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世界の遊びを変えた国産ゲーム機進化の歴史

~ファミコンから初代プレステまで

 ゲームプラットフォームの花形と言えばやはりコンシューマゲーム機。とくに80~90年代においては最新技術、枯れた技術を貪欲に取り込み、ゲームを進化させながら爆発的に市場を拡大させた。その中には大ヒットして世代を超えて語り継がれている名機もあれば、記憶の片隅にひっそりと残るマイナー機もある。同世代のゲームに注目が集まっている今、代表的なコンシューマゲーム機をあらためて振り返ってみよう(TEXT:風のイオナ)。

1983年 ファミリーコンピュータ

ファミリーコンピュータ

 任天堂初のカセット交換方式を取り入れた家庭用ゲーム機。多くのサードパーティ参入に恵まれて革新的なゲームが次々とリリースされ、大ヒット。ファミコンブームを生み出した。ゲーム&ウォッチの『ドンキーコング』で採用した十字キーをコントローラに採用し、操作性の高さもユーザーの満足度を高めた。初期のボタンはゴム製の四角ボタンだったが、後にプラスチック製の丸ボタンに仕様変更された。

1984年 スーパーカセットビジョン

スーパーカセットビジョン

 カセットビジョンの後継機としてエポック社からリリースされた同社最後の家庭用ゲーム機。当時シーンの主導権を握りつつあったファミコンに対抗する形でリリースされたが、ソフトの量や質でファミコンにかなうことはできなかった。30万台売れていたカセットビジョンとソフト互換性がなく、ユーザーを引き継げなかったのも敗因だった。

1985年 セガ・マークⅢ

セガ・マークⅢ

 SG-1000/SC-3000に続く、セガ3台目の家庭用ゲーム機。各種性能が大幅にアップされ、『スペースハリアー』や『アウトラン』などセガを代表するアーケードの体感ゲーム移植作も多く登場した。後に別売りされていたFM音源ユニットの内蔵と連射機能が搭載されたバージョンアップ機、セガ・マスターシステムがリリースされた。

1986年 ツインファミコン

ツインファミコン

 シャープからリリースされたファミコン互換機。カセットとディスクシステムのゲーム両方を使用することができる優れモノ。また、ステレオAVケーブルでのテレビ接続が可能で、ファミコンより鮮明に画面を表示させられた。ハードは何度かのバージョンアップも行なわれ、後期型はコントローラに標準で連射機能が付いていた。

1987年 PCエンジン

 NECとハドソンの共同開発でリリースされたNEC初の家庭用ゲーム機。小さくコンパクトな外観に加えてゲームカートリッジにカード型のHuCARDを採用していた。後に世界初のCD-ROMマシンとなるCD-ROM2をリリース。本体はシャトルやコアグラフィックスなど、モデルチェンジ機も多くリリースされた。また、上位機種にPCエンジンSGが存在する。

1988年 メガドライブ

メガドライブ

 セガ・マークⅢに続く5台目のセガ家庭用ハード。正式名決定前は雑誌などで“セガ・マークV”と呼称されていた。16BITのCPUとFM音源を採用し、多くのアーケードゲーム移植を可能にした。前世代機のセガ・マークⅢ用ソフトが使用できるメガアダプタもリリースされ、セガユーザーの引き継ぎにも成功。後にCD-ROM機、メガCDもリリースされた。

1989年 ゲームボーイ

ゲームボーイ

 任天堂初の携帯ゲーム機。モノクロ液晶画面の採用で電池の持ち時間も長く、幅広いユーザー層に支持された。ハード初期には当時のゲームシーンで大ヒットしていた『テトリス』を移植。ハード人気を牽引した。後期は『ポケモン』のヒットでゲームボーイ人気が再燃。後期はカラー液晶に対応したゲームボーイカラーもリリースされた。

1990年 ゲームギア

ゲームギア

 セガ初の携帯ゲーム機。性能はセガ・マークⅢとほぼ同等だが、カラー液晶を採用したことでゲームボーイとの差別化を図った。別売りのテレビチューナーパックを使用すると地上波テレビ番組を見ることができた。ハード末期にはキッズギアの名称でマイナーチェンジ機をリリースして低年齢層向けにアピール。しかし目立った結果は出せなかった。

1990年 スーパーファミコン

スーパーファミコン

 ファミコンの後継機として送り出された任天堂のカセット交換方式による据え置き機2台目のゲーム機。16BIT CPUの採用と大幅にグレードアップしたグラフィックスとサウンドで圧倒的人気とシェアを確立。ファミコンに続いて任天堂がシーンの覇権を握る形となった。ソニーと組んでCD-ROMユニットをリリースする計画もあったが実現されなかった。

1993年 PCエンジン Duo-R

PCエンジン Duo-R

 PCエンジンのHuCARDとCD-ROMの両方が使える一体型機であるPCエンジン Duoのモデルチェンジ機。Duoに存在したいくつかの端子が削除されたことに加えて価格が大幅に下げられ、それまでCD-ROM機の購入を控えていたユーザー層へ購入を促進することに成功した。後にさらなるモデルチェンジ機であるPCエンジン Duo-RXがリリースされている。

1994年 ネオジオCD

ネオジオCD

 SNKからリリースされたネオジオの家庭用CD-ROM機。リリースされるゲームのほとんどがカセット版と同じで、ネオジオCD専用タイトルは数本しかリリースされなかった。また、等倍速のCD-ROMを採用したことで読み出し時間が極端に長いこともユーザーに不評だった。後にCD-ROMの読み出しが倍速になったネオジオCD-Zがリリースされた。

1994年 プレイステーション

プレイステーション

 ソニーがリリースした初の家庭用ゲーム機。元はスーファミ用CD-ROMユニットとしてリリースされる予定だったが、計画が頓挫した後にソニーが独自のハードとして設計し直し、リリースされた。多数の開発メーカーが参入し、圧倒的なソフトリリースによってシーンの覇権を任天堂から奪った。以降も長年にわたって後継機がリリースされている。

周辺機器にスポット!

1985年 ジョイボール

ジョイボール

 HAL研究所からリリースされたファミコン用ジョイスティック。ボール型の操作スティックのインパクトと、ファミコン初の連射装置を搭載したことで話題となった。連射スイッチを真ん中に設定すると『ハイパーオリンピック』と『ハイパースポーツ』でも使用できた。

1990 パワーグローブ

パワーグローブ

 パックスよりリリースされたグローブ型のファミコン用コントローラ。グローブを右手に装着し、さまざまな動きにセンサーが反応することで操作を行なう。19,800円という高価格に加えてネタ要素が強く、まともな操作を見込めるコントローラではなかった。

1994年 スーパー32X

16BITのメガドライブを32BITマシンに進化させる周辺機器。国内ではすでにセガサターンがリリースされた後だったが、海外でのメガドラ/ジェネシス人気を延命させるために投入されたものだった。ソフトのリリースは少なかったが、完成度や移植度の高いゲームが多い。
DOS/V POWER REPORT 2018年4月号では、より詳細なコンシューマゲーム機年表も掲載!
ゲーム機年表
1975年9月テレビテニス(エポック社)
1976年10月チャンネルF(フェアチャイルドコンダクター)
1976年テレスポ(GA-ダイシン)
1977年4月ベルコン(ツクダオリジナル)
1977年10月ビデオ カセテッティ・ロック(タカトク)
1977年TV-JACK1000(バンダイ)
東芝ビデオゲーム TVG-610(東芝)
システム10(エポック社)
カラーテレビゲーム6(任天堂)
カラーテレビゲーム15(任天堂)
TV-FUN401(トミー)※モデルチェンジ版が7機リリースされた
1978年12月TVJACK スーパービジョン8000(バンダイ)
1978年レーシング112(任天堂)
ビジコン(東芝)
TV-JACKアドオン5000(東芝)
テレビ野球ゲーム(エポック社)
テルスターアーケード(コレコ)
1979年ブロック崩し(任天堂)
テレビブロック(エポック社)
1980年テレビベーダー(エポック社)
1981年7月カセットビジョン(エポック社)
1982年8月ぴゅう太(トミー)
1982年9月オデッセイ2(コートン・トレーディング・トイタリー・エンタープライズ)
1982年インテレビジョン(バンダイ)
1983年3月アルカディア(バンダイ)
1983年7月ファミリーコンピュータ(任天堂)
SG-1000(セガ)
SC-3000(セガ)
高速船(バンダイ)
1983年10月TVボーイ(学研)
PV-1000(カシオ)
1983年ゲームポケコン(エポック社)
オセロマルチビジョン(ツクダオリジナル)※SG-1000互換機
ファミコンテレビC1(シャープ) ※ファミコン互換機内蔵テレビ
1984年6月ファミリーベーシック(任天堂)※ファミコン周辺機器
データレコーダ(任天堂)※ファミコン周辺機器
1984年7月スーパーカセットビジョン(エポック社)
SG-1000II(セガ)※SG-1000マイナーチェンジハード
1984年ガン(任天堂)※ファミコン周辺機器
オセロマルチビジョン2(ツクダオリジナル)※SG-1000互換機
1985年7月ロボット※ファミコン周辺機器
1985年8月ジョイボール(HAL研究所)※ファミコン周辺機器
1985年9月スーパーマリオブラザーズ(任天堂)※ファミコンソフト
1985年10月セガ・マークⅢ(セガ)
1985年ファミリーキング(スピタル産業)※ファミコン周辺機器
ハドソンジョイスティック(ハドソン)※ファミコン周辺機器
アスキースティック(アスキー)※ファミコン周辺機器
ハイパーショット(コナミ)※ファミコン周辺機器
1986年2月ファミリーコンピュータ ディスクシステム(任天堂)※ファミコン周辺機器
1986年5月ドラゴンクエスト(エニックス)※ファミコンソフト
1986年7月ツインファミコン(シャープ)※ファミコン互換機
1986年ジョイカードMK.2(ハドソン)※ファミコン周辺機器
ファミリートレーナー(バンダイ)※ファミコン周辺機器
1987年10月セガ・マスターシステム(セガ)※セガ・マークⅢマイナーチェンジ版
PCエンジン(NEC)
3Dシステム(任天堂)※ファミコン周辺機器
マルチタップ(NEC)※PCエンジン周辺機器
1987年12月ファイナルファンタジー(スクウェア)※ファミコンソフト
1987年ホリコマンダー(ホリ電気)※ファミコン周辺機器
1984年6月ファミリーベーシック(任天堂)※ファミコン周辺機器
データレコーダ(任天堂)※ファミコン周辺機器
DOS/V POWER REPORT 2018年4月号の特集は90ページにわたって“80~90年代ゲームの今”を総括した「レトロゲーム、進化中。」

 本企画はDOS/V POWER REPORT2018年4月号(2月28日)の「特集・レトロゲーム、進化中」からの抜粋。この特集では、80~90年代のコンシューマゲーム機、パソコンゲーム、アーケードゲームにフォーカスし、今遊んでほしいゲームタイトルや、ゲーム機、パソコンの歴史、名機解説、レトロゲーセンの名店紹介、ゲームバー探訪記、ゲームミュージック史、レジェンドゲームクリエイターのトークなど、多角的な視点から“レトロゲームの今”をお届けする。