Hothotレビュー
見た目がカッケェホワイトゲーミングPC。Ryzen+GeForce RTX 4060 Tiの組み合わせ
2024年1月12日 06:15
マウスコンピューターはミニタワー型ゲーミングPC「NEXTGEAR JG」シリーズにホワイトカラーモデルを追加した。内装まで白くカラーリングされた筐体にARGBファンのイルミネーションが映える、印象的なビジュアルのゲーミングPCだ。
今回、Ryzen 7 5700XとGeForce RTX 4060 Tiを搭載する「NEXTGEAR JG-A7G6T」のホワイトカラーモデルをテストする機会が得られたので、その印象的なビジュアルとともに、ゲーミングPCとしてのパフォーマンスも確認してみよう。
白い筐体とARGBファンで印象的なビジュアルを実現
マウスコンピューターの「NEXTGEAR JG-A7G6T」は、Zen 3ベースの8コア/16スレッドCPU「Ryzen 7 5700X」と、ミドルレンジGPU「GeForce RTX 4060 Ti 8GB」を搭載するミニタワー型ゲーミングPC。
筐体は「NEXTGEAR JG」シリーズのmicroATX向けのミニタワー型ケースのホワイトカラーモデルで、ARGBファンを合計6基搭載。また、CPUクーラーには240mmサイズのオールインワン水冷クーラーを標準採用している。突起部を含む筐体サイズは約220×424×410mm。
そのほか、DDR4-3200 16GB(8GB×2)メモリ、1TB NVMe SSD、80Plus Bronze認証の750W電源などを搭載しており、Windows 11 Homeインストール済みの標準構成価格は17万9,800円。注文時に一部のパーツ構成をカスタマイズすることもできる。
【表1】マウスコンピューター「NEXTGEAR JG-A7G6T」のスペック | |
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CPU | Ryzen 7 5700X (8コア/16スレッド) |
GPU | GeForce RTX 4060Ti 8GB |
マザーボード | AMD B550 チップセット搭載マザーボード (microATX) |
メモリ | 16GB DDR4-3200 (8GB×2) |
ストレージ | 1TB NVM Express SSD |
CPUクーラー | 水冷CPUクーラー (240mmラジエーター) |
ケース | 【NEXTGEAR】ホワイトミニタワーケース |
電源ユニット | 750W 80Plus BRONZE |
OS | Windows 11 Home |
本体サイズ | 約220×424×410mm |
白いカラーリングを特徴とする筐体は、左側面に開口部の大きなガラスパネルを採用。内蔵パーツや筐体の前面と背面、CPUクーラーに搭載したARGBファンのLEDイルミネーションをクリアなガラスパネル越しに楽しむことができる。
前面インターフェイスは筐体上面に配置されており、USB 3.0(2基)、マイク入力、ヘッドフォン出力、インジケータLED、 電源スイッチ、LEDスイッチを搭載。
筐体に合計6基搭載されているARGBファンのLED制御はケース側で行なう仕様で、ケースのLEDスイッチを押すことで10種類の発光パターンを切り替え可能。また、LEDスイッチを長押しすることでARGBファンのLEDを消灯することもできる。
ケース背面でねじ止めされているサイドパネルを取り外すと、ケースの内部にアクセスできる。
NEXTGEAR JG-A7G6Tのホワイトカラーモデルは、前面に吸気用のファンを3基、背面に排気用のファン1基を備えるほか、CPU冷却用の240mmオールインワン水冷クーラーに搭載されている2基のファンが排気ファンとして機能する。かなり換気性に優れた冷却システムが構築されているという印象だ。
ベンチマークテストで白いNEXTGEAR JG-A7G6Tの実力をチェック
ここからは、NEXTGEAR JG-A7G6Tホワイトカラーモデルのパフォーマンスを、ベンチマークソフトや実際のゲームを使ったテストで確認していく。
実施したテストは以下の通り。
- Cinebench 2024
- Cinebench R23
- Blender Benchmark
- 3DMark
- PCMark 10
- ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク
- エーペックスレジェンズ
- STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール
- ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON
- サイバーパンク2077
Cinebench 2024
最新のCinebenchである「Cinebench 2024」では、GPUレンダリング性能を計測する「GPU」と、CPUのレンダリング性能を計測する「CPU (Multi Core)」と「CPU (Single Core)」でスコアを計測した。テスト時の最低実行時間は標準の10分間。
GPUのGeForce RTX 4060 Ti 8GBは「11,824」、CPUのRyzen 7 5700XはMulti Coreで「770」、Single Coreで「93」をそれぞれ記録した。
CPUのスコアはGPUより著しく低いものとなっているが、これはCinebench 2024の3DCGレンダリングにおいてGPUが優位というだけの話で、CPUであるRyzen 7 5700Xの性能が非常に低いというわけではない。
Cinebench R23
CPUベンチマークのCinebench R23では、Ryzen 7 5700XがMulti Coreで「13,289」、Single Coreで「1,522」を記録した。
Ryzen 7 5700Xは1世代前のZen 3ベースのCPUであるため、最新世代のCPUと比べると多少見劣りするベンチマークスコアではあるものの、ミドルクラスのゲーミング用途であれば十分に通用しそうなスコアでもある。
Blender Benchmark
Blenderの公式ベンチマークソフトである「Blender Benchmark」では、CPUとGPUでベンチマークテストを実行した。
スコア的には搭載するCPUとGPUから想定される通りのもので、性能を十分に引き出せているようだ。また、Cinebench 2024がそうであったように、BlenderについてもGPUを活用した方がレンダリング速度は圧倒的に速いということも伺える。
3DMark「CPU Profile」
CPUの性能をスレッド数ごとに確認する3DMarkのCPU Profileでは、Max threadsで「6,701」、8 threadsで「5,991」、1-threadで「925」を記録。8コア/16スレッドCPUであるRyzen 7 5700Xのスコアとしては順当なスコアと言える。
PCMark 10
PCMark 10でもっともテスト数の多いExtendedを実行した結果、総合スコアで「10,296」を記録。
CPUのシングルスレッド性能が低いと総合スコアやEssentialsスコアが低くなりがちなPCMark 10において、両方で10,000を超えるスコアを記録したNEXTGEAR JG-A7G6Tは、ゲーム以外のシーンでもなかなか快適に使えるPCであることが伺える。
3DMark
3DMarkのゲームベンチマークでは、「Speed Way」、「Port Royal」、「Solar Bay」、「Time Spy」、「Fire Strike」を実行した。
CPU性能の影響がある程度存在するTime SpyやFire Strikeのスコアはやや低いようにも見えるが、GPU負荷の高いSpeed WayやPort RoyalではGeForce RTX 4060 Ti 8GB搭載PCに期待されるスコアは十分に出ている。
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマークでは、グラフィック品質を「最高品質」に設定して、フルHD/1080pとWQHD/1440pの2解像度でベンチマークを実行した。
NEXTGEAR JG-A7G6Tのスコアは、フルHD/1080pで「24,317」、WQHD/1440pで「18,848」を記録しており、平均フレームレートについてもそれぞれ「176.0fps」と「130.2fps」であることから、WQHD/1440pでも十分快適にプレイできるだけのパフォーマンスを発揮している。
エーペックスレジェンズ
エーペックスレジェンズでは、グラフィック品質を出来る限り高く設定して、フルHD/1080pとWQHD/1440pの2解像度で平均フレームレートを計測した。テスト時の上限フレームレートは300fps。
NEXTGEAR JG-A7G6Tが記録した平均フレームレートは、フルHD/1080pで「232.8fps」、WQHD/1440pで「175.5fps」。高リフレッシュレートのゲーミングモニターと組み合わせれば、高速で滑らかな映像でエーペックスレジェンズを楽しめるだろう。
STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール
STREET FIGHTER 6 ベンチマークツールでは、グラフィック品質を最高の「HIGHEST」に設定して、フルHD/1080pとWQHD/1440pの2解像度でテストを実行した。テスト時の上限フレームレートはFIGHTING GROUNDが60fpsで、BATTLE HUBとWORLD TOURが120fps。
FIGHTING GROUNDでは、WQHD/1440pでも上限フレームレートの60fpsを維持しており、STREET FIGHTER 6のメインコンテンツと言えるプレイヤー同士の対戦を楽しむのに十分な性能をNEXTGEAR JG-A7G6Tは備えている。
BATTLE HUBとWORLD TOURは、フルHD/1080pで「106.68~107.84fps」、WQHD/1440pは「104.74~104.68fps」となっている。GeForce RTX 4060 TiはフルHDであれば上限の120fpsを維持できる実力があるので、ここでやや低いフレームレートになっているのはCPUであるRyzen 7 5700Xがボトルネックになっているためであると言える。
ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON
ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICONでは、グラフィック品質を「最高」に設定して、フルHD/1080pとWQHD/1440pの2解像度で平均フレームレートを計測した。テスト時の上限フレームレートは120fps。
NEXTGEAR JG-A7G6Tが記録した平均フレームレートは、フルHD/1080pで「103.4fps」、WQHD/1440pで「95.6fps」。フルHD/1080pに関してはCPUのボトルネックで120fpsに届いていない様子だが、どちらも60fpsは大きく超えており、十分快適にプレイできるパフォーマンスは得られている。
NEXTGEAR JG-A7G6Tの冷却性をチェック
最後に、NEXTGEAR JG-A7G6Tが備える冷却システムの性能をチェックする。
テストでは、サイバーパンク2077をWQHD/1440p(レイトレーシング:ウルトラ)で約30分連続で実行し続けた場合のステータス情報を「HWiNFO64 Pro」で取得。CPUとGPUの動作温度を計測する。テスト時の室温は約25℃。
テストの結果、動作温度はCPUが平均58.9℃(最大62.1℃)で、GPUは平均63.0℃(最大65.1℃)を記録。それぞれの温度リミットは95℃と83℃なので、NEXTGEAR JG-A7G6Tの冷却システムは相当な余裕を持ってRyzen 7 5700XとGeForce RTX 4060 Ti 8GBを冷やせている。
冷却性能そのものに関してはまったく不満のないNEXTGEAR JG-A7G6Tの冷却システムだが、高負荷時の動作音が大きいことに加え、ファンスピードの制御がCPU温度の変化に対してやや過敏に反応する設定となっているため、騒音に関しては気になるものとなっていた。
冷却性能の余力は十分にあるので、どうしても騒音が気になるようであれば自分でファンスピードを調整することも考えたい。
白い見た目にGeForce RTX 4060 Ti搭載ゲーミングPC
NEXTGEAR JG-A7G6Tのホワイトカラーモデルは、白い筐体とARGBファンの組み合わせによる印象的なビジュアルに加え、強力な冷却システムによってCPUとGPUをしっかり冷やして運用できる能力を備えたゲーミングPCだ。
搭載しているCPUが1世代前のRyzen 7 5700Xであるものの、GeForce RTX 4060 Ti 8GB搭載ゲーミングPCとして期待通りのパフォーマンスを発揮していた。確かに高フレームレートでは多少CPUのボトルネックが生じもするが、60~120fps程度かつ高画質設定でゲームをプレイしたいユーザーにはバランスの良い組み合わせと言える。
NEXTGEAR JGシリーズでは、今回テストした機種以外にもホワイトカラーモデルがラインナップされている。より高性能なものもあれば、より安価なものも用意されているので、NEXTGEAR JGホワイトカラーモデルの見た目に魅力を感じたなら、チェックしてみるとよいだろう。