やじうまミニレビュー

縦でも横でも差し込める、180度回転プラグ搭載のノートPC用ACアダプタ

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
今回紹介する「Lenovo用(ACDC-2065LEBK)」以外に、同じく角型コネクタの「NEC用」、丸形コネクタの「NEC用」、「東芝用」、「富士通用」の計5製品をラインナップする

 自宅用とオフィス用、オフィス用と出張用など、ノートPCのACアダプタを2つ用意しておけば、持ち歩く荷物が減るだけではなく、外出時にバッグに入れたり戻したりする手間もかからなくなる。PCが会社支給の品であっても、数千円の費用を自腹で払って、こうした環境を構築している人も多いのではないだろうか。

 もっとも、ノートPC用のACアダプタと言えば、純正品そっくりの海賊版も多く流通しており、製品選びにはやや慎重さが必要だ。とくにネットでは、互換品である事実を隠し、メーカー純正ACアダプタの型番で検索すると表示される場合も多く、気づかずに買って使い続けている人もいるかもしれない。

 その点、リスクの少ない品揃えをしているのが家電量販店およびその直営サイトで、取り扱う純正品以外のACアダプタは、一定の品質とサポート力を備えた、国内のサードパーティメーカーの製品ばかりとなっている。今回紹介するエレコムの製品もその1つで、家電量販店が運営するストアを除き、ネットではあまり流通していない。

 こうした品の多くは、純正品プラスアルファの機能を備えていることも少なくなく、本製品も例外ではない。実際に入手して試してみたところ、なかなか便利だと感じたので紹介しよう。なお本シリーズは対応メーカーおよびコネクタ形状が異なる5製品がラインナップされているが、今回は筆者手持ちのノートPCに合わせ、Lenovo用(型番:ACDC-2065LEBK)を前提に紹介する。

コンセントに差し込みやすい、180度回転機構搭載プラグ

 ノートPC用の純正ACアダプタの多くは、アダプタ本体部分に汎用電源ケーブルを差しこむ仕様のものが多い。ケーブルとケーブルの中間にACアダプタ本体部分が来る構造、といえばわかりやすいだろうか。

 本製品はそれらとは異なり、コンセントに直接差すことを想定した形状になっている。純正ACアダプタの形状だと、壁面のコンセントから電源を取るときに、長さがギリギリであるせいでアダプタ本体が宙に浮くことがよく起こるが、本製品ならばそうしたこともない。

コンセントに直接差しこむデザインを採用する
純正のACアダプタはケーブルの長さが足りないと、こうして本体が宙に浮くこともしばしばだが、コンセント直挿しの本製品ならばそうした心配はない

 そんな本製品の最大の特徴は、プラグに180度回転機構を搭載していることだ。コンセントの口の向きが縦でも横でも問題なく差し込めるので、隣の口に干渉しがちな場合でも取り付けが容易だ。

外出先でACアダプタを使う場合、差し込みにくいからと言って、すでに差してある電源ケーブルやアダプタを勝手に抜いたり、別の口に差し替えるのはNGだ。その時点で空いている数少ないコンセントの口に、なんとかして差し込まなくてはいけない。

 その点、本製品であれば、空いている口の方向に合わせてプラグの向きを変えられるため、余っている数少ないコンセントの口でやりくりしやすい。実際に使ってみると、この機構が役に立つシーンは非常に多いことを実感させられる。

本体のプラグ。日本向けの2P仕様
回転機構が搭載されている。これは90度回転させた状態
プラグの回転機能がない場合、コンセントの口が縦向きに並ぶタップでは、このように隣の口までふさいでしまいがちだ
本製品であればプラグを90度回転させることで、隣の口との干渉を最小限に防げる
プラグは折り畳み構造なので、バッグのなかで荷物に傷をつけることもない

 また細かいところでは、ケーブル長が2.0mと、純正品に多い1.5mよりもわずかに長いのも利点だ。外出先でノートPCを使って作業をする場合、席から届くところに必ずコンセントがあるとは限らないので、ケーブルは少しでも長いほうが役に立つ。

 その点、本製品は純正品よりも長いので、それだけ有利というわけだ。長ければ当然かさばりがちなわけだが、本製品は前述のようにコンセント直結型で、汎用電源ケーブルのような太いケーブルではないため、それほどかさばらないのもよい。

今回使用しているLenovo対応モデルは、ACアダプタ本体部分のサイズだけを比較すると純正品(右)よりも大きい
もっとも純正品はケーブル自体が太くかさばるため、ケーブル部分も込での体積は本製品のほうがコンパクトだ

純正品よりも安価で入手性も高い

 本製品は今回紹介したLenovo用をはじめ、NEC用(角型)、NEC用(丸型)、東芝用、富士通用の5製品をラインナップしており、実売価格はいずれも4,000円台であることが多いようだ。

 各社のACアダプタをいくつかピックアップして調べたかぎりでは、Lenovoのように一部突出して安価なメーカーを除けば、純正品はおおむね8,000~10,000円程度なので、純正品の実質半額程度となる。詳細な仕様すら明らかでない海賊版と違い、サポートも含めて安心して使えるのは利点だろう。

 一般的に、メーカー純正のACアダプタは長期的に欠品することも多く、複数の家電量販店で定番となっている本製品は、いざというときも入手しやすい。プラスもう1個ACアダプタがほしい場合はもちろん、純正アダプタが破損・紛失して急いで入手しなくてはいけない場合にも、適した製品と言えるだろう。

以前紹介した、超小型ACアダプタ「FINsix Dart」(右)との比較。サイズは本製品の半分ほどだが、価格は約2.5倍する(1,000種類以上のノートPCで使える85gの超小型ACアダプタ「FINsix Dart」参照)
今回試したLenovo対応モデル(ACDC-2065LEBK)のパッケージ。調べたかぎり、家電量販店の通販サイトでは取り扱いがあるがAmazonにはないようで、店頭向けに用意された品だと推測される