やじうまミニレビュー

これならArm版Windowsでもいい感じ!Snapdragon X2で全方位スキなしの「Zenbook SORA 16」

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
Snapdragon X2 Elite Extreme X2E-94-100を搭載するASUSのノートPC「Zenbook SORA 16(UX3607OA)」。直販価格は33万9,800円(Microsoft Office付きは36万9,800円)

 ASUSからQualcommの最新CPU「Snapdragon X2 Elite Extreme X2E-94-100」を搭載する16型のノートPC「Zenbook SORA 16」が発売された。18コアというメニーコア仕様、GPU、NPUともに前世代から大幅に強化され、驚くべき性能へと進化を遂げたCPUだ。12コア、10コアのSnapdragonとの性能比較も含めたレビューを早速お届けしよう。

CPU、GPU、NPUのすべてが強化されたSnapdragon X2

 ASUSの「Zenbook SORA 16(UX3607OA)」は、16型の大型ディスプレイを備えるノートPCだ。サイズは353.5×242.4×13.8~16.5mmで重量は約1.2kgと大画面ながら薄型軽量を実現している。公称バッテリ駆動時間は最大22時間だ。その最大の特徴は、2025年9月に発表されたQualcommの最新CPU「Snapdragon X2 Elite Extreme X2E-94-100」を搭載していることだ。

 Snapdragon X2 Elite Extreme X2E-94-100は、12プライムコア+6パフォーマンスコアの18コア18スレッドというメニーコア仕様に加え、動作クロックは最大4.7GHz(2コアブースト時)と高い基本性能を持つCPUだ。さらに、NPUは前世代のSnapdragon X Eliteの45TOPSから80TOPSへと引き上げられ、ローカルでのAI処理性能も大きく向上している。なお、メモリは48GBのLPDDR5X-9523をCPUに統合。そのため増設はできないがメモリ帯域幅は約228GB/sと超高速だ。

CPUはSnapdragon X2 Elite Extreme X2E-94-100を搭載。18コア18スレッドというメニーコア仕様
Copilot+ PCの要件(40TOPS以上)を満たしているため、Copilot+ PC向けのAI機能を利用可能だ

 GPUもアーキテクチャを刷新した「Adreno X2-90」(1.85GHz)を搭載し、前世代のAdreno X1に対して同じ消費電力ならば70%の性能向上、最大性能を発揮する設定なら2.3倍の性能に達するとしている。

 SnapdragonはArmアーキテクチャなので、Windowsも当然Arm版のWindows 11 Homeが搭載されているが、ここで気になるのが互換性だ。いくらGPU性能が高くてもゲームが動かなければ意味がないと思う人もいるだろう。Arm版Windowsで多くのゲームが動かなかったのは過去の話になりつつあり、ソフトウェア面での改善が図られ、AAAゲーム互換性は90%以上に増しているという。

OSにはArm版Windows 11 Homeの26H1というSnapdragon X2専用バージョンを搭載

性能向上著しい結果に

 といったところで、実際にどこまで性能が向上しているのか前世代の上位モデルとなる12コアの「Snapdragon X Elite X1E-80-100」、10コアの「Snapdragon X Plus X1P-64-100」を交えてどこまで性能が異なるのかチェックしてみよう。

 まずは、CGレンダリングでCPUパワーをシンプルに測る「Cinebench 2024」と実際にMicrosoft OfficeやブラウザのEdgeを動作させる「PCMark 10 Applications」から見ていこう。

 Cinebench 2024は前世代のSnapdragon X Elite X1E-80-100から6コア増えたSnapdragon X2 Elite Extreme X2E-94-100だが、Multi Coreのスコアは2倍以上もアップしている。コアあたりの性能も向上しているためだろう。それは Single Coreのスコアが高いことからも分かる。PCMark 10 Applicationsもすべてのアプリでスコアが向上。特にExcelで強さを見せた。オフィスワークの快適度はかなりアップした。

 GPU性能はどうだろうか。3DMarkとファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマークを実行する。

 3DMarkはDirectX 12ベースのSteel Nomad Lightでは、前世代から約2.5倍もスコアを伸ばしている。ファイナルファンタジーXIVも約1.4~1.5倍のスコアを記録。「快適」という評価だ。

 実ゲームではどうなるか。ストリートファイター6とオーバーウォッチ2をフルHD解像度でプレイしてみた。まず、問題なく動作し、快適にプレイできるだけのフレームレートを出している。ビジネス用途はもちろん、エンタメも楽しめるCPUに進化しているといってよいだろう。

ストリートファイター6をフルHD、画質“NORMAL”でプレイ。対戦時は最大60fpsで、ほぼ60fpsでの動作となった
オーバーウォッチ2を同じくフルHD、画質“NORMAL”でプレイ。フレームレートは75fps前後出ており、快適にプレイできた

OLEDの美しいディスプレイを搭載

 16型のOLED(有機EL)ディスプレイも大きな特徴だ。2,880×1,800ドットという高解像度でリフレッシュレートも120Hzと高い。色域は高い表現力が求められるデジタルシネマ向けのDCI-P3カバー率100%と非常に広く、コントラスト比は100万対1、Delta E < 1の色精度とクリエイティブワークもこなせる正確な発色だ。さらに、限りなく真っ暗な黒の表現が求められるDisplayHDR True Black 1000認証も取得しており、HDRコンテンツの明暗を存分に楽しめる。

16型で高解像度、広色域のOLEDディスプレイを搭載。一目で分かる明暗の効いた鮮やかな画面だ
上部には顔認証に対応する207万画素のWebカメラとマイクを搭載

 キーボードは日本語配列で各キーとも大きなサイズが確保されており、強めに打鍵してもまったくゆがみを感じない高い剛性もあって、非常にスムーズな入力が可能だった。

本体が大きめなこともあってゆとりのあるレイアウトのキーボード
キーピッチは実測で約19mmと広い
タッチパッドは実測で150×100mmとかなりの大型だ

 インターフェイスは、右側面にUSB 3.2 Gen 2、SDカードスロット、左側面にHDMI出力、USB4 2基、ヘッドセット端子を用意。ワイヤレス機能はWi-Fi 7、Bluetooth 5.4を備えている。

右側面にUSB 3.2 Gen 2、SDカードスロット
左側面にHDMI出力、USB4 2基、ヘッドセット端子
ACアダプタは130W出力でサイズはちょっと大きめ
本体の重量は実測で1,202gとほぼ公称通りだった

静かで冷えて長時間駆動

 高性能だと動作音や冷却力、バッテリ駆動時間が気になるところ。最後にそれぞれを測定してみよう。オーバーウォッチ2を10分間プレイした後、キーボード上部をサーモグラフィーで撮影、同じく本体の正面、左側面、背面に騒音計を設置して動作音を測定した。

高負荷が続いた後でもキーボード上部で41.2度、中央で38.4℃と低かった

 キーボード上部で41.2℃、中央で38.4℃と触ってもほんのりと温かいレベルだった。低発熱のCPUといってよいだろう。そして、動作音は正面33.6dB、左側面34.8dB、背面34.1dBとわずかにファンの音が聞こえるレベルと非常に静かだ。負荷の高いゲームプレイでこの静かさなので、多くの作業で動作音が気になることはないだろう。最後にバッテリ駆動のテストだ。PCMark 10 Video Battery Lifeを実行している。画面の輝度は50%、バッテリが100%の状態から電源が切れるまでを測定した。

PCMark 10 Video Battery Lifeの結果

 バッテリ残り3%で21時間48分を記録。動画再生テストという条件下ではあるが、ほぼ公称通りの駆動時間となっており、1日安心して持ち歩けるといってよいだろう。さすが省電力性に優れるSnapdragonだ。

 Snapdragon X2 Elite Extreme X2E-94-100は、前世代から大きく性能を向上。Windowsでの互換性もアップしており、多くのゲームもプレイ可能となった。Armにネイティブ対応するアプリも増えており、Snapdragonを選ぶ懸念はかなりなくなっているのは確か。それを搭載し、16型と大画面ながら薄型軽量、長時間バッテリ駆動のZenbook SORA 16はなかなかに“欲しくさせる”。鮮やかなOLEDディスプレイもあり、仕事もプライベートも充実させてくれる1台だ。