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東大ら、爆発せず“消火機能”まで備えたリチウムイオン電池用の電解液を開発

 東京大学大学院工学系研究科および国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)の研究グループらは11月28日、消火機能を備えた有機電解液を開発したと発表した。

 現在、リチウムイオン電池などの2次電池には可燃性の有機電解液が使われており、これによるリチウムイオン電池の発火や爆発事故がたびたび発生している。

 同研究グループは、既存の可燃性有機電解液と同等以上の電圧耐性を有しながら、リチウムイオン電池やナトリウムイオン電池の長期充放電サイクルを可能にする消火機能を備えた高性能有機電解液を開発。

 同有機電解液は、難燃性の有機溶媒と電解質塩のみから構成され、引火点を持たないことが特徴。200℃以上の温度上昇時に発生/拡散する蒸気が消火剤として機能することから、電池の発火リスクを低減可能。長寿命が必要とされる電気自動車やスマートグリッド用電池に好適とし、これまでの難問だった2次電池の高エネルギー密度化と大型化の両立が可能になるとする。

 今後は、高機能電解液の探索を続けるとともに、実用化に向けた産業展開を進めていく。