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北上諭志氏による、クリスタでのマンガの描き方 第4回ベタ入れ~仕上げ編

マンガ家の北上諭志氏と「SENSE-M039-i5-UHR-CSP」

 本連載では4回にわたり、この業界では定番と言っていいセルシスのマンガ制作ソフト「CLIP STUDIO PAINT EX」を使って、PCでマンガを制作する工程を順を追って解説している。今回は連載の4回目。

 マンガ製作および解説をいただいたのはマンガ家の北上諭志氏。長年デジタル環境でのマンガ製作を行なっており、地方在住のアシスタントとクラウドでデータを共有し、指示はSkypeなどで出しながら共同作業を行なうなど、ITを活用したスタイルで活動されている。本稿では「下描き」の様子をお伝えする。本連載で紹介している一連の作業環境は、パソコン工房が発売しているCLIP STUDIO PAINT推奨PC「SENSE-M039-i5-UHR-CSP」を採用した。

作画の仕上げはデジタル環境で大幅に高速化

 ここまでくるとデジタルでの仕上げはあっという間に終わるので、すでに90%くらい完成してる気分です。

 デジタル環境に移行して便利になった作業はいくつもありますが、とくに恩恵のあった例としては、髪の毛や服などに入れる「ベタ」(塗りつぶし)や「ホワイト」(ミスタッチの修正工程。修正液の白色から)、スクリーントーンが挙げられます。いずれもアナログでは時間のかかる工程ですが、デジタルにすると、どの作業も本当にサクサク進めていけるようになりました。

 なお、以下の個別の動画は2倍速再生になっています。

仕上げ作業です。レイヤーマスクを使って、はみ出している線をマスキングしていきます(2倍速再生)
髪の毛や服などにベタ、ホワイトを入れていきます(2倍速再生)
基本的に作画はベクターレイヤーで行なっているので消す時も便利です(2倍速再生)
ベタ、ホワイトが終わり、あとはトーン作業です。クイックマスクでトーンを置く場所を指定して置いていきます。アナログのトーンをカッターナイフで切って、原稿に張り付けて、細かく削っていた時代からすると時間が全くかからなくなりました。漫画家は〆切に追われる仕事なので、本当に助かります。これで原稿は完成です(2倍速再生)
第4回全工程の動画(20倍速再生)
完成したマンガ

 最後に、今回の作業に使ったパソコン工房さんのCLIP STUDIO PAINT推奨マシンである「SENSE-M039-i5-UHR-CSP」について感想を述べておきます。

 まず、性能については、CLIP STUDIO PAINTでマンガを描くにあたり、十分すぎる性能を持っています。もたついたり、マシンやアプリがハングアップするようなことは一切ありませんでした。

 税込みでも10万円程度なので、コストパフォーマンスも抜群です。以前、こちらの記事(入門者からプロまで使えるマンガ家向けPCを創る【前編】)でも述べたとおり、マンガ制作作業をデジタル化することで、スクリーントーン代などが浮き、結果として、アシスタントを1人増やせるくらいのコスト削減ができたことを考えると、これくらいの投資はすぐに回収できると言えます。

 個人的に今使っているPCが古くなってきたので、今回のPCは自分でも1台買いたいと思っています。

「SENSE-M039-i5-UHR-CSP」について

SENSE-M039-i5-UHR-CSP

 CLIP STUDIO PAINT動作検証済みの推奨PCである本機では、10万円を切る価格で、マンガ制作に必要な性能を確保している。

 おもな特徴としては、ストレージとしてSSDとHDDの両方を搭載している点。OSのほかCLIP STUDIOなど実作業を行なうソフトウェアをSSDにインストールして動作の高速化を図りつつ、データの保存をHDDに行なうといったかたちで、それぞれの長所を活かした分担が可能になっている。またフォームファクタをミニタワーとして省スペース性に配慮しながら、通気性の良いケースを採用したことで、長時間の作業も快適に行なえる。

 基本構成の税別価格は94,980円。

「SENSE-M039-i5-UHR-CSP」のスペック
CPUCore i5-8400
GPUIntel UHD Graphics 630
メモリDDR4-2666 16GB(8GB×2)
チップセットZ390 Express
ストレージ240GB SATA SSD + 1TB SATA HDD
光学ドライブDVDスーパーマルチ
電源500W 80PLUS
OSWindows 10 Home
ケースmicroATXミニタワー
製作協力: ユニットコム