30周年記念

PC Watchは創刊30周年を迎えました。編集長よりご挨拶と今後の展望

 PC Watch編集長の若杉です。PC Watchは2026年に創刊30周年を迎えます。プレ創刊が1996年4月16日、正式創刊は同年7月22日でした。

 私自身がインプレスに入社し、PC Watchに配属されたのは2002年の1月のことです。改めてこの月にPC Watchで公開された記事一覧を見てみると、「PowerPC搭載のPower Mac」、「モバイルPentium 4-M」、「モバイルAthlon 4 1500+」、「ALL-IN-WONDER RADEON 7500(まだATIブランド!)」などのキーワードが誌面を飾っています。

 この30年で、PCはめざましい進化を遂げました。PCに搭載されるトランジスタ数や性能が飛躍的に伸びているだけでなく、その用途や活躍の場も格段に広がっています。大原氏の記事によると、この50年でCPUの性能は約7,000万倍に達したとのことです。

 私個人の原体験を振り返ると、初めて手にしたPCはシャープの「X1CS」でした。12~13歳頃だったと思います。もっぱらゲーム専用機として使っていて、「ザナドゥ」や「デゼニランド」といったメーカー製ゲームも楽しんでいましたが、お金がなかったので「マイコンBASICマガジン」に載っていた読者投稿のBASICプログラムゲームも手打ちしてプレイしていたのもよい思い出です。ちなみに、記録メディアはカセットテープです(その後、外付け5インチFDDや漢字ROMを増設)。

 皆様はどのようなマシンからこの世界に入られたでしょうか?30年という月日は、読者の皆様お一人おひとりにとっても、デバイスとの忘れがたい物語がある時間だったはずです。

 昔話はさておき、PC Watchがプレ創刊から現在に至るまで基本的にすべての記事をアーカイブとして残しているのはメディアとしての矜持でもあります。また、この30年、デバイスの形や性能は劇的に変わりましたが、私たちが大切にしてきた「実機を触り、数値を測り、技術の裏付けを取る」という姿勢は変わりません。

 30年にわたり媒体を継続できたのは、ひとえに読者の皆様、そして情報提供や機材貸出などで多大なるご支援をいただいたメーカー・関係者の皆様のおかげです。この場を借りて深く御礼申し上げます。

 さて、30周年を迎えた今、PC業界最大のテーマは「AI」です。その進化の速度は、これまでの30年の歩みを凌駕するほどの勢いを感じさせます。私自身も、企画の草案出しや壁打ちなどに活用しています(なお、この文章はAIには書かせていません(笑))。

 かつてはコマンドを打ち込んで動かす「道具」だったPCは、今やAIを介して私たちの思考を拡張する「パートナー」へと変貌を遂げようとしています。この大きな転換期を記録し続けることも、私たちの重要な役割だと考えています。

 一方で、AIの普及に伴い、ディープフェイク、著作権、データセンターの電力消費といった問題も浮き彫りになっています。PC市場においても、リソースの優先供給による供給不足や価格高騰など、ユーザーに直結する影響が出ています。

 1つのメディアにできることは限られていますが、課題に対する解決策の提示や、より効率的な活用法の提案を通じて、業界が健全な方向へ進むための一助となりたいと考えています。

 今後については、これまでの伝統を大切にしながらも、新しい試みに挑戦してまいります。その一環として、読者の皆様と直接対話できるオフラインイベントなども計画中です。30周年を機に、読者の皆様と一緒にPCの未来を考えたいと思っています。

 引き続き、皆様の叱咤激励を糧に、PCファンの方々に“刺さる”深い情報をお届けしてまいります。これからのPC Watchにも、ぜひご期待ください。