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IBM、現行スパコンを超える「汎用」量子コンピュータを数年内に公開へ

IBM Qプロジェクトの研究室

 IBMは6日(米国時間)、同社が製作に取り組んでいる汎用量子コンピュータ「IBM Q」のロードマップを公表した。汎用量子コンピュータ自体は未だ実現していないものの、IBMは数年内の公開を目指す。

 作製される汎用量子コンピュータは50qubit(量子ビット)を目標としており、数ペタフロップスの現行スーパーコンピュータを凌ぐ性能を発揮するという。実現すれば、化学や金融、機械学習といった分野において従来型のコンピュータがなし得なかった新たな結論を導く事が可能になる。

 同社が提供している量子コンピュータ「IBM Quantum Experience」について、従来の5qubit(量子ビット)から20qubitまで扱えるアップグレードが行われた。さらに、同サービスに新たにAPIが公開され、特別な知識を不要としつつPythonを利用した量子コンピューティングが可能となった。

 2017年半ばまでに量子コンピュータ用の言語「QASM」と専用のSDKも公開される予定。同社はこれらの取り組みを通じ、汎用量子コンピュータの実現に先がけて開発者らが量子コンピューティングに親しむ機会を設ける。