やじうまミニレビュー

干渉知らずの電源タップ、縦横挿し&半口ずらし対応で実売4千円弱。使ってみた結果は?

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
ヤザワ「H5BK812WH」。「コンセント革命」なる商品名が付けられている。実売価格は3,938円

 電源タップにプラグやACアダプタを挿そうとしたところ、縦向きだと思っていたコンセント口が横向きだった(あるいはその逆)ために差し込めず、ほかのプラグを抜かざるを得なかった……という経験は、多くの人にあることだろう。最近の電源タップは隣の口との間隔が詰まっている場合も多く、こうした悲劇(?)はより起こりやすくなっている。

 この問題を解消したのが、縦横2つの差込口をペアにし、どちらの向きにも差し込めるようにした電源タップだ。2025年頃から見掛けるようになったこの電源タップは、サンワサプライが行なったクラウドファンディングで注目を集め、現在は口数などが異なるバリエーションが多数販売されている。

 今回紹介するヤザワコーポレーション(以下ヤザワ)の製品は、それらと同様の機構を備えつつ、サンワサプライのラインナップにはない、2列のコンセント口を備えた製品だ。多数の周辺機器を接続する必要があるユーザーならとっても便利そうなこの製品、具体的にどのようなシーンで役立つのか、またどこかに落とし穴がないのか、メーカーから借用した実機を用いてチェックする。

2列タイプで安定感は抜群

 一般的に、差込口が2列ある電源タップは、底面積が横方向に2倍広いことから、1列タイプと違って安定感がある。電源ケーブルに引っ張られても簡単に転倒せず、床置きにはもってこいだ。

製品本体。口数は4×2列、ケーブル長は2m

 さて本製品の差込口の構造はサンワサプライ製品と同じく、縦横2つの差込口がワンセットとなっており、縦向きと横向き、どちらの方向にも挿すことができる。特に大柄なACアダプタは、縦横どちらでも挿せるこの構造によって、恩恵を受けるケースが多いことだろう。

 また、半口分ずらして隣の差込口にまたがった状態で挿すこともできるので、隣の差込口に挿したACアダプタが干渉して挿せない場合も、間の差込口をまるまる無駄にすることなく、半口分ずらすだけで挿せるのが大きな利点だ。これもやはりACアダプタによくありがちな問題の解消に役立つはずだ。

縦横2つの差込口がペアになった構造
横向きに差し込むだけでなく……
90度回転させて縦向きに差し込むこともできる
あるいは横向きのまま半口分ずらして差し込むことも可能だ

「縦横不問」+「半口分ずらし」の合わせ技

 さて、本製品の実物を目にしてまず驚くのがボディのコンパクトさだ。一般的に2列タイプの電源タップは大柄な製品が多く、筆者が所有しているエレコムやサンワサプライの製品も全長は250~300mm程度あるが、それに対して本製品の全長は公称わずか162mm。それでいてコンセント口数は同じ4個口×2列というから驚きだ。

全長は162mmと驚くほどコンパクト
他社の4個口×2列の電源タップとの比較。その小ささがよく分かる

 もっとも小さくても挿しにくければ意味がないわけだが、本製品は前述のギミックにより、隣の差込口と干渉しても融通を利かせられることから、設計の時点で差込口の間隔を空ける必要がなく、結果としてボディが小型で済んでいる、という見方の方が正しい。

 実際どのくらい差が出るのかを見ていこう。一般的に、4個のコンセント口が並んでいる場合、隣の差込口と干渉するようならば、1番目と3番目、もしくは2番目と4番目の差込口を使うことになる。せっかく4個口あるにも関わらず、2つの差込口しか使えないことになる。

 しかし本製品の場合、半口分ずらすだけで済むので、1番目、2.5番目、4番目の3つの差込口を使用できる。写真でご覧いただければ一目瞭然だ。

通常ならばこのように1番目と3番目の差込口にしか挿せない場合も……
半口分ずらして挿せる本製品ならば1番目と4番目に加えて、その中間、言うなれば2.5番目にもうひとつ挿すことができる

 また、縦横どちらでも挿せるギミックを併用することで、差込口の無駄をさらに減らすことができる。たとえば1列目に縦に挿したアダプタの幅が広く、2列目に干渉して挿せない場合も、2列目は横向きにし、さらに半口分ずらして挿す方法を併用することで、4個口を使って3つのアダプタを挿せるといった具合に、限られた差込口数を最大限生かすことができる。

1列目に挿したアダプタが幅広で2列目にはそのまま挿せない場合も……
90度回転させ、さらに半口分ずらす仕組みを使うことで、ギリギリまで多く挿すことができる

タコ足配線をしがちなユーザーにもおすすめ

 もちろんあらゆるシーンでこのようにうまくいくとは限らないが、一般的な電源タップは隣の差込口と干渉させないためには差込口同士の間隔を広く設計するくらいしかなく、結果的にタップ本体が大型化しがちだ。その点、本製品はそのギミックゆえ差込口の間隔を広く取らなくても、それなりの数が挿せる。ボディの小ささは必然というわけだ。

 ただし横方向については、この「半口分ずらして挿せる」ことの効果はやや限定的だ。というのも横方向はもともと2列しかなく、縦方向のように1番目、2.5番目、4番目とずらして挿そうにも、そもそも2.5番目以降の差込口がないからだ。

 そのため、なるべく多くのプラグを詰めて挿すことを優先するのであれば、今回紹介している4個口×2列タイプではなく、8個口×1列のストレートタイプの方が、使い勝手はよいかもしれない。底面積が狭いため設置時の安定感は失われてしまうが、こちらの方が使いやすく感じる人もいるはずだ。このあたりは設置場所や用途によっても変わってくるだろう。

同じ8個口でも、本製品のような4個口×2列ではなく、8個口×1列の方が、間隔を詰めて挿すという特徴がより発揮できる可能性がある

 以上一通り活用方法を紹介したが、電源タップとしての実用性は高く、本製品の便利さに慣れてしまうと、従来の電源タップの融通の利かなさが気になるほどだ。電源を取る機器が多いせいでやたらとタコ足配線になりがちなユーザーも、本製品ならばそうした無理をしなくて済むはずで、分配を重ねて定格容量を超えてしまうミスも、結果的に起こりにくくなるはずだ。

 また、本製品は今回紹介したようなメリットに加えて、雷ガード内蔵、一括集中ブレーカースイッチ付とタップとしての機能も豊富でありながら、実売価格は4,000円弱と、そう高価でないのもよい。ほかにも口数違い、USBポート搭載などのバリエーションも豊富なので、新しく電源タップを購入する予定があるならば、候補の1つとして検討してみてほしい。

雷ガード内蔵、一括集中ブレーカースイッチ付とタップとしての機能も豊富。ちなみに定格容量は1,500Wだ
パッケージ。色違いのブラックのほか5個口×2列、USBポート搭載などのバリエーションも用意されている