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見た目がカッケェホワイトゲーミングPC。Ryzen+GeForce RTX 4060 Tiの組み合わせ

マウスコンピューター「NEXTGEAR JG-A7G6T(ホワイトカラーモデル)」

 マウスコンピューターはミニタワー型ゲーミングPC「NEXTGEAR JG」シリーズにホワイトカラーモデルを追加した。内装まで白くカラーリングされた筐体にARGBファンのイルミネーションが映える、印象的なビジュアルのゲーミングPCだ。

 今回、Ryzen 7 5700XとGeForce RTX 4060 Tiを搭載する「NEXTGEAR JG-A7G6T」のホワイトカラーモデルをテストする機会が得られたので、その印象的なビジュアルとともに、ゲーミングPCとしてのパフォーマンスも確認してみよう。

白い筐体とARGBファンで印象的なビジュアルを実現

 マウスコンピューターの「NEXTGEAR JG-A7G6T」は、Zen 3ベースの8コア/16スレッドCPU「Ryzen 7 5700X」と、ミドルレンジGPU「GeForce RTX 4060 Ti 8GB」を搭載するミニタワー型ゲーミングPC。

 筐体は「NEXTGEAR JG」シリーズのmicroATX向けのミニタワー型ケースのホワイトカラーモデルで、ARGBファンを合計6基搭載。また、CPUクーラーには240mmサイズのオールインワン水冷クーラーを標準採用している。突起部を含む筐体サイズは約220×424×410mm。

 そのほか、DDR4-3200 16GB(8GB×2)メモリ、1TB NVMe SSD、80Plus Bronze認証の750W電源などを搭載しており、Windows 11 Homeインストール済みの標準構成価格は17万9,800円。注文時に一部のパーツ構成をカスタマイズすることもできる。

【表1】マウスコンピューター「NEXTGEAR JG-A7G6T」のスペック
CPURyzen 7 5700X (8コア/16スレッド)
GPUGeForce RTX 4060Ti 8GB
マザーボードAMD B550 チップセット搭載マザーボード (microATX)
メモリ16GB DDR4-3200 (8GB×2)
ストレージ1TB NVM Express SSD
CPUクーラー水冷CPUクーラー (240mmラジエーター)
ケース【NEXTGEAR】ホワイトミニタワーケース
電源ユニット750W 80Plus BRONZE
OSWindows 11 Home
本体サイズ約220×424×410mm
Zen 3ベースの8コア/16スレッドCPU「Ryzen 7 5700X」
NVIDIAのミドルレンジGPU「GeForce RTX 4060 Ti 8GB」

 白いカラーリングを特徴とする筐体は、左側面に開口部の大きなガラスパネルを採用。内蔵パーツや筐体の前面と背面、CPUクーラーに搭載したARGBファンのLEDイルミネーションをクリアなガラスパネル越しに楽しむことができる。

 前面インターフェイスは筐体上面に配置されており、USB 3.0(2基)、マイク入力、ヘッドフォン出力、インジケータLED、 電源スイッチ、LEDスイッチを搭載。

 筐体に合計6基搭載されているARGBファンのLED制御はケース側で行なう仕様で、ケースのLEDスイッチを押すことで10種類の発光パターンを切り替え可能。また、LEDスイッチを長押しすることでARGBファンのLEDを消灯することもできる。

NEXTGEAR JG-A7G6T。左サイドパネルにはNEXTGEARロゴ入りのガラスパネルを採用
右サイドには金属製パネルを採用。天板にはダストフィルタ付き通気口が設けられている
前面に3基、背面に1基、CPUクーラーに2基のARGBファンを搭載
前面インターフェイスは天板の前面右側に配置されている
ケースのLEDスイッチを押すことでARGBファンの発光パターンが切り替わる。長押しするとLEDが消灯する
発光パターン「レインボー」
発光パターン「白(常時点灯)」

 ケース背面でねじ止めされているサイドパネルを取り外すと、ケースの内部にアクセスできる。

 NEXTGEAR JG-A7G6Tのホワイトカラーモデルは、前面に吸気用のファンを3基、背面に排気用のファン1基を備えるほか、CPU冷却用の240mmオールインワン水冷クーラーに搭載されている2基のファンが排気ファンとして機能する。かなり換気性に優れた冷却システムが構築されているという印象だ。

左側面の内装。裏配線を活用してすっきりとした内装に組み上げられている
GeForce RTX 4060 Ti 8GBを搭載するビデオカード
CPU冷却用の240mmオールインワン水冷クーラー
右側面の内装。配線スペースとして利用されている

ベンチマークテストで白いNEXTGEAR JG-A7G6Tの実力をチェック

 ここからは、NEXTGEAR JG-A7G6Tホワイトカラーモデルのパフォーマンスを、ベンチマークソフトや実際のゲームを使ったテストで確認していく。

 実施したテストは以下の通り。

  • Cinebench 2024
  • Cinebench R23
  • Blender Benchmark
  • 3DMark
  • PCMark 10
  • ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク
  • エーペックスレジェンズ
  • STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール
  • ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON
  • サイバーパンク2077

Cinebench 2024

 最新のCinebenchである「Cinebench 2024」では、GPUレンダリング性能を計測する「GPU」と、CPUのレンダリング性能を計測する「CPU (Multi Core)」と「CPU (Single Core)」でスコアを計測した。テスト時の最低実行時間は標準の10分間。

 GPUのGeForce RTX 4060 Ti 8GBは「11,824」、CPUのRyzen 7 5700XはMulti Coreで「770」、Single Coreで「93」をそれぞれ記録した。

 CPUのスコアはGPUより著しく低いものとなっているが、これはCinebench 2024の3DCGレンダリングにおいてGPUが優位というだけの話で、CPUであるRyzen 7 5700Xの性能が非常に低いというわけではない。

【グラフ01】Cinebench 2024

Cinebench R23

 CPUベンチマークのCinebench R23では、Ryzen 7 5700XがMulti Coreで「13,289」、Single Coreで「1,522」を記録した。

 Ryzen 7 5700Xは1世代前のZen 3ベースのCPUであるため、最新世代のCPUと比べると多少見劣りするベンチマークスコアではあるものの、ミドルクラスのゲーミング用途であれば十分に通用しそうなスコアでもある。

【グラフ02】Cinebench R23

Blender Benchmark

 Blenderの公式ベンチマークソフトである「Blender Benchmark」では、CPUとGPUでベンチマークテストを実行した。

 スコア的には搭載するCPUとGPUから想定される通りのもので、性能を十分に引き出せているようだ。また、Cinebench 2024がそうであったように、BlenderについてもGPUを活用した方がレンダリング速度は圧倒的に速いということも伺える。

【グラフ03】Blender Benchmark「CPU」
【グラフ04】Blender Benchmark「GPU」

3DMark「CPU Profile」

 CPUの性能をスレッド数ごとに確認する3DMarkのCPU Profileでは、Max threadsで「6,701」、8 threadsで「5,991」、1-threadで「925」を記録。8コア/16スレッドCPUであるRyzen 7 5700Xのスコアとしては順当なスコアと言える。

【グラフ05】3DMark「CPU Profile」

PCMark 10

 PCMark 10でもっともテスト数の多いExtendedを実行した結果、総合スコアで「10,296」を記録。

 CPUのシングルスレッド性能が低いと総合スコアやEssentialsスコアが低くなりがちなPCMark 10において、両方で10,000を超えるスコアを記録したNEXTGEAR JG-A7G6Tは、ゲーム以外のシーンでもなかなか快適に使えるPCであることが伺える。

【グラフ06】PCMark 10 Extended

3DMark

 3DMarkのゲームベンチマークでは、「Speed Way」、「Port Royal」、「Solar Bay」、「Time Spy」、「Fire Strike」を実行した。

 CPU性能の影響がある程度存在するTime SpyやFire Strikeのスコアはやや低いようにも見えるが、GPU負荷の高いSpeed WayやPort RoyalではGeForce RTX 4060 Ti 8GB搭載PCに期待されるスコアは十分に出ている。

【グラフ07】3DMark「Speed Way」
【グラフ08】3DMark「Port Royal」
【グラフ09】3DMark「Solar Bay」
【グラフ10】3DMark「Time Spy」
【グラフ11】3DMark「Fire Strike」

ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク

 ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマークでは、グラフィック品質を「最高品質」に設定して、フルHD/1080pとWQHD/1440pの2解像度でベンチマークを実行した。

 NEXTGEAR JG-A7G6Tのスコアは、フルHD/1080pで「24,317」、WQHD/1440pで「18,848」を記録しており、平均フレームレートについてもそれぞれ「176.0fps」と「130.2fps」であることから、WQHD/1440pでも十分快適にプレイできるだけのパフォーマンスを発揮している。

【グラフ12】ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク「スコア」
【グラフ13】ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク「平均フレームレート」

エーペックスレジェンズ

 エーペックスレジェンズでは、グラフィック品質を出来る限り高く設定して、フルHD/1080pとWQHD/1440pの2解像度で平均フレームレートを計測した。テスト時の上限フレームレートは300fps。

 NEXTGEAR JG-A7G6Tが記録した平均フレームレートは、フルHD/1080pで「232.8fps」、WQHD/1440pで「175.5fps」。高リフレッシュレートのゲーミングモニターと組み合わせれば、高速で滑らかな映像でエーペックスレジェンズを楽しめるだろう。

【グラフ14】エーペックスレジェンズ (v3.0.51.45)

STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール

 STREET FIGHTER 6 ベンチマークツールでは、グラフィック品質を最高の「HIGHEST」に設定して、フルHD/1080pとWQHD/1440pの2解像度でテストを実行した。テスト時の上限フレームレートはFIGHTING GROUNDが60fpsで、BATTLE HUBとWORLD TOURが120fps。

 FIGHTING GROUNDでは、WQHD/1440pでも上限フレームレートの60fpsを維持しており、STREET FIGHTER 6のメインコンテンツと言えるプレイヤー同士の対戦を楽しむのに十分な性能をNEXTGEAR JG-A7G6Tは備えている。

 BATTLE HUBとWORLD TOURは、フルHD/1080pで「106.68~107.84fps」、WQHD/1440pは「104.74~104.68fps」となっている。GeForce RTX 4060 TiはフルHDであれば上限の120fpsを維持できる実力があるので、ここでやや低いフレームレートになっているのはCPUであるRyzen 7 5700Xがボトルネックになっているためであると言える。

【グラフ15】STREET FIGHTER ベンチマークツール

ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON

 ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICONでは、グラフィック品質を「最高」に設定して、フルHD/1080pとWQHD/1440pの2解像度で平均フレームレートを計測した。テスト時の上限フレームレートは120fps。

 NEXTGEAR JG-A7G6Tが記録した平均フレームレートは、フルHD/1080pで「103.4fps」、WQHD/1440pで「95.6fps」。フルHD/1080pに関してはCPUのボトルネックで120fpsに届いていない様子だが、どちらも60fpsは大きく超えており、十分快適にプレイできるパフォーマンスは得られている。

【グラフ16】ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON (v50)

サイバーパンク2077

 サイバーパンク2077では、グラフィック品質を「レイトレーシング:ウルトラ」に設定して、フルHD/1080pとWQHD/1440pの2解像度でベンチマークモードを実行した。テスト時はフレーム生成を有効にしている。

 ベンチマークモードの実行結果では、フルHD/1080pで「107.3fps」、WQHD/1440pで「79.8fps」という平均フレームレートを記録した。GeForce RTX 4060 TiがサポートするDLSS 3をフル活用することで、GPU負荷の高いサイバーパンク2077を高画質設定でも、プレイ可能なパフォーマンスを得ることができるという結果だ。

【グラフ17】サイバーパンク2077 (v2.1)

NEXTGEAR JG-A7G6Tの冷却性をチェック

 最後に、NEXTGEAR JG-A7G6Tが備える冷却システムの性能をチェックする。

 テストでは、サイバーパンク2077をWQHD/1440p(レイトレーシング:ウルトラ)で約30分連続で実行し続けた場合のステータス情報を「HWiNFO64 Pro」で取得。CPUとGPUの動作温度を計測する。テスト時の室温は約25℃。

【グラフ18】サイバーパンク2077実行中のCPU/GPU温度
【グラフ19】サイバーパンク2077実行中のモニタリングデータ

 テストの結果、動作温度はCPUが平均58.9℃(最大62.1℃)で、GPUは平均63.0℃(最大65.1℃)を記録。それぞれの温度リミットは95℃と83℃なので、NEXTGEAR JG-A7G6Tの冷却システムは相当な余裕を持ってRyzen 7 5700XとGeForce RTX 4060 Ti 8GBを冷やせている。

 冷却性能そのものに関してはまったく不満のないNEXTGEAR JG-A7G6Tの冷却システムだが、高負荷時の動作音が大きいことに加え、ファンスピードの制御がCPU温度の変化に対してやや過敏に反応する設定となっているため、騒音に関しては気になるものとなっていた。

 冷却性能の余力は十分にあるので、どうしても騒音が気になるようであれば自分でファンスピードを調整することも考えたい。

白い見た目にGeForce RTX 4060 Ti搭載ゲーミングPC

 NEXTGEAR JG-A7G6Tのホワイトカラーモデルは、白い筐体とARGBファンの組み合わせによる印象的なビジュアルに加え、強力な冷却システムによってCPUとGPUをしっかり冷やして運用できる能力を備えたゲーミングPCだ。

 搭載しているCPUが1世代前のRyzen 7 5700Xであるものの、GeForce RTX 4060 Ti 8GB搭載ゲーミングPCとして期待通りのパフォーマンスを発揮していた。確かに高フレームレートでは多少CPUのボトルネックが生じもするが、60~120fps程度かつ高画質設定でゲームをプレイしたいユーザーにはバランスの良い組み合わせと言える。

 NEXTGEAR JGシリーズでは、今回テストした機種以外にもホワイトカラーモデルがラインナップされている。より高性能なものもあれば、より安価なものも用意されているので、NEXTGEAR JGホワイトカラーモデルの見た目に魅力を感じたなら、チェックしてみるとよいだろう。