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RTX 4090と第13世代Coreが実現する圧倒的性能。マウスの最上位ゲーミングPC「G-Tune XP-Z」をレビュー

G-Tune XP-Z

 マウスコンピューターから、GeForce RTX 4090を搭載したゲーミングPC「G-Tune XP-Z」がやってきた。圧倒的な性能を備えるハイエンドGPUと、Intelの16コア/24スレッドCPUであるCore i7-13700KFを搭載するG-Tune XP-Zは、まさしく最先端のハイエンドゲーミングPCだ。

 今回は、このG-Tune XP-Zが実現するゲーミング性能を、GeForce RTX 3090を搭載する従来のハイエンドゲーミング環境との比較を通して確認する。

精悍なデザインのフルタワーケースを採用するG-Tune XP-Z

 G-Tune XP-Zは、マウスコンピューターが展開するゲーミングPCブランド「G-Tune」における、フラグシップゲーミングデスクトップPC「G-Tune XPシリーズ」に属する製品で、フルタワー筐体にCore i7-13700KFとGeForce RTX 4090を搭載した最先端のハイエンドゲーミングPCだ。標準構成の販売価格は67万9,800円。

【表1】G-Tune XP-Zのスペック
OSWindows 11 Pro
CPUCore i7-13700KF(8P+8Eコア/24スレッド)
GPUGeForce RTX 4090(24GB)
マザーボードIntel Z790チップセット搭載マザーボード
CPUクーラー360mm水冷CPUクーラー
メモリ64GB DDR5-4400(32GB×2)
SSD2TB NVMe SSD(PCIe 4.0 x4)
HDD4TB HDD
光学ドライブDVDスーパーマルチドライブ
有線LAN2.5GbE
電源1,000W電源(80PLUS Platinum)
サイズ(突起部含む)約220×490×501mm
Intelの16コア(8P+8E)/24スレッドCPU「Core i7-13700KF」
NVIDIA最新のハイエンドGPU「GeForce RTX 4090」

 G-Tune XP-Zの筐体は、ダーククロム強化ガラスと赤いアルミパネルを組み合わせた前面パネルの精悍なデザインが印象的なフルタワーケースで、本体のフレームは剛性の高い1.2mm厚のスチールフレームで構成されている。突起部を含めた筐体サイズは約220×490×501mm。

 前面パネルの強化ガラスはケース内部が透けて見えるものではなく、アルミパネルとの組み合わせで質感を魅せるためのもので、シンプルながらも精悍でハイエンドPCに相応しいビジュアルを実現している。なお、側面パネルを強化ガラスに変更したり、内部の冷却ファンをLED搭載品に変更するなど、ケース内部やLEDイルミネーションを楽しみたいユーザー向けのオプションも用意されている。

黒を基調とした筐体デザインのアクセントとなっている前面パネル。ダーククロム強化ガラスと赤いアルミパネルで構成されている
前面パネル上部に集約されたインターフェイス群。電源スイッチ、インジケータLEDのほか、USB 3.0×2、USB 2.0×2、オーディオ入出力を備えている
前面パネル底部にはスロットイン方式のDVDスーパーマルチドライブを搭載。近年は省略されがちな光学ドライブだが、あると便利な機能だろう
本体右側面。黒く塗装されたスチール製の側面パネルは、上部に六角形デザインの通気口が設けられている
本体左側面にも右側面と同じデザインの側面パネルを採用している。オプションで強化ガラス製のパネルを選択することもできる
本体背面。上部に電源ユニット、真ん中にマザーボードのバックパネルインターフェイス、底部にビデオカードの出力が配置されている
本体底面には開口部の広い通気口が設けられており、左側面から着脱できるダストフィルタを装備している

 ケース内部は、左側面がマザーボードを始めとするメインコンポーネントの搭載スペースとなっており、右側面にはHDDや電源ユニット、光学ドライブが配置されている。

 側面パネルがスチール製の標準構成ではケース内が見えないが、内部の各デバイスへの配線はスマートにまとめられており、すっきりした内装に組み上げられている。また、重量級のビデオカードも専用のサポートステイでしっかり固定されており、各パーツがケースのフレームにしっかり保持されている様子から、堅牢な作りであるという印象を受けた。

左側面内部。マザーボードを始めとする主要パーツの搭載スペースとなっている
重量級のGeForce RTX 4090搭載ビデオカードは、専用のサポートステイでしっかり保持されていた
CPUの冷却には360mmサイズのオールインワン水冷を標準採用
右側面内部。HDDや電源ユニット、光学ドライブが配置されている

最新鋭ハイエンドゲーミングPCの性能をベンチマークテストでチェック
Core i7-12700K+GeForce RTX 3090との比較も実施

 ここからは、ベンチマークテストでG-Tune XP-Zの性能をチェックする。実施したベンチマークテストは、「Cinebench R23」、「Blender Benchmark」、「3DMark」、「PCMark 10」、「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ ベンチマーク」。

 このテストにさいして、Core i7-12700KとGeForce RTX 3090という従来のハイエンドゲーミングPCに相当する検証環境をG-Tune XP-Zの比較対象として用意した。テスト実行時の両環境の詳細を以下の表に記載した。

【表2】テスト条件
機材G-Tune XP-Z比較機材(Core i7-12700K環境)
CPUCore i7-13700KF(8P+8Eコア/24スレッド)Core i7-12700K(8P+4Eコア/20スレッド)
マザーボードIntel Z790チップセット搭載マザーボードASUS ROG STRIX Z690-F GAMING WIFI
CPU電力/温度リミットPL1=125W、PL2=253W、Tau=56秒PL1=125W、PL2=190W、Tau=56秒
CPU温度リミット100℃100℃
メモリ64GB DDR5-4400(32GB×2)32GB DDR5-4800(16GB×2)
GPUGeForce RTX 4090(24GB)GeForce RTX 3090 Founders Edition(24GB)
GPUドライバGame Ready Driver 526.47(31.0.15.2647)Game Ready Driver 526.47(31.0.15.2647)
Resizable BAR有効有効
システム用SSD2TB NVMe SSD(PCIe 4.0 x4)WD Black SN770 1TB(PCIe 4.0 x4)
HDD4TB HDD-
電源1,000W電源(80PLUS Platinum)1,050W電源(80PLUS Platinum)
OSWindows 11 Pro 22H2(build 22621.755、VBS有効)Windows 11 Pro 22H2(build 22621.755、VBS有効)
電源プランバランスバランス
比較用のCPUは「Core i7-12700K」。1世代前の12コア(8P+4E)/20スレッドCPUだ
GeForce RTX 30シリーズのハイエンドGPU「GeForce RTX 3090」

Cinebench R23

 CPUの3DCGレンダリング性能を計測するCinebench R23では、Multi Coreで25,915を記録したG-Tune XP-ZのCore i7-13700KFが、21,612のCore i7-12700Kを約20%上回った。

 Core i7-13700KFはSingle Coreでも2,117を記録して、Core i7-12700Kの1,874を約13%上回っており、マルチスレッドとシングルスレッドの両面で、明確に前世代を超える性能を発揮している。

【グラフ01】Cinebench R23(R23.200)「Multi Core」
【グラフ02】Cinebench R23(R23.200)「Single Core」

Blender Benchmark

 Blenderの公式ベンチマークソフトである「Blender Benchmark」では、CPUとGPUでそれぞれテストを実行した。

 CPU同士の比較では、G-Tune XP-ZのCore i7-13700KFがCore i7-12700Kより14~30%優れた結果となり、Cinebench R23と同じようにCPU性能が向上していることを示した。

【グラフ03】Blender Benchmark v3.1.0(Blender v3.3.0)「CPU」

 一方、GPU同士の比較はCPU以上の大差がついており、G-Tune XP-Zに搭載されているGeForce RTX 4090は、従来のハイエンドGPUであるGeForce RTX 3090を72~129%も上回ってみせた。

 最新鋭のハイエンドGPUであるGeForce RTX 4090、そしてそれを搭載するG-Tune XP-Zが、クリエイティブシーンで圧倒的なGPU性能を発揮することを示す結果だ。

【グラフ04】Blender Benchmark v3.1.0(Blender v3.3.0)「GPU」

3DMark「CPU Profile」

 CPUの性能をスレッド数ごとに確認する3DMarkのCPU Profileでは、Core i7-13700KFがCore i7-12700Kを9~24%超える結果となった。

【グラフ05】3DMark v2.25.8043「CPU Profile」

PCMark 10

 PCMark 10で最もテスト数の多いExtendedを実行した結果、G-Tune XP-ZはCore i7-12700K環境を総合スコアで約25%上回った。

 G-Tune XP-Zはすべての項目で比較環境に勝利しているが、特にCPUのマルチスレッド性能が反映されやすいDigital Content Creationや、GPU性能が大きく影響するGamingでは比較環境を大きく差をつけていることが確認できる。

【グラフ06】PCMark 10 Extended(v2.1.2574)

3DMark

 3DMarkでは先に紹介したCPU Profile以外に、ゲーミング性能を計測するテストである「Speed Way」、「Port Royal」、「Time Spy」、「Fire Strike」、「Wild Life」を実行した。

 GeForce RTX 4090を搭載するG-Tune XP-Zのスコアは圧巻で、各テストの中でも特にGPU負荷の高いSpeed Wayで約84%、リアルタイムレイトレーシングを用いるPort Royalでも約88%、それぞれGeForce RTX 3090を搭載する比較環境を上回った。

【グラフ07】3DMark v2.25.8043「Speed Way」
【グラフ08】3DMark v2.25.8043「Port Royal」
【グラフ09】3DMark v2.25.8043「Time Spy」
【グラフ10】3DMark v2.25.8043「Fire Strike」
【グラフ11】3DMark v2.25.8043「Wild Life」

ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ ベンチマーク

 ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ ベンチマークでは、フルHDと4Kの最高品質設定でベンチマークを実行し、スコアと平均フレームレートを計測した。

 G-Tune XP-Zのスコアは、フルHDで約28%、4Kでは約78%も比較環境より優れた結果となった。平均フレームレートに関してもスコアとほぼ同様の差がついており、フルHDで265.1fps、4Kでも182.8fpsという高いフレームレートを記録した。

 フルHDで実行するこのベンチマークテストは、GPU負荷的にはハイエンドGPUにとっては軽い部類に入るため、CPU性能のボトルネックで差が付きにくくなる条件なのだが、それでも3割近くの差がついたのは、G-Tune XP-Zが搭載するCore i7-13700KFがゲーミングシーンでも優れた性能を発揮しているためだろう。

【グラフ12】ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ ベンチマーク「スコア」
【グラフ13】ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ ベンチマーク「平均フレームレート」

実際のゲームでも圧倒的な性能を発揮するG-Tune XP-Z

 ベンチマークテストでは、CPUとGPUともに従来の製品を上回る性能を発揮したG-Tune XP-Z。ここからは、実際のゲームを使ってその性能を比較する。

 テストしたゲームは「オーバーウォッチ 2」、「サイバーパンク2077」、「Microsoft Flight Simulator」の3本で、Microsoft Flight SimulatorではGeForce RTX 4090がサポートする新機能「DLSS 3」の効果もテストした。

オーバーウォッチ 2

 オーバーウォッチ 2では、グラフィックプリセットを最高の「エピック」に設定して、フルHDと4Kで平均フレームレートを計測した。テスト時の上限フレームレートは600fps。

 GeForce RTX 4090を搭載するG-Tune XP-Zは、フルHDで平均546.3fps、4Kでも平均248.5fpsという圧倒的なハイフレームレートを記録した。

 これは、GeForce RTX 3090を搭載する比較環境を66~91%も上回るものであり、実ゲームでもGeForce RTX 4090とCore i7-13700KFの組み合わせが、すばらしい性能を発揮することを示している。

【グラフ14】オーバーウォッチ 2(v2.1.1.0.106617)

サイバーパンク2077

 サイバーパンク2077では、グラフィックプリセットを「レイトレーシング:ウルトラ」に設定して、ゲーム内ベンチマークモードを実行。平均フレームレートを計測した。

 G-Tune XP-Zが記録した平均フレームレートは、フルHDが131.3fpsで、4Kは103.5fps。これは、比較環境が記録した平均フレームレートをそれぞれ約28%と約69%上回った。

 フルHDではCPUがボトルネック気味で比較環境との差が3割程度に留まったものの、画面解像度を4Kに引き上げても100fps以上の平均フレームレートを発揮できるGPU性能は驚異的だ。

【グラフ15】サイバーパンク2077(v1.6)

Microsoft Flight Simulator

 Microsoft Flight Simulatorでは、DLSS 3対応ベータ版のSim Update 11を適用した状態で、平均フレームレートの計測を行なった。テスト時のグラフィックプリセットは「ウルトラ」で、アンチエイリアス設定は「DLSS(DLAA)」、グラフィックスAPIは「DirectX 12」。

 GeForce RTX 4090を始めとするGeForce RTX 40シリーズで導入されたDLSS 3では、レンダリングによって描画したフレームの間に、AIベースでの補完フレームの生成機能が追加されており、これを有効にした時のG-Tune XP-Zは、フルHDと4Kの両方で約120fpsという傑出した平均フレームレートを記録した。

 もともと、CPU性能が大きなボトルネックとなっているMicrosoft Flight Simulatorでは、フレーム生成を行なわないG-Tune XP-Zと比較環境との差は11~19%と近いものとなっているが、DLSS 3のフレーム生成が利用できるGeForce RTX 4090なら、CPUのボトルネックを超えて滑らかな表示を得ることができる。

【グラフ16】Microsoft Flight Simulator(v1.29.25.0)

最新鋭のパーツで新時代のゲーミング性能。ビジュアルもフラグシップに相応しいG-Tune XP-Z

 GeForce RTX 4090とCore i7-13700KFという最新鋭のプロセッサを搭載したG-Tune XP-Zは、従来のハイエンドゲーミングPCを圧倒する驚異的なゲーミング性能を実現していた。何よりもゲーミングシーンにおける性能を重視するパワーゲーマーやエンスージアストにとって、G-Tune XP-Zは間違いなく魅力的なものだ。

 堅牢な構造と華美な装飾を省いた精悍なビジュアルが特徴のフルタワーケースに、確かな技術でハイエンドパーツを組み込んだG-Tune XP-Zは、新時代のフラグシップモデルに相応しい性能とビジュアルを兼ね備えたハイエンドゲーミングPCだ。質実剛健なゲーミングPCを求めているなら、カスタマイズプランを含めて検討したい1台である。