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GeForce RTX 5070 Tiをベンチマーク。新世代準ハイエンドの実力は?

Palit Microsystemsの「GeForce RTX 5070 Ti GamingPro」

 NVIDIAの新世代GPU「GeForce RTX 5070 Ti」の発売が2月20日に予定されている。国内販売想定価格が14万8,800円からと発表されているBlackwell世代の準ハイエンドGPUで、先に発売された上位GPU同様に高い注目を集めている。

 今回、同GPUを搭載するPalit Microsystems製のビデオカード「GeForce RTX 5070 Ti GamingPro」をテストする機会が得られたので、従来モデルであるGeForce RTX 4070 Tiとの比較を通して新たな準ハイエンドGPUの実力を確かめてみた。

Blackwell世代の準ハイエンドGPU「GeForce RTX 5070 Ti」

 GeForce RTX 5070 Tiは、Blackwellアーキテクチャに基づいてTSMC 4Nプロセスで製造されたGPUコア「GB203」を採用する準ハイエンドGPU。GeForce RTX 5070 TiのGB203コアでは70基のStreaming Multiprocessor(SM)が有効化されており、8,960基のCUDAコアや280基の第5世代Tensorコア、70基の第4世代RTコアなどが利用できる。

 VRAMには28Gbps動作のGDDR7メモリを16GB搭載しており、GPUと256bitのメモリインターフェイスで接続することにより896GB/sのメモリ帯域幅を実現した。電力指標のTotal Graphics Power(TGP)は300Wで、バスインターフェイスはPCIe 5.0 x16。

【表1】GeForce RTX 5070 Tiの主な仕様
GPUGeForce RTX 5070 TiGeForce RTX 4070 Ti
アーキテクチャBlackwell(GB203)Ada Lovelace(AD104)
製造プロセスTSMC 4NTSMC 4N
SM70基60基
CUDAコア8,960基7,680基
RTコア70基(第4世代)60基(第3世代)
Tensorコア280基(第5世代)240基(第4世代)
テクスチャユニット280基240基
ROPユニット96基80基
ブーストクロック2,452MHz2,610MHz
メモリ容量16GB GDDR712GB GDDR6X
メモリスピード28Gbps21Gbps
メモリインターフェイス256bit192bit
メモリ帯域幅896GB/s504GB/s
NVENC第9世代NVENC×2基第8世代NVENC×2基
NVDEC第6世代NVDEC×1基第5世代NVDEC×1基
PCI ExpressPCIe 5.0 x16PCIe 4.0 x16
消費電力(TGP)300W285W

Palit GeForce RTX 5070 Ti GamingPro

 今回のテストでは、Palit MicrosystemsのGeForce RTX 5070 Ti搭載ビデオカード「GeForce RTX 5070 Ti GamingPro」のパフォーマンスを計測する。

 3基の冷却ファンを備える大型GPUクーラーを搭載したGeForce RTX 5070 Ti GamingProの消費電力は300Wで、動作に必要な補助電源コネクタは300W対応の16ピン×1系統。映像出力端子はDisplayPort 2.1b(3基)とHDMI 2.1b(1基)で、付属品としてPCIe 8ピン×2系統を16ピンに変換するアダプタが同梱されていた。

 GeForce RTX 5070 Ti GamingProはDual BIOSを採用しており、基板裏面のスイッチを切り替えることで動作設定の異なる2つのBIOS、Performance ModeとSilent Modeを選択できる。なお、今回のテストではデフォルトのPerformance Modeでテストを行なった。

カード裏面はバックプレートで覆われている
カード裏面にはDual BIOSの切り替えスイッチが配置されている
カードサイズは331.9×127.1×60mmで、占有スロット数は3スロット
補助電源コネクタはPCIe 16ピン(300W対応)
PCIe 8ピン×2系統から16ピン(300W対応)に変換するケーブルが同梱されていた
ブラケット部の映像出力端子はDisplayPort 2.1b(3基)とHDMI 2.1b(1基)
Palit GeForce RTX 5070 Ti GamingProのGPU-Z実行画面

比較用GPUとテスト環境

 今回、GeForce RTX 5070 Tiの比較相手に用意したのは、従来モデルであるGeForce RTX 4070 Tiを搭載するビデオカード「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti AMP Extreme AIRO」。最初期に発売されたGeForce RTX 4070 Ti搭載ビデオカードの1つで、3.5スロットを占有する超大型GPUクーラーを搭載している。

 理想を言えば、GeForce RTX 5070 Tiの比較相手にはGeForce RTX 4070 Ti SUPERを用意したかったところだが、機材の都合がつかなかったため断念せざるを得なかった。残念ではあるが、せっかくなので16GBと12GBのVRAM容量差がもたらす影響にも注目してみよう。

ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti AMP Extreme AIRO
ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti AMP Extreme AIROのGPU-Z実行画面
【表2】各ビデオカードの動作仕様
GPUGeForce RTX 5070 TiGeForce RTX 4080 SUPER
ビデオカードベンダーPalit MicrosystemsZOTAC
製品型番GeForce RTX 5070 Ti GamingProZT-D40710B-10P
ベースクロック2,295MHz2,310MHz
ブーストクロック2,452MHz2,700MHz
メモリ容量16GB GDDR712GB GDDR6X
メモリスピード28Gbps21Gbps
メモリインターフェイス256bit192bit
メモリ帯域幅896GB/s504GB/s
PCI ExpressPCIe 5.0 x16PCIe 4.0 x16
Power Limit300W285W
温度リミット不明84℃
Resizable BAR有効有効
GPUドライバGRD 572.43(32.0.15.7243)GRD 572.42(32.0.15.7242)

 GeForce RTX 5070 Tiのテストに用いるのは、最高峰のゲーミングCPUである「Ryzen 7 9800X3D」とASUSの「ROG STRIX X870-F GAMING WIFI」を組み合わせたAMD X870環境だ。そのほかの機材や条件については以下の通り。

3D V-Cacheを搭載する8コア/16スレッドCPU「Ryzen 7 9800X3D」
AMD X870チップセット搭載マザーボード「ASUS ROG STRIX X870-F GAMING WIFI」
【表3】テスト機材
CPURyzen 7 9800X3D(8コア/16スレッド)
CPUリミット設定PPT=162W、TDC=120A、EDC=180A、TjMax=95℃
CPUアンコア設定MCLK=UCLK=2,800MHz、FCLK=2,000MHz
マザーボードASUS ROG STRIX X870-F GAMING WIFI [BIOS=v1103]
メモリDDR5-5600 16GB×2(2ch、46-45-45-90、1.1V)
システム用SSDCORSAIR MP600 1TB(NVMe SSD/PCIe 4.0 x4)
ゲーム用SSDCFD CSSD-M2B2TPG3VNF 2TB(NVMe SSD/USB4 40Gbps)
CPUクーラーASUS TUF GAMING LC 240 ARGB(ファンスピード=100%)
電源玄人志向 KRPW-PA1200W/92+(1,200W/80PLUS Platinum)
ディスプレイ3,840×2,160ドット、60Hz
OSWindows 11 Pro 24H2(build 26100.3194、VBS有効)
電源プランバランス
計測HWiNFO64 Pro v8.20、ラトックシステム RS-BTWATTCH2
室温約24℃

ベンチマーク結果

 ここからは、ベンチマークテストの結果を確認していく。今回実施したベンチマークテストは以下の通り。

  • 3DMark
  • ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク
  • STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール
  • サイバーパンク2077
  • ホグワーツ・レガシー
  • フォートナイト
  • オーバーウォッチ 2
  • ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON
  • エルデンリング
  • Forza Horizon 5
  • F1 24
  • Microsoft Flight Simulator 2024
  • モンスターハンターワイルズ ベンチマーク
  • UL Procyon
  • Blender Benchmark
  • Adobe Camera Raw

3DMark「Speed Way」

 3DMarkのDirectX 12 Ultimateテスト「Speed Way」でGeForce RTX 5070 Tiが記録したスコアは「7,645」で、GeForce RTX 4070 Tiの「5,611」を約36%上回った。

3DMark「Speed Way」

3DMark「Steel Nomad」

 3DMarkのDirectX 12テスト「Steel Nomad」では、GPU負荷の高い通常版Steel Nomadと、より軽量なSteel Nomad Lightを実行した。

 高負荷テストのSteel NomadでGeForce RTX 5070 Tiが記録したスコアは「6,366」で、GeForce RTX 4070 Tiの「5,148」を約24%上回った。一方、負荷の軽いSteel Nomad LightでGeForce RTX 5070 Tiが記録したスコアは「29,966」で、GeForce RTX 4070 Tiの「24,061」を約25%上回った。

3DMark「Steel Nomad」
3DMark「Steel Nomad Light」

3DMark「Port Royal」

 3DMarkのDXR(DirectX Raytracing)テスト「Port Royal」でGeForce RTX 5070 Tiが記録したスコアは「19,150」で、GeForce RTX 4070 Tiの「14,437」を約33%上回った。

3DMark「Port Royal」

3DMark「Solar Bay」

 3DMarkの比較的軽量なレイトレーシングテスト「Solar Bay」でGeForce RTX 5070 Tiが記録したスコアは「131,541」で、GeForce RTX 4070 Tiの「110,818」を約19%上回った。

3DMark「Solar Bay」

3DMark「Wild Life」

 3DMarkのVulanテスト「Wild Life」では、通常のWild Lifeと、より高負荷なWild Life Extremeを実行した。

 GPU負荷の軽い通常版は「145,168」を記録したGeForce RTX 5070 Tiが、「131,373」を記録したGeForce RTX 4070 Tiを約11%上回った。一方、高負荷版では「57,579」を記録したGeForce RTX 5070 Tiが、GeForce RTX 4070 Tiの「45,834」を約26%上回った。

3DMark「Wild Life」

3DMark「NVIDIA DLSS feature test」

 NVIDIAから提供されたDLSS 4対応版3DMarkで、DLSS性能を計測する「NVIDIA DLSS feature test」 を実行した結果が以下の通り。なお、テストの画面解像度は4K/2160p(3,840×2,160ドット)で、DLSS超解像の設定は「Performance」となっている。

 GeForce RTX 5070 Tiの「DLSSオフ」時のフレームレートは42fps弱前後。これがDLSS 3の超解像とフレーム生成を利用すると約2.5倍の145.91fpsに増加し、DLSS 4ではフレーム生成「2X」で約2.7倍の154.07fps、「3X」なら約4倍の210.13fps、「4X」では約5.1倍の257.25fpsにフレームレートが増加した。

 対応するフレーム生成が「2X」までのGeForce RTX 4070 Tiは、DLSS 3とDLSS 4の両方でGeForce RTX 5070 Tiとそん色ないフレームレートの増加率を記録しているが、平均フレームレート自体は「DLSSオフ」で約35%、フレーム生成「2X」で29~36%、それぞれGeForce RTX 5070 TiがGeForce RTX 4070 Tiを上回っている。

3DMark「NVIDIA DLSS feature test」(DLSSオフ/DLSSオン)

ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク

 ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマークでは、描画設定を「最高品質」に設定して、フルHD/1080p~4K/2160pまでの画面解像度をテストした。

 GeForce RTX 5070 Tiのスコアは、フルHD/1080pで約10%、WQHD/1440pで約23%、4K/2160pでは約30%、いずれもGeForce RTX 4070 Tiを上回った。

ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク「スコア」
ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク「平均フレームレート」

STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール

 STREET FIGHTER 6 ベンチマークツールでは、グラフィックスプリセットを最高の「HIGHEST」に設定して、フルHD/1080p~4K/2160pまでの画面解像度をテストした。

 GeForce RTX 5070 Tiがすべての条件で上限フレームレートに達するパフォーマンスを発揮する一方、GeForce RTX 4070 Tiは4K/2160pのBATTLE HUBとWORLD TOURでフレームレートが低下しており、GeForce RTX 5070 TiがGeForce RTX 4070 Tiを3~8%上回った。

STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール「フルHD/1080p」
STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール「WQHD/1440p」
STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール「4K/2160p」

サイバーパンク2077

 サイバーパンク2077では、フルHD/1080p~4K/2160pまでの画面解像度でDLSSフレーム生成の設定を変更しながらベンチマークモードを実行した。なお、DLSS超解像についてはDLSS 4で導入されたTransformerモデルを使用している。

 GeForce RTX 5070 Tiは、同条件でテストを実行したGeForce RTX 4070 TiをフルHD/1080pで12~14%、WQHD/1440pで約15%、4K/2160pでは18~20%上回った。

 GeForce RTX 5070 TiにおけるDLSS 4のマルチフレーム生成による効果に注目すると、従来のフレーム生成である「2X」の効果がフレーム生成無効時比で171~180%であったのに対し、「3X」は241~256%、「4X」では304~328%となっている。

サイバーパンク2077「フルHD/1080p」
サイバーパンク2077「WQHD/1440p」
サイバーパンク2077「4K/2160p」

ホグワーツ・レガシー

 ホグワーツ・レガシーでは、フルHD/1080p~4K/2160pまでの画面解像度でDLSSフレーム生成の設定を変更しながら平均フレームレートを計測した。なお、フレームレートの計測はCPUボトルネックが生じにくい飼育場で実施している。

 GeForce RTX 5070 Tiは、同条件でテストを実行したGeForce RTX 4070 TiをフルHD/1080pで14~15%、WQHD/1440pで約18%、4K/2160pでは19~22%上回った。

 GeForce RTX 5070 TiにおけるDLSS 4のマルチフレーム生成による効果に注目すると、「2X」がフレーム生成無効時比で172~174%であったのに対し、「3X」は238~248%、「4X」では293~310%となっている。

ホグワーツ・レガシー「フルHD/1080p」
ホグワーツ・レガシー「WQHD/1440p」
ホグワーツ・レガシー「4K/2160p」

フォートナイト

 フォートナイトでは、グラフィックスプリセット「最高」をベースに、超解像とNaniteおよびLumenを無効化したアンチエイリアス「TAA」設定と、NaniteとLumen(ハードウェアレイトレーシング)を有効化してDLSS超解像を行なう設定でフレームレートを計測した。

 Nanite/Lumen無効時のGeForce RTX 5070 Tiは、GeForce RTX 4070 Tiを11~24%上回った。他方、Naniteを有効化してLumenを最高品質に設定した条件下でもGeForce RTX 4070 Tiを13~18%上回っている。

フォートナイト│Nanite/Lumen「無効」
フォートナイト│Nanite/Lumen「有効」

オーバーウォッチ 2

 オーバーウォッチ 2では、グラフィックスプリセットを最高の「エピック」に設定し、フルHD/1080p~4K/2160pまでの画面解像度で平均フレームレートを計測した。テスト時の上限フレームレートは600fpsで、グラフィックスAPIは「DirectX 12」。

 GeForce RTX 5070 Tiは、GeForce RTX 4070 TiをフルHD/1080pで約18%、WQHD/1440pで約31%、4K/2160pで約38%上回った。

オーバーウォッチ 2

ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON

 ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICONでは、グラフィックスプリセットを「最高」に設定し、フルHD/1080p~4K/2160pまでの画面解像度で平均フレームレートを計測した。テスト時の上限フレームレートは120fps。

 GeForce RTX 5070 Tiがすべての条件で上限フレームレートの120fpsに達している様子がみられる一方、GeForce RTX 4070 Tiが4K/2160pで95.3fpsを記録しており、同条件ではGeForce RTX 5070 TiがGeForce RTX 4070 Tiを約26%上回っている。

ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON

エルデンリング

 エルデンリングでは、グラフィックスプリセットを「最高」に設定し、レイトレーシングを「無効」または「最高」に設定した場合の平均フレームレートを、フルHD/1080p~4K/2160pまでの画面解像度で計測した。テスト時の上限フレームレートは60fps。

 レイトレーシングを「最高」で有効にした条件において、フルHD/1080pは両GPUとも上限フレームレートに達しており差がついていないが、WQHD/1440pで約4%、4K/2160pでは約18%、それぞれGeForce RTX 5070 TiがGeForce RTX 4070 Tiを上回った。一方、レイトレーシング「無効」では両GPUとも上限フレームレートに達しているため、パフォーマンスの差は計測されなかった。

エルデンリング│レイトレーシング「有効」
エルデンリング│レイトレーシング「無効」

Forza Horizon 5

 Forza Horizon 5では、グラフィックスプリセットを最高の「エクストリーム」に設定し、フルHD/1080p~4K/2160pまでの画面解像度でベンチマークモードを実行した。

 GeForce RTX 5070 TiはGeForce RTX 4070 TiをフルHD/1080pで約21%、WQHD/1440pで約19%、4K/2160pで約20%上回った。

Forza Horizon 5

F1 24

 F1 24では、グラフィックスプリセットを最高の「超高」、DLSS超解像とフレーム生成を有効に設定し、フルHD/1080p~4K/2160pまでの画面解像度でベンチマークモードを実行した。なお、今回からテスト条件を高負荷な「シンガポール(雨)」に設定している。

 GeForce RTX 5070 TiはGeForce RTX 4070 TiをフルHD/1080pで約8%、WQHD/1440pで約12%、4K/2160pで約22%上回った。

F1 24

Microsoft Flight Simulator 2024

 Microsoft Flight Simulator 2024では、グラフィックスプリセットを「ウルトラ」、アンチエイリアスを「DLSS」、フレーム生成を有効に設定し、フルHD/1080p~4K/2160pまでの画面解像度で平均フレームレートを計測した。

 GeForce RTX 5070 TiはGeForce RTX 4070 TiをフルHD/1080pで約24%、WQHD/1440pで約28%、4K/2160pで約30%上回った。

Microsoft Flight Simulator 2024

モンスターハンターワイルズ ベンチマーク

 モンスターハンターワイルズ ベンチマークでは、グラフィックスプリセットを「ウルトラ」、レイトレーシングを「高」、超解像を「DLSS(クオリティ)」、フレーム生成を「オン」に設定し、フルHD/1080p~4K/2160pまでの画面解像度でテストを実行した。

 GeForce RTX 5070 Tiのスコアは、フルHD/1080pで約20%、WQHD/1440pで約25%、4K/2160pでは約44%、いずれもGeForce RTX 4070 Tiを上回った。

モンスターハンターワイルズ ベンチマーク「スコア」
モンスターハンターワイルズ ベンチマーク「平均フレームレート」

UL Procyon「AI Computer Vision Benchmark」

 UL Procyonの「AI Computer Vision Benchmark」では、Windows ML(float16)とTensorRT(float16)でテストを実行した。なお、UL Procyonが本テストで利用するTensorRTがGeForce RTX 50シリーズ未対応バージョンであるため、GeForce RTX 5070 TiはWindows MLしかスコアを計測できていない。

 Windows ML利用時のGeForce RTX 5070 Tiは「2,404」を記録し、「2,129」のGeForce RTX 4070 Tiを約13%上回っている。

UL Procyon「AI Computer Vision Benchmark」

UL Procyon「AI Image Generation Benchmark - Stable Diffusion 1.5」

 画像生成AIでのパフォーマンスを計測するUL Procyon「AI Image Generation Benchmark」で、512×512ピクセルの画像を生成する「Stable Diffusion 1.5(FP16)」を実行した結果が以下のグラフ。なお、テスト側のTensorRTバージョンが古いため、GeForce RTX 5070 TiはTensorRT利用時のスコアを取得できていない。

 ONNX Runtimeで実行した場合、GeForce RTX 5070 Tiのスコアは「2,812」で、「2,421」のGeForce RTX 4070 Tiを約16%上回った。一方で、TensorRTの利用によって、GeForce RTX 4070 TiはONNX Runtime利用時より約32%高いスコアを記録している。

UL Procyon「AI Image Generation Benchmark - Stable Diffusion 1.5(FP16)」│スコア
UL Procyon「AI Image Generation Benchmark - Stable Diffusion 1.5(FP16)」│生成時間

UL Procyon「AI Image Generation Benchmark - Stable Diffusion 1.5」

 画像生成AIでのパフォーマンスを計測するUL Procyon「AI Image Generation Benchmark」で、1,024×1,024ピクセルの画像を生成する「Stable Diffusion XL(FP16)」を実行した結果が以下のグラフ。

 ONNX Runtimeで実行した場合、GeForce RTX 5070 Tiのスコアは「2,414」で、「1,981」のGeForce RTX 4070 Tiを約22%上回った。一方で、TensorRTの利用によって、GeForce RTX 4070 TiはONNX Runtime利用時より約52%高いスコアを記録している。

UL Procyon「AI Image Generation Benchmark - Stable Diffusion XL(FP16)」│スコア
UL Procyon「AI Image Generation Benchmark - Stable Diffusion XL(FP16)」│生成時間

UL Procyon「AI Image Generation Benchmark - FLUX.1」

 NVIDIA提供のUL Procyon「AI Image Generation Benchmark - FLUX.1」では、GeForce RTX 50シリーズ対応のTensorRTを利用して画像生成AI「FLUX.1」を実行し、FP8またはFP4での画像生成パフォーマンスを計測できる。

 FP8で実行した場合、16GBのVRAMを備えるGeForce RTX 5070 Tiは画像1枚あたりの生成時間で「16.060秒」を記録したが、VRAM容量が12GBのGeForce RTX 4070 TiではVRAM容量不足が発生し、画像1枚の生成に10分を超える「686.833秒」を要した。4GBのVRAM容量差によって比較にならないほどのパフォーマンス差が生じた結果だ。

 FP4で実行した場合、FP4演算精度にネイティブ対応したGeForce RTX 5070 Tiは画像1枚あたりの生成時間が「8.144秒」を記録し、FP8の半分程度の時間で画像を生成できた。一方、GeForce RTX 4070 Tiは「35.840秒」と4倍以上の時間を要しているが、FP4演算によるVRAM使用量軽減の恩恵によってFP8のような不具合を生じる事なくテストを完走した。

UL Procyon「AI Image Generation Benchmark」│FLUX.1

UL Procyon「AI Text Generation Benchmark」

 UL Procyonの「AI Text Generation Benchmark」は、LLMを用いたテキスト生成のパフォーマンスを計測するテスト。現時点のUL ProcyonではTensorRT非対応であるため、ONNX Runtimeでテストを実行した。

 GeForce RTX 5070 Tiは、GeForce RTX 4070 TiのスコアをPHI 3.5で約21%、MISTRAL 7Bで約30%、LLAMA 3.1で約33%、LLAMA 2で約70%上回った。

UL Procyon「AI Text Generation Benchmark」│ONNX Runtime

UL Procyon「Photo Editing Benchmark」

 UL Procyonの「Photo Editing Benchmark」は、Adobeの画像編集ソフト「Photoshop」と「Lightroom Classic」でのパフォーマンスを計測するテスト。

 GeForce RTX 5070 Tiは、総合スコア、レタッチ、バッチ処理のすべてでGeForce RTX 4070 Tiを約3%上回るパフォーマンスを発揮した。

UL Procyon「Photo Editing Benchmark」

Blender Benchmark

 3DCGソフト「Blender」の公式ベンチマークソフトであるBlender Benchmarkでは、3つのシーンのレンダリング速度を計測した。テストに使用したBlenderのバージョンはv4.3.0。

 GeForce RTX 5070 Tiは、GeForce RTX 4070 Tiのレンダリング速度をmonsterで約13%、junkshopで約31%、classroomで約17%上回った。

Blender Benchmark

Adobe Camera Raw「AIノイズ除去」

 Adobe Camera Rawで、2,400万画素のRAWファイル20枚にAIノイズ除去を実行したさいの処理速度を比較した結果が以下のグラフ。

 GeForce RTX 5070 Tiの1分あたりの処理枚数は「17.18枚」で、GeForce RTX 4070 Tiの「12.44枚」を約38%上回った。

Adobe Camera Raw「AIノイズ除去」

システム消費電力と電力効率

 ワットチェッカーを使ってシステムの消費電力を測定し、アイドル時の最小消費電力と、ベンチマーク実行中の平均消費電力および最大消費電力をグラフ化した。

 アイドル時の最小消費電力はGeForce RTX 5070 Tiが93.0Wで、105.0WのGeForce RTX 4070 Tiより12Wほど低い数値となっている。それなりに大きな差ではあるが、アイドル時消費電力は特にビデオカードの設計の違いが影響しやすいため、必ずしもGPUの省電力性の差を反映したものとは限らない点に留意してもらいたい。

 ベンチマークテスト実行中にGeForce RTX 5070 Tiが記録した平均消費電力は320.7~439.2Wで、281.5~391.4WだったGeForce RTX 4070 Tiより36.9~67.3W高い平均消費電力となっている。

ベンチマーク実行中とアイドル時のシステムの消費電力(平均/最大)

 システムの平均消費電力でベンチマークスコアを割ることによって求めたワットパフォーマンスを、GeForce RTX 4070 Tiを基準に指数化したものが以下のグラフ。

 GeForce RTX 5070 Tiは、フルHD/1080pで実行したファイナルファンタジーXIVでGeForce RTX 4070 Tiをわずかに下回ったことを除けば、4~22%高いワットパフォーマンスを発揮している。

ワットパフォーマンス(GeForce RTX 4070 Ti比)

負荷テスト実行中のモニタリングデータ

 モニタリングソフトのHWiNFO64 Proを使用して、3DMarkのSteel Nomad Stress Test実行中のモニタリングデータを取得した結果が以下のグラフ。

 テスト中のGeForce RTX 5070 Tiは、電力リミットの上限に達する平均299.8W(最大301.1W)を消費しながら動作しており、この時のGPU温度は平均63.4℃(最大65.7℃)、VRAM温度は平均68.7℃(最大70.0℃)で、GPUクロックは平均2,770MHz(最大2,835MHz)、VRAMクロックは平均2,334MHz(最大2,334MHz)だった。

GPU/VRAM温度(平均/最大)│3DMark「Steel Nomad Stress Test」
消費電力(平均/最大)│3DMark「Steel Nomad Stress Test」
動作クロック(平均/最大)│3DMark「Steel Nomad Stress Test」
GeForce RTX 5070 Ti(16GB)のモニタリングデータ│3DMark「Steel Nomad Stress Test」
GeForce RTX 4070 Ti(12GB)のモニタリングデータ│3DMark「Steel Nomad Stress Test」

16GBのVRAM容量が魅力的な新世代の準ハイエンドGPU

 GeForce RTX 5070 Tiは、従来モデルであるGeForce RTX 4070 Tiを明確に上回るパフォーマンスを実現しており、新世代の準ハイエンドGPUに相応しい実力を備えていることを確認できた。

 また、16GBという上位モデルのGeForce RTX 5080と同じVRAM容量を備えている点も魅力的だ。今回のテストでもVRAM容量が12GBのGeForce RTX 4070 Tiがメモリ容量不足で著しい性能低下が生じたテストもGeForce RTX 5070 Tiは問題なく実行できていた。

 これほどの実力を備えたGeForce RTX 5070 Tiが当初の予定通り14万8,800円から入手できるなら、相当な人気を博することは想像に難くない。先に発売された上位モデルの価格から察するに、国内販売想定価格やそれに近い価格で販売される製品はごく限定的になると思われるが、できる限り魅力的な価格で多くのPCユーザーが手にできることを期待したい。

ゲーマーはコイツが狙い目!?「GeForce RTX 5070 Ti」発売記念特番【2月19日(水)23時開始】

 GeForce RTX 5070 Tiを、GPU評価の鬼にしてハードコアゲーマーの“KTU”加藤勝明さんが大解説。聞き手の“改造バカ”高橋敏也さんと共に楽しく最新GPUの魅力をお伝えします。