やじうまミニレビュー
Radeon RX 6400は補助電源不要で性能が優秀なエントリーGPUだ
2022年6月17日 06:18
AMDのRadeon RX 6400」は、RDNA 2アーキテクチャを採用したGPU「Radeon RX 6000シリーズ」の新モデルにして、TBP 53Wという低消費電力設計によって補助電源レス動作を実現した新世代のエントリークラスGPUだ。
今回は、Radeon RX 6400を搭載する玄人志向のビデオカード「RD-RX6400-E4GB/LP」を使って、新世代のエントリークラスGPUが実現するパフォーマンスを確認してみよう。
補助電源レス&ロープロファイル設計のRadeon RX 6400搭載ビデオカード
今回テストする玄人志向のRD-RX6400-E4GB/LPは、AMDのエントリークラスGPUであるRadeon RX 6400を搭載したビデオカード。搭載するGPUやメモリの動作クロックなどはリファレンス仕様に準じたものとなっており、PCI Expressスロットからの電力供給のみでの動作が可能な「補助電源レス」を実現している。
カードサイズは152×69×18mm(長さ×高さ×厚さ)の低背設計で、同梱の交換用ブラケットを使用することでロープロファイルの拡張スロットに取り付けることができる。また、GPUクーラーもシングルスロット仕様であるため、省スペース設計のPCにも組み込みやすいのもRD-RX6400-E4GB/LPの魅力だ。
RDNA 2アーキテクチャに基づいて7nmプロセスで製造されたRadeon RX 6400のGPUコアでは、12基のコンピュートユニットが有効化されており、768基のストリーミングプロセッサや12基のRay Acceleratorなどが利用できる。GPUクロックは、ゲームクロックが2,039MHzで、ブーストクロックが2,321MHz。消費電力指標のTBPは53W。
VRAMとして16Gbps動作のGDDR6メモリを4GB搭載しており、GPUコアと64bitのメモリインターフェイスで接続することで128GB/sのメモリ帯域幅を実現している。RD-RX6400-E4GB/LPではPCIe x16形状のコネクタを採用しているが、バスインターフェイスはPCIe 4.0 x4となっている。
【表1】玄人志向 RD-RX6400-E4GB/LPの主な仕様 | |
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GPU | Radeon RX 6400 |
GPUブーストクロック | 2,321MHz |
AMD Infinity Cache | 16MB |
メモリ容量 | 4GB (GDDR6) |
メモリスピード | 16Gbps |
メモリインターフェイス | 64bit |
PCI Express | PCIe 4.0 x4 |
映像出力端子 | HDMI、DisplayPort |
補助電源コネクタ | なし |
本体サイズ | 152×69×18mm(長さ×高さ×厚さ) |
占有スロット | 1スロット |
付属品 | ロープロファイルブラケット |
Radeon RX 6400のパフォーマンスをベンチマークテストとゲームでチェック
ここからは、Radeon RX 6400を搭載する玄人志向 RD-RX6400-E4GB/LPで、ベンチマークテストやゲームを実行した際のパフォーマンスを確認していく。
テストにはRyzen 7 5800Xを搭載したAMD X570環境を用意。グラフィックスドライバは「Adrenalin 22.5.2 Optional」を適用した。その他の機材については以下の通り。
【表2】テスト機材一覧 | |
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GPU | Radeon RX 6400 |
CPU | Ryzen 7 5800X (8コア/16スレッド) |
CPUパワーリミット | PPT=142W、TDC=95A、EDC=140A |
CPUクーラー | ASUS TUF GAMING LC 240 ARGB (ファンスピード=100%) |
マザーボード | ASUS TUF GAMING X570-PLUS (WI-FI) [UEFI=4403] |
メモリ | DDR4-3200 16GB×2 (2ch、22-22-22-52、1.20V) |
システム用SSD | CORSAIR MP600 1TB (NVMe SSD/PCIe 4.0 x4) |
電源 | Thermaltake Toughpower Grand RGB 1050W Platinum (1050W/80PLUS Platinum) |
グラフィックスドライバ | AMD Software Adrenalin 22.5.2 Optional (30.0.21017.1000) |
Resizable BAR | 有効 |
OS | Windows 11 Pro (Ver 21H2、build 22000.708、VBS有効) |
電源プラン | バランス |
室温 | 約25℃ |
3DMark
定番の3Dベンチマーク「3DMark」では、DirectX 12テスト「Time Spy」、DirectX 11テスト「Fire Strike」、Vulkanテスト「Wild Life」、バスインターフェイスの帯域幅を計測する「PCI Express feature test」を実行した。
各テストのスコアは、Time Spy=4,142、Fire Strike=10,523、Wild Life=24,579、Wild Life Extreme=6,835で、補助電源レスのビデオカードとしてはかなり優秀と言っていい数字を残した。
PCI Express feature testでは「7.06GB/s」を記録しており、最大帯域幅が約8GB/sのPCIe 4.0 x4接続ならではの速度を実現していることが確認できる。
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク
フルHD解像度の最高品質で実行した「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」では、10,054というスコアを記録して、上から3番目の評価である「快適」を獲得した。
この時の平均フレームレートは約69.8fpsであり、ファイナルファンタジーXIVをフルHD解像度でプレイするのに十分な性能をRadeon RX 6400は備えているようだ。
モニタリングソフトのHWiNFO64 Proで取得したベンチマークテスト中のステータス情報から作成したのが以下のグラフ。
GPUとメモリの温度は75℃前後で推移しており、GPUは40W前後の電力(GPU PPT)を消費しながら、2,280MHzほどのクロックで動作している。メモリについも終始2,000MHz(=16Gbps)で動作しており、サーマルスロットリングは作動していないようだ。
なお、ファンスピードは最大で4,000rpm弱まで上がっているが、小口径ファンなので動作音自体はそれほど大きなものではなかった。
補助電源レスでもなかなか遊べる新世代エントリークラスGPU
Radeon RX 6400を搭載した玄人志向のRD-RX6400-E4GB/LPは、ファイナルファンタジーXIVやレインボーシックス シージをプレイするのに十分な性能を備えていた。かと言って、特段ゲームに強いGPUと言えるほどではないが、補助電源レスかつロープロファイルに対応したビデオカードで、これだけの性能が得られるのは魅力的だ。
省スペースPCのアップグレード用や、iGPUの無いCPUを搭載したPCの映像出力用としてのビデオカードを探しているなら、最新のエントリークラスGPUであるRadeon RX 6400搭載製品が面白い選択肢となるだろう。
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