やじうまミニレビュー

PCマニア御用達? キーの形状をしたハンコ「キー印」を試す

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
見た目はキーそのもの。サイズもほぼ実寸だ

 デザインルームが販売する「キー印」は、キーボードのキーと同じ形状をしたハンコだ。底面のキャップを外したところに印面がセットされており、書類の上に乗せてキーを押下することでハンコを押せる仕組みだ。

 機能はハンコそのもので、ガジェット的な要素は一切ないが(もちろん通電もしない)、キーの作りは本格的でキータッチまで本物そっくり、またキートップの印字内容も自在に選択できるなど、PCマニアのツボを押さえた作りになっている。

 今回、実際に注文してみたので、オーダーから到着までの流れと、使ってみた感想を紹介する。

裏面がハンコになっている。朱肉が不要の、いわゆる浸透印と呼ばれるタイプ
パッケージ。今回は直販サイトから購入したが店頭販売も行なわれているようだ
直販サイト。デザインルームが運営している

キートップを選んで注文、最大6文字まで指定可能

 本製品の購入方法は2通り。1つは「印面セット済み購入」と呼ばれる方法で、専用サイトで印字内容などを指定し、本体とセットの状態で受け取るというもの。あらかじめ印面が組み込まれた状態で届くので、開封してすぐに使える。今回はこちらの方法で注文した。

 もう1つは、キー本体だけを店頭で買い求めたのち、付属のIDとパスワードで専用サイトにログインして印字内容を指定し、送られてきた印面をキー本体に合体させる方法。こちらは店頭販売を前提にしたオーダー方法だ。

 こちらの方法の場合、印面の注文費および送料はキー本体の価格に含まれるので追加費用は発生しないが、希望するキー本体の在庫が品切れだと購入自体が行なえない。誰かにプレゼントするようなケースを除けば、前述の「印面セット済み購入」のほうがよいだろう。

購入方法は、キー本体と印面をセット注文する方法と、キー本体を店頭で購入したのち専用サイトで印面を注文する方法の2通りがある
印面のみあとからオーダーする場合、送られてきた印面を、付属のセット器具を使ってキー本体に合体させる必要がある。今回は試していないが、記述を見るかぎり少々コツがいりそうだ

 では実際に注文してみよう。まず最初に、A~Zまでの26文字と、Escキーの計27種類のなかから、キートップを選択する。多くの人はイニシャルなどを選ぶだろうが、今回は唯一の非アルファベットキーである「Esc」キーを選択した。

 続いて印面の印字内容を入力する。今回は無難に名字にしたが、漢字/ひらがな/カタカナ/アルファベット/数字/!/? から最大6文字を指定できるので、姓名に限定されずさまざまなハンコが作れる。また書体、色もそれぞれ6種類が用意されるなど、選択肢の幅はそこまでするかと思わせるくらい広い。

キートップを27種類から選択する。ちなみに英字のみでカナ印字はない
印面の文字は漢字やひらがな、カタカナ、アルファベットなど自由に選べる。最大6文字まで
書体は楷書体、古印体、てん書体、行書体、丸ゴシック体、ポップ体の6種類、色も6種類から選べる
すべての選択が完了した状態。このあと購入者情報および決済情報を入力して注文完了。オーダーメイドのため到着までは数日かかる

本格的すぎるキー仕様。タッチはメカニカルキーボード似

 使い方は、底面のキャップを外したのち、捺印したい書類の上に置き、キーを押下するだけ。指を離すと通常のキーボードのキーよろしくスプリングで元に戻るので、書類を汚すこともない。

まずは底面キャップを外して捺印したい位置に置く。この状態では内部の印面は宙に浮いている状態
キーを押下する。キータッチはメカニカルキーボードに似ている
印字完了。面に対して均等な力で押されるので、端がかすれにくいのは利点

 使ってみて驚かされるのが、キーの仕様が本格的であることだ。最近のノートPCに多いアイソレーションタイプではなく中央部にくぼみがある往年のキーボードのキーの形状で、本物の金型を流用していると言われても驚かないほど。サイズもほぼ実寸だ。

 ストロークは実測で約2mmと、“本物”に比べるとわずかに浅めだが、スプリングによる反発力がかなり強いため、キータッチはメカニカルキーボードにかなり近い。薄いベージュというカラーリングもいかにもそれっぽく、加えてキートップのフォントもいい味を出している。

キートップは中央部がややへこんだ、往年のキー形状。フォントの種類や印字位置もそれっぽい
底面。約3,000回の捺印が行なえ、インクの補充も可能とのこと。浸透印なのであとから色を変えることはできない
フルキーボード(東プレ キーボード REALFORCE108UH-S、向かって右)との比較。ガチな形状であることがよくわかる

 また特筆すべきは、これらキーの特徴が、印鑑としての押しやすさにきちんと結びついていることだ。本製品は、まず最初にハンコを押したい箇所に本体を置いて位置を微調整したのち、ついでキーを押下して印字する手順ゆえ、押す位置がずれにくい。少なくとも、ずれないように神経質になる必要がない。

 また、面全体に対して均等な力で押されるため、力の入れ加減を間違えて端がかすれてしまっていた……といったミスが起こりにくい。さらにキーの上下も一目瞭然なので、天地逆に捺印してしまうミスもまず起こらない。キーの形状がうまく生かされている格好だ。

キートップのバリエーション追加にも期待

 といった具合で、PCマニアをも唸らせる“それっぽさ”で、かつそれがハンコとしての使いやすさに結びついており、ノベルティ程度の完成度を予想していると、いい方向に裏切られる一品だ。唯一、製品に対して要望があるとすれば、キートップのバリエーションくらいだろうか。

 というのも本製品、アルファベット以外のキーの選択肢が、今のところEscの1つしかない。個人的にはCtrlキーとDelキー、あとPrtScキーあたりがあると、選択肢の幅が広がって楽しいと思う。在庫を考えるとメーカーもおいそれとラインナップを増やしにくいだろうが、ぜひ検討してほしいところだ。

 なお別料金にて、直径9mmの枠内に入ることを条件に、オリジナルの文字や模様を使ったオリジナルハンコも制作可能とのこと。ロット数の条件もなく1個から注文できるようなので、興味を持った人はチェックしてみてはいかがだろうか。