やじうまミニレビュー

1日間はクラウド録画が無料。7,000円を切る監視カメラ「SpotCam Eva 2」

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
SpotCam Eva 2

 SpotCamのセキュリティカメラ「SpotCam Eva 2」は、電動による左右360度のスイベルや90度のチルト機構を備えた監視カメラだ。現在Amazon.co.jpで販売されており、価格は6,999円となっている。

 本機は、プラネックスが代理店となって販売していた「SpotCam Eva」の後継に当たる。今世代からはAmazonでの販売となった。SpotCam Evaでは最大解像度が720pだったが、SpotCam Eva 2では1080pに引き上げられ、垂直のチルトも70度から90度になったのがポイントで、それ以外の機能はほとんど共通だ。

 SpotCamシリーズの特徴は、ローカルにストレージを持たず、同社が提供しているクラウドサービスへ直接動画を保存する点である。このためmicroSDカードといった追加コストは不要でセキュリティカメラを利用開始できる。

 もっとも、さすがにクラウドに録画が永久的に保存されるわけではなく、無料で保存できる録画は1日間のみ。2日目に入ると24時間前の録画が時間に沿って古いものから順次削除されていく。長い録画期間が必要であれば、別途SpotCam NVR契約が必要で、そのさいの契約は以下の通りになっている。

プラン3日間7日間30日間
月契約の場合の額3.95ドル5.95ドル19.95ドル
年契約の場合の額39ドル59ドル199ドル

 なお、本製品の録画データなどは台湾のサーバーに置かれる。ただ、セットアップ直後はライブストリーミングのみとなっており、クラウドに録画データは残らない。1日間の場合でも、SpotCam NVRサービスのうち1日間の無料プランを手動で契約する必要がある。

 このあたりはプライバシーへの配慮もあるだろうが、セキュリティカメラ用途ではなく、家で留守しているペットや子供の状態をリアルタイムで監視したいといった場合は、ライブストリーミングのみという選択肢もアリだ。

設定や操作はシンプル

 さて本体を見ていこう。パッケージは英語が中心で、日本語はオマケといったレベルで書かれているだけ。マニュアルはマルチランゲージ。付属品はPSE取得済みのACアダプタ、1mの給電用Micro USBケーブル、壁に取り付けるためのマウンタとネジが付属している。

 本体は円形を2つ重ねた雪だるまのようなデザインで、レンズ周囲は黒くなっていて、いかにも監視カメラといった面構え。背面はスピーカーの穴、給電用のMicro USBと設定用のボタンが1つのみだ。本機は無線ネットワーク利用しか想定していないため、microSDカードスロットや有線LANなどはない。至ってシンプルだ。

製品パッケージ
製品の付属品など
背面にスピーカーの穴とMicro USB

 初期設定はモバイル用アプリ「SpotCam」を介して行なう。アカウントをまず作成して、カメラを追加。このさいにいったんSpotCamにアドホックで接続して、その後アクセスポイントに接続するというシンプルなものだ。

 ただ、この無線は2.4GHz帯でしか対応していないのが惜しい。一応、フルHD画質も問題なく転送はできているようだし、2.4GHz帯は5GHz帯と比べて電波が遠くに飛ぶので、設置場所をそれほど気にする必要はないと言われればそれまでだが、2.4GHz帯しか利用できないIoTデバイスが多く、もともとこの狭い帯域を、ある程度常時占有してしまうのはちょっと躊躇する。

初期設定でモデルを選んで、まずはアドホックで接続。それから普段使っているアクセスポイントに接続する。対応は2.4GHzのみなのが惜しい

 ソフトの話に戻るが、接続が完了すると、ホーム画面に現在のカメラの様子が映し出される。カメラの映像をクリックすれば、スマートフォンのタップやスワイプでレンズの向きを遠隔操作できる。

 ただ冒頭で述べた通り、デフォルトではライブストリーミングを行なうだけで、録画はされない。録画を利用する場合は、アプリ右上のメニューを押し、「クラウドNVRプランにアップグレード」を選択、SpotCam Live以外のプランを選択する。先述の通り、1日間クラウド録画プラン「SpotCam NVR-1」は利用無料で、3日間以上のものは有料といった具合だ。

カメラの操作画面。写っている映像の上でスワイプやタップ操作をすれば、カメラがその向きに動く
サービスを利用する前に、タイムゾーンを設定しておきたい
SpotCam NVRはサブスクリプションモデル
ただし1日間だけ録画するSpotCam NVR-1は無料で利用できる

 ただ、SpotCam NVRは録画を行なうだけで、さすがに1日の録画をダラダラ観ながら重要なシーンを探すのは一苦労する。そこで用意されているのがアラート送信機能。この機能は「動作検知」(何らか画面内に変化が起きた場合)、「音声検知」(音を検出した場合)、「インターネット切断」(ネットが切断された場合)、「人間追跡」(人間を検出した場合)したさいに、アプリが通知を行なってくれる機能だ。

 これを使えば、何か起きたときにすぐにスマートフォンで確認できるほか、例え通知を逃したとしても、録画のタイムラインの中にイベントとして記録されていくので、画面内に起きた変化を素早く探せるというわけだ。

 こうした録画内で必要な部分は、切り出して別途3時間分までクラウドに保存しておける。例えば犯罪の決定的瞬間などを警察に提出する必要がある場合、その部分を切り出しておけば、1日間の録画期間にあたふたしなくても良いわけだ。

何も設定しないとただライブストリーミングするだけなので、動作検知などを入れておくと、それがトリガーに通知が届く
スマートフォンに通知が届いたところ
SpotCam NVRを契約すると、こうしたイベントは記録される
指定した時間にアラートをオフにすることもできるので、例えば自宅にいる時間帯などは外しておける

 ちなみにカメラの可動機構を駆使し、人物を自動で画角内に収める機能を搭載しているが、当然死角から入って電源を抜かれると無力になってしまう。バッテリも内蔵していないので、電源が断たれた瞬間何もできなくなる。もっとも、本機は非防水型のため、室内利用が前提であり、死角に入られる可能性は極めて低いだろう。

 録画データが常時クラウドにアップロードされるということで、そのアップロード先がサーバーがどこにあるにせよ、家庭内で使う分にはプライバシー面で気になる人もいるだろうが、そこはクラウドという利便性の良し悪しだ。とりあえず初期設定だけしておいてしまっておき、長期旅行に出かけるさいなどに、要所に設置しておくという使い方もOKだ。また、リモートでカメラのオンオフができるので、アップロードされる録画には一切自分や同居人を映さないといった運用も可能だ。

 本機はこうした基本的な監視用途に使えるほか、内蔵スピーカーを活用したサイレンや通話機能、別途契約すると利用できるAIによる様々な検出機能など、ここでは紹介しきれないほど活用の幅がある。価格が安く導入しやすいので、1台備えておくと何かと使えそうだ。

別途同社のAIプランを契約すれば、車の検出などが可能になる
操作はすべてクラウドを介して行なわれるため、こうした「しばらくお待ちください」という画面と頻繁に出くわすのが玉に瑕