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11万円台からのエントリー向けでも64GBメモリ、第4世代SSDを搭載できる14型モバイルノート「MousePro-NB211H」

マウスコンピューター「MousePro-NB211H」直販価格119,680円

 マウスコンピューターは14型ノートPC「MousePro-NB211H」を発売した。本製品は第11世代(Tiger Lake)の「Core i5-1135G7」を採用したエントリー向けモバイルノート。CPUは1世代古いが、ディスプレイが180度開き、USB Type-C端子がUSB PDに対応するなど使い勝手は良好。また直販価格11万9,680円という比較的リーズナブルな価格設定もポイントだ。

 今回本製品の実機を借用したので、詳細スペック、使い勝手、パフォーマンスなどについてレビューをお届けしよう。

CPUには第11世代(Tiger Lake)の「Core i5-1135G7」を採用

CPUは「Core i5-1135G7」、「Core i7-1165G7」搭載の上位モデルも用意

 「MousePro-NB211H」はOSに「Windows 11 Pro」、CPUに「Core i5-1135G7」(4コア8スレッド、2.4~4.2GHz)を採用。メモリは8GB(DDR4-3200 8GB)、ストレージは256GB(PCIe 3.0 x4 SSD)を搭載している。

 ディスプレイは14型フルHD液晶を搭載。上部には100万画素Webカメラとデュアルアレイマイクが内蔵されている。生体認証はタッチパッドに内蔵された指紋認証センサーだ。

 インターフェイスはUSB 3.1 Type-C(映像出力、USB PD対応)×1、USB 3.1×1、USB 2.0×1、HDMI×1、Gigabit Ethernet×1、microSDカードリーダ×1、3.5mmコンボジャック×1を用意。ワイヤレス通信はWi-Fi 5(IEEE 802.11ac)、Bluetooth 5をサポートしている。

 本体サイズは約324.9×219.5×19.7mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1.35kg。設計容量48,260mWh、フル充電容量49,795mWh(Battery reportで確認)のバッテリを内蔵しており、バッテリ駆動時間は約10時間(JEITA2.0準拠)と謳われている。

 本製品をマウスコンピューターの直販サイトから購入する際にはカスタマイズが可能。メモリは8GB/16GB/32GB/64GB、ストレージは256GB/512GB/1TB/2TB(PCIe 3.0 x4またはPCIe 4.0 x4接続)、無線LANは「なし」/Wi-Fi 5/Wi-Fi 6などから選択可能。

 なお本製品自体はCPUをカスタマイズできないが、「Core i7-1165G7」を採用する上位モデル「MousePro-NB211Z」(直販価格139,480円)が用意されている。より高い性能が必要なら、この上位モデルもチェックしてほしい。

【表1】MousePro-NB211Hのスペック
型番2205MPro-NB211HW11
OSWindows 11 Pro(バージョン21H2)
CPUCore i5-1135G7(4コア8スレッド、2.40~4.20GHz、28W)
GPUIntel UHD Graphics
メモリDDR4-3200 SO-DIMM 8 GB(8GB×1、最大64GB)
ストレージ256GB PCIe 3.0 x4 SSD
ディスプレイ14型フルHD液晶(1,920×1,080ドット、157ppi、60Hz、輝度非公表、色域非公表、非光沢、タッチ非対応、スタイラス非対応)
ワイヤレス通信Wi-Fi 5(11ac)、Bluetooth 5
WWAN
インターフェイスUSB 3.1 Type-C(映像出力、USB PD対応)×1、USB 3.1×1 、USB 2.0×1、HDMI×1、Gigabit Ethernet×1、microSDカードリーダ×1、3.5mmコンボジャック×1
カメラ100万画素
バッテリ容量設計容量48,260mWh、フル充電容量49,795mWh(Battery reportで確認)
バッテリ駆動時間約10時間(JEITA2.0準拠)
本体サイズ約324.9×219.5×19.7mm(幅×奥行き×高さ)
重量約1.35kg
セキュリティWindows Hello対応指紋認証センサー
オフィスアプリオプション
同梱品ACアダプタ、電源ケーブル、説明書(製品仕様、ファーストステップガイド、サポートマニュアル、保証書)
価格11万9,680円~
天板と底面にはアルミニウム素材を採用。本体サイズは約355.5×236.7×20.6mm(幅×奥行き×高さ)
本体底面には実測271×66mmの冷却口が開かれている
本体前面と本体背面
右側面にはUSB 3.1 Type-C(映像出力、USB PD対応)×1、USB 3.1×1 、HDMI×1、電源端子、左側面にはセキュリティロックスロット×1、Gigabit Ethernet×1、microSDカードリーダ×1、USB 2.0×1、電源ボタン、3.5mmコンボジャック×1を用意
ディスプレイは15.6型フルHD液晶(1,920×1,080ドット、141ppi、60Hz、輝度非公表、sRGB比約100%、非光沢、タッチ非対応、スタイラス非対応)
キーボードは88キーの日本語配列。タイピングしやすさに配慮した新設計のキーボードとのことだ
ディスプレイは最大180度まで展開できる。対面の人と一緒に画面を見ながらPCを操作可能だ
パッケージには本体以外に、ACアダプタ、電源ケーブル、説明書類(製品仕様、ファーストステップガイド、サポートマニュアル、保証書)が同梱
ACアダプタのコード長は実測150cm、電源ケーブルの長さは実測100cm
ACアダプタの型番は「A19-045N1A」。仕様は入力100-240V~1A、出力19V/2.37A、容量45W
本体の実測重量は1344.5g
ACアダプタと電源ケーブルの合計重量は実測202.6g
システム情報
主要なデバイス
初回起動時のCドライブの空き容量は206.56GB
「powercfg /batteryreport」コマンドを実行したところ、DESIGN CAPACITYは48,260mWh、FULL CHARGE CAPACITYは49,795mWhと表示された
「HWiNFO64 Pro」で取得したシステムの概要

エントリー向けとしては必要十分なキーボード&マウス

 「MousePro-NB211H」は88キーの日本語配列キーボードを採用。キーピッチは約19.1mm、キーストロークは約1.2mmだ。底打ちするぐらい強く打つとキーボード面はややたわむが、打鍵感に違和感を覚えるほどではない。全体が沈み込むダイビングボード構造のタッチパッドは実測121×72mm(幅×奥行き)が確保されており、クリック感も良好だ。どちらももうちょっと剛性があればと欲が出てしまうが、エントリー向けとしては必要十分な品質を備えている。

キーピッチは約19.1mm
キーストロークは約1.2mm
「F」キーの押圧力は0.5N
キーボードの押圧力の一例
FキーEnterキーSpaceキー
MousePro-NB211H0.5N0.54N0.58N
DAIV 7N(2021年モデル)0.56N0.53N0.53N
14インチMacBook Pro0.5N0.5N0.52N
レノボ Legion 560 Pro0.55N0.57N0.52N
タッチパッドの面積は実測121×72mm(幅×奥行き)
タッチパッド左奥には指紋認証センサーが内蔵されており、パスワードを入力せずにロックを解除できる。位置的に左手の親指を登録するのがオススメ

 100万画素Webカメラは室内灯下ではやや暗め。また、Windows 11の「カメラ」アプリでHDR proをオフにして撮影すると、ややノイズが目立った。Web会議などの際には、ある程度明るさや発色などを調整したほうがよさそうだ。

ディスプレイ上部には100万画素Webカメラ、デュアルアレイマイクが内蔵
Windows 11の「カメラ」アプリで撮影(HDR proオフ)
Windows 11の「カメラ」アプリで撮影(HDR proオン)

 14型フルHD液晶ディスプレイは輝度、色域などは公表されていない。カラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で実測したところ、sRGBカバー率は59.1%、sRGB比は59.6%、Adobe RGBカバー率は44.1%、Adobe RGB比は44.1%、DCI-P3カバー率は43.8%、DCI-P3比は43.9%という値が出た。

 実際に写真や動画を表示してみると必要十分な画質を備えていると感じるが、実測した色域はかなり狭いと言わざるを得ない。HDMI端子と、USB Type-C端子を利用して最大3台のディスプレイを接続できるので、色調整などのクリエイティブワークには外部ディスプレイを接続することを推奨する。

14型フルHD液晶ディスプレイは輝度、色域などは公表されていない。液晶パネルはLG製「LP140WFH-SPD1」
実測したsRGBカバー率は59.1%、sRGB比は59.6%
Adobe RGBカバー率は44.1%、Adobe RGB比は44.1%
DCI-P3カバー率は43.8%、DCI-P3比は43.9%
真横からでもなにが映っているのか分かるが、広視野角を謳うディスプレイと比較すると輝度や彩度の変化が大きい

 ステレオスピーカーは、音量自体は大きいものの、小さなスピーカーで無理に大音量を出しているようなひずみを感じる。音楽を聴いたり、ミュージックビデオを鑑賞するのであれば、イヤフォン・ヘッドフォン、外付けスピーカーなどを接続しよう。

YouTubeで公開されている「前前前世(movie ver.) RADWIMPS MV」を最大ボリュームで再生した際の音圧レベルは最大87.3dB(50cmの距離で測定)

一般的な用途には実用十分なパフォーマンス

 最後にパフォーマンスをチェックしよう。今回は下記のベンチマークを実施している。

  • 総合ベンチマーク「PCMark 10 v2.1.2563」
  • 3Dベンチマーク「3DMark v2.22.7359」
  • 実アプリベンチマーク「UL Procyon v2.1.330」
  • CPUベンチマーク「Cinebench R23.200」
  • CPUベンチマーク「Cinebench R20.060」
  • CPUベンチマーク「Cinebench R15.0」
  • 3Dゲームベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」
  • ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 8.0.4a」
  • 「Adobe Lightroom Classic」で100枚のRAW画像を現像
  • 「Adobe Premiere Pro」で実時間5分の4K動画を書き出し

 下記が検証機の仕様とその結果だ。

ベンチマークは、「Control Center 3.0」で動作モードを上限の「バランス」に設定し、「Fan Speed Setting」を「最大」に設定して実施している
【表2】検証機の仕様
MousePro-NB211H
CPUCore i5-1135G7(4コア/8スレッド、2.40~4.20GHz)
GPUIntel UHD Graphics
メモリDDR4-3200 SDRAM 8GB
ストレ-ジ256GB PCIe 3.0 x4 SSD
ディスプレイ14型、1,920×1,080ドット(157ppi)
TDP28W
OSWindows 11 Pro 64bit バージョン21H2
サイズ約324.9×219.5×19.7mm
重量約1.35kg
価格11万9,680円
【表3】ベンチマ-ク結果
PCMark 10 v2.1.2563
PCMark 10 Score4,492
Essentials8,714
App Start-up Score11,608
Video Conferencing Score7,537
Web Browsing Score7,564
Productivity5,876
Spreadsheets Score5,381
Writing Score6,418
Digital Content Creation4,803
Photo Editing Score7,829
Rendering and Visualization Score3,094
Video Editing Score4,575
PCMark 10 Modern Office Battery Life8時間15分
3DMark v2.22.7359
Time Spy Extreme500
Time Spy1,132
Port Royal※非互換
Fire Strike Ultra675
Fire Strike Extreme1,209
Fire Strike2,454
Wild Life Extreme2,025
Wild Life7,177
Night Raid10,469
UL Procyon v2.1.330
Photo Editing Benchmark score3567
Image Retouching score3,368
Batch Processing score3,779
Video Editing score1,175
CINEBENCH R23.200
CPU(Multi Core)4,490 pts
CPU(Single Core)1,322 pts
CINEBENCH R20.060
CPU1,686 pts
CPU(Single Core)506 pts
CINEBENCH R15.0
OpenGL68.42 fps
CPU745 cb
CPU(Single Core)195 cb
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク
1,280×720ドット 標準品質(ノ-トPC)5,909(普通)
1,920×1,080ドット 標準品質(ノ-トPC)3152(設定変更を推奨)
SSDを「CrystalDiskMark 8.0.4a」で計測
1M Q8T1 シーケンシャルリード2,491.000 MB/s
1M Q8T1 シーケンシャルライト970.821 MB/s
1M Q1T1 シーケンシャルリード1,719.613 MB/s
1M Q1T1 シーケンシャルライト969.595 MB/s
4K Q32T1 ランダムリ-ド332.926 MB/s
4K Q32T1 ランダムライト372.294 MB/s
4K Q1T1 ランダムリ-ド53.425 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト148.775 MB/s
「Adobe Lightroom Classic」で100枚のRAW画像を現像
7,952☓5,304ドット、カラ- - 自然7分49秒51
「Adobe Premiere Pro」で実時間5分の4K動画を書き出し
3,840×2,160ドット、30fps5分41秒01

 まずPCMark 10の結果だが、総合スコアは4,492を記録している。PCMark 10の指標「Office laptop(2020)」が4,611なので、「MousePro-NB211H」はその97%のスコアということになる。一方、バッテリベンチマーク「PCMark 10 Modern Office Battery Life」は8時間15分に達しており、モバイルノートとして長時間活躍してくれるだけのバッテリ駆動時間を備えている。

 3DMarkのTime Spyでは1132を記録している。3DMarkの推定ゲームパフォーマンスを見てみると、「Apex Legends」で「Less than 30 FPS(30FPS未満)」となっていた。新しめの3Dゲームは荷が重いようだ。

 ただし、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」は「1,280×720ドット、標準品質(ノートPC)」に設定すれば、「5,909(普通)」というスコアを記録した。画質設定を下げれば、ストレスなくプレイできるゲームは見つかるはずだ。

 CPUベンチマークは、Cinebench R23.200で4,490 pts、Cinebench R20.060で1,686 pts、Cinebench R15.0で745 cbを記録している。これ以上のCPU性能が必要なら、上位モデルの「MousePro-NB211Z」を選択しよう。

 ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 8.0.4a」では、シーケンシャルリード(1M Q8T1)で2,491MB/s、シーケンシャルライト(1M Q8T1)で970.82 MB/sを記録した。エントリー向けとしては実用上十分だが、よりキビキビした動作を欲するのであればPCIe 4.0 x4接続のSSDにアップグレードしよう。

 実アプリのベンチマークでは、「Adobe Lightroom Classic」で100枚のRAW画像を現像するのに7分49秒51、「Adobe Premiere Pro」で実時間5分の4K動画を書き出すのに5分41秒01かかった。クリエイティブワークにはやはり上位モデルの「MousePro-NB211Z」を狙いたいところだ。

「MousePro-NB211H」は「Control Center 3.0」の動作モードから「パフォーマンス」設定が削られている
「Cinebench R23」実行中のCPU温度は平均80.34℃、最大87℃、クロック周波数は平均2,926.8MHz、最大3,349.8MHz
「Cinebench R23」実行中の消費電力は最大52.415W、アイドル時の消費電力は9.25W前後
「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」実行中のキーボード面の最大温度は45.6℃(室温23.8℃で測定)
底面の最大温度は45.1℃
ACアダプタの最大温度は47.5℃

手頃な価格でこだわり抜いたスペックのマシンが手に入る点が魅力

 「MousePro-NB211H」はエントリー向けモバイルノートということで、標準構成のスペックは決して高くはない。しかしメモリは最大64GBまで増設可能で、ストレージは高速なPCIe 4.0 x4接続SSDにアップグレードできる。国内生産なので、カスタマイズしても出荷が早いという点もアドバンテージだ。手頃な価格でこだわり抜いたスペックのマシンを手に入れたいという方は、チェックしてみてはいかがだろうか?