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NVIDIA、機械学習をGPUで加速させるオープンソースプラットフォーム「RAPIDS」

RAPIDS

 米NVIDIAは10月10日(ドイツ時間)、データサイエンスやマシンラーニング(機械学習)向けのオープンソースなGPUアクセラレーションプラットフォーム「RAPIDS」を発表した。

 RAPIDSは、GPUアクセラレーションによる分析、機械学習などを行なうためのライブラリ群がセットになっており、すでにRAPIDSのWebサイトにて提供をはじめている。活用例として、クレジットカード詐欺の予測、小売在庫の見通し、顧客の購買行動の把握など、高度で複雑なビジネスの解決に有用としており、近いうちにビジュアライゼーションデータにも対応する予定。

 機械学習アルゴリズムのXGBoostを利用したRAPIDSのベンチマークでは、16基のVoltaコアを内蔵し、2PFLOPS級の性能を備えるNVIDIA DGX-2のシステムにおいて、CPUのみのシステムと比較した場合に50倍の性能差が見られたという。RAPIDSを活用することで、機械学習におけるトレーニングの時間を数日から数時間に、あるいは数時間から数分にまで短縮できるとしている。

 RAPIDSは有名なオープンソースプロジェクトを基礎とし、オープンソースコミュニティのDatabricksやAnacondaなどと協力しているほか、Hewlett Packard Enterprise、IBM、Oracleなどの名だたる企業らもサポートを表明している。

 RAPIDSの動作条件は、Pascalアーキテクチャ以上のGPUを必要年、CUDA Toolkit 9.2または10で動作。対応OSはUbuntu 16.04/18.04 LTS、対応DockerはDocker CE v18、nvidia-docker v2となっている。

 専門家の分析によれば、データサイエンスと機械学習におけるサーバー市場の規模は年間200億円に達しており、HPC(High Performance Computing)の市場価値はおおよそ360億ドルに押し上げられるという。