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北上諭志氏による、クリスタでのマンガの描き方 第4回ベタ入れ~仕上げ編
2019年6月26日 11:00
本連載では4回にわたり、この業界では定番と言っていいセルシスのマンガ制作ソフト「CLIP STUDIO PAINT EX」を使って、PCでマンガを制作する工程を順を追って解説している。今回は連載の4回目。
マンガ製作および解説をいただいたのはマンガ家の北上諭志氏。長年デジタル環境でのマンガ製作を行なっており、地方在住のアシスタントとクラウドでデータを共有し、指示はSkypeなどで出しながら共同作業を行なうなど、ITを活用したスタイルで活動されている。本稿では「下描き」の様子をお伝えする。本連載で紹介している一連の作業環境は、パソコン工房が発売しているCLIP STUDIO PAINT推奨PC「SENSE-M039-i5-UHR-CSP」を採用した。
作画の仕上げはデジタル環境で大幅に高速化
ここまでくるとデジタルでの仕上げはあっという間に終わるので、すでに90%くらい完成してる気分です。
デジタル環境に移行して便利になった作業はいくつもありますが、とくに恩恵のあった例としては、髪の毛や服などに入れる「ベタ」(塗りつぶし)や「ホワイト」(ミスタッチの修正工程。修正液の白色から)、スクリーントーンが挙げられます。いずれもアナログでは時間のかかる工程ですが、デジタルにすると、どの作業も本当にサクサク進めていけるようになりました。
なお、以下の個別の動画は2倍速再生になっています。
最後に、今回の作業に使ったパソコン工房さんのCLIP STUDIO PAINT推奨マシンである「SENSE-M039-i5-UHR-CSP」について感想を述べておきます。
まず、性能については、CLIP STUDIO PAINTでマンガを描くにあたり、十分すぎる性能を持っています。もたついたり、マシンやアプリがハングアップするようなことは一切ありませんでした。
税込みでも10万円程度なので、コストパフォーマンスも抜群です。以前、こちらの記事(入門者からプロまで使えるマンガ家向けPCを創る【前編】)でも述べたとおり、マンガ制作作業をデジタル化することで、スクリーントーン代などが浮き、結果として、アシスタントを1人増やせるくらいのコスト削減ができたことを考えると、これくらいの投資はすぐに回収できると言えます。
個人的に今使っているPCが古くなってきたので、今回のPCは自分でも1台買いたいと思っています。
「SENSE-M039-i5-UHR-CSP」について
CLIP STUDIO PAINT動作検証済みの推奨PCである本機では、10万円を切る価格で、マンガ制作に必要な性能を確保している。
おもな特徴としては、ストレージとしてSSDとHDDの両方を搭載している点。OSのほかCLIP STUDIOなど実作業を行なうソフトウェアをSSDにインストールして動作の高速化を図りつつ、データの保存をHDDに行なうといったかたちで、それぞれの長所を活かした分担が可能になっている。またフォームファクタをミニタワーとして省スペース性に配慮しながら、通気性の良いケースを採用したことで、長時間の作業も快適に行なえる。
基本構成の税別価格は94,980円。
「SENSE-M039-i5-UHR-CSP」のスペック | |
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CPU | Core i5-8400 |
GPU | Intel UHD Graphics 630 |
メモリ | DDR4-2666 16GB(8GB×2) |
チップセット | Z390 Express |
ストレージ | 240GB SATA SSD + 1TB SATA HDD |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチ |
電源 | 500W 80PLUS |
OS | Windows 10 Home |
ケース | microATXミニタワー |
製作協力: ユニットコム