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ドコモ、マンホールの中にLTE基地局を設置

マンホール型基地局

 株式会社NTTドコモは、国内初の「マンホール型基地局」の試作機を開発し、3月6日より実証実験を開始したことを発表した。

 マンホール型基地局は、マンホールの中に基地局を設置したもの。試作機では、アンテナは地中10cmの深さに設置されて、無線装置への光回線の接続、電源の確保は、地上から地下埋設の配管を通して引き込まれているという。

 方式は1.5GHz帯(バンド21)のFDD-LTEで、2×2MIMOと256QAMをサポート。最大スループットは150Mbps(下り)で、サービスエリアは半径90m程度。

構造

 観光地や景勝地などでは、アンテナの設置に適した建物がなく、人の目につかないよう通信設備を設置することが難しいため、安定したサービスエリアの構築が困難だったが、マンホール型基地局では、そういった場所でも景観を保護しながら設置が可能になるという利点がある。

 しかし、マンホール型基地局の本格的な運用には、「快適な通信環境を提供できるサービスエリアが確保できること」、「マンホール上を含むマンホール型基地局周辺の電波の強さが、電波防護指針に基づく電波法令を順守した値であること」、「設置場所の安全基準に準拠したマンホール蓋の強度であること」という3つを、あらゆる環境で満たすことが要求される。

 実証実験では、積雪環境下で上記3点をクリアできるか確認するため、北海道札幌市に実験用基地局を開設して行なわれ、鉄製のマンホール蓋と同様の「耐荷重性能T-25規格(耐荷重25t)」を満たす樹脂製のマンホール蓋を用いて、半径90m程度のサービスエリアを確保できることが確認された。

 現在は、マンホール上の電波の強さについて安全性を確保した設計法を検証しており、今後、高温/多湿な環境や、トラフィック負荷が運用に与える影響の検証も予定する。

 それらの実証実験については、2018年度末の完了を見込んでいる。