Ubuntu日和
【第90回】UbuntuでSteamOS風ゲーム機自作!DeskMeet X300とX600どっちが買い?
2026年7月13日 06:06
筆者が少し前に書いたほぼ同価格でSteam Machineを凌駕!SteamOSでゲーミングPCを自作してみたはすでにお読みいただいたであろう。
DeskMeet X300/600にSteamOSをインストールするという内容だが、現段階でも十分に利用可能であり、かつDeskMeetをゲーム機にしてしまうのは大変に魅力的ではある。しかし、細かいところでは目につくところもある。先の特集記事で紹介した残念な点は次の通りだ。
- NVMe接続のSSDにしかインストールできない
- そのNVMe接続のSSDのコントローラーは特定のNVMeコマンドに対応している必要がある
- 無線LANクライアントの接続がないとネットワークが見えない
ほかにもあるかもしれないが、現在気づいているのはこのくらいだ。しかし、そもそもNVIDIAのビデオカードには現在のところ未対応であり、ここに引っかかる人も多いだろう。
当面はUbuntuあるいはそのほか汎用OSで乗り切り、SteamOSの完成度の向上を待つのも1つの手である。今回はそんな方法を紹介する。
DeskMeetとRD-RX9060XT-E16GB/DF
DeskMeetは20cm、すなわち200mmまでのビデオカードに対応している。そしてRD-RX9060XT-E16GB/DFは全長202mmなので、一応装着できる。しかし「ブラケットを除く」という重要な一文があり、これがネックとなってくる。ブラケットは20mmくらいであり、ここが大きな支障となってくる。
通常PCIeスロットにボードを接続するときはスロットに対して真上からボードを降ろしていくが、DeskMeetではこれができない。RD-RX9060XT-E16GB/DFをいったん斜めに入れてブラケットを外に出してからボードを垂直にして装着するという手段を取らざるを得なくなる。ボードを無傷で取り付けるのが困難であるというのはさておき、その斜めに入れるためのスペースも必要となる。これが、筆者が前回の記事内で「CPUクーラーの高さを40mm以下にしておくべきだ」と主張した理由だ。
X300とX600の速度差
もう1つ前出の特集記事に意図的に書かなかったこととしては、X300とX600の速度差だ。速度差はさほど多くないであろうという根拠のない予想があったこと、いずれにせよ今からX300を購入する積極的な理由はないので、さほど重要視しなかったといったところだ。
ところが、今回ベンチマークを取ってみたところ、だいぶ予想外の結果となった。
改めて両者のスペックを提示しておこう。特集記事の回からはSSDだけ変更している。
| メーカー | 型番 | 備考 | |
|---|---|---|---|
| CPU | AMD | Ryzen 7 5700X | |
| CPUクーラー | Scythe | SCSK-3000 | |
| メモリ | CFD販売 | W4U3200CM-16G | |
| SSD | Samsung | MZ-V9S1T0B-IT/EC | |
| ビデオカード | 玄人志向 | RD-RX9060XT-E16GB/DF | |
| ベアボーン | ASRock | DeskMeet X300/B/BB/BOX/JP | 電源ユニットはSFXのものに置き換え |
| メーカー | 型番 | 備考 | |
|---|---|---|---|
| CPU | AMD | Ryzen 5 9500F | |
| CPUクーラー | Scythe | SCSK-3000 | |
| メモリ | CFD販売 | W5U4800CS-16G | |
| SSD | Samsung | MZ-V9S1T0B-IT/EC | |
| ビデオカード | 玄人志向 | RD-RX9060XT-E16GB/DF | |
| ベアボーン | ASRock | DeskMeet X600/B/BB/BOX/JP | |
ベンチマークに使用したアプリケーションはPhoronix Test Suiteだ。Steamのゲームでは定量的な数値を出すのが難しいと考えたからである。ベンチマークが多ければ実際の速度差が反映されるはずで、実際のSteamのゲームである必要はないはずだ。
なおUbuntuのバージョンは26.04 LTSである。
まずはあまり差がなかったものから見ていこう。
X300とX600で逆転しているものもあるが、いずれにせよ誤差とみていいだろう。
続いてはかなりの差が出たものだ。
OpenArenaとXonoticはOpenGLなので、Vulkanだから速いということではない。ベンチマークによっては40%くらい速くなるという結果が分かれば十分であり、これ以上深追いする必要もないだろう。正直これほどの差が出るとは思っていなかったが、今から買うのであればX600一択と断言できるだけの結果であろう。これほどの差があれば、DDR4のメモリが余っているという理由でX300を選択するのも考えものだ。軽いゲームしかやらないのであれば、その限りではないが。
UbuntuでのSteamインストール
UbuntuでSteamのゲームをプレイする方法は第3回で紹介済みだ。しかし今となってはやや古い情報になっているため、改めて紹介しよう。
Steamクライアントは、現在Debパッケージ用のインストーラーと、snapパッケージで配布されている。「アプリセンター」を起動し、「steam」で検索するとsnapパッケージのSteamが見つかる。
「フィルター」を「Snapパッケージ」から「Debianパッケージ」に変更すると、第3回で紹介されていた「Steam (installer)」を見つけることができる。
今回は前者のsnapパッケージ版Steamクライアントを使用することにした。
メニューの言語を日本語にするには、「Settings」の「Interface」にある「Steam Client Language」を「日本語」にしてSteamクライアントを再起動する。
Big PictureモードでUbuntuをゲーム専用機にする
Big Pictureモードをデフォルトにし、Steamを自動起動するとSteamOSのように振る舞うことができるのは第3回でも紹介されているとおりだ。方法が少し変わっているのであらためて紹介する。
まず「Steam」-「設定」-「インターフェイス」を開き、「Big PictureモードでSteamを起動する」を有効にする。
さらにUbuntuの「設定」-「アプリ」を開き、「Steam」をクリックする。「自動起動」があるので有効にする。
さらにユーザー名とパスワードの入力も省略したいのであれば、同じく「設定」-「システム」-「ユーザー」で自動ログインしたいユーザーを開き、「ロック解除」をクリックしてパスワードを入力してロックを解除する。
続けて「自動ログイン」を有効にすると、SteamOSのような感じで使用できるようになる。
よりSteamOSに近づけるKubuntu
SteamOSをデスクトップモードにすると、KDE Plasmaが起動することは特集で紹介した。しかし今回はUbuntuなのでGNOMEが起動してしまう。よりSteamOSに近づけるため、KDE Plasmaが使用できるKubuntuをここで紹介したい。
KubuntuはUbuntuの公式派生版ともいえるフレーバーの1つで、KDE Plasmaをフィーチャーしている。Ubuntuとは異なりフレーバーのサポート期間はLTSでも3年間などの違いはある。
あと違うのはインストーラーで、特集 眠っているPC、まだ捨てないで!最軽量級OS「Lubuntu」で古いPCを完全再生で紹介したLubuntuでも採用しているCalamaresである。したがって今回インストール方法の紹介は省略する。KubuntuのISOイメージのダウンロードはDownloadsから行なってほしい。もちろん26.04 LTSのほうだ。
インストール時の「Installation Mode」は「Normal Installation」のままにしておこう。Lubuntuと同じく「Minimal Installation」にすると、Firefoxもインストールされない。
Steamクライアントのインストールは、左下の左から3つ目のアイコンをクリックする。すると「Launch a Package Manager」というダイアログが表示されるので、「Discover」をクリックする。
左上の検索欄に「steam」と入力してエンターキーを押すと見つかるので、クリックして「Snapからインストール」をクリックし、パスワードを入力してインストールが完了するまで待つ。
Big PictureモードでSteamクライアントを自動起動する
KDE PlasmaでもBig PictureモードでSteamクライアントを自動起動できる。
まずは設定の「インターフェイス」にある「Big PictureモードでSteamを起動する」にチェックを入れる。すでに紹介済みなのでスクリーンショットは省略する。
続いて「設定(KDEシステム設定)」を起動し、「自動起動」を開く。右上の「Add New」をクリックし、「Application」をクリックする。
インストールされているアプリケーションがカテゴリーごとに表示されるので、「ゲーム」-「Steam」をクリックして「OK」をクリックする。
これでSteamクライアントが自動起動するようになった。
自動ログインは、「設定」の「色とテーマ」-「ログイン画面(SDDM)」の「挙動」をクリックする。
自動ログインしたいユーザーを選択して「適用」をクリックする。
「設定」-「セッション」を開き、「セッション復元」を「空のセッションで開始」にして「適用」をクリックする必要もある。
ただし、ここまで頑張っても最初はKDE Plasmaの画面が表示されてしまい、SteamOSの再現度が低かったことは申し添えておきたい。あまり頑張らなくてもいいかもしれない。
ゲームコントローラー
「設定(KDEシステム設定)」にはゲームコントローラーの設定項目もある。
「ポインターやキーボードとして使う」というオプションもある。面白そうな機能だが、有効にしてもゲームパッドで動いたり動かなかったり安定しているとはいえず、不具合もあるようなので使わないほうがよさそうだ。
日本語入力
Kubuntuでの日本語入力の方法も紹介しておこう。SteamOSと同じくIBusを使用する方法だが、まずは端末から「ibus-mozc」パッケージをインストールする。そして「設定」-「キーボード」で「Japanese」を追加し、「有効」にする。
続けて「仮想キーボード」で「IBus Wayland」を選択して「適用」をクリックする。これでIBusが自動起動するようになる。
さらに「IBusの設定」を起動し、「入力メソッド」タブを開く。
「日本語-Mozc」と「日本語-日本語」を残して削除する。
このようにSteamOSで採用しているAnthyではなくMozcにしているため、変換効率がいいはずだ。もっとも、使う機会はあまり多くないだろうが。
選択の自由を
SteamOSにしろUbuntuにしろKubuntuにしろ、あるいはほかのLinux系のOSにしろ、気に入ったものを使用すればいい。ましてやSteamはセーブデータをクラウドに保存しており、OS変更のコストはほとんどゼロに近い。とりあえずSteamOSを使用してみたものの、足りない部分があったのでUbuntuを使用し、半年くらい経ったらSteamOSをインストールし、足りない部分の修正が済んでいるかどうかを確認し、まだだったらまたUbuntuをインストールする、なんてことだってできてしまう。そんな自由が、私たちには用意されているのだ。












































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