Hothotレビュー

GeForce RTX 4080は新世代と呼ぶにふさわしい性能向上を果たしたハイエンドGPUだ

GeForce RTX 4080

 11月16日より、NVIDIAの新世代GPU「GeForce RTX 40」シリーズの第2弾製品として、「GeForce RTX 4080」が発売される。

 今回は発売に先立ち、GeForce RTX 4080のNVIDIA純正ビデオカードであるFounders Editionをテストする機会が得られたので、ベンチマークテストでそのパフォーマンスを確かめてみた。

16GBのVRAMを搭載したハイエンドGPU「GeForce RTX 4080」

 GeForce RTX 4080は、先日登場したGeForce RTX 4090と同じくGeForce RTX 40シリーズに属するハイエンドGPUで、Ada Lovelaceアーキテクチャに基づいて、TSMCの4Nプロセスで製造されたGPUコアを採用している。

 GeForce RTX 4080のGPUコアでは、76基のSM(Streaming Multiprocessors)が有効化されており、9,728基のCUDAコアや、76基の第3世代RTコア、304基の第4世代Tensorコアなどが利用できる。GeForce RTX 40シリーズのラインナップ上ではGeForce RTX 4090に次ぐ位置づけのGPUだが、128基のSMを備え、16,384基のCUDAコアなどが利用できるGeForce RTX 4090と比べると、GPUコアの規模はだいぶ縮小されている。

 VRAMには22.4Gbps駆動のGDDR6Xメモリを16GB搭載しており、GPUコアと256bitのメモリインターフェイスで接続することにより約716.8GB/sのメモリ帯域幅を実現している。バスインターフェイスはPCIe 4.0 x16で、TGPは320W。

【表1】GeForce RTX 4080の主な仕様
GPUGeForce RTX 4080GeForce RTX 4090GeForce RTX 3080
アーキテクチャAda LovelaceAda LovelaceAmpere
製造プロセスTSMC 4nmTSMC 4nmSamsung 8nm
SM76基128基68基
CUDAコア9,728基16,384基8,704基
RTコア76基 (第3世代)128基 (第3世代)68基 (第2世代)
Tensorコア304基 (第4世代)512基 (第4世代)272基 (第3世代)
テクスチャユニット304基512基272基
ROPユニット112基176基96基
ブーストクロック2,505MHz2,520MHz1,710MHz
メモリ容量16GB (GDDR6X)24GB (GDDR6X)10GB (GDDR6X)
メモリスピード22.4Gbps21.0Gbps19.0Gbps
メモリインターフェイス256bit384bit320bit
メモリ帯域幅716.8GB/s1,008GB/s760GB/s
PCI ExpressPCIe 4.0 x16PCIe 4.0 x16PCIe 4.0 x16
消費電力 (TGP)320W450W320W

GeForce RTX 4080 Founders Edition

 今回テストするのは、GeForce RTX 4080を搭載するNVIDIA純正ビデオカード「GeForce RTX 4080 Founders Edition」だ。

 ビデオカードのデザインはGeForce RTX 4090のFounders Editionを踏襲しており、3スロットを占有する大型GPUクーラーや、補助電源コネクタに新規格の「12VHPWR」を採用している。ブラケット部の画面出力端子はDisplayPort(3基)とHDMI(1基)。

GeForce RTX 4080 Founders Edition。ブラケット付近に大口径の冷却ファンを搭載している
裏面はバックプレートで覆われており、カード後部には表面から裏面に抜けるエアフローを実現する冷却ファンを搭載
GPUクーラーの占有スロットは3スロット(61mm厚)
ブラケット部の画面出力端子はDisplayPort(3基)とHDMI(1基)
補助電源コネクタは12+4ピンの「12VHPWR」
3系統のPCIe 8ピンから12VHPWRに変換するアダプタが付属していた
GeForce RTX 4080 Founders EditionのGPU-Z実行画面

ZOTAC GAMING GeForce RTX 4080 16GB AMP Extreme AIRO

 今回ベンチマークテストは行なわないのだが、ZOTACのオリジナルデザインを採用したビデオカード「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4080 16GB AMP Extreme AIRO」を撮影することができたので、ここで紹介しておこう。

 ZOTACのフラッグシップモデルである「AMP Extreme AIRO」の名を与えられたこのビデオカードは、丸みを帯びたユニークなフレームを採用する超大型GPUクーラーを搭載しており、カードサイズは355.5×149.6×72.1mm(長さ×高さ×厚み)となっている。これはFounders Editionの304×137×61mmよりだいぶ大きなサイズだ。

 このように、AMP Extreme AIROのような上位モデルはカードサイズの大型化と引き換えに、強力な冷却性能を備えたGPUクーラーを搭載しており、その冷却性能をGPUオーバークロックによる性能向上や、静粛性の向上に活用している。ケースやマザーボードのレイアウト的に搭載スペースを確保できるなら、このような上位製品を選ぶことで、より快適に使えるゲーミングPCを構築できるだろう。

ZOTAC GAMING GeForce RTX 4080 16GB AMP Extreme AIRO。3基の冷却ファンを搭載する超大型GPUクーラーを搭載している
裏面にはバックプレートを搭載しており、カード後部は冷却ファンの風が抜けるように通気口が設けられている
カードの厚みは72.1mmで、GPUクーラーは3.5スロットを占有する
カードサイズはGeForce RTX 4080 Founders Editionより明らかに大きい

比較用GPUとテスト環境

 GeForce RTX 4080の比較対象には、GeForce RTX 4090を搭載する「Colorful iGame GeForce RTX 4090 Vulcan OC-V」と、前世代のハイエンドGPUである「GeForce RTX 3080 Founders Edition」を用意した。なお、Colorful iGame GeForce RTX 4090 Vulcan OC-Vについては、リファレンスクロック相当で動作するノーマルモードでテストする。

 各ビデオカードの動作時仕様は以下の表の通り。GPUドライバについては、GeForce RTX 4080にはレビュアー向けに配布された「Game Ready Driver 526.72」、その他のGPUには「Game Ready Driver 526.47」を適用している。

【表2】各ビデオカードの動作仕様
GPUGeForce RTX 4080GeForce RTX 4090GeForce RTX 3080
ビデオカードベンダーNVIDIAColorfulNVIDIA
製品型番Founders EditioniGame GeForce RTX 4090 Vulcan OC-VFounders Edition
ベースクロック2,205MHz2,235MHz1,440MHz
ブーストクロック2,505MHz2,520MHz1,710MHz
メモリ容量16GB (GDDR6X)24GB (GDDR6X)10GB (GDDR6X)
メモリスピード22.4Gbps21Gbps19.0Gbps
メモリインターフェイス256bit384bit320bit
メモリ帯域幅716.8GB/s1,008GB/s760GB/s
PCI ExpressPCIe 4.0 x16PCIe 4.0 x16PCIe 4.0 x16
電力リミット320W450W320W
温度リミット83℃84℃83℃
Resizable BAR有効有効有効
GPUドライバGRD 526.72 (31.0.15.2672)GRD 526.47 (31.0.15.2647)GRD 526.47 (31.0.15.2647)
Colorful iGame GeForce RTX 4090 Vulcan OC-V
Colorful iGame GeForce RTX 4090 Vulcan OC-VのGPU-Z実行画面
GeForce RTX 3080 Founders Edition
GeForce RTX 3080 Founders EditionのGPU-Z実行画面

 ビデオカードを搭載するベース機材には、Ryzen 7 7700Xを搭載したAMD X670E環境を用意した。

 その他の機材や条件については以下の通り。

【表3】テスト機材一覧
GPUGeForce RTX 4080GeForce RTX 4090GeForce RTX 3080
CPURyzen 7 7700X (8コア/16スレッド)
CPUパワーリミットPPT=142W、TDC=110A、EDC=170A、TjMAX=95℃
CPUクーラーADATA XPG LEVANTE 360 ARGB (ファンスピード=100%)
マザーボードASRock X670E Taichi [UEFI=1.11.AS03]
メモリDDR5-6000 16GB×2 (2ch、30-38-38-96、1.35V)
システム用SSDSamsung SSD 980 PRO 500GB (NVMe SSD/PCIe 4.0 x4)
アプリケーション用SSDCFD CSSD-M2B2TPG3VNF 2TB (NVMe SSD/USB 10Gbps)
電源玄人志向 KRPW-PA1200W/92+ (1200W/80PLUS Platinum)
OSWindows 11 Pro 22H2 (build 22621.755、VBS有効)
電源プランバランス
計測HWiNFO64 Pro v7.32、ラトックシステム RS-BTWATTCH2
室温約24℃

ベンチマーク結果

 今回実施したベンチマークテストは、「3DMark」、「VRMark」、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」、「サイバーパンク2077」、「Microsoft Flight Simulator」、「Forza Horizon 5」、「DIRT 5」、「フォートナイト」、「エーペックスレジェンズ」、「アサシン クリード ヴァルハラ」、「モンスターハンターライズ:サンブレイク」、「エルデンリング」、「Blender Benchmark」。

 なお、今回のテストにおいてDLSSを利用する場合、NVIDIAの推奨設定に基づいてDLSSの設定をWQHD以下では「Quality(品質)」、4Kでは「Performance(パフォーマンス)」にしている。

3DMark「Speed Way」

 3DMark最新のDirectX 12高負荷テストであるSpeed Wayで、GeForce RTX 4080が記録したスコアの7,164は、GeForce RTX 4090の9,817を約27%下回り、GeForce RTX 3080を約52%上回った。

【グラフ01】3DMark v2.25.8043「Speed Way」

3DMark「Port Royal」

 3DMarkのDirectX Raytracing(DXR)テスト「Port Royal」において、GeForce RTX 4080はGeForce RTX 4090を約29%下回り、GeForce RTX 3080を約51%上回った。

【グラフ02】3DMark v2.25.8043「Port Royal」

3DMark「Time Spy」

 3DMarkのDirectX 12テストであるTime Spyでは、標準テストの無印版Time Spyのほかに、高負荷版のExtremeを実行した。

 GeForce RTX 4080は、GeForce RTX 4090を無印版で約16%、Extremeで約20%下回った。一方、GeForce RTX 3080との比較では、無印版で約41%、Extremeで約40%上回っている。

【グラフ03】3DMark v2.25.8043「Time Spy」
【グラフ04】3DMark v2.25.8043「Time Spy Extreme」

3DMark「Fire Strike」

 3DMarkのDirectX 11テスト「Fire Strike」では、標準テストの無印版Fire Strikeのほか、高負荷版のExtremeとUltraを実行した。

 GeForce RTX 4080は無印版ではGeForce RTX 4090を約10%下回る程度だが、Extremeでは約20%、Ultraでは約27%下回っており、高負荷になるほどGeForce RTX 4090との差が広がっている。

 一方、GeForce RTX 3080に対しては、無印版で約26%、Extremeで約46%、Ultraでは約51%上回っており、こちらでは高負荷になるほど差を広げている。これは、Extreme以下ではCPU性能などGPU以外の要素がボトルネックとなるため、GPU性能を十分に発揮できていないがゆえの結果だろう。

【グラフ05】3DMark v2.25.8043「Fire Strike」
【グラフ06】3DMark v2.25.8043「Fire Strike Extreme」
【グラフ07】3DMark v2.25.8043「Fire Strike Ultra」

3DMark「Wild Life」

 3DMarkのVulkanテストである「Wild Life」では、標準テストの無印版Wild Lifeと、高負荷版のExtremeを実行した。

 GeForce RTX 4080は、GeForce RTX 4090を無印版で約13%、Extremeで約29%下回った。一方、GeForce RTX 3080を無印版で約55%、Extremeで約51%上回っている。

【グラフ08】3DMark v2.25.8043「Wild Life/Wild Life Extreme」

3DMark「DirectX Raytracing feature test」

 DXRによるリアルタイムレイトレーシング性能の計測に特化した3DMarkの「DirectX Raytracing feature test」では、GeForce RTX 4080はGeForce RTX 4090を約37%下回り、GeForce RTX 3080を約73%上回っている。

 GeForce RTX 4090に対してはRTコア数の違いからか他のテストよりも大きな差が開いているが、RTコアの数が8基しか違わないGeForce RTX 3080を圧倒したこの結果からは、Ada Lovelaceアーキテクチャで第3世代となったRTコアの進化が感じられる。

【グラフ09】3DMark v2.25.8043「DirectX Raytracing feature test」

3DMark「PCI Express feature test」

 バスインターフェイスの帯域幅を計測する3DMarkの「PCI Express feature test」では、今回テストした全てのGPUが26.9GB/s弱の帯域幅で横並びとなっている。

 いずれのGPUも、バスインターフェイスに採用しているのは最大約31.5GB/sの帯域幅を実現するPCIe 4.0 x16だ。理論値ほどの速度は出ていないが、NVIDIAのGPUがこのテストで出せる実効速度としては26.9GB/sあたりで頭打ちとなるようだ。

【グラフ10】3DMark v2.25.8043「PCI Express feature test」

3DMark「NVIDIA DLSS feature test」

 NVIDIAの超解像技術であるDLSSをテストする3DMarkの「NVIDIA DLSS feature test」では、フレーム生成に対応する最新版のDLSS 3と、フレーム生成を行なわないDLSS 2でテストを行なった。いずれも出力解像度は3,840×2,160ドットで、DLSSの品質設定は「Performance」に設定している。

 フレーム生成を行なうDLSS 3において、GeForce RTX 4080のフレームレートはDLSS無効時に38.60fpsだったが、DLSS有効時は132.96fpsへと3.4倍以上も上昇した。

 一方、フレーム生成を行なわないDLSS 2においては、DLSSを利用することで39.40fpsから102.53fpsへと約2.6倍も高いフレームレートを記録している。フレーム生成の有無を問わず、GeForce RTX 4080環境でフレームレートを引き上げる手段としてDLSSが有効であることが分かる。

【グラフ11】3DMark v2.25.8043「NVIDIA DLSS feature test」

VRMark

 VRMarkでは、「Orange Room」、「Cyan Room」、「Blue Room」を実行した。

 Orange Roomについては、CPUのボトルネックにより440fps前後でフレームレートが頭打ちになっているため有意な差はついていない。

 Cyan Roomでは、GeForce RTX 4080がGeForce RTX 4090を約7%下回る一方で、GeForce RTX 3080を約42%上回り圧倒している。GeForce RTX 4090との差が比較的小さくなっているが、これはGeForce RTX 4090の平均フレームレートが633.1fpsに達することでCPUのボトルネックが生じた結果であると考えられる。

 5K解像度で実行されるBlue Roomでは、GeForce RTX 4080はGeForce RTX 4090を約28%下回り、GeForce RTX 3080を約49%上回った。3DMarkの高負荷テストやBlue Roomの結果を見ると、GeForce RTX 4080自体の性能は、GeForce RTX 4090より3割ほど低く、GeForce RTX 3080より5割ほど高いというあたりのようだ。

【グラフ12】VRMark v1.3.2020「ベンチマークスコア」
【グラフ13】VRMark v1.3.2020「平均フレームレート」

ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク

 ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマークでは、描画品質を「最高品質」に設定して、フルHD~4Kまでの画面解像度をテストした。

 GeForce RTX 4080は、GeForce RTX 4090を7~20%下回り、GeForce RTX 3080を23~38%上回った。

 強力なGPU性能を備えたGeForce RTX 40シリーズにとって、このテストはCPUのボトルネックの影響が大きく、4KであってもGPUが常に全開で動作するわけではない。このため、GPU負荷が低くなる低解像度テストほど、上位と下位、新旧の差が小さくなっている。

【グラフ14】ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク「スコア」
【グラフ15】ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク「平均フレームレート」

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク

 FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークでは、画質プリセットを「高品質」に設定して、フルHD~4Kまでの画面解像度をテストした。

 GeForce RTX 4080は、GeForce RTX 4090を4~24%下回り、GeForce RTX 3080を22~43%上回った。

【グラフ16】FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク v1.3

サイバーパンク2077

 サイバーパンク2077では、レビュアー向けに配信されたDLSS 3対応ベータ版を使ってテストを行なった。

 テストでは、グラフィックプリセットの「レイトレーシング:ウルトラ」をベースに、DLSSとフレーム生成の有無による3パターンの描画設定を、フルHD~4Kまでの画面解像度でテストした。なお、グラフについては画面解像度ごとにまとめている。

 DLSS無効時のGeForce RTX 4080は、GeForce RTX 4090を14~28%下回り、GeForce RTX 3080を48~272%上回った。4KでGeForce RTX 3080と極端な差がついたのは、GeForce RTX 3080がVRAM容量不足で性能を発揮できなかったためであり、VRAM容量が16GBに増量されたことがGeForce RTX 4080の大きな強化ポイントであることが分かる。

 フレーム生成を行なわないDLSS有効時の結果では、GeForce RTX 4080はGeForce RTX 4090を2~16%下回り、GeForce RTX 3080を27~50%上回った。フルHDではGeForce RTX 4090との差が僅差となっているが、これはCPUのボトルネックでフレームレートの限界が120fps前後に存在しているためだ。

 DLSS 3のフレーム生成を有効化した場合、GeForce RTX 4080はGeForce RTX 4090を7~19%下回っているが、平均フレームレートはフルHDで約211.48fps、WQHDで約155.02fps、4Kでは114.24fpsを記録しており、GPU負荷の高いサイバーパンク2077の結果とは思えないほど高いフレームレートを実現している。

【グラフ17】サイバーパンク2077 (v1.6_DLSS 3対応ベータ版)「フルHD (1,920×1,080ドット)」
【グラフ18】サイバーパンク2077 (v1.6_DLSS 3対応ベータ版)「WQHD (2,560×1,440ドット)」
【グラフ19】サイバーパンク2077 (v1.6_DLSS 3対応ベータ版)「4K (3,840×2,160ドット)」

Microsoft Flight Simulator

 Microsoft Flight Simulatorでは、DLSS 3対応のベータ版である「Sim Update 11(v1.29.25.0)」で、フルHD~4Kまでの画面解像度をテストした。結果は画面解像度ごとにまとめている。

 なお、テストではグラフィックスAPIを「DirectX 12」、画質プリセットを「ウルトラ」にそれぞれ設定。羽田空港から関西国際空港へのルートをエアバスA320neoでAIに飛行させ、離陸から3分間の平均フレームレートを計測した。DLSS有効時の超解像設定については、品質重視の「DLAA」を適用している。

 DLSS無効時のGeForce RTX 4080はGeForce RTX 4090とほぼ同等のフレームレートを記録している。これはCPUのボトルネックが大きく影響しているためで、4Kでは52%上回ったGeForce RTX 3080にWQHD以下ではそん色ないフレームレートを記録されている。

 DLSSを「DLAA」で有効化した際のGeForce RTX 4080は、WQHDまではGeForce RTX 4090と同等のパフォーマンスを発揮しているが、4Kでは約7%下回っている。これは、DLAAはネイティブ解像度に対してDLSSベースのアンチエイリアシングを行なう設定であるため、増加した負荷によってGPUのボトルネックが生じたためだ。

 DLSS 3によるフレーム生成を行なった場合、GeForce RTX 4080は全ての画面解像度で100fps以上のフレームレートを記録。フルHDとWQHDではGeForce RTX 4090を約2%下回り、4Kでは約21%下回っている。CPUボトルネックの壁を超えてフレームレートを向上させられるのはDLSS 3の魅力であり、それはGeForce RTX 4080でも変わらない。

【グラフ20】Microsoft Flight Simulator (v1.29.25.0)「フルHD (1,920×1,080ドット)」
【グラフ21】Microsoft Flight Simulator (v1.29.25.0)「WQHD (2,560×1,440ドット)」
【グラフ22】Microsoft Flight Simulator (v1.29.25.0)「4K (3,840×2,160ドット)」

Forza Horizon 5

 Forza Horizon 5では、画質プリセットを「エクストリーム」に設定して、フルHD~4Kまでの画面解像度でゲーム内ベンチマークモードを実行した。

 GeForce RTX 4080は、GeForce RTX 4090を4~18%下回り、GeForce RTX 3080を32~46%上回った。

【グラフ23】Forza Horizon 5 (v1.527.960.0)

DIRT 5

 DIRT 5では、画質プリセットを「Ultra High」に設定して、フルHD~4Kまでの画面解像度でゲーム内ベンチマークモードを実行した。全ての条件でレイトレーシング(Raytraced Vehicle Shadows)を有効にしている。

 GeForce RTX 4080は、GeForce RTX 4090を19~29%下回り、GeForce RTX 3080を44~55%上回った。

【グラフ24】DIRT 5 (v1.0.277037.506)

フォートナイト

 フォートナイトでは、グラフィックプリセット「最高」をベースに、レイトレーシングとDLSSの有無による3パターンの設定で、フルHD~4Kまでの画面解像度の平均フレームレートを計測した。テスト時のグラフィックスAPIはDirectX 12で、結果は画面解像度ごとにまとめている。

 レイトレーシングとDLSSを無効にした際のGeForce RTX 4080は、フルHDで276.4fps、WQHDで213.3fps、4Kで114.5fpsを記録。GeForce RTX 4090を7~22%下回り、GeForce RTX 3080を25~41%上回った。

 レイトレーシングを最高品質で有効にした場合、GeForce RTX 4080はフルHDで127.8fps、WQHDで79.3fps、4Kで37.7fpsを記録。GeForce RTX 4090を17~32%下回り、GeForce RTX 3080を56~59%上回った。

 DLSSとレイトレーシングを有効にした際のGeForce RTX 4080は、フルHDで163.0fps、WQHDで132.9fps、4Kで106.9fpsを記録。GeForce RTX 4090を7~21%下回り、GeForce RTX 3080を24~55%上回った。

【グラフ25】フォートナイト (v22.30)「フルHD (1,920×1,080ドット)」
【グラフ26】フォートナイト (v22.30)「WQHD (2,560×1,440ドット)」
【グラフ27】フォートナイト (v22.30)「4K (3,840×2,160ドット)」

エーペックスレジェンズ

 エーペックスレジェンズでは、描画設定を可能な限り高く設定して、フルHD~4Kまでの画面解像度で平均フレームレートを計測した。テスト時の上限フレームレートは300fps。

 GeForce RTX 4080は、フルHDで280.7fps、WQHDで254.9fps、4Kで182.7fpsを記録。GeForce RTX 4090を6~25%下回り、GeForce RTX 3080を29~48%上回った。

【グラフ28】エーペックスレジェンズ (v3.0.17.26)

オーバーウォッチ 2

 オーバーウォッチ 2では、描画品質をもっとも高い「エピック」に設定して、フルHD~4Kまでの画面解像度で平均フレームレートを計測した。テスト時の上限フレームレートは600fps。

 GeForce RTX 4080は、フルHDで422.6fps、WQHDで315.0fps、4Kで167.5fpsを記録。GeForce RTX 4090を21~31%下回り、GeForce RTX 3080を33~54%上回った。

【グラフ29】オーバーウォッチ 2 (v2.1.1.0.106617)

アサシン クリード ヴァルハラ

 アサシン クリード ヴァルハラでは、画質プリセットを「最高」に設定して、フルHD~4Kまでの画面解像度でゲーム内ベンチマークモードを実行した。

 GeForce RTX 4080は、フルHDで189fps、WQHDで153fps、4Kで95fpsを記録。GeForce RTX 4090を7~22%下回り、GeForce RTX 3080を32~37%上回った。

【グラフ30】アサシンクリード ヴァルハラ (v1.6.1)

モンスターハンターライズ:サンブレイク

 モンスターハンターライズ:サンブレイクでは、画質プリセットを「高」に設定して、フルHD~4Kまでの画面解像度で平均フレームレートを計測した。

 Ryzen 7700XにDDR5-6000メモリを組み合わせた今回の環境では、210fps前後でCPU側のボトルネックが生じているようで、WQHD以下ではGeForce RTX 4080と比較用GPUがかなり近いフレームレートとなっている。

 4KではGPU性能の差がフレームレートに反映されており、GeForce RTX 4080はGeForce RTX 4090を約25%下回り、GeForce RTX 3080を約32%上回っている。

【グラフ31】モンスターハンターライズ:サンブレイク (v12.0.1.1)

エルデンリング

 エルデンリングでは、画質プリセットを「最高」に設定して、フルHD~4Kまでの画面解像度で平均フレームレートを計測した。ゲームの上限フレームレートは60fpsで、自動描画調整は無効にしている。

 結果はグラフを見れば一目瞭然で、今回テストした全てのGPUは4Kでも上限フレームレートの60fpsに張り付いているため、パフォーマンスに差はつかなかった。

【グラフ32】エルデンリング (v1.07)

Blender Benchmark 3.1.0

 Blender Benchmark 3.1.0では、標準で用意されている3つのシーン(monster、Junkshop、classroom)をテストした。テストに用いたBlenderのバージョンは「3.3.0」。

 GeForce RTX 4080はGeForce RTX 4090を23~25%下回り、GeForce RTX 3080を54~92%上回った。

【グラフ33】Blender Benchmark 3.1.0 (Blender v3.3.0)

システムの消費電力とワットパフォーマンス

 ワットチェッカーを使ってシステムの消費電力を測定し、アイドル時の最小消費電力と、ベンチマーク実行中の平均消費電力および最大消費電力をグラフ化した。

 アイドル時消費電力で104.1Wを記録したGeForce RTX 4080は、100.1WのGeForce RTX 3080に次ぐ2番手の結果で、GeForce RTX 4090の117.4Wより13Wほど低い数値だった。

 ベンチマーク実行中にGeForce RTX 4080が記録した平均消費電力は269.7~445.7Wで、これはGeForce RTX 3080の449.8~489.8Wや、GeForce RTX 4090の281.7~601.7Wを下回り、全てのテストでもっとも低い消費電力となっている。

 なお、60fpsで各GPUのパフォーマンスが頭打ちになっていたエルデンリング実行中の消費電力は、GeForce RTX 40シリーズが300W未満であるのに対し、GeForce RTX 3080は平均474.6Wを記録している。GPU的に余裕のある状況では省電力機能が作動し、無駄な電力を消費しないように動作していることが伺える。

【グラフ34】ベンチマーク実行中とアイドル時のシステムの消費電力 (平均/最大)

 ベンチマーク実行中のシステム平均消費電力で、ベンチマークスコアや平均フレームレートを割ることによって求めた「ワットパフォーマンス」をまとめてみた。

 ワットパフォーマンスについては、GeForce RTX 4080とGeForce RTX 4090はテストによって優劣が入れ替わる程度に僅差だが、どちらもGeForce RTX 3080より明確に高いことが見てとれる。

 ワットパフォーマンスの差を分かりやすくするため、GeForce RTX 3080を基準に指数化したグラフをみると、GeForce RTX 4080はGeForce RTX 3080の1.5~1.7倍程度のワットパフォーマンスを実現していることが分かる。

【グラフ35】各GPU搭載システムのワットパフォーマンス(スコア/平均消費電力)
【グラフ36】GeForce RTX 3080搭載システムのワットパフォーマンスを100%とした場合

ベンチマーク実行中のモニタリングデータ

 モニタリングソフトのHWiNFO64 Pro v7.32を使って取得した、FINAL FANTASY XVベンチマーク(4K/高品質)実行中のモニタリングデータから、GPU温度などをまとめてみた。

 GeForce RTX 4080のGPU温度は最大61.0℃(平均57.2℃)、メモリ温度は最大68.0℃(平均62.9℃)で、サーマルスロットリングが作動した様子は見られない。GPU消費電力も最大306.2W(平均281.1W)で、電力リミットの320W未満で動作しており、GPUクロックも終始2,800MHz前後を維持している。

【グラフ37】FINAL FANTASY XVベンチマーク「4K/高品質」実行中のGPU温度 (平均/最大)
【グラフ38】FINAL FANTASY XVベンチマーク「4K/高品質」実行中の消費電力 (平均/最大)
【グラフ39】FINAL FANTASY XVベンチマーク「4K/高品質」実行中の動作クロック (平均/最大)
【グラフ40】FINAL FANTASY XVベンチマーク「4K/高品質」実行中のGPU使用率 (平均/最大)
【グラフ41】GeForce RTX 4080のモニタリングデータ
【グラフ42】GeForce RTX 4090のモニタリングデータ
【グラフ43】GeForce RTX 3080のモニタリングデータ

上位モデルとの差は大きいものの、それでも従来のハイエンドを圧倒できるGeForce RTX 4080

 GeForce RTX 4080のパフォーマンスは、先に登場したGeForce RTX 4090より3割ほど低いものであり、ラインナップ上で隣接するモデルとしては大きな差が存在する。

 ただ、それでも従来のハイエンドGPUであるGeForce RTX 3080を3~5割ほど上回る素晴らしいゲーミング性能を備えており、それに見合う16GBのVRAMを搭載したGeForce RTX 4080は、新世代のハイエンドGPUと呼ぶに相応しいGPUだ。

 ゲーミング性能に優れたIntelとAMDの新CPUの登場や、DLSS 3に正式対応するゲームタイトルが登場してきたことで、GeForce RTX 4080が優れたパフォーマンスを発揮できる環境が整いつつある。ゲーミングPCの新調やアップグレードを検討しているパワーゲーマーにとって、GeForce RTX 4080はGeForce RTX 4090とともに検討すべきGPUの1つとなるだろう。