やじうまミニレビュー

1万円ちょいで手に入るFreeSync対応ゲーミング液晶、「AOC G2260VWQ6/11」

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
G2260VWQ6/11

 AOCの「G2260VWQ6/11」は、実売12,000円程度で販売されているAMD FreeSync対応のゲーミング液晶だ。NTT-X Storeでは一時期8,980円で販売されていたこともあり、つねに価格の動向が気になる製品でもある。今回、テスト機をお借りできたので簡単に試用レポートをお届けする。

 同社のホームページの紹介によると、同社の前身は「Admiral Corporation」で、1934年にアメリカ・シカゴでロス・シラグサ氏の手によって設立され、カラーTV製造を専門としていた。そして1967年に台湾で輸出用カラーTV製造専門のAOC(Admiral Overseas Corporation)が立ち上がり、いまに至る。日本で名前を聞くようになったのは比較的最近だが、意外にも歴史のある会社だ。

 さて実際の製品だが、低価格モデルの割にはパッケージを含めしっかりとしたもので、この価格帯でありながら、本体が備える3つのインターフェイス--HDMI、DisplayPort、ミニD-Sub15ピン--にそれぞれ対応したケーブルがすべて付属する点は好感が持てた。

 とくにHDMIに関しては、基本的に機器側に付属することが前提のため、数十万円クラスのTVでも付属しないことが多い。しかしPCの場合HDMIケーブルが付属するビデオカードは皆無であり、ディスプレイとの接続にケーブルを別途用意する必要があり面倒だ。さほど高価なケーブルというわけではないが、この点はうれしい。

 いまやスマートフォンでもディスプレイでも狭額縁がトレンドだが、本製品は狭額縁というわけではない。とは言え、21.5型というサイズも相まってかなりコンパクトな印象だ。全体的に目立つヘアライン加工がなされており、下の縁には赤のラインがアクセントとして用いられているなど、それなりに主張したデザインとなっている。

 OSDの操作は前面右下に備え付けられた物理ボタンで行なう。しっかりとしたクリック感があるため誤操作はない。OSDメニューは日本語化されているが、一部誤記があったり、ぎこちないフォントや表記だったりする。つね日頃見たり操作したりするものでもないので大きな問題にはならないだろう。

 画面サイズは21.5型、解像度は1,920×1,080ドットで、表示色数は約1,677万色、応答速度は1ms、輝度は250cd/平方m、コントラスト比は1,000:1(最大8,000万:1)、視野角は上下160度/左右170度などとなっている。

 TNパネル搭載モデルとしてスペックは平凡だが、1msの高速応答は目を見張るものがある。実際にゲームをプレイしたり、動いているシーンで480fpsスローモーション動画を撮影して確認したりしてみたが、確かに残像が少ない印象だった。

 本製品のもう1つの特徴はリフレッシュレート75Hzに対応している点。筆者が試してみたところ、1,920×1,080ドットの解像度で75Hzが利用できたのはDisplayPort接続のみで、HDMIとミニD-Sub15ピンは同解像度では60Hzまで、もしくは75Hzでは1,280×1,024ドットまでしか表示できなかった。

 さすがに120Hzや144Hzといった高リフレッシュレートのディスプレイ並みにマウスポインタやゲームヌルヌル動くわけではないが、一般的な60Hzと比較して25%高速だ。これがほかの60Hz対応ディスプレイとさほど変わらない価格を実現しているわけで、ゲームプレイにおいて一定の価値はあると言えるだろう。

 表面は非光沢ということもあり、比較的明るめながら柔らかい写りという印象を受ける。ホワイトバランスに関しては、少なくとも蛍光灯の環境下では赤や青に転んでいる印象がなく、極めてニュートラルだ。TNということで視野角が気になるが、少なくとも30cm離れた正面から見ている限り、気になることはまったくなかった。色の鮮やかさについてはもう一声欲しいところだが、価格とパネル仕様を考えればむしろいいほうだろう。

 さて、本機でもっとも気になるFreeSyncへの対応だが、Radeon RX 480とDisplayPort接続時でのみ、「Radeon設定」から認識可能で有効にできた。しかし、AMDのFreeSyncテストツールを試したり、「Quake Champions」といった3Dゲームをプレイしてみたりしてみたものの、そもそも気になるほどのカクツキが発生せず、それをスマートフォンのスローモーションで撮影してみても、その違いがわからなかった(垂直同期のオン/オフは違いがはっきりと見られたが)。もしかしたら最新のRadeonのドライバは、カクつきへの対策がある程度なされているのかもしれない。

 本製品は予算が限られたなかで1台目のゲーミング向けディスプレイがほしいユーザーのみならず、普段使いのディスプレイには広色域や高解像度のものを利用しつつ、ゲームプレイ時にサブとして利用する製品としても有用だと言えるだろう。

付属品。DisplayPortやHDMIケーブルまでも付属しているのは親切だ
下辺のみ広めで、赤いラインのアクセントが入っている
ベゼルやスタンド、背面一部はヘアラインのデザインとなっている
本体背面
背面上部の排気口
100mmピッチのVESAマウンタに対応する
インターフェイスはDisplayPort、HDMI、ミニD-Sub15ピンの3系統。アナログRGB用に音声入力も備え、ヘッドフォン出力も対応
-5度のチルト
22度のチルト
全体的に明るめで柔らかい印象を受ける
TNパネルのため、視野角はそれほど広くない
輝度の調整項目。オーバードライブの強弱や黒を明るくするシャドウコントロールなどもここから行なえる
色設定の項目。ユーザーがR/G/B個々にカスタマイズできる
画面の一部だけハイライトする機能も搭載
OSDの設定では休憩リマインダーを設定できる
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