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パナソニック、労働者のPC/アプリ使用時間を可視化するサービス
~個人に気づきを与えて働き方改革を後押し
2018年1月25日 18:47
パナソニック株式会社は1月25日、都内で記者発表会を開催し、12.1型モバイルノート「レッツノートSVシリーズ」と、新たな企業向けの働き方改革支援サービスを発表した。
レッツノートSVの仕様などについては別記事(パナソニック、光学ドライブ+4コアCPU搭載で約999gの12.1型レッツノートSV)を参照されたい。ここでは発表会での模様をお伝えする。
効率的な仕事をするために業務を可視化
登壇したパナソニック株式会社 コネクティッドソリューションズ社 常務 モバイルソリューションズ事業部にて事業部長を務める坂元寬明氏は、まず2017年度においてレッツノートが非常に好調であることを明かした。昨年度は出荷台数が32万台だったが、今年度は40万台を超える見通しで、レッツノート誕生21年目にして最高の記録になりそうだという。
レッツノートは「軽量」、「長時間」、「頑丈」、「高速」をコンセプトとしており、“モビリティ向上・高速化”でユーザーの仕事効率向上に寄与しているとする。坂元氏はこれに加えるかたちでユーザーの働き方改革をうながしたいとし、働き方改革支援サービスとして「可視化サービス」の導入を発表した。
同サービスは経営者と社員の労働時間を可視化して、生産性を高めることを目的とするソフトウェアで、PCの使用時間と利用するアプリの時間などを記録するというもの。働き方を改革するためには、客観的に普段の労働を意識して変えていく必要があるとの考えのもと、非主体業務時間から主体業務時間の割合を増やし、過重労働の是正などに役立てる狙いがある。
たとえば、非主体業務であるメールの整理などにあまりにも時間を割かれてしまっている場合など、時間の使い方について利用者自身に気づきを与えて、より効率的な業務遂行を模索させるといったもの。サービス側でどの時間の処理を改善すればよいかといった提案機能は備わっていないため、自身および部署/上司でその答えを探ることになる。基本的に“可視化”であり、“解決”のためのサービスではない。
このアプリを導入したPCでは、ログイン/ログアウト、キーボード/マウスの操作があった時間を可視化するようになっており、説明員に聞いた話によれば、特定のアプリがただ開かれているだけでは労働と判定されないようだ。労務管理ツールとして使い、サービス残業の是正といった活用もできる。
なお、同社としては上の図にもあるように、強制・抑制的な管理はよしとしない考えで、あくまで個人に対して気づきを与えて、自律的に改善していくことが大切だとしている。強制されている状況では労働時間ばかり短くなるだけで、効率の改善は期待できないという。そのため、このサービスがマイナスの方向で導入されないように、提供先にはきちんとした説明を行なうとしていた。
いくつか条件があるものの、このアプリはパナソニック以外のPCでも導入可能としており、レッツノートに縛られることなくサービスを展開できる。すでにさまざまな業界から100社以上が可視化サービスの導入を検討しているとのことで、サービスの提供は2月20日から行なわれるという。価格はオープンプライスとのことだが、おおよそPC1台あたり月額1,500円程度の料金で利用できるようだ。
このほかにも、同日にソフトウェア型のVPNサービスを投入するほか、今夏にはストレスチェックサービスも投入予定。坂元氏は今回の可視化サービスにかぎらず、機能のブラッシュアップや新サービスの展開も視野に、レッツノートとともにさらに拡大を図っていきたいとした。
以下、会場に展示されていたレッツノートSVの実機写真を掲載している。