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Pixel Watch 5はバッテリが2日以上も持つ!速度20%アップ、GPS精度は倍に

Googleの新しいスマートウォッチ「Pixel Watch 5」。今回も41mm(左)と45mm(右)の2モデル構成となっている

 Google製スマートウォッチの最新モデル「Pixel Watch 5」が、8月20日に発売された。同じGoogleの「Pixel」シリーズのスマホユーザーだけでなく、Androidスマホユーザーの多くが高い関心を持つPixel Watchだが、Pixel Watch 5ではどのような点が変わったのか、気になる人も多いことだろう。

 発売前の実機をお借りしたので、前機種「Pixel Watch 4」との比較を中心に、その内容と実力を可能な限り検証をしてみた。あくまで短時間での検証となるため、主要な機能に絞ったレビューであることはご留意いただきたい。

外観デザインとサイズは前機種「Pixel Watch 4」を踏襲

 まずはハードウェアに関してだが、実はPixel Watch 5の外観は、Pixel Watch 4とほぼ変わっていない。実際、Pixel Watch 5はPixel Watch 4と同様に41mmと45mmの2モデル構成で、高さはともに12.3mm。重量は41mmモデルが31g、45mmモデルが36.7gなのだが、いずれもPixel Watch 4と変わっていないのだ。

Pixel Watch 5(左)と「Pixel Watch 4」(右)の41mmモデルを並べてみたところ。サイズは同じなので見た目にはほぼ違いがない
同じくPixel Watch 5(左)とPixel Watch 4(右)を側面から見たところ。こちらも高さが同じなので違いは見い出せない

 さらにボディデザインや画面サイズを比較しても、大きな違いを見出すことはできない。ディスプレイが中央に向かって盛り上がっている、ドーム型のAMOLEDディスプレイもPixel Watch 4から継承しており、ピーク時の最大輝度も3,000cd/平方mと共通している。

ディスプレイはPixel Watch 4を継承したドーム型のデザインで、大きく見やすい

 リューズやボタン、バンドの配置も変わっておらず、Pixel Watch 4のバンドを共通して使用できる。加えてPixel Watchシリーズで変化が多く不満要素となっている充電端子も、今回は変化しておらずPixel Watch 4と同じ充電器の使用が可能だ。外観の変化は少ないが、そのぶん以前の資産を生かしやすい点はPixel Watchユーザーとして見るとうれしいところだろう。

バンドは従来と同様、SとLの2種類が付属。構造も従来のPixel Watchシリーズと共通しているので、付け替えての利用も可能だ
充電器端子の形状は幸いにも変化しなかったので、Pixel Watch 4の充電器がそのまま使える

「Snapdragon W5 Gen 2高性能版」とメモリ3GBで動作がより快適に

 外観の変化が少ない一方で、性能面では進化が見られる。搭載するSoCは米Qualcomm製の「Snapdragon W5 Gen 2」、コプロセッサに「Cortex M55」を搭載する点はPixel Watch 4と変わらないのだが、Pixel Watch 5が搭載するSnapdragon W5 Gen 2は「高性能版」で、同社の公表資料によるとCPUのパフォーマンスが12%向上したとされている。

 それに加えてストレージも64GBと、Pixel Watch 4の32GBから倍増しているほか、メモリはPixel Watch 4の2GBから50%増量して3GBとなり、CPUと合わせて処理速度は全体で20%高速化したという。

 Pixel Watch 5は「Wear OS by Google」のバージョン7.0を搭載しており、これはすでにPixel Watch 2以降にもアップデートが提供されている。だがOSをアップデートしたPixel Watch 4を使っていると、操作の引っかかりや画面のカクつきなどが見られるようになり、全体的に動作がやや重くなった感がある。それだけにPixel Watch 5は、性能向上によって最新OSでも快適に利用できるパフォーマンスの実現に重きを置いたといえそうだ。

片手操作を可能にする新規ジェスチャーと「Gemini」の本格連携

 そのことを実感するのがジェスチャー操作である。Pixel Watch 5では手首を上げ、口に近づけることで「Gemini」を呼び出せる「手をあげて話す」に加え、新たに装着した手の親指と人差し指を2回タップする「ダブルピンチ」と、手首をすばやく外側にひねった後、再び内側に戻す「手首をひねる」という2つの操作が標準で用意されている。

Pixel Watch 5では標準で「ダブルピンチ」の操作に対応。米Appleの「Apple Watch」シリーズでいうところの「ダブルピンチ」に当たる操作で、ボタンを押したり画面をスクロールしたりするのに用いる
一方の「手首をひねる」ジェスチャーは、主として1つ前の画面やウォッチフェイスに戻るときなどに用いる

 これらジェスチャー操作はPixel Watch 4でもOSアップデートにより利用できるのだが、反応があまり良くないことも多かった。だがPixel Watch 5では本体パフォーマンスの向上もあって、反応がだいぶ改善され使いやすくなった感がある。

 そしてジェスチャー操作の向上で使いやすくなったのがGeminiだ。Pixel WatchでGeminiを利用するには「OK、Google」と話しかけるか、リューズの横にあるボタンを長押しする必要があったし、操作を終えてウォッチフェイスに戻るのにもボタンやリューズの操作が必要だった。

 だが一連のジェスチャー操作により、手首を上げてGeminiに話しかけ、返された結果をダブルピンチで画面をスクロールして確認。参照し終わったら手首をひねってウォッチフェイスに戻る……という一連の操作を、片手ですべてこなせるようになったのだ。

性能強化でジェスチャー操作がしやすくなったことにより、Geminiに話しかけて操作をし、ウォッチフェイスに戻るという一連の操作が片手だけで完結できるようになった

 しかもGeminiは、「パーソナルインテリジェンス」で「Google Workspace」との連携をオンにしておくことで、「Gmail」や「Googleカレンダー」などと直接連携できることから、未読のメールを確認したり、予定を追加したりといった操作も、Pixel Watch 5だけでできてしまうのだから非常に便利だ。

「パーソナルインテリジェンス」で事前に連携をしていれば、Geminiから「Googleカレンダー」など、「Google Workspace」の各種ツールと連携した操作もできる

 また「Pixel 11」シリーズのスマホと連携すれば、「Gemini Intelligence」の機能の1つで、ユーザーの状況に応じてAIが行動を予測し、必要な提案をしてくれる新機能「プロアクティブ アシスト」にも対応する。今回試した限りではプロアクティブアシストをうまく動作させることができなかったが、今後の強化によって活用の幅が広がると見られていることから、長らくGeminiの恩恵を受けられなかったPixel Watchシリーズでも、ようやくGeminiを本格活用できるようになったといえる。

Pixel Watch 5を「プロアクティブ アシスト」に対応した「Pixel 11」シリーズに接続すると、該当機能がPixel Watch 5で利用可能となる

 ちなみにAIを活用した機能としてもう1つ、Googleの画像生成モデル「Nano Banana」を用いてウォッチフェイスを作成する「ウォッチフェイスの作成」アプリも追加されている。思いついたモチーフを話しかけるだけで独自のウォッチフェイスを簡単に作成できるので、デザインにこだわるならぜひ活用したい。

「ウォッチフェイスの作成」アプリを用いれば、AIを用いてオリジナルのウォッチフェイスを作成可能。試しに「柴犬をモチーフにしたウォッチフェイス」と指示すると、画像のようなウォッチフェイスを作成してくれた

決済機能の標準対応と新たな健康管理プラットフォームへの移行

 決済に関しても、NFCベースのタッチ決済を利用する際に「ウォレット」アプリでカードを選ぶ必要なく、事前に指定したカードで決済できる「エクスプレス決済」に対応している。こちらもOSのアップデートにより、すでにPixel Watch 4などで使える機能ではあるのだが、標準で対応するようになったことのメリットは大きい。

決済周りでは「エクスプレス決済」に標準で対応、クレジットカードによるタッチ決済やクレカ乗車が使いやすくなった

 では、Pixel Watchシリーズの主要機能である健康やフィットネスの管理についてはどうか。Pixel Watch、ひいてはGoogleの健康管理プラットフォームであった「Fitbit」は、2026年5月に「Google Health」に変更され、AIを活用したコーチング機能が強化されるなど、よりGoogleらしい特徴を生かした内容へと変化している。

Googleの健康管理プラットフォームは「Fitbit」から「Google Health」に変更。それに伴い、よりAIを活用した機能強化が図られている

 それに合わせてPixel Watch 5の健康関連機能も、新しいGoogle Healthに合わせたインターフェイス変更され、日々の身体の状況をより見やすく管理できるようになった。

Pixel Watch 5の健康管理もGoogle Healthに合わせて機能やインターフェイスなどの変更がいくつかなされている

 ただ一方で、健康管理に役立つ「Health Guardian」に関しては、血管ストレスや代謝ストレスを測定する機能、そしてそれらの変化を可視化して健康状況に応じたアラートが届く健康管理ツールなど、主要な追加機能は2026年秋の提要開始予定とされている。スマートウォッチの健康管理機能には高い関心が寄せられているだけに、発売時に利用できないのは残念なところでもある。

新宿の高層ビル群で検証!GPS精度はPixel Watch 4から2倍に

 では、ウォーキングやランニングに欠かせないGPS機能はどうか。Pixel Watch 4では衛星から異なる2つの周波数帯の電波を同時に受信する、デュアル周波数に対応したことで位置測位の精度が向上させていた。

 だがPixel Watch 5ではそれに加えて、「Googleマップ」の技術を応用し、3Dの建物モデルを基に衛星から届く信号の正確な経路を追跡・補正する仕組み、そして世界中の気象観測ネットワークとリアルタイムで連携して衛星の測定値の誤差を補正する仕組みを導入。Pixel Watch 4より2倍高い精度を実現したとしている。

 では実際のところ、どれだけ精度が上がっているのだろうか。高層ビルが立ち並ぶ東京・新宿の東京都庁付近から新宿西口付近で、Pixel Watch 4とPixel Watch 5を装着して30分ほどウォーキングをし、そのルートを地図で比較して位置測位の精度を確認してみた。

Pixel Watch 5はGoogleが持つ情報や技術でGPS精度を高める仕組みを搭載。ビルが多い場所などで高い精度を実現できることから、高層ビルが多い東京都庁付近で試してみた

 その結果が以下になる。こちらを見れば分かる通り、Pixel Watch 4はやや位置にずれやブレが生じているのに対し、Pixel Watch 5ではブレがあまり生じず、正確にルートを捉えていることが分かるだろう。

Pixel Watch 4のGPSで測定したルート。赤枠部分を見ると道から外れていたり、ブレが目立ったりしているのが分かる
同じくPixel Watch 5で測定したルート。赤枠部分を比較するとブレが少なく、道を正確に捉えていることが分かる

45mmモデルで実測!2日以上のバッテリ駆動と急速充電の実力

 最後に、多くの人が気にしているであろう、バッテリの持続時間についても確認してみよう。Pixel Watchシリーズは長らくバッテリの持続時間の悪さが課題となっていたが、本体性能の向上に加え省電力機能をフル活用することで、2日程度は持つバッテリ持続時間を実現できるようになった。

 では、Pixel Watch 5のバッテリの持ちはどうか。バッテリの容量自体は、41mmモデルで332mAh、45mmモデルで465mAhと、Pixel Watch 4(41mmモデルで325mAh、45mmモデルで455mAh)と比べ微増となっている。

 実際の使用時の持続時間はどうか。筆者がPixel Watch 4とPixel Watch 5を同時に装着して数日を過ごし、省電力設定が初期設定の状態でバッテリが切れるまでの時間を測定してみた。今回は時間の都合上、45mmモデルのみでの比較となるのだが、その結果は以下となる。

Pixel Watch 5と4のバッテリ持続時間比較
機種バッテリ駆動時間
Pixel Watch 5 45mm 51時間35分
Pixel Watch 4 45mm45時間08分

 もちろんバッテリの消耗は筆者の行動にも大きく影響してくること、Pixel Watch 4は年数経過によるバッテリの消耗もあることは考慮する必要がある。だがそれでも、今回の測定ではPixel Watch 4が2日未満でバッテリが切れてしまったのに対し、Pixel Watch 5は2日以上バッテリが持ったことから、バッテリ性能がより向上していることは確かなようだ。

 ちなみにPixel Watch 5は充電端子がPixel Watch 4と共通していることから、41mmモデルで約45分、45mmモデルで約60分での急速充電が可能とされている。こちらも45mmモデルで確認してみたが、どちらもバッテリが0の状態から45分程度と、ほぼ変わらない速度で100%にまで充電することができた。

 まとめると、Pixel Watch 5は外観の変化は少ないものの、ベースの性能が向上したことでGeminiの使い勝手が向上し、AIのコンパニオンデバイスに進化したといえる。ただ一方で、速度や精度を問わなければそれら機能の多くはPixel Watch 4でも利用できてしまうし、健康管理に関連する新機能の多くが発売時点で利用できないのも残念な所だ。

 加えてPixel Watch 5は、昨今のメモリ高騰などの影響を受けてか、Wi-Fiモデルで41mmが6万2,800円、45mmが6万7,800円と、Pixel Watch 4の発売当時の価格(Wi-Fiモデルで41mmが5万2,800円、45mmモデルが5万9,800円)と比べ、かなり値段が上がってしまっている。操作の快適さに目をつぶれば、OSアップデートでGeminiやジェスチャー操作など、多くの機能がPixel Watch 4より以前の機種でも利用できるだけに、従来以上に買い替えの判断が難しくなったといえるかもしれない。