やじうまミニレビュー
着脱できるディスプレイを搭載したユニークなハイエンドビデオカード「iGame GeForce RTX 4090 Vulcan OC-V」
2022年11月1日 06:17
10月12日に発売されたNVIDIAのハイエンドGPU「GeForce RTX 4090」は、2年ぶりにアーキテクチャと製造プロセスを刷新した新世代GPUであり、従来のGPUを圧倒する驚異的な性能が注目を集めている。
今回は、そんなGeForce RTX 4090を搭載するビデオカードの1つ、Colorfulの「iGame GeForce RTX 4090 Vulcan OC-V」を紹介しよう。
最新鋭のハイエンドGPUを搭載した超大型ビデオカード
Colorful iGame GeForce RTX 4090 Vulcan OC-Vは、GeForce RTX 4090を搭載したColorfulオリジナルデザインのビデオカード。24+4フェーズの電源回路を備えた基板に、3スロットを超える巨大なトリプルファンGPUクーラーを搭載しており、TDPは550Wに設定されている。
カードサイズは348.5×159.5×70.4mm(長さ×高さ×厚さ)で、重量は約2.5kg。補助電源コネクタとして16+4ピンの12VHPWRを搭載しており、4系統のPCIe 8ピン電源コネクタから12VHPWRに変換するアダプタが付属する。映像出力端子はHDMI 2.1(1基)とDisplayPort 1.4a(3基)で、バスインターフェイスはPCIe 4.0 x16。
ブラケット部には映像出力端子のほかに、プッシュスイッチが実装されている。これはOne-Key OC用のスイッチで、押すことによって動作モードを「ノーマル」と「ターボ」に切り替えることができる。ノーマルモードのGPUクロックはリファレンス相当で、ターボモードではGPUのブーストクロックが2,520MHzから2,625MHzに上昇する。
【表1】Colorful iGame GeForce RTX 4090 Vulcan OC-Vの主な仕様 | ||
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GPU | GeForce RTX 4090 | |
CUDAコア | 16,384基 | |
動作モード | ターボ | ノーマル |
ベースクロック | 2,235MHz | 2,235MHz |
ブーストクロック | 2,625MHz | 2,520MHz |
メモリ容量 | 24GB (GDDR6X) | |
メモリスピード | 21Gbps | |
メモリインターフェイス | 384bit | |
PCI Express | PCIe 4.0 x16 | |
映像出力端子 | HDMI 2.1(1基)、DisplayPort 1.4a(3基) | |
補助電源コネクタ | 12VHPWR(16+4ピン) | |
本体サイズ | 348.5×159.5×70.4mm(長さ×高さ×厚さ) | |
占有スロット | 3スロット超(3.5スロット程度) | |
消費電力(TDP) | 550W |
ビデオカード上部に搭載できる液晶パネル「iGame Smart LCD」が付属
Colorful iGame GeForce RTX 4090 Vulcan OC-Vには、2.5kgという本体重量を支えるためのサポートステイやドライバが同梱されているほか、ビデオカード上部に取り付けるライティング用のユニットとして、800×216ドット表示の液晶パネルを備える「iGame Smart LCD」と、アドレッサブルRGB LEDを組み込んだライティングボードが同梱されている。
iGame Smart LCDとライティングボードは、ビデオカード上部の接続端子部分にマグネットで着脱する仕様となっており、iGame Smart LCDは2方向での取り付けが可能となっている。これにより、マザーボードの拡張スロットにそのまま取り付けた場合はもちろん、ライザーカードなどで縦置きに設置した時にも液晶パネルによるライティングを楽しめる。
また、iGame Smart LCDについては専用のディスプレイドックが付属しており、卓上などPC本体の外にiGame Smart LCDを設置することも可能だ。
iGame Smart LCDは、標準のアニメーションによるライティング機能のほか、GPUやCPUのモニタリング機能や、ユーザー自身で表示をカスタマイズ可能な機能を備えているとされており、Colorfulの新世代GPUユーティリティ「iGame Center 2.0」でこれらを制御できるようだ。
ただ、残念なことにテスト時点ではiGame Center 2.0が公開されておらず、iGame Smart LCDの表示をカスタマイズすることはできなかった。液晶パネルによる自由度の高いライティングやモニタリング機能は、Colorful iGame GeForce RTX 4090 Vulcan OC-Vのユニークな魅力となり得るだけに、早く利用可能になることを期待したいところだ。
Colorful iGame GeForce RTX 4090 Vulcan OC-Vのパフォーマンスをチェック
ここからは、Colorful iGame GeForce RTX 4090 Vulcan OC-Vのパフォーマンスをベンチマークテストや実際のゲームで確認する。
ビデオカードを搭載するベース機材には、Ryzen 7 7700Xを搭載したAMD X690E環境を利用する。グラィックスドライバは「GeForce Game Ready Driver 522.25」を適用した。その他の機材や設定については以下の通り。
【表2】テスト機材一覧 | |
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GPU | Colorful iGame GeForce RTX 4090 Vulcan OC-V (ターボモード) |
CPU | Ryzen 7 7700X (8コア/16スレッド) |
CPUパワーリミット | PPT=142W、TDC=110A、EDC=170A |
CPUクーラー | ADATA XPG LEVANTE 360 ARGB (ファンスピード=100%) |
マザーボード | ASRock X670E Taichi [UEFI=1.09] |
メモリ | DDR5-6000 16GB×2 (2ch、30-38-38-96、1.35V) |
システム用SSD | CORSAIR MP600 1TB (NVMe SSD/PCIe 4.0 x4) |
電源 | Thermaltake Toughpower Grand RGB 1050W Platinum (1050W/80PLUS Platinum) |
GPUドライバ | GRD 522.25 (31.0.15.2225)、Resizable BAR=有効 |
OS | Windows 11 Pro 22H2 (build 22621.675/VBS有効) |
電源プラン | バランス |
3DMark
3DMarkでは、新たに追加されたDirectX 12高負荷テスト「Speed Way」、DirectX Raytracing(DXR)テスト「Port Royal」のほか、従来の高負荷テストである「Time Spy Extreme」と「Fire Strike Ultra」を実行した。
各テストのスコアは、Speed Wayが「9,996」、Port Royalは「25,802」、Time Spy Extremeは「15,135」、Fire Strike Ultraは「24,206」を記録した。いずれのスコアも従来のGPUとは一線を画す圧倒的なものだ。
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク
「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」では、描画品質を「最高品質」に設定して、フルHDと4Kでのスコアを計測した。
ベンチマークスコアは、フルHDが「43,360」で、4Kは「27,193」。このときの平均フレームレートはそれぞれ「約311.7fps」と「約185.8fps」であり、DDR5-6000メモリを搭載したRyzen 7 7700Xの優れたCPU性能による底上げもあって、素晴らしいスコアとフレームレートを記録している。
オーバーウォッチ 2
オーバーウォッチ 2では、描画設定を「エピック」に設定して、フルHDと4Kでフレームレートを計測した。レンダースケールは全ての条件で100%に設定しており、テスト時の上限フレームレートは600fps。
フレームレートの計測結果は、フルHDが「平均521.3fps」で、4Kでは「平均228.6fps」を記録した。それぞれの画面解像度において最速級のゲーミングモニターとの組み合わせでも、その表示性能を十分に発揮できるほど高いフレームレートを実現してみせた。
サイバーパンク2077
サイバーパンク2077では、もっとも高品質なグラフィックプリセットである「レイトレーシング:ウルトラ」を適用して、フルHDと4Kでゲーム内ベンチマークモードを実行した。なお、新技術のDLSS 3についてはテスト時のゲームバージョン「v1.6」では未対応なので使用していない。
ベンチマークテストの結果、平均フレームレートはフルHDで「約126.5fps」、4Kで「約103.1fps」を記録した。
サイバーパンク2077と言えば、登場当初よりそのGPU負荷の高さで知られてきたタイトルなだけに、フレーム生成を行なうDLSS 3なしでも、4Kでも平均フレームレートが100fpsを超えるというGeForce RTX 4090のパフォーマンスは衝撃的だ。