笠原一輝のユビキタス情報局
10万円台前半で上位版Surfaceに近い性能を発揮する「Surface Laptop Go」をレビュー
2020年10月13日 22:00
Microsoftは10月1日(現地時間)に、新しいSurfaceファミリとして「Surface Laptop Go」を発表した。
Surface Laptop系はSurfaceファミリのなかでのクラムシェル型デバイスという扱いだが、Surface Laptop Goは「Go」のブランドがついていることからわかるように、モバイル可能な廉価版という位置づけになっており、上位モデルに相当するSurface Laptop 3に比べて低価格に設定されている。さらに、小型のディスプレイを採用することで重量は1.1kgと、Surface Laptop 3の1.31kgに比べて軽量になっている。
日本マイクロソフトは、本日(13日)よりSurface Laptop Goを発売し、すでに小売り店の店頭などでの販売も開始されている。今回は同社から借りた「Surface Laptop Go」のCore i5、8GBメモリ、256GBストレージ、Windows 10 Home(Sモード)、Office Home & Business 2019搭載というスペックのモデル(型番 : THJ-00034)のレビューをお届けしていきたい。
CPUのグレード、画面サイズ、各種機能の有無などが上位モデルとの違い
すでに述べたとおり、Surface Laptop Goは、上位モデルのSurface Laptop 3(13.5型)と比較すると、廉価版という位置づけになっている。
たとえば、Surface Laptop 3で同じ8GBメモリ、256GBストレージという構成の13.5型モデル(型番 : V4C-00060)は、161,480円という価格になっており、今回紹介するSurface Laptop Go(型番 : THJ-00034)は126,280円(税別114,800円)と、約35,000円の価格差がある。
このため、Surface Laptop GoとSurface Laptop 13.5型をスペックで比較すると、当然機能でやや劣る。主要な部分をまとめると以下のようになる。なお、詳細なスペックに関しては、それぞれの以前の記事(Surface Laptop Go、Surface Laptop 3)を参照いただきたい。
Surface Laptop Go (THJ-00034) | Surface Laptop 3 13.5型 (V4C-00060) | |
---|---|---|
CPUブ | Core i5-1035G1 | Core i5-1035G7 |
CPUコア | 4コア/8スレッド | 4コア/8スレッド |
ベース/ターボ時クロック | 1GHz/3.6GHz | 1.2GHz/3.7GHz |
GPU | UHD Graphics | Iris Plus Graphics |
GPU世代 (ベース/ターボ時クロック) | Gen 11-GT1 (300MHz/1.05GHz) | Gen 11-GT2 (300MHz/1.05GHz) |
EU数 | 32 | 64 |
ディスプレイ | 12.45型 | 13.5型 |
解像度 | 1,536×1,024ドット | 2,256×1,504ドット |
Surface Pen | - | ○ |
「A」/「あ」キー | ○ | - |
キーボードバックライド | - | ○ |
Windows Hello | 指紋認証 | 顔認証 |
公称バッテリ駆動時間(容量) | 13時間(39.7Wh) | 11.5時間(45Wh) |
ACアダプタ | 39W | 60W(本体)+5W(USB Type-A充電端子) |
価格 | 126,280円 | 161,480円 |
その差は大きく言ってCPUのグレード、ディスプレイのサイズと解像度、そしてキーボードやWindows Helloの生体認証などの各種機能の違いだ。
CPUに関してはSurface Laptop 3では「Core i5-1035G7」というSKUが採用されている。Core i5-1035G7は、その末尾2文字からわかるように、GPUは最上位グレードになっている(GはGraphicsのG、後ろの数字は7/4/1の3つの数字が使われ最上位は7)。
Core i5-1035G7は開発コードネームIce Lakeで知られる10nm製造の第10世代Coreプロセッサ(以下第10世代Core)であり、内蔵グラフィックスはこの世代で大きく性能が向上したGen 11が使われている。
このGen 11にはIntelの内部コードネームで、GT1(G1)、GT1.5(G4)、GT2(G7)の3つのグレードがあり、GT1が32基、GT1.5が48基、GT2が64基の演算ユニット(EU)を持っている。つまり、Surface Laptop 3に搭載されているCore i5-1035G7はGPUがGT2のため、64基のEUを持つ最上位スペックのGPUになっている。
プロセッサーナンバー | EU数 | |
---|---|---|
GT2 | G7 | 64 |
GT1.5 | G4 | 48 |
GT1 | G1 | 32 |
これに対して、Surface Laptop Goに搭載されている「Core i5-1035G1」は、GPUはGT1で、EUは32基だ。これがSurface Laptop 3のCore i5との最大の違いとなる。
しかし、じつはCPUのスペックに関してはほぼ同じだ。CPUコア数はどちらも4コア/8スレッドで、L3キャッシュは6MB、唯一の違いはCore i5-1035G7のクロック周波数が1.2~3.7GHzであるのに対して、Core i5-1035G1は1~3.6GHzとなっていること。つまりクロック周波数がやや低いぐらいで、CPUの性能差は大きくないのだ。
まとめると、Surface Laptop Goに搭載されているCore i5-1035G1は、GPUに関してはEUが半分になっているが、CPUに関しては上位グレードとほぼ変わらないものが搭載されているということだ。
解像度は1,536×1,024ドットでフルHDよりも狭いが、そのトレードオフでバッテリ駆動時間は長い
もう1つの大きな違いはディスプレイのサイズと解像度だ。Surface Laptop 3 13.5型は、2,256×1,504ドットというアスペクト比3:2のディスプレイを採用している。一般的なクラムシェル型ノートパソコンでは解像度がフルHD(1,920×1,080ドット)であることが多いので、それに比べると高解像度という位置づけになる。
これに対してSurface Laptop Goは、12.45型で1,536×1,024ドットというやはりアスペクト比が3:2の仕様だ。ただし、解像度はフルHDよりも低く、縦幅はあまり変わらないが、横に関しては384ドット分小さくなっている。
この解像度について、フルHDに比べると横が狭くなるのは明らかだ。しかし廉価版のノートパソコンのなかにはHD(1,366×768ドット)の解像度が使われたりもしているので、それよりは使いやすいと言える。
なお、ディスプレイパネルはHWiNFO64でチェックしたところ、LG-Philips(現在はLG Displayに社名変更されている)のLP12SWX112403というモデルだと表示された。この解像度のディスプレイを採用したノートパソコンは今のところないので、Surface Laptop Goのために新しく設計されたパネルと考えることができるだろう。
解像度の小ささは悪いことだけではない。それによってディスプレイの消費電力が少なくなっており、バッテリ駆動時間が延びているのだ。現代のノートパソコンでもっとも電力を食っているのはディスプレイで、その解像度がバッテリ駆動時間に大きな影響を与えることはよく知られている。
上位モデルのSurface Laptop 3 13.5型では、45Whのバッテリを搭載して公称値で11.5時間のバッテリ駆動が可能になっているが、Surface Laptop Goは39.7Whで13時間の駆動を実現している。CPU、メモリ、ストレージなどのスペックは似通っているので、このバッテリの容量が減っているのにバッテリ駆動時間が延びているのは、ディスプレイの解像度があまり高くないことによる恩恵と言える。
実際に、PCMark10のバッテリベンチ(Modern Office)を実行してみたところ。9時間47分のバッテリ駆動が可能という結果を得た。このModern Officeのバッテリテストは、Officeアプリ的な処理をさせるベンチで、ユーザーの体感に近い結果を得ることができる。
かつバッテリが残り10%でテストが終了するので、実際には11時間程度のバッテリ駆動が可能と考えられる。なかなか優秀な結果を残していると言え、バッテリ駆動時間を重視するユーザーには見逃せない点だろう。
ペンとキーボードバックライトは非対応だが、新しい「A」/「あ」キーと指紋認証センサーを搭載
機能面で上位機種にあってSurface Laptop Goにはないものとしては、Surface Penとキーボードバックライトが挙げられる。
Surface Penは、Surface ProやSurface Laptopシリーズではオプションとして販売されているデジタイザペンで、イラストを描いたり、OneNoteで手書きでメモを取るなどの使い方ができるが、Surface Laptop Goではこれをサポートしていない。
もう1つのキーボードバックライトに関しては、環境光センサーが周囲の明るさからキーボードのバックライトを点灯させる機能で、暗いところで入力するときなどには重宝する。Surface Laptop Goではディスプレイの明るさを自動調整するための環境光センサーは用意されているが、キーボードのバックライトは用意されていない。このあたりは廉価版の製品だと考えれば致し方ないところだと言える。
しかし、Surface Laptop Goには上位製品にはない新しい試みが取り入れられている。それは新しいキーボード配列の採用で、従来は「無変換」または「変換」キーがあった位置に「A」および「あ」のキーが配置されたことだ。「あ」を押すとIMEがオンになり、「A」を押すとIMEがオフになる。
「あ」を再度押してもIMEはオンのままで、逆に「A」を何度押してもIMEはオフのままになる。そのため、Macの日本語キーボードに慣れている人にとっては、このキーボードの配列はとっつきやすいだろう。「半角/全角」キーも用意されているので、従来のWindowsユーザーも違和感なく使えるはずだ。
ただ、サードパーティのIMEでも利用できるか確認するために、ジャストシステムのATOK Passportをインストールしてみたが、「A」、「あ」キーでIMEのオン/オフはできなかった。そこで試しにATOK側の設定で「無変換」を「A」、「変換」を「あ」に割り当ててみたが、それでも動作しなかった。
そもそも「A」、「あ」キーをATOKが認識していなかったので、今後ATOK側の対応が必要になるのかもしれない。それまではこれまでどおり「半角/全角」でオン/オフを利用する必要がある。
Windows Helloの生体認証は指紋認証のみが搭載されている。これまでのSurfaceシリーズは、Surface Pro 3以降用として販売されている指紋認証つきのタイプカバーキーボードを除けば、顔認証カメラによる生体認証のみが用意されているのが標準だった。
しかし、昨今ではマスクをつけて外で仕事をすることも多く、そうなると顔認証カメラが認識してくれないため、そのときだけマスクを外すというのはストレスだと言える。コロナ禍の現在、公共の場でマスクをすることが求められている日本では、指紋認証に切り替わったことは歓迎していいだろう。
なお、指紋認証が必要なときには、指紋センサーを搭載する電源ボタンが光って教えてくれるので、どこに触ればいいか迷う必要がないのもうれしいところだ。
過不足なく端子を用意。大きめのタッチパッドとキーボードは操作性良好
このほか、パソコンとしての機能は過不足なく用意されている。ポート類は左側面にUSB Type-Aが1つ、USB Type-C(USB 3.1、DisplayPort Alt Mode対応)が1つ、3.5mmのオーディオ端子を装備。オーディオ端子に関しては、4ピンのマイクを挿してみたところ動作したので4ピン仕様だろう。
本体右側にはSurface Connect端子が用意されており、標準添付されているACアダプタを使う場合に使用できるほか、オプションのドックを接続することも可能。ACアダプタは39W出力で、上位機種に使われている60W+5W出力のアダプタのようにUSB Type-A充電端子は用意されていない。
キーボードは1.3mmのキーストロークを持つフルサイズタイプで、上位モデルと同じ大きさの高精度タッチパッドが用意されている。このため、底面積比で言うと相対的に大きなタッチパッドになっており、操作性は良好だ。
キーボードに関しては、Surface Laptop 3に比べるとややペコペコする感じは否めないが、打鍵音は低めになっており、総合的には悪くない。とくに学生などが使うことを考えると、打鍵音の小ささはメリットになるだろう。
なお、ネットワーク機能としては、IntelのAX201が搭載されており、Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)とBluetooth 5.0に対応している。
カラーバリエーションに関しては、アイスブルー、サンズストン、プラチナの3色展開で、今回レビューした機材ではアイスブルーとなっていた。筐体カラーがアイスブルーになっているだけでなく、キーボードとタッチパッドに関してもブルー系の色になっていてデザインはややポップな感じだ。
その意味ではバリバリのビジネスマシンというよりは、個人ユーザーが自宅や余暇で使ったり、学生が使うといった堅くないデザインになっている。
クアッドコアのCoreプロセッサは性能十分
GPUはG7に比べるとやや劣るという評価
最後にベンチマークを実行して、Surface Laptop Goの性能に迫っていこう。
今回比較対象として用意したのは、手元にあったSurface Pro 7(Core i7-1065G7、16GBメモリ、512GBストレージ、Windows 10 Home)と、初代Surface Go(Pentium Gold 4415Y、8GB、128GB、Windows 10 Home)の2台だ。
前者はSurfaceシリーズのハイエンドスペックの製品、後者はローエンドスペック製品。前者との比較ではおもにCore i7でGen 11 GPUのGT2(64EU)との差を、後者はファンレス向けのYシリーズとの差を見るために用意した。CPUのスペックなどテスト環境は以下のとおりだ。
Surface Laptop Go | Surface Pro 7 | Surface Go | |
---|---|---|---|
CPU | Core i5-1035G1 | Core i7-1065G7 | Pentium Gold 4415Y |
CPUコア | 4コア/8スレッド | 4コア/8スレッド | 2コア/4スレッド |
ベース/ターボ時クロック | 1GHz/3.6GHz | 1.3GHz/3.9GHz | 1.6GHz/ターボ非対応 |
L3キャッシュ | 6MB | 8MB | 2MB |
GPU | UHD Graphics | Iris Plus Graphics | UHD Graphics 615 |
GPU世代(ベース/ターボ時クロック) | Gen 11-GT1 (300MHz/1.05GHz) | Gen 11-GT2 (300MHz/1.1GHz) | Gen 9-GT2 |
EU数 | 32 | 64 | 24 |
メモリ | 8GB | 16GB | 8GB |
ストレージ | 256GB(NVMe) | 512GB(NVMe) | 128GB(NVMe) |
OS | Windows 10 Home 2004 (Sモードは解除) | Windows 10 Pro 2004 | Windows 10 Pro 1909 |
Windows 10にはパワースライダーが導入されており、その設定により性能が変化する。このため、今回はどの製品でもACアダプタを接続して「最も高いパフォーマンス」に設定した状態でテストした。
また、SurfaceではドライバがWindows Updateを通じてアップデートされるため、今回はWindows Updateで最新アップデートを適用してベンチマークを行ない、Intelが配布しているドライバなどは導入していない。なお、Surface Goはまだバージョン2004の適用対象外なので、1909のWindows 10のままテストを行なった。
ベンチマークプログラムとして用意したのは、定番のPCMark10と3DMark、CPUの性能をシンプルに比較できるCinebench R20、そしてDirectX 11の3Dゲームの代表例としてファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマークを利用した。
CinebenchはCPUを利用して画面描画を行なうテストで、CPU負荷がほぼ100%になるので、単純にCPUのピーク性能を見るのに適したテストの1つだ。シングルスレッドとマルチスレッドのテストがあるが、いずれのテストでもSurface Laptop GoはCore i7を搭載したSurface Pro 7のほうに近い性能を発揮していることがわかる。Pentium Gold 4415Yを搭載した初代Surface Goは、マルチスレッドでもSurface Laptop Goのシングルスレッド性能にも達していない。
PCMark10 Extendedは、PCMark10にGamingテストを追加したベンチマークとなる。Essentials(アプリの起動やWebブラウザなど)、Productivity(Officeなどの生産性向上系のアプリ)、Digital Content Creation(コンテンツ編集系のアプリ)、Gaming(3Dゲーム)という4つのジャンルに分かれてテストされ、総合スコアが算出される。
グラフを見てわかるように、GPUの性能が効いてくるテストは別にして、Surface Laptop GoはSurface GoよりはSurface Pro 7側に近いスコアを発揮していること見て取れる。
PCMark10 Applicationsは、Microsoft Officeの実アプリ(Word/Excel/PowerPoint)と、WebブラウザのMicrosoft Edgeを利用して行なうベンチマークテスト。Windows パソコン上で行なわれる多くの処理は、この4つのアプリによるものと考えることができるので、とくにビジネスユーザーの実利用環境に近い結果と言える。
グラフでは、Core i7を搭載したSurface Pro 7がもっともいい性能で、Surface Goの3倍に近いスコアになっているが、Surface Laptop Goは1.3倍ほどに収まっており、Officeアプリを快適に利用できていることが読み取れる。
3Dベンチマークの結果は、やはりGen 11のGT2を搭載したCore i7のSurface Pro 7が同じGen 11でもGT1でEUが半分のSurface Laptop Goを引き離している。この結果はGPUのスペックから考えれば妥当なものだろう。それでも、Gen 9世代のGPUを搭載し、EUが24基の初代Surface Goからはほとんど倍かそれ以上の性能を発揮している。
とくにファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマークでは、スタンダードな負荷でもSurface Goは「設定の見直しが必要」だったが、Surface Laptop Goではスコアが2千点を超えて「普通」認定になり、標準的な動作が可能というレベルになっているのは見逃せない点だと言える。
Surface Laptop GoはOfficeも付いて12万円半ばという価格
コストと性能、品質のバランスを重視したい学生や個人ユーザー向け
以上の結果から、CPUやGPUのスペックどおりに、CPUに関してはクアッドコアのCoreプロセッサとして十分な性能を発揮しており、GPUに関してはEUが半分になった結果を素直に反映したスコアであることがわかっただろう。
それでも、YシリーズのPentium Gold 4415Yを搭載した初代Surface Goよりは圧倒的に高い性能を発揮する。また、バッテリ駆動時間が長いのも特徴で、ベンチマークテストでも残り10%で約10時間、公称でも13時間のバッテリ駆動時間が可能なことも特筆すべきだ。
なお、別記事「明日発売のSurface Go 2実機をいち早くレビュー」でも紹介しているとおり、Surface GoからSurface Go 2へのCPU性能の向上率は10%程度なので、Surface Go 2と比較したい場合にはSurface Goの1割増しだと考えれば、大まかな性能の位置づけがつかめるだろう。
こうした結果から言えるのは、Surface Laptop Goは性能面で言えば、GPUに関してはやや劣るが、それでもCPUに関してはSurface Laptop 3やSurface Pro 7といった上位モデルに近い性能を発揮でき、OfficeやWebブラウザなどが快適に利用可能と言える。
もちろん、上位モデルに比べると、ディスプレイの解像度が低いことや、デジタイザペンの非対応、キーボードバックライトの非搭載などの弱点はあるが、それは価格差が税込3.5万円だということを考えれば妥当な差分と言えるだろう。逆にそこにひっかかりを感じるのであれば、Surface Laptop 3のほうを検討すべきだ。
なお、本製品にはメモリ4GB、ストレージ64GBのより廉価なモデルも存在するが、Webブラウザだけ使用するような使い方をしないかぎり、あまりおすすめはしない。とくに64GBモデルはストレージが高速なSSDではなく、eMMCのフラッシュメモリになっていることも減点要因だ。
OfficeアプリとWebブラウザを起動するだけでメモリ4GBではすぐに足りなくなることは目に見えているので、このモデルはWebブラウザだけでクラウドのサービスを利用するユースケース(たとえばGIGAスクールなどの文教用途)向けだと考えたほうがいいだろう。購入するなら8GB以上のモデルが圧倒的におすすめだ。
正直に言えばビジネスマシンとして使うなら、16GBメモリ、512GBストレージなどの選択ができるとうれしいし、解像度ももう少し高いものがほしいところだ。
しかし、価格を重視したい学生や個人ユーザーにとってはOffice Home & Business 2019がプリインストールされて126,280円はうれしい価格帯と言える。
コストと性能のバランスに優れ、長時間バッテリ駆動が必要で、かつポップで堅くないデザインを利用したい学生や個人ユーザーなどにとって、Surface Laptop Goは検討に値する1台だろう。