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Intel、17量子ビットの超電導テストチップを開発

~量子コンピュータ開発のQuTechに納入

Intel、17量子ビットの超電導テストチップを開発

 Intelは10日(現地時間)、17量子ビットの超電導テストチップを開発し、量子コンピュータの開発に携わるQuTechに納入したと発表した。

 量子は非常に脆く、ノイズや意図しない観測によってデータが失われる可能性があるため、20ミリケルビンの極低温環境で動作させる必要がある。この極限環境での動作は、プロセッサのパッケージング技術がカギとなる。Intelのオレゴンの開発チーム、およびアセンブリテストと技術開発を行なうアリゾナのチームは、チップのデザインおよびパッケージング技術を一新させることで、この環境下での動作を実現したという。

 具体的には、量子間の無線の干渉を避ける新しいアーキテクチャを採用することにより、信頼性と熱性能を改善。また、高度なプロセス技術や材料、デザインによって、量子に対応できる回路をパッケージに収めた。さらに、スケーラブルなインターコネクトスキームを採用することで、従来のワイヤーボンド式のチップと比較して、出入りする信号数を10~100倍に高めたとしている。

Intel、17量子ビットの超電導テストチップを開発

 Intelは量子コンピュータの開発にさいして、QuTechと2015年より協業をしており、量子デバイスや量子アプリケーションのみならず、これらのデバイスを制御するために必要なハードウェアおよびソフトウェアアーキテクチャに至るまで、研究/開発を行なっているという。

 また、他社とは異なり、さまざまな量子タイプを研究しており、今回のようなテストチップに加えて、シリコン内のスピン量子についても検討している。スピン量子ビットは、従来のトランジスタに似ており、これまでに近いプロセスで製造できる可能性を秘めている。

テストチップの開封動画