やじうまミニレビュー

顔の表面を約5℃も冷やせる!モニター上に置けるスリム扇風機を試してみた

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
ROOMMATE「2styleモニター&スリムファン RM-245H」実売価格4,600円前後

 エアコンを設置した部屋にいても、ちょうどいい体感温度を得るのはなかなか難しい。特に同じ部屋に複数人がいる場合には、座っている場所や体質によっても、暑さの感じ方に差が生じる。

 このようなときに役立つのが小型扇風機だ。少し暑く感じる程度であれば、わずかに風を加えるだけでも、かなり涼しく感じられるようになる。ただし、デスク上に扇風機を置こうとしても、ちょうどいいスペースがなかったり、電源を確保するのが難しいこともあるだろう。

 そこで今回テストするのが「2styleモニター&スリムファン」だ。ノートPCやディスプレイの上部に設置可能で、デスク上のスペースを占有することなく、自分に向けて風を送ることができる。今回は本製品を実際に使用し、どの程度の涼しさや快適さを得られるのかを検証する。また、使ってみて分かった注意点やデメリットなどについても解説していこう。

ディスプレイ上と卓上縦置きの2通りで使えるスリムファン

 「2styleモニター&スリムファン」は、バッテリを内蔵したスリムファンだ。本体サイズは約353×76×42mm、重量は約368g。本体には4基の4cmファン(※実測)が内蔵されており、横幅約30.5cmの範囲に風を送り出せるとうたわれている。

 風量は弱、中、強の3段階で調整可能。電源ボタンを押すたびに切り替わる簡単操作だ。前面のルーバー調節レバーを動かせば、約60度の範囲で風向きを上下方向に調節できる。

 バッテリ容量は4,000mAhで、USB Type-C端子から充電する。充電時間は約6時間、連続使用時間は弱が約6時間、中が約2時間30分、強が約1時間30分とうたわれている。ACアダプタは付属しておらず、PCやUSB ACアダプタから充電する仕様となっている。

パッケージには、本体、卓上スタンド、USBケーブル、説明書が同梱。ACアダプタは付属していない
上面と下面。4基の4cmファン(※実測)が横一列に配置されている
本体の実測重量は374.0gであった(公称重量は約368g)
本体に卓上スタンドを加えた実測重量は404.5g

 本体下面には4基のファンと製品ラベル、モニター取り付け用のサポートブラケットが配置されている。ブラケットはディスプレイの厚さや背面形状に合わせて引き出せる構造で、前側の突起とブラケットでディスプレイ上部を前後から挟む構造だ。

本体下面には4基のファンのほか、製品ラベルとサポートブラケットが配置されている
サポートブラケットは無段階で引き出せる。ディスプレイの厚さや背面形状に合わせて位置を調整可能だ

 付属スタンドへ装着すれば、一般的な縦型卓上ファンとして使用可能。本体が縦方向に長くなるため倒れやすいように見えるが、スタンド底面が広く、またゴム足も装着されているので、意外と安定性は高い。

付属スタンドへ取り付ければ、縦置きの卓上ファンとしても利用できる
付属スタンドにはゴム足が装着されている

強運転では30cm先で風速1.42m/sを記録

 まずは、どのぐらいの風力を備えているのかチェックしてみよう。今回は「2styleモニター&スリムファン」から30cm離れた位置に風速計を設置し、弱、中、強の3段階で計測を実施した。

 弱と中では、今回使用した風速計の表示は0.00m/sのままで、風速を計測できなかった。もちろん、風が届いていないわけではない。風速計の風車を回せるほどの強さではなかったということだ。強では風車が回り、1.42m/sの風速を記録した。

 ちなみに、直径約80mm、5枚羽根のハンディファンを同じ条件で計測したところ、約3m/sの風速を記録した。この差は「2styleモニター&スリムファン」のボディ形状に加えて、4基のファンの風を直接外へ出すのではなく、ルーバーで90度方向転換させる構造によるものだろう。そのぶん「2styleモニター&スリムファン」には、横幅約30.5cmの広い範囲へ送風でき、約60度の範囲で風向きを調節できるというメリットがある。

 風力が十分かどうかという点では、意見が分かれると思う。筆者の個人的な感想としては、小型サーキュレーターのように単体で使う空調機ではなく、エアコンの冷房を使いつつ、補助的に使用する製品だと捉えている。

「2styleモニター&スリムファン」から30cm離れた位置で風速を測定したところ、強運転時には1.42m/sを記録した

強運転で顔の表面温度が平均約5.2℃低下

 さて、風速だけでは、どのぐらいの冷感効果を得られるのかピンと来ないだろう。そこで今回は、強運転で使用する前後の顔の表面温度を、サーモグラフィーカメラで撮影してみた。「2styleモニター&スリムファン」と顔との距離は、風速や動作音の測定と同じ30cmだ。

 テスト時の室温は約24℃。ファンオフ時の表面温度は額が34.4℃、頬が33.5℃、あごが34.5℃であった。これに対して、強運転で10分間風を送ったあとは額が29.3℃、頬が27.9℃、あごが29.5℃となった。ファンオフ時との差は額が5.1℃、頬が5.6℃、あごが5.0℃ということになる。3カ所の平均では約5.2℃低下したわけだ。

 当然、今回測定したのは体温ではなく、風が当たった皮膚表面の温度だ。とはいえ、3カ所すべてで約5℃低下しており、強運転によって顔の表面を明確に冷やせている。実際、強運転で顔へ風を当てている間はかなり涼しく感じられた。個人差はあるだろうが、一定の冷感効果があることは間違いないといえる。

【表1】冷却箇所とその温度
測定位置ファンオフ強運転後温度差
34.4℃29.3℃-5.1℃
33.5℃27.9℃-5.6℃
あご34.5℃29.5℃-5.0℃
3カ所の平均約34.1℃28.9℃約-5.2℃
左がファンオフ時の表面温度で額は34.4℃、頬は33.5℃、あごは34.5℃。右がファンオン時の表面温度で額は29.3℃、頬は27.9℃、あごは29.5℃。2枚目の写真が怖いのは本当に申し訳ない

強運転時の動作音は61.9dBA

 顔に近い位置で使用するファンということで、気になるのが動作音だ。風速と同様に本体から30cm離れた位置に騒音計を設置し、弱、中、強の動作音を測定した。結果は弱が49.2dBA、中が55.2dBA、強が61.9dBAであった。

 弱でもファンが回っていることは明確に分かるが、PCで音楽や動画を再生していれば、あまり気にならない。しかし、中に切り替えると動作音が一気に大きくなり、強ではさらに音量が増す。また、本製品は4基の小型ファンを搭載しているため、大型ファンを低回転で動かす製品とは音の質が異なる。低い風切り音というよりも、少し高めの回転音だ。中、強の動作音は、高負荷時のゲーミングノートPCに近いといえばイメージしやすいだろうか。

 個人的には弱であれば問題ないが、中、強を使用するのであれば、ノイキャンイヤフォンや耳栓などを使いたくなる動作音だと感じた。風量を優先するのであれば中、強が有効だが、長時間使うなら弱が現実的だ。普段のPC作業では弱を使用し、短時間で涼みたいときだけ中または強へ切り替える使い方がよいと思う。

【表2】動作モードの騒音値
動作モード30cm地点の動作音
49.2dBA
55.2dBA
61.9dBA
本体から30cm離れた位置で測定した弱運転時の動作音は49.2dBA
中運転時の動作音は55.2dBA
強運転時の動作音は61.9dBA

強の実際の駆動時間は1時間57分

 本製品には4,000mAh、14.8Whのリチウムイオンバッテリが内蔵されており、USBケーブルを接続せずに使用できる。

 駆動時間は前述の通り、弱が約6時間、中が約2時間30分、強が約1時間30分。満充電までの充電時間は約6時間だ。

 実際に風量を強に設定して連続駆動時間を計測したところ、1時間57分で動作を停止した。公称値の約1時間30分を27分上回っており、約3割長く動作したことになる。実測では、公称値に対して余裕のある結果が得られたわけだ。

 一方、もっとも駆動時間の長い弱でも公称値は約6時間なので、バッテリ駆動だけで一般的な業務時間をカバーするのは難しい。デスクに常設するのであれば、USBケーブル経由で電源を供給しながら使用するのが現実的だろう。

電源ボタンの横には4つのLEDインジケータを装備。本体側面のUSB Type-C端子から充電する。点灯する白色LEDの数は、1つで弱、2つで中、3つで強と、設定している風量を示す。また、バッテリ残量が少なくなると、赤色LEDが点滅する仕様だ

参考値ながらMacBook Airのスコアが約14.1%向上

 さて、本製品が人を涼ませるためのものだということは重々承知しているが、自分よりもマシンを冷やしたいという状況も起こりうる。細長いボディ形状なので、ノートPCの奥側にセットすれば、底面を冷やすことができそうだ。

 そこで今回、「Apple M5」を搭載した「MacBook Air」の奥側に本製品を横向きに置き、底面へ風が回り込むようにして、「Cinebench 2026」のCPUテストを実行してみた。最小テスト時間は「10 minutes(Test Throttling)」に設定した。10分間負荷をかけ続けた方が、冷却効果による差が明確に表われると考えたためだ。

 まずファンを使用しない状態では、CPU(Multiple Threads)は3404ptsを記録した。測定時の室温は24.9℃である。

 次に「2styleモニター&スリムファン」を強で動作させ、同じテストを実行したところ、スコアは3885ptsとなった。測定時の室温は24.2℃。エアコンの設定は変えていないが、ファンオフ時より0.7℃低くなってしまった。

 結果を比較すると、その差は481pts。「2styleモニター&スリムファン」を強で動作させ、底面へ風を送った状態では、スコアが約14.1%高くなったことになる。外部から風を送ったことで底面からの放熱が促され、長時間の高負荷による性能低下が抑えられた可能性がある。

【表3】ファン動作時のスコアの違い
Cinebench 2026[CPU(Multiple Threads)]測定時の室温
ファンオフ3404pts24.9℃
ファンオン(強)3885pts24.2℃
481pts(約14.1%)-0.7℃

 約14%という差は測定誤差として無視するには大きい。ただし、今回はファンオフとファンオンをそれぞれ1回ずつしか計測しておらず、測定時の室温にも0.7℃の差がある。今回の結果だけで、ファンを使えば常に約14%性能が向上すると断定することはできない。

 それでも、人の顔を冷やすためのスリムファンで、参考値とはいえノートPCのパフォーマンスまで向上する可能性が見えたのは興味深い結果だ。酷暑でノートPCが熱ダレしているときに、試してみるのも一興といえるだろう。

ファンを使用しない状態では、Cinebench 2026のCPU(Multiple Threads)は3404pts(最小テスト時間は10分、測定時の室温は24.9℃)
強運転でMacBook Airの底面へ風を送ったところ、スコアは3885ptsとなった(最小テスト時間は10分、測定時の室温は24.2℃)

ノートPCへの設置はやや難しい

 「2styleモニター&スリムファン」は、構造的にはノートPCのディスプレイ上部にも取り付けられる。しかし、外付けディスプレイへ取り付ける場合とは異なる注意点がある。

 本製品の実測重量は374.0gで、一般的な外付けWebカメラよりもかなり重い。そのため、ノートPCのディスプレイを一般的な使用角度まで開いた状態で取り付けると、重さに耐えられず、ディスプレイが後方へ倒れて開き切ってしまう。ノートPCで使用する場合には、画面をかなり立てた状態にする必要がある点に注意してほしい。

今回使用したMacBook Airでは、この角度まではディスプレイを保持できた
この位置からさらにディスプレイを倒すと、「2styleモニター&スリムファン」の重さで画面が自然に後方へ倒れていった
側面から見た取り付け状態。ディスプレイ上部を前後から挟むため、ノートPCの形状やヒンジの強さによって相性が生じる

ディスプレイ上のデッドスペースを活用できるパーソナルファン

 筆者は現在、コンパクトなサーキュレーターを使用している。ただ、コンパクトとはいってもバレーボールよりひとまわり小さいぐらいの大きさがあり、デスク上で邪魔に感じることがある。また、風が強すぎるので、置く位置や角度を調整しながら使っている。

 その点、「2styleモニター&スリムファン」はディスプレイの上というデッドスペースに設置でき、デスク上の作業スペースを圧迫しない。また、風量もエアコンの冷房を補助する用途にはちょうどいい。

 筆者がもっとも気になった難点は動作音だ。中、強では、高負荷時のゲーミングノートPCに近い音量となる。静かな環境で使うのであれば、ノイズキャンセリングイヤフォンや耳栓を併用したくなる。

 とはいえ、ゲーミングヘッドセットを装着してゲームをプレイしているときに、顔まわりの暑さを和らげるため、デスクファンを設置したいと考えている人もいるだろう。そのような用途であれば、動作音はヘッドセットによってある程度遮られるので、本製品はぴったりなアイテムといえる。また、耳栓というと少々大げさに聞こえるかもしれないが、最近は装着感がよく、長時間使っても耳が疲れにくい製品もある。

 動作音についてはある程度の割り切りが必要だが、利用スタイルに合う人や、イヤフォンや耳栓などでカバーできると考える人にとっては、狭いデスクでも設置しやすい、便利なパーソナルファンといえるだろう。