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ASUS、シリーズ名を大幅に整理したIntel 200シリーズ搭載マザー

ROG MAXIMUS IX FORMULA

 ASUSは、Intel 200シリーズチップセットを搭載したマザーボード14モデルを1月6日に発売する。価格は全てオープンプライス。

 Intelの最新チップセット、Intel Z270、H270、B250を搭載するマザーボード群。Kaby Lake世代のCoreプロセッサに対応する。チップセットとしての新機能は特にないが、マザーボードとして対応デバイスがほぼなかったSATA ExpressやU.2の全面廃止が特徴として挙げられる。

 一方でM.2は全製品2スロット搭載。RAID機能による高速性を謳う。Realtekのサウンドコーデックは「ALC1150」から「ALCS1220A」に変更。ASMedia製USB 3.1コントローラ搭載製品ではコントローラが一新され、2ポート合計で20Gbpsの転送ができるようになり、前面ポート用のピンヘッダが新たに策定されたものとなった。

 下位モデル以外はマザーボード上にRGB LEDによるイルミネーション機能「Aura」機能を搭載。付属のソフトウェア上から発光パターンや色を自由にカスタマイズできる。同社製ビデオカードやキーボード/マウス、そして他社製のメモリおよびLEDテープの発光を同期させられる「Aura Sync」機能も搭載しており、Aura Sync対応製品にはロゴが付加されていくことになる。

 また、業界最高レベルを謳うファンコントロール機能「Fan Xpert 4」を搭載。ファンの回転数制御がPWMかDCかを自動で検出するほか、高回転域はPWM制御、低回転域はDC制御をする「PWM/DCハイブリッド制御」を搭載する。なお、一部下位製品ではこのPWM/DCハイブリッド制御をCPUファンのみに限定した「Fan Xpert 4 Core」となる。

 いずれの製品もCPUソケットはLGA1151で、対応CPUがCore i7/i5/i3、Pentium、Celeron。メモリスロットはDDR4×4で、容量は最大64GBをサポート。メモリ速度は、ROG MAXIMUSシリーズが最大DDR4-4133、Intel Z270搭載のROG STRIXシリーズおよびIntel Z270搭載のPRIMEシリーズがDDR4-3866、Intel H270/B250搭載製品がDDR4-2400となる。

従来製品との機能比較
オープンワールドやMMOゲームにおけるストレージの重要性
全製品M.2を搭載する
上位製品はAuraイルミネーション機能を搭載する
周辺機器と同期させる「Aura Sync」
AURAとAura Syncの違い
Aura Sync対応のケースやメモリなどもサードパーティから発売される
AuraとAura Sync設定ソフト
実際のUI画面
Fan Xpert 4の機能
【動画】Aura Syncで周辺機器と発光パターンを同期させたところ

シリーズ名の整理

 今回から、製品ラインナップはゲーミング/オーバークロック向けの「ROG MAXIMUS」シリーズ、ゲーミング向けの「ROG STRIX」シリーズ、高耐久の「TUF」シリーズ、スタンダードの「PRIME」シリーズの4シリーズとなった。これに伴い、細かなブランド整理も行なわれている。

今回発表された14製品の製品名
全新製品の写真

 ROGブランドは従来、R.O.G.とROGの表記が製品によって異なっていたが、ROGに統一された。ROG MAXIMUSはオーバークロックとゲーミング両方に特化した上位シリーズだが、ROG STRIXは従来のPRO GAMINGシリーズ、およびROG STRIXシリーズを統合したもので、ROG MAXIMUSほどオーバークロックに特化はしていないとされる。

 ROG MAXIMUSシリーズでは、これまで「HERO」の下に存在していた「RANGER」は消失し、ROG STRIXが担うことになる。代わりにHEROと「FORMULA」との間に「CODE」を設けた。FORMULAは水冷に特化したVRMヒートシンクを備えているが、CODEはこれを省くことで低価格化している。

 なお、ROG STRIXシリーズの中で、チップセット名の後ろに「F」や「G」といったサフィックスが付いているが、Fは上位の「FORMULA」、GはmicroATXの位置付けである「GENE」を意味する。つまり、ROG STRIXシリーズではこのほかにも最上位の「E」(EXTREME)、「H」(HERO)、「I」(IMPACT)が存在するが、1月6日時点ではこれら製品は用意されない。裏を返すと、これまでROG MAXIMUSシリーズにあったGENEおよびIMPACTは、今後ROG STRIXシリーズとなる。

 TUFシリーズは従来と同じく高耐久に特化したモデルだが、SABERTOOTHといった名前はなくなっている。一方PRIMEシリーズはこれまでスタンダードシリーズとして位置付けられていたモデルで、これまでは特にシリーズ名がなかったが、PRIMEという名前が付加されたことになる。1月6日時点ではエントリー向け上位の「A」がシリーズ最上位だが、今後「PLUS」と「PRO」といったミドルレンジ向けモデルが投入される予定だ。

 自作PC市場の大半がゲーミング用途に移行した背景もあり、ゲーミングシリーズを大幅強化、スタンダードシリーズを大幅に縮小した格好。このためメインストリームは「ROG STRIX Z270F GAMING」になると見られ、これまで存在したスタンダード向けの最上位の「DELUXE」は消失したことになる(ただし、例外があるとも限らないとしている)。

シリーズは4つにまとめられた。オーバークロック/ゲーミング向けの「ROG MAXIMUS」、ゲーミング向けの「ROG STRIX」、高耐久の「TUF」、スタンダードの「PRIME」だ
ROG MAXIMUSとROG STRIXは「ROG」ブランドだが、TUFとPRIMEはブランドなしである。なお、R.O.G.という表記もなくなり、ROGに統一
製品名の頭にシリーズ名を追加し、シリーズ名を強調
このように、全製品の製品名にシリーズ名が入る
ROG MAXIMUSシリーズからRANGERはなくなった。EXTREMEは未定。ROG STRIXは従来のMAXIMUSの下位およびPRO GAMINGを統合したもので、GはGENE、IはIMPACTになるので、MAXIMUSからはGENEとIMPACTはリリースされなくなる。スタンダードシリーズからはDELUXEがなくなった
製品名の見方も整理された

ROG MAXIMUSシリーズ

 ROG MAXIMUSシリーズはオーバークロッカーおよびゲーミングに特化したプレミアムシリーズ。「ROG MAXIMUS IX FORMULA」、「ROG MAXIMUS IX CODE」、「ROG MAXIMUS IX HERO」の3製品が用意され、店頭予想価格は順に55,000円前後、48,500円前後、38,500円前後の見込み。

 FORMULAは液冷に特化し、VRM冷却ヒートシンクに「CrossChill EK II」を採用し、従来より最大4℃の温度低下を実現。また、液体温度計測用ピンヘッダおよび流量計測用ピンヘッダ(いずれもセンサーは別売)を備える。バックパネル一体型のインターフェイス部も特徴で、簡単に取り付けられることを謳っている。

 付属のソフトは、敵の音を視覚化する「Sonic Rader」がIIからIIIに進化し、見やすさの向上およびアルゴリズムの向上を図った。また、オーディオ管理を行なう「Sonic Studio」もIIからIIIに進化し、ソースごとに出力を設定できる機能を追加した(内蔵Realtekオーディオ機能利用時のみ有効)。このほか、NVMeストレージをサポートしたキャッシュソフト「RAMCache II」、ディスクのクローンを作成する「CloneDrive」も搭載する。

ROG MAXIMUSシリーズのラインナップ
FORMULAではCrossChill EK II水冷対応ヒートシンクを搭載。また、液冷用の温度/流量センサーを備える
新たに策定されたUSB 3.1の前面パネル用ヘッダ
FORMULAでは一体型バックパネルを搭載
Sonic Radar IIとSonic Studio IIIの特徴
Sonic Radar IIIではグラフがより見やすくなった
ROG MAXIMUS IX FORMULAの背面。バックプレートによって強化されている
新たに策定されたUSB 3.1前面パネルポート用のピンヘッダ
ROG MAXIMUS IX CODE
ROG MAXIMUS IX HERO

 主な仕様は下表の通り。

製品名ROG MAXIMUS IX FORMULAROG MAXIMUS IX CODEROG MAXIMUS IX HERO
フォームファクタATX
PCI Express拡張スロットx16×3、x1×3
マルチGPUAMD CrossFireX/NVIDIA SLI
M.2スロット2
SATA 6Gbpsポート6
無線LAN機能IEEE 802.11ac-
有線LAN機能Gigabit Ethernet(Intel I219-V)
Bluetooth4.1-
オーディオROG SupremeFX(Realtek ALCS1220)、8ch出力
背面パネルI/FUSB 3.1 Type-C、USB 3.1、USB 3.0×4、USB 2.0×4、HDMI、DisplayPort
電源回路Extreme Engine Digi+
ファンコン機能Fan Xpert 4
高電流ファンピンヘッダ4ピン×1
液冷ポンプ用ピンヘッダ4ピン×2
イルミネーションAura
LEDテープピンヘッダ4ピン×2
BIOS復旧機能USB BIOS FlashBack/CrashFree BIOS 3
メモリ相性対策MemOK!
5X Protection III-
CPU取り付けアダプタ付属
HB BRIDGE付属

ROG STRIX

 ゲーミングに特化したROG STRIXシリーズは、「ROG STRIX Z270F GAMING」、「ROG STRIX Z270G GAMING」、「ROG STRIX H270F GAMING」の3製品が用意され、店頭予想価格は順に27,000円前後、3万円前後、20,500円前後の見込み。それぞれZ270 ATXスタンダード、Z270 microATX、H270 ATXスタンダードという位置付け。

 デザインを刷新し、赤要素を取り除き、銀と黒で構成されるスタイリッシュデザインにした。ヒートシンクに入れた切れ込みは刀の痕、基板の表面パターンは刃文をイメージしているという。ソフトウェア面はROG MAXIMUSと共通。

ROG STRIXはデザイン一新
刀の傷痕をイメージしたヒートシンク
基板のパターンは刃文をイメージ
付属ソフトはROG MAXIMUSシリーズと同じ
ROG STRIX Z270F GAMING
ROG STRIX Z270G GAMING
ROG STRIX H270F GAMING

 主な仕様は下表の通り。

製品名ROG STRIX Z270F GAMINGROG STRIX Z270G GAMINGROG STRIX H270F GAMING
フォームファクタATXmicroATXATX
PCI Express拡張スロットx16×3、x1×3x16×2、x1×2x16×2、x1×4
マルチGPUAMD CrossFireX/NVIDIA SLIAMD CrossFireX
M.2スロット2
SATA 6Gbpsポート6
無線LAN機能-IEEE 802.11ac-
有線LAN機能Gigabit Ethernet(Intel I219-V)
Bluetooth-4.1-
オーディオROG SupremeFX(Realtek ALCS1220)、8ch出力
背面パネルI/FUSB 3.1 Type-C、USB 3.1、USB 3.0×4、HDMI、DisplayPort、DVI、PS/2USB 3.1 Type-C、USB 3.1、USB 3.0×4、USB 2.0×2、HDMI、DisplayPort、PS/2USB 3.1 Type-C、USB 3.1、USB 3.0×2、USB 2.0×4、HDMI、DisplayPort、DVI、PS/2
電源回路DIGI+ Power ControlDigi+ VRM
ファンコン機能Fan Xpert 4
高電流ファンピンヘッダ4ピン×1-
液冷ポンプ用ピンヘッダ4ピン×1
イルミネーションAura-
LEDテープピンヘッダ4ピン×24ピン×1
BIOS復旧機能CrashFree BIOS 3
メモリ相性対策-
5X Protection III-
CPU取り付けアダプタ-
HB BRIDGE付属-

TUF

 高耐久のTUFシリーズは「TUF Z270 MARK 1」の1製品。店頭予想価格は36,500円前後の見込み。

 Military Standard規格をクリアした部品を使用した高耐久を謳う製品で、13個の温度センサーと10個のファン用ピンヘッダを備え、専用ソフトウェア「TUF Thermal Rader 2+」によって高度な制御が可能。今回のTUF Thermal Rader 2+ではファン制御をFan Xpert 3準拠からFan Xpert 4に進化させ、先述のPWM/DCハイブリッド制御がケースファンにも対応した。

TUFシリーズは1モデルのみ
ファンコン機能を強化したTUF Thermal Radar 2+
TUF Z270 MARK 1

 主な仕様は下表の通り。

製品名TUF Z270 MARK 1
フォームファクタATX
PCI Express拡張スロットx16×3、x1×3
マルチGPUAMD CrossFireX/NVIDIA SLI
M.2スロット2
SATA 6Gbpsポート6
無線LAN機能-
有線LAN機能Gigabit Ethernet×2(Intel I219-V+I211)
Bluetooth-
オーディオCrystal Sound 3(Realtek ALCS1220)、8ch出力
背面パネルI/FUSB 3.1 Type-C、USB 3.1、USB 3.0×2、USB 2.0×4、HDMI、DisplayPort
電源回路TUF ENGINE!
ファンコン機能TUF Thermal Radar 2+
高電流ファンピンヘッダ4ピン×1
液冷ポンプ用ピンヘッダ4ピン×1
イルミネーションAura
LEDテープピンヘッダ-
BIOS復旧機能USB BIOS Flashback/CrashFree BIOS 3
メモリ相性対策MemOK!
5X Protection III-
CPU取り付けアダプタ付属
HB BRIDGE付属

PRIME

 PRIMEシリーズは、スタンダードATXの「PRIME Z270-A」、低価格ATXの「PRIME Z270-K」、microATXの「PRIM Z270M-PLUS」、Intel H270搭載でATX最上位の「PRIM H270-PRO」、ATX上位の「PRIME H270-PLUS」、microATX上位の「PRIM H270M-PLUS」、そしてIntel B250搭載でmicroATXの「PRIM B250M-A」の7モデル。

 店頭予想価格は順に25,500円前後、21,500円前後、20,500円前後、17,000円前後、16,000円前後、16,000円前後、13,000円前後の見込み。

 高信頼性を支える5つの機能「5X PROTECTION」はIIからIIIに進化。これまで「メモリ用ヒューズ」を要素の1つに入れていたが、PCI Expressスロットの止め金具を強化した「SafeSlot Core」に差し替えた。ビデオカードの引き抜きに対する強度が16%、後部へのズレに対する強度が66%、直立時ビデオカードの重さ方向に耐える強度が34%向上したという。デジタル電源回路や過電圧保護回路、高耐久LANポート、ステンレスバックパネルの要素は引き継ぐ。

スタンダードなPRIMEシリーズ
5X Protection IIIの要素
拡張スロット部の留め金を強化した
PRIME Z270-A
PRIME Z270-K
PRIME Z270M-PLUS
PRIME H270-PRO
PRIME H270-PLUS
PRIME H270M-PLUS
PRIME B250M-A

 主な仕様は下表の通り。

製品名PRIME Z270-APRIME Z270-KPRIME Z270M-PLUS
フォームファクタATXmicroATX
PCI Express拡張スロットx16×3、x1×4x16×2、x1×2、PCI×2x16×2、x1×2
マルチGPUAMD CrossFireX/NVIDIA SLIAMD CrossFireX
M.2スロット2
SATA 6Gbpsポート64
無線LAN機能-
有線LAN機能Gigabit Ethernet(Intel I219-V)
Bluetooth-
オーディオCrystal Sound 3(Realtek ALCS1220A)8ch出力(Realtek ALC887)
背面パネルI/FUSB 3.1 Type-C、USB 3.1、USB 3.0×4、HDMI、DisplayPort、DVI、PS/2USB 3.1×2、USB 3.0 Type-C、USB 3.0×2、USB 2.0×2、HDMI、DVI、DisplayPort、PS/2USB 3.0 Type-C、USB 3.0×2、USB 2.0×2、HDMI、DVI、ミニD-Sub15ピン、PS/2×2
電源回路DIGI+ Power ControlDIGI+ VRM
ファンコン機能Fan Xpert 4Fan Xpert 4 Core
高電流ファンピンヘッダ4ピン×1-
液冷ポンプ用ピンヘッダ4ピン×1-
イルミネーションAura-
LEDテープピンヘッダ4ピン×1-
BIOS復旧機能CrashFree BIOS 3
メモリ相性対策MemOK!-
5X Protection III搭載
CPU取り付けアダプタ付属-
HB BRIDGE付属-
製品名PRIME H270-PROPRIME H270-PLUSPRIM H270M-PLUS
フォームファクタATXmicroATX
PCI Express拡張スロットx16×2、x1×4、PCI×2x16×2、x1×4x16×2、x1×2
マルチGPUAMD CrossFireX
M.2スロット2
SATA 6Gbpsポート6
無線LAN機能-
有線LAN機能Gigabit Ethernet(Intel I219-V)Gigabit Ethernet(Realtek RTL8111H)Gigabit Ethernet(Intel I219-V)
Bluetooth-
オーディオ8ch出力(Realtek ALC887)
背面パネルI/FUSB 3.1×2、USB 3.0 Type-C、USB 3.0×2、USB 2.0×2、HDMI、DisplayPort、DVI出力、PS/2USB 3.0×4、USB 2.0×2、HDMI、DVI、ミニD-Sub15ピン、PS/2×2USB 3.0 Type-C、USB 3.0×2、USB 2.0×2、HDMI、DVI、ミニD-Sub15ピン、PS/2×2
電源回路DIGI+ VRM
ファンコン機能Fan Xpert 4 CoreFan Xpert 2+Fan Xpert 4 Core
高電流ファンピンヘッダ-
液冷ポンプ用ピンヘッダ4ピン×1-
イルミネーション-
LEDテープピンヘッダ-
BIOS復旧機能CrashFree BIOS 3
メモリ相性対策-
5X Protection III搭載
CPU取り付けアダプタ-
HB BRIDGE-
製品名PRIME B250M-A
フォームファクタmicroATX
PCI Express拡張スロットx16×1、x1×2
マルチGPU-
M.2スロット2
SATA 6Gbpsポート6
無線LAN機能-
有線LAN機能Gigabit Ethernet(Realtek RTL8111H)
Bluetooth-
オーディオ8ch出力(Realtek ALC887)
背面パネルI/FUSB 3.0 Type-C、USB 3.0×2、USB 2.0×2、HDMI、DVI出力、ミニD-Sub15ピン、PS/2×2
電源回路DIGI+ VRM
ファンコン機能Fan Xpert 2+
高電流ファンピンヘッダ-
液冷ポンプ用ピンヘッダ-
イルミネーション-
LEDテープピンヘッダ-
BIOS復旧機能CrashFree BIOS 3
メモリ相性対策-
5X Protection III搭載
CPU取り付けアダプタ-
HB BRIDGE-