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NVIDIA、従来より最大4倍速い「GeForce RTX 4090」。1,599ドルで10月12日発売

GeForce RTX 4090

 米NVIDIAは20日(現地時間)、Ada Lovelaceアーキテクチャを採用した新世代GPU「GeForce RTX 40」シリーズを発表した。最上位の「GeForce RTX 4090」は24GBのGDDR6Xメモリを搭載し、1,599ドルで10月12日発売、上位の「GeForce RTX 4080」は16GBメモリまたは12GBのGDDR6Xメモリを搭載し、それぞれ1,199ドルと899ドルで11月より発売する。

 TSMCの4Nプロセスによって製造され、760億トランジスタを集積。CUDAコア数は18,000以上にのぼり、従来のAmpere世代から70%も増加した。

 新しいStreaming Multiprocessorは前世代から2倍以上の性能となる90TFLOPSを達成。RTコアは第3世代に進化し、Opacity Micromapエンジンにより、ジオメトリのアルファテストにおけるレイトレーシング性能は最大2倍に高速化した。

 また、シェーダー実行リオーダリング(SER)により、レイトレーシングにおけるシェーダー処理の効率を向上させ、レイトレーシング性能が最大2~3倍に向上。ゲーム全体の性能が25%改善するという。Tensorコアは第4世代となり、Hopperにも搭載されているFP8のTransformerエンジンを搭載し、1.4PFLOPSのTensor性能を達成したとしている。

GeForce RTX 4080
Ada Lovelaceは世界初のコンピュータプログラマーと呼ばれている
Ada LovelaceアーキテクチャのGPU
Ada Lovelaceの主な特徴
シェーダー実行リオーダリングによりシェーダーの利用効率を高め、レイトレーシング性能が2~3倍荷向上し、ゲーム全体の性能が25%改善するという。この機能はIntel ArcにあるThread Sorting Unitに似ている

 その一方でエネルギー効率も重視して開発され、Ampereと同じ電力で2倍以上の性能を達成。さらに、ラボではAda Lovelaceの動作クロックを3GHz以上にオーバークロックすることもできたという。

高効率なAda Lovelaceで、Ampereの2倍の電力効率を達成。3GHz以上のオーバークロックも実現

 同時に、高解像化を行なう新しい「DLSS 3」技術を導入。オプティカルフローアクセラレータ、ゲームエンジンモーションベクター、折りたたみオートエンコーダーによるAIフレーム生成、Reflex超低遅延パイプラインにより、リアルタイムレイトレーシングを使うゲーム性能を大幅に改善させるという。

 DLSS 3に対応したゲームとしては「Cyberpunk 2077」および「Microsoft Flight Simulator」を挙げており、いずれも2倍以上の性能改善を実現できる。CUDAコア数の増加ならびにRTコアの改善と組み合わせ、4倍も高速化するとしている。

DLSS 3の技術
Cyberpunk 2077およびMicrosoft Flight Simulatorが対応発表。いずれもRTXがオンの時で2倍の性能改善を実現

 NVIDIAのストリーミングにて、Valveが2007年にリリースしたゲーム「Portal」をリアルタイムレイトレーシングに対応させたバージョン「Portal RTX」が発表。GeForce RTX 40シリーズ投入後に配信予定だという。また、各種ゲームの高画質化MODを容易に作れるOmniverseアプリケーション「RTX Remix」も投入する予定としている。

Portal RTX
高画質化MODが容易に作れるRTX Remix

 また、将来のゲームはあらゆるものがプリレンダリングやベイクのものではなく、シミュレーションによって実現するとし、そのベースとなるOmniverseによって構築されたインタラクティブシミュレーション「RacerX」をデモ。これもAda Lovelace上で、1つのGPUで実現できるとした。

全ての要素がシミュレーションになっているゲーム「RacerX」