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NVIDIA、ボッシュ・ダイムラー両社と完全自動運転で協業

SoC「Xavier」を搭載するSoCボード「Pegasus」

 米NVIDIAは10日(現地時間)、自動運転分野でボッシュ、ダイムラー両社との提携を発表した。NVIDIAは機械学習における推論に特化したSoCや、より高度な学習を実現するクラウドソリューションで、完全自動運転にむけて爆発的に増加する情報量に対応していくとした。

 リリースによると、自動運転車に搭載される1台のカメラが1km走行する間に生成するデータ量は100GBにもおよぶ。完全自動運転ともなれば、カメラが複数台と多数のセンサーからの入力をリアルタイムに処理しつつ、安全性を確保しなければならないため、非常に高度な処理能力が要求される。

 また、ボッシュ・ダイムラーの両社はNVIDIAの自動運転に特化したSoCボード「DRIVE Pegasus」の採用を決定している。同ボードは2機の「Xavier」SoCを搭載する自動運転ソリューションで、毎秒320兆回の高い演算性能を有している(Xaiverについては過去記事も参照"本格的に深層学習へ舵を切った真のジャイアントコア「Tesla V100」")。

16基のTesla V100を搭載したディープラーニング向けサーバー「DGX-2」

 CPU、GPU、DLA(深層学習用アクセラレータ)を内包したXavierのようなSoCが必要となるのは、深層学習では大きく分けて「学習」と「推論」の2段階があるためだ。大まかに言えば、「学習」は学習用のデータをニューラルネットワークに入力し、適切な出力が得られるように調整する過程のことで、「推論」は入力されたデータをもとに実際にネットワークに判別などを行なわせる段階だ。

 自動運転車で言えばカメラなどの入力から周囲の状況や、歩行者の有無などを判断するさいにはこの「推論」を高速に実行することが必要である。同時に省電力性や省スペースであることも要求されるため、デバイス側にあたる車では推論に特化した省電力・小型のSoCを、学習にはGPUベースのサーバーや、GPUクラウドを適用するという分業体制をNVIDIAは提案している。

 NVIDIAは今回の提携について、ハードウェアとシステムに強みをもつTier1サプライヤのボッシュ、メルセデス・ベンツの親会社でもあるダイムラーのノウハウといった各々の強みを活かし、新たな自動運転プラットフォームの確立を目指すとしている。