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光を使い“分子レベル”でデータを保存できる「LI-RAM」

博士課程のクリモトアイコ氏(左)、Natia Frank氏(中央)と初期のプロトタイプデバイス Credit: UVic Photo Services

 カナダ ヴィクトリア大学(UVic)は11日(現地時間)、光誘起磁気抵抗メモリ(Light Induced magnetoresistive Random-Access Memory: LI-RAM)を実現する新材料を開発したと発表した。

 LI-RAMの特徴は、電気に代わり光を使用している点で、データが分子レベルで処理、保存されるユニバーサルメモリとなる。

 LI-RAMはこれまで仮説的技術だったが、今回、Natia Frank氏が、緑色の光を当てると急速に磁気特性が変化する性質を持った新材料を開発し、これによって実現可能な技術となったという。

 現行のメモリ技術と比較して、LI-RAMは消費電力を10%削減できるほか、熱をほとんど発生せず、耐久性も向上し、環境負荷も低いとしている。

 LI-RAMはすでに特許出願済みで、現在Frank氏は国際的電子機器メーカーと協力して技術の民生化を目指しており、同大学では今後10年でコンシューマ向けに同技術が提供される可能性があるとしている。