題ではあるというか、いまその小学生以下の子供を持つ親って、自分の子供にPCの使い方を教えなきゃいけない最初の世代なので、その人達が自身が使ってきてなかった場合は、ほんと悩ましいだろうな。多分それを考えたビジネスとかも来年以降も出てきたり、需要もあるんじゃないかなとかね。

笠原 企業と一緒でもうソリューションですよね。ルーターとかも含めてソリューションでがっと入れていく。そういうのはやったほうが良いのかもしれないですね。

 でもほんとに冗談で言ってるんですけど、一番この世で儲からなくて報われない商売はホームITマネージャーだって言われてますからね。多分読者の皆さんそうじゃないかなって。

若杉 多分この配信ご覧になってる方々はそこそこ強い、リテラシーが高いっていうか、PCマニアやPCが好きな人が多いと思うので、親から子供から親戚から同僚から言われるんですよ。「なにもやってないのに壊れた」っていうLINEがポンときて、「なにかやってんだろ……」みたいなことをね。たとえばMicrosoftの平野社長とかも社長になってからそういう問い合わせが、親戚というか家族というか、知り合いとかから増えるようになったって言ってましたね。

笠原 勝又さんは誰にサポート頼むんですか?

勝又 私逆にサポートするほうなんです。めっちゃ調べますよ。Google先生に聞いてから、基本両親とか妹とかから「なにかできない」って。

山田 みんな嘘言うでしょ。「なんにもしてないから」とかって言って。「なんにもしてないのにおかしくなった」とかって。

勝又 まず探そうとしないですもんね。

若杉 じゃあ次に進みたいと思います。

プレゼントタイム「HP Pavilion Gaming Headset 600」

勝又 続いてはですね、第2部のプレゼントタイムに入りたいと思います。今回のプレゼントは日本HP様ご提供のゲーミングヘッドセット「HP Pavilion Gaming Headset 600」です。

 なんとこちらの製品、日本未発売の製品だそうです。今回特別にというこで、このレアな製品をご提供いただきました。ありがとうございます。

笠原 それ読者にプレゼントされる前に僕らにレビューとかで回ってこないですかね。

若杉 これは視聴者様にということで。

笠原 というか、売ってないものがプレゼントされるってあんまり聞いたことないですけど。

後藤 これ別に売る予定はあるんだよね?

若杉 僕はわからないです。

勝又 この日本未発売の製品の紹介をさせていただきたいと思います。はい、特徴としてはですね、7.1chの仮想サラウンドに対応しており、軽量で調整可能なため、装着しやすいということで、イヤーカップ部分はソフトにできているので、長時間使っても耳への負担が少ないという製品です。インターフェイスはUSBとなっております。なお、日本では非売品なので、日本HPのコールセンターにお問い合わせしても対応はできないので、その点はご了承ください。

若杉 これをもらって、なにか使い方がわかんないとかっていうときも、自己解決できる方だけ応募してください。そんな商品ありませんって言われちゃいますから、多分コールセンターに言っても。日本で売られてないので。

笠原 でもこれね、HPさん最近ゲーミングすごい力入れてますからね、あのアメリカで、HPのゲーミングギアって大人気なんで。

若杉 日本でもいまOMENブランド結構普及してて、日本のプロゲーミングチームをスポンサーしたりとか、ゲーム大会とかを運営したりとか、サポートしたりとか、かなりやってるんで。逆に言うといまeスポーツ取り組んでないとこないぐらいですよね。PCメーカー。まあでも国内メーカーはゲーム系のPCがあんまりないんで、まあ今後はわかんないですけど。

笠原 いやでもNEC PCさんが参入されることをデビット社長が発表されましたんで、NEC PCさんが参入されると、そのライバルのね、会社ちょっとうちもやらないとなっていうのあるじゃないですか。

若杉 期待したいですよね。VAIOゲーミングPCとかね。

笠原 FCCLゲーミングPCも結構いいんじゃないかと思うんですけど、とくにあの、FCCLにしろNEC PCにしろ、日本のチャネルがすごい強いメーカーだと思うんで、

若杉 だって昔は、ゲーミング専用としては売ってなかったですけど、FM TOWNSとかって言って、バリバリゲームする向けのPCがあったんですよ。4,096色とかの総天然ショックをわれわれ受けたわけですよ。だからないとは言い切れない。期待したいなと思いますけども。

笠原 っていうか相当自慢できますよね。これ日本じゃ売ってないんだぜって。

若杉 でも皆さん転売とかは禁止ですからね。ちゃんと皆さん使ってくださいね。

スマートスピーカー

勝又 続いてのテーマは「スマートスピーカーについて」です。

若杉 これってもしかしたら一般ユーザー、ご覧いただいてるようなユーザーの方々には大きな話題ではないかもしれないんですけども、メーカーサイドは色んな新製品を各社が、Appleは日本では出てないですがGoogleとかAmazonとかっていう大手がまずアメリカ本国で出して、日本にも今年いよいよ入ってきて、日本だけだとLINEのClovaとかが出てきてて。これを半分個人的な関心もあって、皆さんがそもそも買ったのかっていうところと、どう使ってるのかなっていうのをちょっと聞いてみたいんですけど、笠原さんまずどうですか?

笠原 僕は両方買いましたよ。GoogleとAmazonと。Google HomeとEcho Spot。個人的にはスマートスピーカーそんなに使ってないんですけど、結構家族が使ってます。いま何時ですかみたいなそういう使い方をしてますよ。ただ、うちの家族が使ってるスマートスピーカーと僕の使ってるスマートフォンの充電器が排他になってて、僕が帰ってくると僕の充電器を刺すんで、家族のスピーカーをぶちって抜いてすげえキレられるんですけど。

若杉 それはなにかタップ買うなりしたほうが。

笠原 そうっすね。ちょっと検討しようと思ってます。僕的にはスマートスピーカーはよりもむしろ、PCにそういうのが来るのが近づいてきてるのかなって思ってます。というのが、AmazonのAlexaはじつはPCにすでに入ってきてて、OEMメーカーによってはすでに同梱して出荷してる場合があります。

 日本でもLenovoさんのThinkPadとかまさにそうなんですけど、いまの問題は正直言ってスマートフォンとかに比べちゃうと、PCのマイクがまだそんなに良いマイクじゃないんですよね。もうちょっとそこはインプルーブする余地があって、多分次の世代のPCはみんなマイクがもっとよくなります。その結果Alexaみたいなやつがより使いやすくなる。

 いまCortana使いにくいって言ってる人がときどきいらっしゃるんですが、あればCortanaの問題っていうよりはマイクの問題ってのは結構大きいので、マイクがはやく良くなってほしいなっていうのがいまの僕の希望ですね。

 多分来年はそこが結構直ってくると思うので、とくに来年出てくるPC、おもにノートブックではより本格的に使えるようになって、まあノートブックでAlexa音楽かけてとかやるかどうかは置いとくとしても、ちょっとした検索は音声でやるみたいなのは結構増えてくるんじゃないですかね。

若杉 コメントでスマートスピーカーはステレオになってないんですかねっていうのがあるんですけど、これってかたちは1個だけとなかにユニットはステレオで入ってますよね。ステレオ感は低いですけどね。

山田 あと、スピーカー2つでペアリングできたりするのもあるよね。AmazonのEchoは設定できるよね。ここの部屋2つはLチャンネルとか。

若杉 それじゃあちゃんと同期しながら再生してくれるってことですか。

山田 そうそうそうそう。

若杉 賢いんだな。後藤さんは使ったりしてますか?

後藤 僕はスマートスピーカー使ってません。買わない。それはなぜかって言うと、いまのスマートスピーカーは全然スマートじゃないからです。結局デバイスサイドはほとんど機能をもってなくて、すべてバックエンドのクラウドに流しちゃってるんで、そっち側で処理やってるかたちですよね。

 僕の考えてるスマートスピーカーってのは、まずクライアントサイドで応答性の高いインファレンスができなきゃダメだって言うのがまず第一にあって、それからスマートスピーカーっていうかたちがあるのは変だよっていうのはありますね。ありとあらゆるものがスマートスピーカーの機能を持ってるというのが当たり前のことだと思うんで、それがこの先の道だなって思ってるんで、なにかちょっとスマートスピーカーが好きじゃないっていうのがあります。

笠原 スマートスピーカーってそもそも僕のなかでは、スタートレックのあの「コンピュータ」って話しかけて返事が返ってきて、たとえば「ちょっとご飯作って」っていうとご飯作ってくれるっていうのが究極の未来なんですよね。前にAmazonのAlexaの偉い人が講演してるのを聞いたことがあるんですけど、そのときもその人が言うには、Amazonはスタートレックのコンピュータっていうのを目指してるんだって仰ってて、まあそうだなって思ったんで。

 確かにいまの現状はそれに比べるとはるかに遠いと思うんですよ。ただ、PCもそうですけけど、最初出たときはこんなに便利なデバイスになるとは誰も思ってなかったわけじゃないですか。いま思えばIBM PCが最初出たときは、DOSが動いて、BASICでHelloとか書けるだけだったわけじゃないですか。

 多分いまの現状はそれと同じなんで、スマートスピーカーは、まあ言ってみればIBM PCが出たばっかりのときみたいなもんなんで、まあできることは確かに少ない。後藤さんの仰ってるとおりだと思うんですが、将来どんどん発展していくと、スマートスピーカーっていういまのこういうデバイスみたいなものにはほんとに意味がなくて、実体はクラウドにあるプログラムなわけじゃないですか。そこは日々日々アップデートしてるんで、みんなが気がつかない間にどんどん便利になってるんですよ。

 見た目は一緒だから同じように見えるんだけど、それがどんどん日々進化していくんで、将来僕らの目に見えないところでどんどん便利になっていくと思うんですよ。その日を夢見て使ってもらえると、いろいろ楽しいのかなって僕個人的にはそう思いますけど。

後藤 だから複雑なインテリジェンスな機能はバックエンドで、それで応答性の高い機能はこっち側でっていうのが一番正しいんですよ。

笠原 だからエッジAIにしてほしいってことでしょ?

後藤 まだIoT側はそういう機能を持ってないんでね。

笠原 ただ逆にいうとそれを入れるとコストが高くなっちゃうわけじゃないですか。いま、非常に安くしてるんで。

後藤 だからそのためにいまありとあらゆるものに、スマートフォンなんかに入るインファレンスチップが普通にそういう機能を持つようになる。

笠原 だからそれにはまだ時間がかかるんですよ。そんな今日明日にはできないですよ。

山田 いや普通の人的には、いま使ってるコンピュータは7年ぐらい経ったらちょっとやばいねみたいな感じになるけども、スマートスピーカーってまあ持って15年ぐらい持ったりするとするじゃない。それが15年後でも最新の状況で使えるんだよ? こんな夢のあるデバイスないと思うけど。

後藤 いや、きっとサポートされてない。

笠原 その頃には多分接続が切られてると思いますよ。

山田 そうかなぁ。もうサポートしませんっつって。それひどくない?

笠原 いや、そういうもんですよ。

若杉 15年とか経ったらWi-Fiの規格とかなくなってるかもしれないもんな。

笠原 もしかしたらもう2.4GHz使えないかもしれないですよね。

若杉 祥平さんはスマートスピーカーについてなにかありますか?

山田 うちはもういっぱい、いっぱいというか使いまくってますよ。音楽聞くのもそうですけども、一番よく使うのはタイマーですね。パスタゆでたりとかラーメンゆでたりとか。タイマーごとに名前つけられるでしょ。だからラーメンゆでながらこっちでは豆ゆでるとか、いろいろ便利。

若杉 几帳面ですね祥平さん。料理するときにそんな具材ごとに全部タイマーセットして、もちろん測るべきだけど。

笠原 でも僕は祥平さんみたいな使い方が非常に正しいと思うんですよ、ほんとに。結局スマートスピーカーって向こう側にある機能をなんでもユーザーの使い方の工夫によってうまくできるわけじゃないですか。そこは祥平さんの使い方は非常に正しいと思います。

山田 わりとストレートにちゃんと言うこと聞いてくれるっていう点ではね。

笠原 まあ確かに「コンピュータ、なになにやって」に届いていないのは事実なんだけど、でもだんだんそれに近づいてるんで。

山田 だからアンビエントコンピュータっていうのが夢だよね。壁に耳ありみたいな感じで言うことを聞いてくれるっていう。

笠原 だから将来はそれこそスタートレックの世界みたいに壁一面がみんなディスプレイになってて、どういうかたちのディスプレイかは議論としては置いておくとしてね、話しかけるとコンピュータから返事が返ってくるっていう、そしてそのたびにやりとりをするっていうのがコンピューティングとしては、多分それが僕の考えてる未来じゃないですか。だからスマートスピーカーはその第一歩なんですよ。

山田 後藤さん的にはオンデバイスでもってやってほしいと。

後藤 いや、だからもうちょっとこっち側に機能が来ないと嫌だよねっていうのはあるね。

CPUのセキュリティ問題について

若杉 じゃあ次のテーマに。

勝又 次のテーマは「CPUのセキュリティ問題について」です。お願いします。

若杉 CPUってものすごく高機能な、高密度なハードなんで、良いことではないんですけどバグを抱えてることもありますと。全部が全部バグが理由じゃないんですけども、そういうのも引き金になってセキュリティリスクってのが発生することもある。実際に今年MeltdownであるとかSpectreみたいなものが、まあこれはコンピュータのある意味アーキテクチャのところに起因する問題だったんですが、今回なにが起きたのかっていうのを軽く後藤さんに。

後藤 基本的にいま言ったようにこれはバグじゃないです。バグじゃなくてCPUのマイクロアーキテクチャに内蔵する隙間みたいなものです。その隙間を使って、投機実行やアウト・オブ・オーダー実行にまぎれ込ませて不正な動作をさせることが可能だよっていうことを見つけた人が出てきた、っていうような問題です。

 マイクロアーキテクチャに起因してるんで、とくにSpectreのVariant2なんかはパッチで効果的な対策がなかなかできない。だからそのためにハードウェアの対策が必要だと。最大の問題はこれっていうのは氷山の一角に過ぎないんです。まだ叩けば出てくる可能性がある。というかみんなそれをすごい恐れてる。実際にForeshadowも出てきたし、まだまだ見つかるんですよこれは。

 結局、投機実行やなんかの高速化のマイクロアーキテクチャを作るときにあんまりそういうことを考えないで作ってた。まあそんなこと普通やんないだろと思って作っちゃった。それがいま顕在化している。問題は最終的にはCPUのマイクロアーキテクチャの設計レベルで、設計の初期段階レベルでそれを初めから予測してブロックするアーキテクチャが必要で、そのためには対策に時間が掛かるってのがあって、この問題が顕在化してからはCPUの設計者にとってもうほんとにすごい大転換だったんですよ。

 2年前ぐらいから彼らも知ってたんですけど、それからは躍起になってCPUの設計をすべてセキュリティを中心に考えるようになって、大転換してってのがあって、その結果がいまようやく出はじめてるっていうそういう段階ですね。最終的にはそういうのを完璧にブロックするアーキテクチャをキャッシュとかその辺に入れ込んでくるんですけど、そういったものがだんだんできてくるということになります。

若杉 なので、直近の第9世代なんかもその辺の対策を確か施していると。

笠原 とくにSunny Coveの世代はさらに新しい改良が入るという風にIntelは説明しているので、次の世代はさらに一段階上がるというところで、ちょっとずつ進んでるっていうか。とにかく後藤さんの言ったとおり、マイクロアーキテクチャに起因するものだから、はっきり言ってすぐ直そうと思っても直せないんですよね。

 たとえば第8世代のWhiskey Lakeとか出ましたけど、ある程度までは解消できてるけどそれ以上のことはできてないわけじゃないですか。そうすると、全部直せるのはいつなのかっていう議論なんだけど、次の次の世代ぐらいかもしれないですよね。

後藤 全部っていうか構造的にそういうことができないようにブロックするっていう意味です。だからそれをやるアーキテクチャではとくにキャッシュ周りなんかはその制御でいまつけ込まれているようなそういう隙が起きないようにしている。ただ、こっから先もまだどんどん見つかる可能性があるんでそれも予測してブロックしていくということになる。

笠原 この業界ずっと見てきて僕なんかが思うのは、そういう脆弱性がないものなんてこの世には存在しないので、ハードウェアだろうがソフトウェアだろうが。なので着々とパッチ当てていくしかないですよね。

山田 そういうのこそ、オンデバイスAIで自動化していくってことできないわけ? 防御にガンガン回るみたいな。

笠原 でもそれ防御もガンガン回れますけど、攻撃もできちゃうんでなかなか難しいんじゃないかな。

後藤 ディープラーニング、パーセプトロンとかつかってまあパターン抽出ですよね。だから、パターン抽出で不正なパターンを抽出をっていうのは確かに……いやぁ、そうだなぁ。

笠原 まあでもともかくさっきも言いましたけど、ユーザーとしてはともかく情報が出たらその段階で着々とパッチを当てていく。PCもいま僕の使ってるThinkPadとかも、日々というか月々にアップデートが上がってて、そのたびにちょっとずつ穴が埋められてるんで、そうするしかない。

後藤 まあそうなんだけど、サイドチャネルアタックに関してはこれはパッチは当てると劇的遅くなるっていうのが発生するんで、つまりマイクロアーキテクチャ的な高速化テクノロジをカットする、停止させる方向に向かうのでだからそれは結構難しいですよ。

笠原 まあとくにサーバーのほうはたいへんですよね。クライアントのほうはそんなに深刻な問題ではないと僕個人的には思ってるんですけど。

若杉 質問、コメントでもエンドユーザーに直接影響あるんでしょうか?って。

笠原 あんまりないですね。多分本気でそういうの作るの相当たいへんだと思うんで。

後藤 ただいったん作られると、そういうツールができちゃうと公開されちゃったりとかして。使う側はツールの作り方を知らなくて良いんですよ。そういうハッキングツールをとってくればいいだけなんで。だから確かに結構つけ込むのは難しい、でもつけ込めないわけじゃないってのがポイントですね。

笠原 Googleの相当優秀なエンジニアがやっとプログラム発見して作ったっていう世界らしいですからね。なかなかわれわれ下々の者にはわからないところでプログラム作らなきゃなわけですから。

後藤 だからマイクロアーキテクチャ開発の段階で見過ごすというのは結構当然だって感じはするんですけども、こっから先はそれを見過ごしちゃいけないよっていうのがいまのこの2年間で変わった状況なんですよ。

笠原 それはAMDにしろArmにしろ同じような状況ですよね。まったく同じ状況ですからね。

後藤 だからシンプルCPUアーキテクトは逆にいいってのがあってね。シンプルに作れば良い、だからアクセラレータがいいんだよっていうそういう話になってるの。

笠原 ジェネラルパーパスだからこういうことできちゃうわけですよね。

後藤 あとはまっさらで作ったほうが楽だよね。やっぱりだから既存のCPUアーキテクチャに手を加えていくよりも、まっさらにゼロから作ったほうがパフォーマンスインパクトが読みやすい、だからいまからまっさらにゼロから作ったほうが楽は楽。

山田 どれぐらい時間かかる?

後藤 いやだからそうじゃなくて、こうやればブロックできるよっていうメソッドあればそれインプリすればいいだけなんで。で、既存のCPUアーキテクチャにそういうの持ってくると、パフォーマンスインパクトが読めない部分がありうるっていう、そういう話。

笠原 いずれにしろ今年はね、CPU周りはこういうニュースとかばっかりで、それから出荷ができないとかそういうのばっかりなんで。来年はもうちょっと明るいニュースがいっぱいあるといいなっていうのが率直な要望ですね。とくに来年Sunny Coveを採用したIceLakeが出てくるのかどうかってところですけど、一応来年の末にはそれが出てくるって話なんで、年明けのときになにかニュースがあればいいなっていうのはぜひIntelさんにお願いしたいですね。

若杉 まあその辺の本題のセキュリティ系の情報とか対策とかっていうのは、もちろんわれわれのPC Watchとか、Internet Watchとか、窓の杜とかでも、すべてをカバーしてるわけじゃないですけど情報を記事として提供してますので、足繁くサイトを見ていただいてつねに最新のセキュリティ環境にしておいていただければと思いますし、来年以降の話題もね。われわれ基本会社は28日が仕事納めなんですけど、ここにいるお三方はみんな来年初っぱなからCESに行かれるので、PC Watchとしてはその辺も最新の動向紹介していきます。

笠原 まだ年内の記事もがんばって書かないとって感じですけど(笑)。

若杉 いろいろ抱えててたいへんなことになってるんですけども。はい。

Arm版Windows 10について

勝又 はい、次のテーマは「Arm版Windows 10について」です。お願いします。

若杉 このArm版のWindows 10自体は昨年にもう発表されて、いくつか今年になってからハードウェア搭載機も投入されて、海外では話題性は結構あったていうか、良い意味悪い意味あって、Windows RT再来みたいな皮肉もあれば、より長時間駆動するデバイスだっていうので歓迎する声もあり。ただ物がなかったりもしたので、実際の盛り上がりってところには欠けたのかなっていう風に思ってるんですけども。

笠原 一応Lenovoさんが発表はされましたけどね。

若杉 ただ、一応QualcommからさらにCPUの面では新しい8CXとか、2019年もそれを積んだハードとかって展開ありそうなんですけども、このArm版Windowsについて笠原さんはどう見ているかっていう。

笠原 まず、なぜ日本では発表されなかったのか、発売されなかったのかっていう話なんですけど、シンプルに言うと、昨年発表されたSnapdragon 835はPC用としては正直性能が足りてなかったっていうところがあって、日本語環境で使うといろいろ若干重くなったりするのもあるんで、そう考えると性能としてどうなの?っていうところがあって、日本ではみんな二の足を踏んだんだと思うんですよね。

 だってグローバルな会社で、ASUS、HP、Lenovoって3社がSnapdragon 835ベースの製品を発表したんですけど、ついに日本では発売されなかったんですよね。それを鑑みると、おそらくそうなのではないかと。実際いろんなとこに聞いてみるとそうなんですよね。

 なんで性能が足りてなかったかってわかったかっていうと、結局COMPUTEXのときにSnapdragon 850っていう謎な製品が出たじゃないですか。あれ845ベースでちょっと改良したやつなんですけど、もともとロードマップにはなかったんですよね。急遽出すことになったっていうのがなによりも835は性能が足りなかったっていうことの証拠で、結局みんな850でやっと実際使えるようになったって言うのが正直なとこだと思うんですよ。

 アメリカではSamsungとLenovo、2社から850ベースの製品が一応発売になってまして、もう売ってるんですけど、850になったらまあまあ使えるかなっていう。僕はだいたいCore i3ぐらいって言ってるんですけど、Core i3ぐらいの性能があるものになってるのでまあまあ使えると。

 とくにSnapdragon 8CXの発表と同時にFirefoxの64bit版をARM64bitにインポートしたものが発表になったんですね。まだ出てないんですけど、今後リリースされることが発表されました。それで実際さわってきたんですけど、x86版と大差なく快適に動くので、まあこれならこれでいいんじゃないかなっていう。

 だから多分ARM64のアプリが増えるとかなり使い勝手がいいのかなって。もうMicrosoftはARM64のSDKをすでに配布してますので、それを使うとARM64bitのアプリを簡単にインポートできるようになるので、今後増えると良いのかなっていうとこですね。

 それで8CXなんですけど非常に良いですよ。ほんとに僕が使ってるかぎり、同じ8GBメモリのSurface Goよりも速く感じます。LightroomとかExcelとかも32bit版ですけどちゃんと動くんで、かなり快適に使えるのかなって。

 ただ、いま850を搭載してるデバイスを見て思うのが、確かにバッテリ駆動は24時間とかいってるんですけど、よくよく見ていくとLenovoもSamsungも本体が重いんですよ。1.8kgとか1.35kgかな。重いって言うことはバッテリがいっぱい載ってるってことなんで、まあそのぐらい持って当然かなっていうとこなんで、もうちょっとSnapdragonの良さを活かせるデバイスがほしいなって。

 そのためにはやっぱり日本のメーカーさんとかにちゃんと売り込んでもらって、たとえばVAIOとかパナソニックとかそういう特徴のある製品を作れる会社ってあるじゃないですか。そういうところにQualcommさんがんばって売り込んでもらって、なにかそういうところに軽くて、バッテリが持って、ほんとに使えるSnapdragon 8CX搭載デバイスってのが来年出てきたら、それはほしいなって気がします。

若杉 祥平さんはArm版のWindowsになにか期待してることとかあります?

山田 いや、いま笠原くんが言ったみたいに1.35kg重いよっていうと、この人の重さに関する感覚は変だからって言われる始末で。

笠原 まあ日本のメーカーがかなり軽量化にこだわってらっしゃるので、そことグローバルな会社の感覚ってちょっと違うと思うんですよね。

山田 昨年のCOMPUTEXあたりだと、Snapdragon積んだWindowsマシンはそんなに遅い感じしなかったけどなぁ。

笠原 それIFAですね。Snapdragon 850自体はCOMPUTEXで発表しましたけど製品は出てないんで。

山田 そんな遅く感じなかった。

笠原 いやですから850になってだいぶましになった。835は正直、Windowsのボタンを押してからメニューが出てくるまでに若干時間がかかるぐらい遅かった。メモリも4GBだったりする製品も多いんでやっぱりそこもちょっとつらいですよね。今度の850はやっぱりメモリ8GBのモデルがあるのでそこは結構大きいかなっていう気がしますね。

 あとやっぱりもう1つ8CXになって大きいのは、NVM Expressにようやく対応したっていう。前はUFS 3.0かeMMCだったんでやっぱり正直言ってストレージがかなり遅かったんですよね。もちろん消費電力とのトレードオフなんですけどそれがNVM Expressになったら、ほんとに僕らがビジネスで使ってるPCにようやくスペック的には追いついたんで、8CXではかなり使えるPCが出てくるんじゃないかなという風に思いますね。

 たとえば、Core i7なりi5でメモリが8/16GBで、ストレージがNVM Expressっていうようなスペックですね。でも850はだいぶ普通に使えるようにはなってますよ。Core i3ぐらいっていう。

後藤 ハードウェア的な視点から見ると、なにかもうまだバイナリの呪縛から逃れられないっていうのが結構ね。結局Microsoftは最初の.NETの構想のときは、最終的にすべてコードをコモンランタイムの上に移しちゃって、下のバイナリはすべて透過的に見えるようにするってのが構想だったんだけど、その上に完璧に載せることはできなかったっていう。

笠原 まあそれはUWPっていうので一応実現したんですけど、誰もアプリケーションを書いてくれないっていう。ほんとに僕はUWPはかなり信者なんですけど、UWPほんとに普及してほしいって思ってるんですが、実際AmazonのKindleですらUWPにならないっていう現状を考えると、それユーザーさんが使えるのかっていうと、やっぱりそうではないなっていう。ちょっとMicrosoftはそこ努力足りてないんじゃないかなぁっていうのは正直思います。

後藤 やっぱだからバイナリの互換がこんだけきついのは、まあCPUの命令セットがこっちがx86、こっちがArmっていう風に決まっちゃってて、そこを移す必要がないからだよね。だからまあ選択肢が少ないんだから、バイナリの呪縛があってもなんにも問題ないと考えてる。

笠原 あともう1つは、モバイルとデスクトップは完全に分離したんで、デスクトップはx86で、モバイルはArmでいいじゃんって完全にそういう流れで決まっちゃってるんで、もうそこを乗り越える必要がおたがいないんですよねそんなに。

後藤 だからバイナリの呪縛がそのまま生きちゃう。

笠原 ただQualcommからしたらどうしてもそこのマーケットやっぱり入っていきたいんで。

山田 もう半年いろんなことが早く動けばさ、ちょっとしたパラダイムシフトは起きたんじゃない?

笠原 いえいえそんなことはないと思います。正直言って狙いが最初から厳しいんで。だから、x86のドミネートを破るには、Armが3倍速いとかだったらみんな変わってくれるかもしれない。

後藤 だからそんだけの利点がないとダメなんだよ。バイナリトランスレーションだってオーバーヘッドがあるんだもん。

笠原 ただ正直いま現状として、バッテリ駆動時間が1.5倍になりますとかそういう世界じゃないですか。で、正直に言うと多分1.5倍もないんですよ。というのはIntel側もすでにコネクテッドスタンバイを実装してて、モデムを入れはじめてて、ということを考えると、Armを搭載するメリットのパンチが弱いんですよね。

 じゃあ、Snapdragonのメリットってなんなんですか?って言われるとやっぱり長いバッテリ駆動時間、それからモデムが入ってること。でもそれx86でも実現できてるじゃんっていうとこになっちゃってるんで、そこをなにかQualcommがアピールしていかないと、正直ユーザーさん厳しいのかな。

 今回ハワイのSnapdragonのイベント行ってきて、エンタープライズSKUを今回から投入しますと。いままでなかったんだっていう。要するにいままでエンタープライズに売れなかったわけですよ。ところが今回の8CXからエンタープライズに売れるようになるっていうところがじつは大きくて、やっぱりPCってエンタープライズから普及しないと、だいたいの場合エンタープライズ普及してそのあとコンシューマじゃないですか。だからそこをもうちょっとこう次の世代である8CXでどれだけリカバリできるかっていうのが、QualcommにとってもMicrosoftにとっても成功するかどうかの鍵になるんじゃないですかね。

山田 正念場ですか。

若杉 さっきちょっと前の話で、最新のArm機はメモリ8GBのモデルが出るのでより快適にって話が出てたなかで、祥平さんがちょっと前、先月だったかな、4GBメモリのPCに人権はないみたいな記事を書いて、かなり話題になったんですけど、僕も同じこと前から言ってて。

山田 でもChrome使わなきゃなんとかなるんだよ。

若杉 それもありますけど、ただまあ使うじゃないですか。それをわかる人はそれでいいんですけど、初めて買った人はただ重いって思っちゃうわけなんで、もちろん値段のSKUとかも必要なんで4GB出したいってのはわかるんだけど、4GB出すメーカーはめちゃくちゃけなされることを覚悟して出してほしいなって思うですよ。レビューとかでめちゃくちゃけなされても文句言えないですっていうぐらい、4GBはいまChromeでタブ開いてるだけでパンパンになって。

笠原 確かに他人のPCとか見せてもらうときがあるじゃないですか。そうするとChromeのタブなんか30個とか開いてる人いるじゃないですか。あれとかびっくりするよね。僕はモバイルで使うことが多いんでいつも1個か2個かだけ開くようにしてるんですけど。

若杉 僕も割と20ぐらい開いてますけど。

笠原 でもそうするとどんどんメモリなくなるしCPUも負荷かかるし、良いこと1個もないじゃないですか。

後藤 昔はOSがステップアップするごとに必要なDRAM容量とPCに搭載可能なDRAMが平行して上がってたんでなんにも問題なかったの。ところがPCに搭載可能なDRAM容量の増大がゆるやかになったんで、そうすると容量がギチギチになるっていう現象が起きてるの。

山田 いまWindowsはほんとメモリ食わなくなったって感じするけどなぁ。

後藤 いやだからそうせざるを得なくなってってる。搭載可能なDRAM容量が伸びなくなったから。メモリの上限の伸びが止まっちゃったのよ。

笠原 個人的にはメモリ4GBもそうなんですけど、ストレージ64GBは言うまでもなく128GBもそろそろなくしてほしいなと。Windows Updateするだけで死にそうになるんで。128GBもそろそろなくして最低256GBぐらいにしてほしいですよね。

山田 まあ逆に512GBとか要らないかもしれない。

笠原・後藤 いや512GBは必須。

笠原 僕は基本1TBで切ってるんで。

山田 ローカルに1TBほしい?

笠原 ローカルに1TB、クラウドのストレージをキャッシュしてるのである程度余裕があったほうが良いのと、あとメモリは16GB以上、ほんとは32GBほしいですけどね。

後藤 メモリは、DRAMの時代がだんだん終わりつつあるんで、正確じゃないな、コモディティDRAMの容量増加の時代が終わりつつあるんで、メモリのヒエラルキーとして同じメモリアドレスマップ上に不揮発性メモリがある。データをどちらにも置いて、それをランタイムかなにかで自動的にハンドリングしてくれる。そのための規格も作られてるけど。まあそういう仕組みですね。

笠原 後藤さんがなにを言ってるかというと、PCのメモリの階層って、CPUがいてその下にDRAMがいて、ストレージがあるって階層だったんですけど、まあわかりやすく言うとOptaneとかがまさにそうなんですけど、ちょっとこっちに近づいて、DRAMとNANDが近づいてるみたいなそういう状況がどんどん進んできてる。

後藤 メモリアクセス、I/Oアクセスなんだけれども、これをストレージクラスメモリに持って来ちゃって、メモリアクセス上で地続きで不揮発性メモリを見えるようにする。まあNANDはページアクセスだから無理なんだけども、無理って言うか噛まさないと無理なんだけども。

笠原 ああまあOptaneとかね。まあそういう風にメモリ階層も変わってきてるんで、だんだんそのうちね、Optaneとか普及していけばメモリの階層も変わっていくかもしれないですよね。

後藤 まあその場合にはケアしないといけないんですけどね。

PC業界メディア関係者の高齢化について

勝又 次のテーマは「PC業界メディア関係者の高齢化について」です。

若杉 まあ皆さんの話ですわ。見渡せばおじいちゃんライター。

笠原 これあれですか?もう祥平さんクビってことですか?

山田 いや、定年少し伸びたけどね。

若杉 われわれエディター、編集も含めての話になんですけど、もちろん仕事をしてれば、昨年2017年の座談会からそっくりいま1年、1才年をとっているわけですよ。ただ、問題は若い世代がこの業界になかなか入ってこない。ゼロじゃないとはいえ、見えにくいというか、数として多分少ないんだろうなということで。

 たとえば発表会とか行ってもだいたい同じメンツですよ。祥平さんは毎回どの発表会にもいるんで、例外的に多いですけども。まあ少子化とかもあるんで、若い人自体の絶対的な数が減っているっていうのもありますけれども。

 あとはもう1個要因としていうと、PCについて若い人達があんまり興味を持ってないから、そのことについて知りたいとか伝えたいとかって感じになって、たとえば物書き、まあライターとかね、エディターになりたいって人が減ってるんだと思うんですけど。まあこれは僕の個人的にはどうやったら若返り図れるのかなと。

笠原 まずはあれでしょ。祥平さんが若者を潰すのをやめてくれないと。

山田 いやぁ潰してないって(笑)。それはPCの業界っていうようなイメージ?

若杉 なんて言うだろうな。コンピューティングデバイスについて書いているようなメディアのイメージです。

山田 まあでもガジェット周辺とかは若い子もいるんじゃないの?

若杉 っていうことは、ガジェットにはおもしろいものがあるんで若い人がいるんだけど。

笠原 ただ確かにガジェットとコンピューティングはちょっと違いますよね。僕らのやってるPC Watch、ガジェットももちろんやってますけど、そのコンピューティングの仕組みとかそういうのも、たとえば後藤さんが書いてらっしゃる記事とかまさにそれじゃないですか。そういうのを含めてやってる媒体ってそんな多くないですよね。

若杉 ある意味、使えれば知らなくても良いっちゃいいんですよ。その後ろでCPUがどうやって足し算してるのかなんて知らなくても動くのがある意味理想っていうか、ユーザーに意識させないで裏で一所懸命働いてくれて、AIとかがんばってくれて良い写真にしてくれるとか、なにか翻訳してくれるとか、あるとは良いと思うんですけども。

笠原 ただそれがよりよくわかったほうが、よりよく使えるじゃないですか。

若杉 そうそう。そこで若者にやっぱまずPCについてとか、テクノロジについて興味を持ってほしいなと思ってるんですけども。

後藤 っていうか若返りを図らないっていう手もあると思いますけどね。ともかくまず老齢化したライターの生体組織をまず機械化しちゃう、そうすっとまあだから延命が図れるじゃないですか。だから僕をサイボーグ化してくれれば。

若杉 後藤さん1,000年間働くってことですか?

山田 多分僕が筆を折る頃にはAIが代わってくれるから、一般的な人から見たときには山田はまだ死んでないっていう。取材も行ってくれると思うんだけど。

笠原 それは誤解なんですよ。AIは代われない。あのリリース起こしみたいなのはAIができますけど、祥平さんが書いてるような記事を書けるかっていうと、そうではない。

後藤 てかまず自分の脳組織を、脳内容を、ニューロモーフィックしたマシンにアップロードすればいいんですよ。そうすっとそいつが自分と同じ思考ができるようになるんで。

笠原 あのすいません、これどのぐらい真面目に答えたらいいんですかね?(笑)。

若杉 ものを書くっていうことを仕事とか趣味でやってる、たとえば若い人でもブログを書く人とかっていうのは増えてる、機会は増えてるはずですよね。

後藤 だから、アメリカだとブログメディアのほうがこういう風に入れ替わっちゃったでしょ。だから日本みたいにPC Watchがずっと生き残ってるんじゃなくて、向こうは入れ替わりが起きちゃって、そういうブログメディアのほうが生き残っちゃうね。

笠原 まあただあれもまあ実際はもうメディア化してるわけじゃないですか。だから結局は一緒なんですよ。メディアの世代が入れ替わっただけでしょ。

後藤 日本はただそうはならないってだけでね。

笠原 日本はなかなかね、そうはいかないっすよね。

若杉 せっかくここに若い世代代表もいるんで聞いてみたいんですけど。周りでこうPC使ってる人って、たとえば学生時代とかから振り返ってみて普通にいました?

勝又 持ち歩く学生はいたんですけど、やっぱりそれって大学のときはレポート書くときとか、あとは私アカペラのサークルに入っていたので、そういう曲をいじる、アレンジするときとかに使うので、皆さん私を含めみんなAppleを使うのがほとんどだったと思いますね。

若杉 そこには確かにヒントはあるのかなって。PCを使ってクリエイトっていうと大げさなんですけど、たとえば自分で撮ったボーカルをちょっと音直したりノイズ取ったりとか、ちょっと音とかトラックを重ねてみてステレオ感出したりとか、リバーブ掛けたりとかっていうことが、スマホでできなくはないかもしれないけど、基本的にはPCのほうがより楽に簡単に効率的にできるわけじゃないですか。

 それをやろうと思ったときに、「PCがあればそういうことができるんだ」ってまずPCに興味を持ってもらって、その中の一部の人が技術を掘り下げて、みたいになればもうちょっといいのかなと思いますね。

笠原 そうですね。個人的にはさっきからずっと言ってるんですけど、鍵は生産性だと思っててプロダクティビティだと思ってるんですよ。最近よく議論してるんだけど、iPad ProがPCの代わりになるかって色んな人が言ってくるんだけど、僕はもちろん可能だと思ってて全然iPad Proは代わりになると思うし、まあ前のモデルですけど実際僕も自分でiPad Pro持ってて普通に使ってて。ときどき旅行に持ってってメールしたりとかしてるんです。ただ両方使ってて思うのは、やっぱり生産性は違うなって。急いで仕事をしてるときとかよくわかるんです。

 同じ仕事をするとしたときに、たとえばいま僕らの仕事だったら、発表会で取材に行って写真を撮るじゃないですか。そして写真を編集して記事を作って納品しますってかたちになりますよね。その全部のフェーズをPCとiPad Proでまったく同じ状態でやってみたんですけど、まったく同じものをやっても正直1.5倍から2倍ぐらい違うわけですよ。で、僕の結論としては、まだPCのほうが速いなって。

若杉 それはどこが起因してるんですか?性能なのか、キーボード・マウスっていうインターフェイスなのか。

笠原 両方ですね。性能ももちろんあるし、やっぱりUI。UIの差はデカいですよね。とくにいまのiPad Proの新しいキーボードはかなりよくなったと思うんですけど、前のやつはぺらんぺらんでちょっと打ちにくかったなって。あとマウスがないとかね。タッチしか使えないとかね。

山田 マウスが使えないってのは致命的だよね。

若杉 コメントでも書いてありますね。iPad買ったけどマウス使えるようにしてほしいって。

笠原 そういうのあると思うんですよ。あとは外付けのキーボードになったらなぜかATOKが使えないとかね。サードパーティのIMEが使えないとかいろいろあるんですけど、それは多分もともとiPadのiOS自体がスマートフォンOSから来てるので、その制限を引きずっちゃってるんですよね。

 だから僕は、ほんとにプロダクティビティを上げたいんだったら、AppleさんはiOS for iPadっていうのを作るべきだと思うんですけど。それで外付けキーボードでもATOKとか使えるようにしたりとかすれば良いと思うんですけど。

山田 macOS for iPad?

笠原 いやiOS for iPad。それはまた別の議論なんで、また話がややこしいんで。そういうのを作ってより使いやすいようにしてくれれば、よりプロダクティビティが上がると思うんですよ。だからiPadにしろ、発表会でなにかこんなかっこいいことがで来ますとか仰ってるんですけど、僕にしてみたらやっぱりプロダクティビティがどれだけ上がったかが重要なんで、そこにフォーカスした製品を作ってほしいんですよね。

後藤 いま話してるの、でも結局PCのプロダクティビティの話で、それがだからどうやって若い人を惹きつけるのかってところにはやっぱりつながらないんだよね。

笠原 だからそれをどうやってアピールするかっていうのがこれからの議論です。ただ、やっぱり僕からすると結局競争してるんで、発表会の記事とかのときは、他のメディアの記者さんと僕の記事とどっちのほうが速く載るかっていうそういう競争じゃないですか。そのときiPad使ってる人が僕より倍の時間をかかって記事を作ってるところを、僕がPCを使って半分の時間で記事が作れるんだったら、僕のほうが速く載せられるわけじゃないですか。

 それはもう競争で勝てるなっていうところで、僕としてはそこがプロダクティビティの非常に重要なところなわけですよ。だから若い人がどれぐらい、仕事が半分の時間で済むってことを評価するのかっていうのは結構鍵かなっていう気はしてるんですよね。

若杉 そのプロダクティビティももっと具体的にわかりやすい例を挙げて説明しなきゃいけないなと思っていて、やっぱりただ生産性上がるっていっても「生産性なんて仕事の話だし」とか思って学生の方は興味ないかもしれないけども、たとえばいま言った音楽編集であるとか、映像編集、写真編集ってすごく多機能なソフトとかってPC用にあって、1個1個ユースケースとかを伝えていくのは僕らのメディアの役割でもあるし、メーカーもやっぱりそういうことができるっていうのをもっともっとアピールしたほうがいい。バッテリ何時間とか世界最軽量とか、それはそれでいいんですけども。そこだけじゃなくて、こういうことができるよって。

 たとえばeスポーツなんかはわかりやすいと思うんだけど、このゲームやるんだったらこのPCがコスパばっちりですよ、みたいな。用途別に全部は難しいかもしれないですけど、各社ももうちょっと、PremiereやるんだったらこのPCおすすめとかいうようなことを、自分たちでも使ってレビュー結果とか載せつつやっていくと、じゃあちょっとこういう動画編集とかやってみたいんでPCを買おうかなみたいになってくれるかなって。

後藤 だからまずハードウェアに夢を見ないとダメですよ。ほんとにその夢はやっぱりポイント。ゲーム機なんかそうだもん。ゲーム機なんかハードウェアに夢を見させてそれで引き寄せるんで、同じモデルが必要だと思う。

若杉 そういう意味ではMacっていうかAppleはうまいっちゃうまいですよね。

後藤 Appleはうまい。やっぱり。

笠原 個人的にはやっぱりアプリケーションが一番大事だと思うんで、ほんとどんなアプリケーションを使うかですよね。

後藤 ほんとに実質的にはそうだけどね。

笠原 この間6月ぐらいにYouTuber向けのイベント「Vidcon」っていうイベントにAdobeが出展してたんですよ。そこで彼らが出してたのが「Adobe Rush」っていうソフトで、スマートフォンでも同じように使えるし、PCでも同じように使えるっていうまさにそういうソフトなんですけど、そういうとっかかりがあるとわかりやすいのかもしれないですよね。

 Rushで編集してたけどスマホでやってたらちょっとめんどくせえな、でもPCに戻してみたらすげえやりやすいじゃん、みたいなのはわかりやすいのかなって気はしてますよね。だからそこを逆に僕らからするとトロイの木馬にして、Rushまずスマートフォンで使ってもらって、PCに行けばもっと楽なんだって思ってもらえるって、そういうアピールも大事なのかもしれないですね。

若杉 もっと楽とか、もっとすごいとか。たとえばスマホで撮った写真ってアプリで簡単に色味変えたりとか明るさ変えたりとかスライダー動かすだけでできるけど、もっと細かく暗部下げつつガンマカーブいじったりであるとか、色の調整をするとかになると、フルバージョンのPhotoshopとかあったほうがはるかにできることは増えるんで、その辺のおもしろさとか楽しさっていうのを、僕数年前から言ってるんですけど、メディアとしても伝えていって、若い人にもPC使ってもらえたらなって。

笠原 そうですね。アプリケーションとしてのPCが生き残る道は、クリエイターとプロダクティビティ、もうその2つだと思うんで。

後藤 あとプログラミングね。

笠原 プログラミング、そのとおりです。あといまだとゲーミングか。その4つですね。

山田 いやー僕らの思いつきもしないような用途がいっぱいあると思うけどなぁ。

笠原 いやだからそれはなんなんですか?

山田 いやわからないよ。それがわかったら大もうけしてるよ(笑)。

若杉 たとえばでも僕、ちょっと酷なこと言うかもしれないですけど、皆さんにもいろんな新しい使い方って試してほしいと思う。たとえばいまここでやってる配信って全部PCでやってるわけですよ。PCのソフトと、ハードは普通の民生用のカメラ使ってますけど。そういう配信、たとえばゲームしながら配信とかっていうのが若い人達ってやったりして、そこのニーズ食うには自分もやんなきゃいけないと思うんで。祥平さんもそろそろYouTuberデビュー。別にVTuberでもいいですよ。声変えて、やりましょそういうのちゃんと。

山田 ね、ほんとだね。発信しないとね。

若杉 山田祥平チャンネル作って。で、後藤さんが冷やかしに行くみたいなところを。なんだこのおっさん同士のなれ合い……って引くところを、ちょっと怖いもの見たさで、グロ動画的な感じでちょっと見るみたいな。

山田 あーわかった。この年になったから俺もチコちゃんになろうかな。PC業界のチコちゃんに。

若杉 チコちゃんってなんですか?

笠原 NHKのあれでしょ。

山田 「ボーっと生きてんじゃねーよ!」とかっていうの、知らない?

若杉 いやまったく知らない。

笠原 いま完全に滑りましたよ。

山田 がーん(笑)。いやこの間ね、スキーリゾートの話をこっちの業界の人と話してて「ホイチョイ・プロダクションズ」知らない人がいてびっくりしたんだけど、よく考えたらその人平成生まれなんだなぁと思って。

笠原 いやでも平成生まれでも、でもまだホイチョイはやってますよスピリッツで。

山田 いやでもちょっとびっくりした。

若杉 あとちょっと余談で話それちゃうんですけど、昨年からのここの映ってる部分の違いとして、多分今年からだと思うんですけど、後藤さんPC変わりましたよね?前のVAIO SとかからHPのやつに。それは単純に壊れたから買い替えたみたいなそういう?

後藤 S11がうちの奥さんのほうにいったんでこれが代替です。ほんとはPro11がだカンファレンス用なんですけど、Pro11の拡張バッテリがついに、バッテリ4つ持ってたんですけど壊れたんですよ。壊れたっていうか使えなくなった。それでいまこれですね。ほんとはだからレッツノート買わなきゃなんないんだけどまだ買ってないっていう状態。

笠原 というかType-Cの充電できるやつ買ってバッテリ持てばいいじゃないですか。

後藤 だからType-Cだとカンファレンス、学会のときに使えないでしょ? 学会だとテーブルがないんで、必ず膝なんで。

笠原 いや膝の上に置きながら。

後藤 いやだから結構どんどん部屋を移動するわけ。

笠原 いやいやケーブル長いからかばんの中入れとけば。

山田 後藤さん得意のここ(ノートPCの天板)に付けちゃえばいいのに

後藤 だからそれも考えた。一瞬確かに考えた。でもやっぱり、これほら1kgじゃん。でも750gのほうがベターじゃん。その重量差は俺にとってはすごく大きくて、腰がへたるかどうかの差なんで、だからこそ必須だよね。だからレッツノートは買おうと思ってるけどまだ。僕はシートバッテリがつけられる、750gクラスのノートPCが必要なんです。

笠原 でもシートバッテリ付けちゃったら1kg超えちゃうじゃないですか。

後藤 いやでもだからそれで1日持つんで。これでだから1日持たせようと思うと、重量として300gぐらい違うのよ。300gの差ってのは君はあんまり関係ないだろうけど、俺にとってはすごい大きいわけ。

笠原 いやまあいいんですけどでも、単にType-Cのバッテリ持ったほうが早いんじゃないのって。

後藤 いやまあType-Cのバッテリ持ってるけれども、その重量よ。トータルの重量としてちょっと厳しい。

山田 その700g台で何インチの画面がほしいの?

後藤 画面はそんなにこだわんない。その代わりストレージが512GB必要だし。

笠原 まあでもその祥平さんが使ってる富士通のやつとかもType-Cのバッテリ使えるし。あ、(名札)落ちましたよ。

山田 うわー俺はもう終わってしまうのかもしれない(笑)。

後藤 だから富士通とNEC PCも候補なんだけども、いろいろ考えてるところですね。

若杉 コメントで「今回は今年買ったガジェットコーナーないのか」ってあったんですけど、今回2部構成にしたのもあってちょっと時間の都合でそのコーナーないんですけども、まだちょっと時間あるんで、なにか変わったものとか、今年買って良かったものとかあれば。

山田 24型モバイルモニター、Type-C対応。

若杉 わかりましたもういいです。

笠原 さよならー。

山田 うわぁー。

後藤 RX100M6を買ったんで、このサイズで望遠になったので、一眼レフタイプ持って歩かなくて済むようになったってのはありますね。カメラが軽量化された。

笠原 そういえば僕ついこの間、Surface Headphones買いましたよ。

若杉 あれもう日本で出たんでしたっけ?

笠原 まだ1月からなんでアメリカで買いました。くるくる回しながら使ってますよ。

若杉 あれってくるくる回すと音量変えられるんですか?

笠原 音量も変えられるし、ノイキャンの聞き具合も変えられますよ。すごい便利です。便利なんですけど、それの記事書こうと思ってたけど忘れてた(笑)。

若杉 ぜひよろしくお願いします。

笠原 じゃ、じゃあ年内にがんばります。

若杉 ヘッドフォン好きですよね?

笠原 ヘッドフォン好きです。大好きですよ。

若杉 とくにだいたいBluetooth、ノイキャンあたり。

笠原 そうですね。やっぱりそれもプロダクティビティなんですよ。仕事の生産性上げるために、たとえばカフェとかで仕事するときに集中したいじゃないですか、ノイズあると気になるんで。音楽聞いてるとなにもかも忘れて集中できるんで。

若杉 僕ね逆なんですよこれ。音楽聞くと聞き入っちゃって、ドラムパターンとか気になっちゃって、次スタジオ入ったらこれ叩けるなとかっていうほうに行っちゃうんで、聞き入っちゃうんですよね。

笠原 じゃあお経流しとけばいいじゃないですか、お経。お経ならきっとドラムないでしょ。

若杉 いや僕ノイズあっても原稿書けるんで。

後藤 ぽくぽくぽくってちゃんとリズムが入ってる。

若杉 今年買ったもののコーナー好きだったって。じゃあ来年は復活させますかね。話題を増やすか、そっちを増やすかみたいな、まあちょっといろいろ毎回かたちは試行錯誤してるので。

笠原 じゃあ来年はあれじゃないですか。3部構成でやればいいんじゃないですか?

若杉 そうするとね、僕が死んじゃうんで。

 配信と言えば、いまeスポーツの配信を2つやってて、1番組につきだいたい前の準備と後の片付けとかで4時間ぐらいかかるわけですよ。毎週木・金それに4時間ずつそれに費やしてるんで、これなんとかしないと。他の人に振るとかしないと。ちょっとずつオペレーションとかもやらしてるんですけど。

若杉 (コメント)毎月開催してほしい。あー。

笠原 毎月開催してほしい。なにかすごい顔ゆがんでますよ(笑)。

若杉 毎月もできなくはない、話題があればねできるんですけどね。話題がないとだべってるだけで盛り上がらないんで。1年に1回だといっぱい話題があるんでって言う感じでね。まあちょっとその辺も加味しつつ、年末座談会も進化させていきたいと思うんですけども、じゃあ最後のこれ行きますか。

プレゼントタイム「ASUS ZenFone MAX Plus M1」

勝又 行っちゃいましょう。ではもう1度、プレゼントタイム。

山田 なにかこのプレゼントタイムのテロップがしょぼいよね。

笠原 なにかあそこでディスってる人がいますけどどうします? やっぱ引退してもらいますかそろそろ?

若杉 まあやってみろって話ですよね配信を。

山田 ライバルになっちゃうよ。

若杉 わかんないですからねだって。ゲーマーとしてYouTuberデビューした本田翼さんとかね、いますから。

勝又 では、第2回目のプレゼントはこちらです。ASUS Japan様ご提供のスマートフォン「ZenFone MAX Plus M1」です。すごい。

若杉 スマホあげちゃいます。あげるっていうかいただいたのはASUSさんからなんですけど。

後藤 これってさ、家族アカウントで応募したらどうなるの?

若杉 出禁です。発覚したら未来永劫出禁です(笑)。

笠原 このキーワード長いですよね。スマートフォンで打ち込むの結構たいへんですよね。あ、ですから皆さんPCから投稿してくださいね、生産性高いですからね。

山田 うまくすりゃ3つぐらいのアカウントで応募できるかもしれないよ。

笠原 PCなら?

山田 そういうこと言わないように。ピュアな視聴者が汚れちゃうから(笑)。

勝又 では製品の紹介をさせていただきたいと思います。

 こちらのASUS ZenFone MAX Plus M1は、5.2型のコンパクトボディに5.7型のワイドディスプレイを搭載し、さらに超ロングバッテリを兼ね備えた、アクティブなSIMロックフリースマートフォンです。大容量の4,130mAhバッテリと先進のパワーマネージメントシステムでもうバッテリ切れの心配はございません。1,600万画素のメインカメラと120度ワイドの広角カメラを搭載したASUS ZenFone MAX Plus M1はとっておきの瞬間を逃しません。すごい。

若杉 ライトに使う方にとっては、そんな性能とか機能よりも、やっぱりバッテリが持って写真が綺麗に撮れるってのはすごく重要だと思うんですよ。そればっかりでもないけど、結構そこってやっぱり重要だからこそ各社そこに力を入れてるんであって、これはそういう使い方ができるのかなと。

笠原 そうですよね。4,130mAhあれば相当持ちますよね。

若杉 今回当たるのは1名様で、サンライトゴールドっていう色のものが当たります。

笠原 これスタンバイで28日持つってことですよね。

若杉 さすがに28日スマホ使わないと捜索願だされそうですよね。

笠原 確かに。


若杉 最後にこれで締めなんですけど、なにか言いそびれというか、これは言っておきたかったのにっていうことありますか?

笠原 確かに一番最後に仰ってたPC業界高齢化問題は非常に深刻なので僕としても早くなんとかしてほしいです。というのは、僕いまこの業界入って25年ぐらいかな、いるんですけど、未だに若手なので。

若杉 25年前に生まれた方が。

勝又 25年前に生まれました。

笠原 25年前に生まれた。じゃあ彼女が生まれた頃から僕この業界で働いてるんですが、25年経っても若手なんで、そろそろ後輩ほしいなみたいな。なので、PC Watchで記事書きたいと思う皆さん、こちらまで、あ、ないのか。

若杉 あ、でも、じつは今年、アルバイトの方を募集したんですよ。じつはバイトで来てるんですよ。大学生。いまもこの配信手伝ってくれてる彼も大学生だし、1人は新聞部とかでレッツノート持ち歩いて記事書いたりとかしてるんで。意外と探すとまだまだ大学生とかでもね。

笠原 じゃあ山田祥平さんがいなくなった分の仕事を回すってことでぜひ募集するので。皆さん一緒に働きましょう。

山田 いなくなんないから(笑)。

若杉 後藤さんはどうですか?

後藤 やっぱり5nm(笑)。

若杉 じゃあいまほしいものを教えてください、後藤さんが。存在しなくても良いです。来年こんなもの買いたいみたいな。

後藤 ものか、ものは厳しいですね。

若杉 5nmのCPUがほしい?来年はまだ出ないですけど。

笠原 じゃあ400mmウェハとかどうすか?

後藤 ウェハもらったってしょうがないじゃん(笑)。

笠原 いや、製造すればいいんですよ。

後藤 来年だからそうだ、ここのところおもしろいと思ってるのはRISC-Vはすごいおもしろいので、CPUの命令セットを増やすとか話題性としても自分の関心としてもすごいおもしろいですよね。RISC-Vの命令セットはほんとになんにでも浸透できるんで、RISC-VベースのGPUだって作れちゃうんで、だからその辺はすごくおもしろいかな。

 あとはプロセスはこの先の5nmや3.5nm、3.5nmあたりはまたすごいおもしろいんで、トランジスタの構造変わるんで、その辺は追っかけてますよね。なにかすいません。とりとめがなくなっちゃって。

笠原 オチはないんですか?

後藤 オチないなぁ。

山田 まあ夢があっていい。

笠原 まあまあムーアの法則まだ続くぞってことでね。

後藤 いやいや続かない。

若杉 祥平さんはどうですか?

山田 僕はね、いまシルバー向けのPCを普通のPCとして若い人にも中年の人にもまあ色んな人に使ってもらおうというような企画を頭のなかで考えていて、だからさっきも言いましたけど、らくらくPCでもなく、子供用PCでもなく、普通のPCを、4GBひどいなんて話もありましたけど、4GBじゃない普通のPCを普通に買える世のなかってのがやってこないかなとずっと思ってて、まあそれを実現するためにはまずシルバー向けのPCということで、その人達ってね、95年ぐらいにPCを買った人達って来年ぐらいに定年な感じじゃないですか。

 で、その人達っていろんな苦しい思いをしてPCを使わされてきたりとか、PCを使ってきたりとかっていう人達なんですけども、その人達がいざ、もしかしたら人生最後のPCになるかもしれないようなそんなものを買うときに、やっぱらくらくPCを選んでる時代じゃないよねっていうふうに、そんなふうに思っていて。

後藤 人生最後のPCってすごいいいセンテンスね。

山田 だからその今度新しくはじめる連載は、人生再起動PC再起動っていうんだけど、あ、笑うとこなんですけどここ、まあそんなことをいろいろ考えながら新しい年を迎えたいと思います。

若杉 コメントで後藤さんまだIngressやってるんですか?って話だったんですけど、ここについてるのはIngress端末ですか?

後藤 これ単なるiPhone 8ですけど、別にとくになにも。起動すればIngressになるけど。

笠原 でもいまIngressの画面思いっきり映ってましたよ。ずっとIngressの画面でしたよ。

後藤 やってないよ別にだから。

若杉 はいということで、やってます。

後藤 やってます。粛々と。

笠原 後藤さんと台湾人と一緒に食事に行ったんですけど、昨年、もうずっとIngressの話しかしないんですよ。ほんと、Ingress被害者の会を作りたいです。

若杉 それもいまは結構ですので、また日を改めて。ということで勝又さん、最後の締めのほうをお願いします。

勝又 ということで以上を持って、PC Watch年末座談会 2018は終了となります。ご視聴いただいた皆様、最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。そして、ライターの後藤さん、笠原さん、祥平さんもありがとうございました。それでは皆さん良い年末年始をお過ごしください。さよならー。

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