Hothotレビュー
11万円台からのエントリー向けでも64GBメモリ、第4世代SSDを搭載できる14型モバイルノート「MousePro-NB211H」
2022年7月13日 06:12
マウスコンピューターは14型ノートPC「MousePro-NB211H」を発売した。本製品は第11世代(Tiger Lake)の「Core i5-1135G7」を採用したエントリー向けモバイルノート。CPUは1世代古いが、ディスプレイが180度開き、USB Type-C端子がUSB PDに対応するなど使い勝手は良好。また直販価格11万9,680円という比較的リーズナブルな価格設定もポイントだ。
今回本製品の実機を借用したので、詳細スペック、使い勝手、パフォーマンスなどについてレビューをお届けしよう。
CPUは「Core i5-1135G7」、「Core i7-1165G7」搭載の上位モデルも用意
「MousePro-NB211H」はOSに「Windows 11 Pro」、CPUに「Core i5-1135G7」(4コア8スレッド、2.4~4.2GHz)を採用。メモリは8GB(DDR4-3200 8GB)、ストレージは256GB(PCIe 3.0 x4 SSD)を搭載している。
ディスプレイは14型フルHD液晶を搭載。上部には100万画素Webカメラとデュアルアレイマイクが内蔵されている。生体認証はタッチパッドに内蔵された指紋認証センサーだ。
インターフェイスはUSB 3.1 Type-C(映像出力、USB PD対応)×1、USB 3.1×1、USB 2.0×1、HDMI×1、Gigabit Ethernet×1、microSDカードリーダ×1、3.5mmコンボジャック×1を用意。ワイヤレス通信はWi-Fi 5(IEEE 802.11ac)、Bluetooth 5をサポートしている。
本体サイズは約324.9×219.5×19.7mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1.35kg。設計容量48,260mWh、フル充電容量49,795mWh(Battery reportで確認)のバッテリを内蔵しており、バッテリ駆動時間は約10時間(JEITA2.0準拠)と謳われている。
本製品をマウスコンピューターの直販サイトから購入する際にはカスタマイズが可能。メモリは8GB/16GB/32GB/64GB、ストレージは256GB/512GB/1TB/2TB(PCIe 3.0 x4またはPCIe 4.0 x4接続)、無線LANは「なし」/Wi-Fi 5/Wi-Fi 6などから選択可能。
なお本製品自体はCPUをカスタマイズできないが、「Core i7-1165G7」を採用する上位モデル「MousePro-NB211Z」(直販価格139,480円)が用意されている。より高い性能が必要なら、この上位モデルもチェックしてほしい。
【表1】MousePro-NB211Hのスペック | |
---|---|
型番 | 2205MPro-NB211HW11 |
OS | Windows 11 Pro(バージョン21H2) |
CPU | Core i5-1135G7(4コア8スレッド、2.40~4.20GHz、28W) |
GPU | Intel UHD Graphics |
メモリ | DDR4-3200 SO-DIMM 8 GB(8GB×1、最大64GB) |
ストレージ | 256GB PCIe 3.0 x4 SSD |
ディスプレイ | 14型フルHD液晶(1,920×1,080ドット、157ppi、60Hz、輝度非公表、色域非公表、非光沢、タッチ非対応、スタイラス非対応) |
ワイヤレス通信 | Wi-Fi 5(11ac)、Bluetooth 5 |
WWAN | - |
インターフェイス | USB 3.1 Type-C(映像出力、USB PD対応)×1、USB 3.1×1 、USB 2.0×1、HDMI×1、Gigabit Ethernet×1、microSDカードリーダ×1、3.5mmコンボジャック×1 |
カメラ | 100万画素 |
バッテリ容量 | 設計容量48,260mWh、フル充電容量49,795mWh(Battery reportで確認) |
バッテリ駆動時間 | 約10時間(JEITA2.0準拠) |
本体サイズ | 約324.9×219.5×19.7mm(幅×奥行き×高さ) |
重量 | 約1.35kg |
セキュリティ | Windows Hello対応指紋認証センサー |
オフィスアプリ | オプション |
同梱品 | ACアダプタ、電源ケーブル、説明書(製品仕様、ファーストステップガイド、サポートマニュアル、保証書) |
価格 | 11万9,680円~ |
エントリー向けとしては必要十分なキーボード&マウス
「MousePro-NB211H」は88キーの日本語配列キーボードを採用。キーピッチは約19.1mm、キーストロークは約1.2mmだ。底打ちするぐらい強く打つとキーボード面はややたわむが、打鍵感に違和感を覚えるほどではない。全体が沈み込むダイビングボード構造のタッチパッドは実測121×72mm(幅×奥行き)が確保されており、クリック感も良好だ。どちらももうちょっと剛性があればと欲が出てしまうが、エントリー向けとしては必要十分な品質を備えている。
Fキー | Enterキー | Spaceキー | |
---|---|---|---|
MousePro-NB211H | 0.5N | 0.54N | 0.58N |
DAIV 7N(2021年モデル) | 0.56N | 0.53N | 0.53N |
14インチMacBook Pro | 0.5N | 0.5N | 0.52N |
レノボ Legion 560 Pro | 0.55N | 0.57N | 0.52N |
100万画素Webカメラは室内灯下ではやや暗め。また、Windows 11の「カメラ」アプリでHDR proをオフにして撮影すると、ややノイズが目立った。Web会議などの際には、ある程度明るさや発色などを調整したほうがよさそうだ。
14型フルHD液晶ディスプレイは輝度、色域などは公表されていない。カラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で実測したところ、sRGBカバー率は59.1%、sRGB比は59.6%、Adobe RGBカバー率は44.1%、Adobe RGB比は44.1%、DCI-P3カバー率は43.8%、DCI-P3比は43.9%という値が出た。
実際に写真や動画を表示してみると必要十分な画質を備えていると感じるが、実測した色域はかなり狭いと言わざるを得ない。HDMI端子と、USB Type-C端子を利用して最大3台のディスプレイを接続できるので、色調整などのクリエイティブワークには外部ディスプレイを接続することを推奨する。
ステレオスピーカーは、音量自体は大きいものの、小さなスピーカーで無理に大音量を出しているようなひずみを感じる。音楽を聴いたり、ミュージックビデオを鑑賞するのであれば、イヤフォン・ヘッドフォン、外付けスピーカーなどを接続しよう。
一般的な用途には実用十分なパフォーマンス
最後にパフォーマンスをチェックしよう。今回は下記のベンチマークを実施している。
- 総合ベンチマーク「PCMark 10 v2.1.2563」
- 3Dベンチマーク「3DMark v2.22.7359」
- 実アプリベンチマーク「UL Procyon v2.1.330」
- CPUベンチマーク「Cinebench R23.200」
- CPUベンチマーク「Cinebench R20.060」
- CPUベンチマーク「Cinebench R15.0」
- 3Dゲームベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」
- ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 8.0.4a」
- 「Adobe Lightroom Classic」で100枚のRAW画像を現像
- 「Adobe Premiere Pro」で実時間5分の4K動画を書き出し
下記が検証機の仕様とその結果だ。
【表2】検証機の仕様 | |
---|---|
MousePro-NB211H | |
CPU | Core i5-1135G7(4コア/8スレッド、2.40~4.20GHz) |
GPU | Intel UHD Graphics |
メモリ | DDR4-3200 SDRAM 8GB |
ストレ-ジ | 256GB PCIe 3.0 x4 SSD |
ディスプレイ | 14型、1,920×1,080ドット(157ppi) |
TDP | 28W |
OS | Windows 11 Pro 64bit バージョン21H2 |
サイズ | 約324.9×219.5×19.7mm |
重量 | 約1.35kg |
価格 | 11万9,680円 |
【表3】ベンチマ-ク結果 | |
---|---|
PCMark 10 v2.1.2563 | |
PCMark 10 Score | 4,492 |
Essentials | 8,714 |
App Start-up Score | 11,608 |
Video Conferencing Score | 7,537 |
Web Browsing Score | 7,564 |
Productivity | 5,876 |
Spreadsheets Score | 5,381 |
Writing Score | 6,418 |
Digital Content Creation | 4,803 |
Photo Editing Score | 7,829 |
Rendering and Visualization Score | 3,094 |
Video Editing Score | 4,575 |
PCMark 10 Modern Office Battery Life | 8時間15分 |
3DMark v2.22.7359 | |
Time Spy Extreme | 500 |
Time Spy | 1,132 |
Port Royal | ※非互換 |
Fire Strike Ultra | 675 |
Fire Strike Extreme | 1,209 |
Fire Strike | 2,454 |
Wild Life Extreme | 2,025 |
Wild Life | 7,177 |
Night Raid | 10,469 |
UL Procyon v2.1.330 | |
Photo Editing Benchmark score | 3567 |
Image Retouching score | 3,368 |
Batch Processing score | 3,779 |
Video Editing score | 1,175 |
CINEBENCH R23.200 | |
CPU(Multi Core) | 4,490 pts |
CPU(Single Core) | 1,322 pts |
CINEBENCH R20.060 | |
CPU | 1,686 pts |
CPU(Single Core) | 506 pts |
CINEBENCH R15.0 | |
OpenGL | 68.42 fps |
CPU | 745 cb |
CPU(Single Core) | 195 cb |
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク | |
1,280×720ドット 標準品質(ノ-トPC) | 5,909(普通) |
1,920×1,080ドット 標準品質(ノ-トPC) | 3152(設定変更を推奨) |
SSDを「CrystalDiskMark 8.0.4a」で計測 | |
1M Q8T1 シーケンシャルリード | 2,491.000 MB/s |
1M Q8T1 シーケンシャルライト | 970.821 MB/s |
1M Q1T1 シーケンシャルリード | 1,719.613 MB/s |
1M Q1T1 シーケンシャルライト | 969.595 MB/s |
4K Q32T1 ランダムリ-ド | 332.926 MB/s |
4K Q32T1 ランダムライト | 372.294 MB/s |
4K Q1T1 ランダムリ-ド | 53.425 MB/s |
4K Q1T1 ランダムライト | 148.775 MB/s |
「Adobe Lightroom Classic」で100枚のRAW画像を現像 | |
7,952☓5,304ドット、カラ- - 自然 | 7分49秒51 |
「Adobe Premiere Pro」で実時間5分の4K動画を書き出し | |
3,840×2,160ドット、30fps | 5分41秒01 |
まずPCMark 10の結果だが、総合スコアは4,492を記録している。PCMark 10の指標「Office laptop(2020)」が4,611なので、「MousePro-NB211H」はその97%のスコアということになる。一方、バッテリベンチマーク「PCMark 10 Modern Office Battery Life」は8時間15分に達しており、モバイルノートとして長時間活躍してくれるだけのバッテリ駆動時間を備えている。
3DMarkのTime Spyでは1132を記録している。3DMarkの推定ゲームパフォーマンスを見てみると、「Apex Legends」で「Less than 30 FPS(30FPS未満)」となっていた。新しめの3Dゲームは荷が重いようだ。
ただし、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」は「1,280×720ドット、標準品質(ノートPC)」に設定すれば、「5,909(普通)」というスコアを記録した。画質設定を下げれば、ストレスなくプレイできるゲームは見つかるはずだ。
CPUベンチマークは、Cinebench R23.200で4,490 pts、Cinebench R20.060で1,686 pts、Cinebench R15.0で745 cbを記録している。これ以上のCPU性能が必要なら、上位モデルの「MousePro-NB211Z」を選択しよう。
ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 8.0.4a」では、シーケンシャルリード(1M Q8T1)で2,491MB/s、シーケンシャルライト(1M Q8T1)で970.82 MB/sを記録した。エントリー向けとしては実用上十分だが、よりキビキビした動作を欲するのであればPCIe 4.0 x4接続のSSDにアップグレードしよう。
実アプリのベンチマークでは、「Adobe Lightroom Classic」で100枚のRAW画像を現像するのに7分49秒51、「Adobe Premiere Pro」で実時間5分の4K動画を書き出すのに5分41秒01かかった。クリエイティブワークにはやはり上位モデルの「MousePro-NB211Z」を狙いたいところだ。
手頃な価格でこだわり抜いたスペックのマシンが手に入る点が魅力
「MousePro-NB211H」はエントリー向けモバイルノートということで、標準構成のスペックは決して高くはない。しかしメモリは最大64GBまで増設可能で、ストレージは高速なPCIe 4.0 x4接続SSDにアップグレードできる。国内生産なので、カスタマイズしても出荷が早いという点もアドバンテージだ。手頃な価格でこだわり抜いたスペックのマシンを手に入れたいという方は、チェックしてみてはいかがだろうか?