やじうまミニレビュー

Radeon RX 6400は補助電源不要で性能が優秀なエントリーGPUだ

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
Radeon RX 6400搭載ビデオカード「玄人志向 RD-RX6400-E4GB/LP」

 AMDのRadeon RX 6400」は、RDNA 2アーキテクチャを採用したGPU「Radeon RX 6000シリーズ」の新モデルにして、TBP 53Wという低消費電力設計によって補助電源レス動作を実現した新世代のエントリークラスGPUだ。

 今回は、Radeon RX 6400を搭載する玄人志向のビデオカード「RD-RX6400-E4GB/LP」を使って、新世代のエントリークラスGPUが実現するパフォーマンスを確認してみよう。

【2.5万円】Radeon RX 6400で3万円の中古スリムPCをゲーミングPC化してみた!ゲーム10本でGTX 1650とも比較【最新LowProfileビデオカード】

補助電源レス&ロープロファイル設計のRadeon RX 6400搭載ビデオカード

 今回テストする玄人志向のRD-RX6400-E4GB/LPは、AMDのエントリークラスGPUであるRadeon RX 6400を搭載したビデオカード。搭載するGPUやメモリの動作クロックなどはリファレンス仕様に準じたものとなっており、PCI Expressスロットからの電力供給のみでの動作が可能な「補助電源レス」を実現している。

 カードサイズは152×69×18mm(長さ×高さ×厚さ)の低背設計で、同梱の交換用ブラケットを使用することでロープロファイルの拡張スロットに取り付けることができる。また、GPUクーラーもシングルスロット仕様であるため、省スペース設計のPCにも組み込みやすいのもRD-RX6400-E4GB/LPの魅力だ。

補助電源レスを実現する「玄人志向 RD-RX6400-E4GB/LP」
基板裏面はバックプレート非搭載
GPUクーラーの占有スロット数は1スロット
映像出力端子はHDMIとDisplayPortが各1系統ずつ
ロープロファイル用ブラケットが同梱されている

 RDNA 2アーキテクチャに基づいて7nmプロセスで製造されたRadeon RX 6400のGPUコアでは、12基のコンピュートユニットが有効化されており、768基のストリーミングプロセッサや12基のRay Acceleratorなどが利用できる。GPUクロックは、ゲームクロックが2,039MHzで、ブーストクロックが2,321MHz。消費電力指標のTBPは53W。

 VRAMとして16Gbps動作のGDDR6メモリを4GB搭載しており、GPUコアと64bitのメモリインターフェイスで接続することで128GB/sのメモリ帯域幅を実現している。RD-RX6400-E4GB/LPではPCIe x16形状のコネクタを採用しているが、バスインターフェイスはPCIe 4.0 x4となっている。

玄人志向 RD-RX6400-E4GB/LPのGPU-Z実行画面。GPUやメモリクロックはリファレンス仕様通り
【表1】玄人志向 RD-RX6400-E4GB/LPの主な仕様
GPURadeon RX 6400
GPUブーストクロック2,321MHz
AMD Infinity Cache16MB
メモリ容量4GB (GDDR6)
メモリスピード16Gbps
メモリインターフェイス64bit
PCI ExpressPCIe 4.0 x4
映像出力端子HDMI、DisplayPort
補助電源コネクタなし
本体サイズ152×69×18mm(長さ×高さ×厚さ)
占有スロット1スロット
付属品ロープロファイルブラケット

Radeon RX 6400のパフォーマンスをベンチマークテストとゲームでチェック

 ここからは、Radeon RX 6400を搭載する玄人志向 RD-RX6400-E4GB/LPで、ベンチマークテストやゲームを実行した際のパフォーマンスを確認していく。

 テストにはRyzen 7 5800Xを搭載したAMD X570環境を用意。グラフィックスドライバは「Adrenalin 22.5.2 Optional」を適用した。その他の機材については以下の通り。

【表2】テスト機材一覧
GPURadeon RX 6400
CPURyzen 7 5800X (8コア/16スレッド)
CPUパワーリミットPPT=142W、TDC=95A、EDC=140A
CPUクーラーASUS TUF GAMING LC 240 ARGB (ファンスピード=100%)
マザーボードASUS TUF GAMING X570-PLUS (WI-FI) [UEFI=4403]
メモリDDR4-3200 16GB×2 (2ch、22-22-22-52、1.20V)
システム用SSDCORSAIR MP600 1TB (NVMe SSD/PCIe 4.0 x4)
電源Thermaltake Toughpower Grand RGB 1050W Platinum (1050W/80PLUS Platinum)
グラフィックスドライバAMD Software Adrenalin 22.5.2 Optional (30.0.21017.1000)
Resizable BAR有効
OSWindows 11 Pro (Ver 21H2、build 22000.708、VBS有効)
電源プランバランス
室温約25℃

3DMark

 定番の3Dベンチマーク「3DMark」では、DirectX 12テスト「Time Spy」、DirectX 11テスト「Fire Strike」、Vulkanテスト「Wild Life」、バスインターフェイスの帯域幅を計測する「PCI Express feature test」を実行した。

 各テストのスコアは、Time Spy=4,142、Fire Strike=10,523、Wild Life=24,579、Wild Life Extreme=6,835で、補助電源レスのビデオカードとしてはかなり優秀と言っていい数字を残した。

 PCI Express feature testでは「7.06GB/s」を記録しており、最大帯域幅が約8GB/sのPCIe 4.0 x4接続ならではの速度を実現していることが確認できる。

3DMark「Time Spy」。スコアは4,142
3DMark「Fire Strike」。スコアは10,523
3DMark「Wild Life」。スコアは24,579
3DMark「Wild Life Extreme」。スコアは6,835
3DMark「PCI Express feature test」。帯域幅は7.06GB/s

ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク

 フルHD解像度の最高品質で実行した「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」では、10,054というスコアを記録して、上から3番目の評価である「快適」を獲得した。

 この時の平均フレームレートは約69.8fpsであり、ファイナルファンタジーXIVをフルHD解像度でプレイするのに十分な性能をRadeon RX 6400は備えているようだ。

フルHD/最高品質での実行結果。スコアは「10,054」で、評価は「快適」

 モニタリングソフトのHWiNFO64 Proで取得したベンチマークテスト中のステータス情報から作成したのが以下のグラフ。

 GPUとメモリの温度は75℃前後で推移しており、GPUは40W前後の電力(GPU PPT)を消費しながら、2,280MHzほどのクロックで動作している。メモリについも終始2,000MHz(=16Gbps)で動作しており、サーマルスロットリングは作動していないようだ。

 なお、ファンスピードは最大で4,000rpm弱まで上がっているが、小口径ファンなので動作音自体はそれほど大きなものではなかった。

Radeon RX 6400のモニタリングデータ

レインボーシックス シージ

 タクティカルFPSの「レインボーシックス シージ」では、フルHD解像度で描画設定を「高」と「最高」にしてゲーム内ベンチマークテストを実行した。テスト時のグラフィックスAPIはVulkanで、レンダリングのスケーリングは「100」に設定している。

 ベンチマークテストで取得した平均フレームレートは、描画設定「高」で136fps、描画設定「最高」では110fpsを記録。描画設定「最高」についてはVRAM使用量の目安が4GBを超えているため注意が必要だが、GPUコアの性能的には100fpsを超えるフレームレートを発揮できる実力があるようだ。

描画設定「高」のベンチマーク結果。平均フレームレートは「136fps」
描画設定「最高」のベンチマーク結果。平均フレームレートは「110fps」

補助電源レスでもなかなか遊べる新世代エントリークラスGPU

省スペースPCのアップグレードや映像出力用に好適なRadeon RX 6400搭載ビデオカード

 Radeon RX 6400を搭載した玄人志向のRD-RX6400-E4GB/LPは、ファイナルファンタジーXIVやレインボーシックス シージをプレイするのに十分な性能を備えていた。かと言って、特段ゲームに強いGPUと言えるほどではないが、補助電源レスかつロープロファイルに対応したビデオカードで、これだけの性能が得られるのは魅力的だ。

 省スペースPCのアップグレード用や、iGPUの無いCPUを搭載したPCの映像出力用としてのビデオカードを探しているなら、最新のエントリークラスGPUであるRadeon RX 6400搭載製品が面白い選択肢となるだろう。

RD-RX6400-E4GB/LPを1名様にプレゼント

 日本AMD様提供により、記事でも紹介したRD-RX6400-E4GB/LPを1名様にプレゼントします。ふるってご応募ください。