やじうまミニレビュー
5千円で買える「Chromecast with Google TV(HD)」。ネトフリやアマプラなども対応の視聴アダプタ
2022年10月12日 06:13
Googleは、ストリーミングデバイス「Chromecast」ブランドの最新モデル「Chromecast with Google TV(HD)」を9月に発売した。フルHD解像度(1,920×1,080ドット)に対応したモデルで、価格は4,980円。すでに発売済みの4K対応モデル(7,600円)よりも安価に入手できる廉価版という位置付けだ。
廉価版ではあるものの、画質以外の機能面は4Kモデルと変わらない。さまざまな動画配信サービスに加えて、HDRコンテンツにも対応しており、4Kモデルと同様リモコンも付属する。
本体カラーは4KモデルがSnow、Sunrise、Skyの3色展開だが、HDモデルはホワイトの1色のみ。外観や同梱のリモコン、付属品も4Kモデルと同一で、背面の印字を読み比べない限り、外観では違いが分からない。
付属のリモコン操作が便利。音声検索や横断検索にも対応
本体の電源を投入し、テレビやモニターなどのHDMIに接続すると操作ガイドが表示される。設定はスマートフォンアプリ「Google Home」が必要だが、画面に細かく指示が表示されるので、操作に迷うことはないだろう。合わせてリモコンの設定を行なうことで、電源オンオフや、入力切り替えといったテレビ操作もChromecastのリモコンから行なうことができる。
設定が終わると画面にはお勧めの動画やアプリなどがホーム画面に一覧表示される。この画面UIも4Kモデルと変わらない。「with Google TV」の名称を冠しない旧世代のChromecastでは、こうしたホーム画面がなく、スマートフォンやタブレットからのキャスト操作が必須だったために操作が煩雑だったり、利用端末によっては動画の視聴が不安定になることもあったが、「with Google TV」モデルはスマートフォン不要で操作でき、利便性が格段に向上した。
リモコンはボタン操作だけでなく音声操作にも対応しており、音声ボタンを長押しして任意のキーワードを発声するだけで候補の動画を表示してくれる。同じ動画が複数のサービスで配信されている場合は任意のサービスを選べるほか、「Netflixで○○を再生」「○○をU-NEXTで見る」といったようにサービス名を指定して再生することも可能だ。
HDR対応のHD画質は十分に満足。対応サービスの多彩さも魅力
4Kモデルと唯一の違いである画質も想像以上に高い。筆者は4Kモデルを所有しており、NetflixやU-NEXTといったサブスク系の動画配信サービスもいくつか加入しているため、普段から高画質の映像コンテンツに慣れている。そのため4K非対応のHDモデルは画質面で不満が残るのでは……、と思っていたのだが、実際に動画を見てみると画質の不満はほとんど感じなかった。HDR対応ということもあって暗いシーンでも映像がクッキリと鮮やかに表現され、没入感も非常に高い。
HDモデルを55型HDR対応のLG製4Kテレビ「55NANO91JNA」に接続し、4Kモデルで視聴していた動画のいくつかを見直してみたのだが、筆者がそこまで映像品質にこだわりがないこともあり、再生が始まると画質の差はほとんど気にならず、いつの間にかストーリーに夢中になっていた。4Kモデルとの価格差が3,000円以下とそこまで大きくないためHDモデルにはさほど興味がなかったのだが、この画質なら筆者にはHDモデルでも十分かもしれない。
動画配信サービスもYouTubeはもちろんのこと、NetFlixやHulu、Disney+、dTV、U-NEXTといった主要サービスに加えて、以前までは対象外だったAmazonのPrime Videoも視聴できるようになった。スポーツ系もDAZNやJ SPORTSオンデマンド、NBA Rakutenなどに対応、放送大学やTED、こどもちゃれんじTVといった教育系の動画コンテンツも視聴できる。
キャストやアプリ追加など機能も充実
Chromecastならではのキャスト機能も搭載。ChromeブラウザやAndroidスマートフォンの画面をChromecast経由で表示できるほか、Chromecast with Google TV非対応でもアプリがキャスト機能に対応していれば、スマートフォンからキャストしてテレビやモニターに映し出せる。
たとえば筆者が加入している「TSUBURAYA IMAGINATION」はChromecast with Google TVには対応していないのだが、スマートフォンアプリのキャスト機能から視聴が可能だ。
動画配信サービスだけでなくアプリをインストールして機能を拡充することも可能。基本的には動画や音楽関連のアプリが中心だが、ブラウザやゲームアプリなども用意されている。なお、ゲームの場合はChromecastで直接プレイするのではなく、スマートフォンからキャストして利用する形式が主となるため、利用できるスマートフォンはキャスト機能に対応したAndroidのみとなる。
プレイできるゲームは非常にシンプルなものばかりなのだが、ゲーム機並みの本格的なアプリが、ユービーアイソフトの「JUST DANCE NOW」だ。スマートフォンからキャストして画面を映し出し、スマートフォンをコントローラーにすることで大画面でダンスゲームが楽しめる。
また、動画配関連ではネットワークレコーダ「nasne」の対応アプリ「torne」も利用可能。モバイル版アプリのため画質が720p上限ではあるものの、PS4やPS5といったゲーム機を立ち上げることなくnasneの動画を見られるのは便利。テレビではなくPCのモニターに接続してテレビ番組を楽しむという使い方もできる。
手頃な価格帯で機能充実、コストパフォーマンスの高い1台
テレビやモニターのHDMIに接続するだけでさまざまな動画配信サービスを楽しめるChromecast with Google TV。これまではラインアップが4Kモデルのみだったが、今回HDモデルが加わったことで購入しやすくなった。
競合製品と言えるFire TV Stickは、HD対応モデルの「Fire TV Stick」が4,980円、4K対応モデルの「Fire TV Stick 4K Max」が6,980円という2ラインアップ構成だったが、Chromecast with Google TVもラインアップとしてはほぼ同等になった。
リモコン操作や多彩な動画配信サービスへの対応という点ではどちらも大きな差はないが、PCやAndroidの画面を表示できるキャスト機能、複数の動画配信サービスを横断できる検索機能がChromecast with Google TVの特徴だ。
4K非対応という以外は4Kモデルと変わらないため、フルHD対応のモニターやテレビはもちろん、4K対応テレビやモニターでも使い勝手は変わらない。筆者のように画質へ特段のこだわりがなければ、画質面でも大きな不満はないだろう。リビングでの1台目はもちろん、書斎や寝室など2台目、3台目と追加利用するのもお勧めだ。