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北上諭志氏による、クリスタでのマンガの描き方 第3回 ペン入れ編

マンガ家の北上諭志氏と「SENSE-M039-i5-UHR-CSP」

 本連載では4回にわたり、この業界では定番と言っていいセルシスのマンガ制作ソフト「CLIP STUDIO PAINT EX」を使って、PCでマンガを制作する工程を順を追って解説している。今回は連載の3回目。

 マンガ製作および解説をいただいたのはマンガ家の北上諭志氏。長年デジタル環境でのマンガ製作を行なっており、地方在住のアシスタントとクラウドでデータを共有し、指示はSkypeなどで出しながら共同作業を行なうなど、ITを活用したスタイルで活動されている。本稿では「ペン入れ」の様子をお伝えする。本連載で紹介している一連の作業環境は、パソコン工房が発売しているCLIP STUDIO PAINT推奨PC「SENSE-M039-i5-UHR-CSP」を採用した。

 今回は、「ペン入れ」作業の様子をお伝えする。

絵を入れてからフキダシを調整

 デジタル環境で作業するようになってから、アナログ時代と大きく変わったのがこの工程です。特にフキダシについては、アナログ時代、ペン入れの時点ではほとんどやらない作業でした。絵を入れてからフキダシの位置を変えたり、拡大縮小したりすることもよくあります。

 なお、以下の個別の動画は2倍速再生になっています。

ペン入れ作業をしていきます。まずはアウトラインを中心に描いていきます。この辺りの作業からアシスタントさんにSkypeで指示を出したりしつつ、作業を進めます
普段はもう少し細いペンタッチなのですが、今回はデフォルメの効いた絵ですので、太めサイズのペンで描いています
クリスタの画面をくるくると回転させながら描いています。アナログの時も原稿用紙を回転させながら描いていたので、このあたりは同じです。昔、デジタル作業でこの原稿回転機能がなかった時代があってとてもガッカリしたことがあります。今は本当に便利です
大体のアウトラインが入りました。あとは細かい部分をペン入れしていきます
フキダシも別レイヤーに分けて描いています
ペン入れが終わりました。あとは仕上げ作業のみです
第3回全工程の動画(20倍速再生)

「SENSE-M039-i5-UHR-CSP」について

SENSE-M039-i5-UHR-CSP

 CLIP STUDIO PAINT動作検証済みの推奨PCである本機では、10万円を切る価格で、マンガ制作に必要な性能を確保している。

 おもな特徴としては、ストレージとしてSSDとHDDの両方を搭載している。OSのほかCLIP STUDIOなど実作業を行なうソフトウェアをSSDにインストールして動作の高速化を図りつつ、データの保存をHDDに行なうといったかたちで、それぞれの長所を活かした分担が可能になっている。

 またフォームファクタをミニタワーとして省スペース性に配慮しながら、通気性の良いケースを採用したことで、長時間の作業も快適に行なえる。

 基本構成の税別価格は94,980円。おもなスペックは下記の通り。

「SENSE-M039-i5-UHR-CSP」のスペック
CPUCore i5-8400
GPUIntel UHD Graphics 630
メモリDDR4-2666 16GB(8GB×2)
チップセットZ390 Express
ストレージ240GB SATA SSD + 1TB SATA HDD
光学ドライブDVDスーパーマルチ
電源500W 80PLUS
OSWindows 10 Home
ケースmicroATXミニタワー
製作協力: ユニットコム